架空世界の放浪者ランドの「冒険日記」

「ミーハーのぷう」 ぷう著




今日のベルーアの依頼は簡単。
ウルフレックまで行って、記念の品を拾って持ってくるだけ。
これで経験値10000+10000ウンズなんて、なーんて素敵なんだろう。

というわけで、気分はルンルン。

今日は”あの日”だった。
誤解の無いよう言っておくけど”あの日”とは、今回最終回だった”あれ”のある日のこと。

あの後は、視界が広がる魔法が働くみたい。
皆が皆ではないらしいので、創造主には一応報告しといたんだけど。

創造主が言うには、普通は1024*768で世界が見えるんだって。
でも、おそらく今は1600*1200で見えてるんだろうって。

よくわかんないけど、いいや、だって綺麗だもの。
広い視界は狩りをするのにも良いんだけど、なんと言っても美しい風景が印象的。

「へえ~、こんな風に見えるんだぁ!」 

いつもと同じ風景でも、新鮮な驚き。
クァナトの中央広場も、城壁をバックに屋根が連なった全景が俯瞰して見渡せる。
特に夕暮れ時なんか、すごく綺麗。

今日の依頼を果たしたので、リターンスクロールで帰ろうとした時に、急に気が変わった。

「ここまで来たんだから、テモズまで行こうーっと」

テモズはここ、ウルフレックのすぐ隣。訪れるのはこれで3回目。
最初の印象は、「綺麗だな~、キャンプに来たいな~」 だった。

テモズに入る。
お気に入りは、なんと言っても滝、滝ですよ!
まず、そこに行かなくちゃ。

「わあぁ~!!」

青い空にそびえる頂上から吹き降ろす風に乗って、滝壺からの飛沫が爽やか。
それに今の私には、山の頂から滝壷の近くまでが一気に視野に入る。
素敵!それに周りには他に誰もいないみたい。

-- ここで断っときますが、あたしは脱ぎません。(ガーター落とした事はありますが) --

「チャ~ンス!釣橋で、写真撮っちゃお~、絶景を独り占めじゃー!」
山と滝をバックにポーズを ”決め!”

「大滝に浮かぶ、あたしのシルエットがグー!」 なんて、自己満足。
気分はめっきり観光客。

今度は街を見物だ。
クァナトと同じようなお店があるけど、テモズって、美人が多いのかな?
店主がやけに綺麗に見える。うう、負けるもんか!

「これ頂戴!」 何かしら買いまくる。
観光客気分を通り過ぎて、もう女子高生モードに突入。

「お前、大丈夫か? 脳が完全にいってるぞ」

唯一の相棒が、見かねて肩口から声を掛ける。
いつも冷静で,論理的な思考をするやつだ。

「いいのいいの、今日はハッピーなんだ」
「・・・・・」
賢い、さすが無駄な事はしない。

倉庫に入ってみる。
「もしかしてランドさんいるかな?・・・・・・むー、いない」 キョロキョロ・・

「ルクシオンさん、いたー!」

でも、声は掛けない。
舞い上がってはいても、さすがに命は惜しかったようだ。
彼の声圧だけで卒倒しかねない。

今度はキンストンのすぐ前まで行ってみる。

「あ、戦士みつるさんだ~」

アルカディアの騎士団員をみっけ。
すぐ横までいってみる。

「腕組みして、なに考えてるのかな?」

じっとしたまま動かない様子。 と、その横に現れたのは・・・

「ああ~!ランドさんだ~!!」

みつるさんの右にランドさん、そして左にあたし。

「やた!写真、写真!!」
パチリッ!「獲った、いや、撮ったー!!!」

ランドさんとみつるさんは騎士団通信で相談されてたみたい。
ほとんど同時に転送されていきました。

話しかけることは出来なかったけど、
うれしくて、話しかけることも出来なかったけど、
という訳ですが、大満足のぷうでした。

早くグリタにいきたい。
そこで会えたら、また記念写真撮ろ~。


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