お見合いパーティー

私は昔、日本で【お見合いパーティー】なるものに参加したことがある。
今も尚独身まっしぐらの友人と一緒に、二人で参加したのだ。
とある結婚紹介所が主催する、会費が数千円ほどのお安いパーティーだった。
どうせろくな奴が来ないパーティーに違いないと、参加前は思っていたのだが、行って見ると、確かに参加男性100人ほどの90%はその部類であったのだが、残り10%はまあまあイケてる奴が居た。
各自持参していた身上書には、何故か知らぬが、参加男性だけが年収を記載するようになっており、私は相手の顔より年収欄を見て話す相手を選んでいた。
パーティー終了間際には各自に紙が配られ、そこに気に入った異性3人を書くよう指示されたので、私は当然の如く、輝ける 年収TOP3 を記入して帰宅したのである。

数日後、その結婚紹介所から電話がかかってきた。
「おめでとうございま~す!マッチングしましたぁ~!」
何が目出度いのか知らんが、私が書いた番号の男性一人が私を選び、目出度くマッチングしたと言うのである。
結婚紹介所の規則通り、事務所へ出向き正式な見合いとなった。
そして、その男性との交際がスタート。
私の世界では 絶対!自発的に 交際なんぞ始まらない相手であった。
とにかく優しく、何事も計画的で、デート・コースまで企画書を書くような男性で、ナンとも面白みに欠ける男。
口数も少なく、私の話を笑顔で根気よく聞いていた。
セックス・アピールなんぞ露とも感じず、
≪このまま結婚!なんて事になったら、夫婦生活はどうしよう?≫
などと、私はお馬鹿にも考えていたのである。
数万円のものでよいと言うのに、ン十万円の指輪も買ってもらい
≪まさか、コレが結婚指輪ではあるまいナァ・・・?≫
このままいけば、 バージンロード 、イヤイヤ 2度目の既にバージン・ロスト・ロード へまっしぐら!という感じであった。

一瞬
≪こんな真面目そうな男性と再婚するのも好いかもしれない≫
≪SEXも、意外と巧かったりして・・・≫
と、頭にちらついたのだが、今一度冷静(?)になり
卑怯にも、自分勝手にも、取るだけ取ったカタチで
「貴方とは結婚できそうにもないわ、お友達としてなら・・・」
と、ハッキリ口に出したのである。
しかし、何故か今まで通り交際が続き、結局、他の多くの男友達の一人となったのである。

我々が結婚しないことが判ったからか、それからしばらくして又、その結婚紹介所から電話がかかってきた。
「○月△日、お暇ですか?無料で結構ですので、お見合いパーティーに参加して頂けませんか?」というお誘いであった。
≪タダ?オ~ッと、暇つぶしとオトコ探しの一石二鳥!≫
と、私はその結婚紹介所のパーティーに度々顔を出すようになった。
もう、いちいち紙に相手の名前も書くのも面倒くさく、意気投合したオトコどもと2次会へ~!と意気揚揚会場を後にするのだが、皆、私の愛車を見た途端
≪この女、やくざのオンナか娘に違いない≫と、
「僕、用事を思い出しましたぁ~!」と逃げて行った奴も多かった。

タダ参加の回数が増えていくにつれ場慣れし、多くの参加者から
「貴女!こんなパーティーに参加しなくとも、ご自分で相手見付けられるでしょう?」
「もしかして、 *サクラ* ですか?それともバイトですか?」
と言われてしまったのである。
≪失礼な!!!バイトって!一銭も貰ってないワ~イ!≫
と心の中で思いつつも、まさか「タダ参加」とも言えず、ひたすら食っていたのである。

そんなお見合いパーティー ごっこ が続いた○回目、私はそのパーティーで
自称 「脳外科医」 の男性と知り合ったのである。

・・・・・・つづく


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