混迷★オーストラリア男

青春純愛映画 気分でエスカレーターを跳ね上がり、電車の発車ベルに大慌てで駆け登った際に、確かカ~~~ン!と大きな音がした記憶がよみ上がってきた

≪そうだ!アン時だ!あの時に石はPa~の指から さよなら したに違いない≫

Pa~自分の指を見つめながら、電車ン中で必死に対応策を考える
一番手っ取り早いのは、同じ石をはめ込む事なのだが、この指輪、彼が自国オーストラリアの友人に依頼して作ってもらった特注品で、花のような代物が自然に入った特別な石であった

そんなモン、日本で見付かるはずも100%ない
よって、本来なら一番手っ取り早い楽チン法も無理という訳だ

≪ウ~~~ン、どうしよう???≫
≪正直に言おうか・・・≫
≪しかしナァ・・・貰ったばかりだしナァ・・・いきなり失ったなんて言えんナァ・・・≫

友達や先輩に相談すると、皆が口を揃えて
「絶対、正直に言うべき!!!」
と言ってはいたが

結局、無い頭を必死に捻った挙句、Pa~は無視する事に決めたのである

数日後のPa~誕生日前日
「急遽仕事がキャンセルになったから明日会おう!」と、彼から連絡が入った

≪ヒエ~~~ッ!誕生日当日にプレゼントの指輪ナシ?≫
もうこなったら開き直るしか他に無い
結局その日、昼間は他の男とデートをし、そいつからも指輪を頂戴し、その指輪をはめたまま、夜にオーストラリア純情彼とデートしたのである

しかしながら、彼は一言も指輪について触れようとしなかった
≪まるでマジシャンのように、巧く手を隠していたから気が付かなかったのかも…≫

大馬鹿Pa~が、その事を友人達に告げると
「あんた馬鹿じゃないの!?自分が贈った指輪を着けてくれているかどうか、彼は確認したに決まっているじゃない!」

≪そうか・・・≫
≪そういうもんだろうナァ・・・≫
≪まあ、イイっかぁ・・・≫
≪『自分が贈った安物より、豪華絢爛リングが好きなんだ』と認識したかも?≫
単純極悪冷酷オンナPa~であった

その後も付き合いは続いてはいたが、友人や先輩達が言っていたように、その日を境に彼の態度は益々純情青年振りを発揮、Pa~に手出しをするような気配も完全に消えたある日また、彼のぼろアパートへ誘われたのである

その時既に、気まぐれPa~の彼への気持ちは50%ほど覚めかかっていたのだが
≪今度は、ちゃぶ台の上に何があるんだろう?≫
などどマジで考え、彼と共にアパートへ向かった

今回の彼は何か意を決した様子が見え見えで、手出しを したいしたい 虜にかかっており、何かとPa~に近づいてくる
それらから巧くすり抜け、 したいしたい ムード漂う部屋の空気を変えようと、Pa~は窓際へ行った
すると、案の定彼はPa~の後にやって来て、後ろから腕を回した

≪オ~ッ!なかなかやるではないか!≫
≪青春純愛路線だと、この腕でクルッとPa~を回し、そして向かい合った二人は目と目を見詰め合い、自然に唇が合わさって・・・≫
≪キャァ~~~ッ!!!恥ずかし~~~い!≫
≪やっぱり、純愛ちゅうのは恥ずかしいもんだわさ~!≫
などと、これまたお馬鹿な事が頭によぎっているところに、彼の腕に力が加わったと同時に、Pa~は窓をガラッと開けた

すると!そこには彼の洗濯物が干してあり、Pa~の目に ブルーのブリーフ が飛び込んできた
≪ぎゃぁ~~~~~~~~っ!!!!!!!!!≫

Pa~は、その ブルーのブリーフ を見るや否や、大慌てでおんぼろアパートを飛び出したのである

つづく・・・・・・・・・・・・


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: