今日は文楽の第2部にいってきた。
朝から仕事をして、2時からの公演に間に合うようになんとか仕事をしあげて、出発する。
今回は、前のほうでかつ床(浄瑠璃をかたる太夫や三味線などの音曲を弾く人がいる場所)に近いところだった。
今回は妹背山女庭訓(いもせやまおんなていきん)の4段目
蘇我入鹿が帝位を狙っているのを、忠臣藤原の鎌足が阻止せんとするという大化の改新の史実を借りて、創作した話。
藤原鎌足の息子淡海が浪人に姿をかえて町屋に暮らしているという設定で、近所の酒屋では井戸浚いを近所の男衆にしてもらい、あとは飲めや歌えの大宴会となっている。このときに裸の男たちが音頭に合わせて踊るのが滑稽で楽しい感じ。
酒屋の娘お三輪はその淡海とは親しい仲で今日は七夕ということで、娘は仲がうまくいくようにと願掛けをしている。
ところが、淡海の家に身なりの良い女性が訪問する。それをみかけた酒屋の丁稚がお三輪にご注進。気になるお三輪は淡海を呼び出して責めているところに、その女性も現れて、淡海の取り合いになる。
姫とお三輪と淡海が3人で踊るすがたは、本当に美しいし、浄瑠璃も三味線もぴたりとあってすばらしい。
とりわけお三輪の姿は若さにあふれてぴちぴちとした、明るい色気を感じる。
しかし、淡海も女性は逆臣蘇我入鹿の妹橘姫ということもあり、お三輪は一途に淡海を思っているという状況で、どちらを選ぶかはっきりしない態度(だいたい文楽の優男は、ずばっとした決断は苦手のようだ)
姫は時間が遅くなり城へ帰らねばと去っていき、苧環の端に針をさして姫の衣装につけてそれを追う淡海、さらに淡海の衣装に針を刺して同じように追うお三輪。
一方入鹿の御殿では、鎌足の代理という鱶七という男が乗り込んで、入鹿とかけあいをしている。橘姫においついた淡海は、身分を打ち明け、姫はあなたのためならなんでもするということで、入鹿が帝より奪い取った神器を盗み出すよう指示する。姫はもちろんやる気満々。そこまでしてくれるならと、祝言の約束までする。
お三輪もようよう追ってくるが当然奥深くまでは入ることもできず、城の女中方に、奥へ入りたければと、芸をしろとかいわれて、馬子歌まで歌わされ泣く泣く歌ったけれど、笑い物にされて、結局奥へはいれてもらえず、恋人を取った姫への恨み、今受けた辱めへの情けなさ、心変わりした淡海への怒りに泣きかつ怒り狂う。
ここのところのお三輪の心持が、人形の動き、三味線の音、浄瑠璃のすべの力があわさって、見ている人にぐぐーっと入ってくる。
鱶七はその様子をうかがい、お三輪を刺しころす。入鹿というのは、霊力あって簡単には殺せず、その力をそぐためにはお三輪のように執着極まる女の生血が必要というわけを言って聞かせ、お前の命が淡海の助けになる、お前はまさに北の方といわれ、お三輪は納得して死んでいく。
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