幸せ探し

幸せ探し

2019年08月03日
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(続き)
由良之助は誰もいない座敷で密書の封を切って読み始めた。
たまたま向かいの部屋の2階でおかるは涼んでいたのだが、由良之助がいかにも真剣に女文字の手紙を読んでいるのを見かけて、恋文かと好奇心であり合わせの手鏡をかざして、その文面を読みとろうとした。
また、床下からは九太夫が手紙の中身を読みとろうと必死になっている。
おかるのかんざしが下へおち、その音で由良之助は女が密書を覗いていたことを知る。
この女は密書の中身を知ってしまったのかと気になる由良之助だが、さりげない様子で手紙を見たのかとかまをかけるが、おかるもうまく話をはぐらかす。
そこで「前からお前の事が気になっていた。お前を身請けしてやろうか。」と誘う。最初は用心していたおかるだが、身請けしたあと、3日でも一緒に暮らせれば、好きなところへ行けばよいと言われたので、勘平の所へ戻れる(おかるは勘平の死をしらない)と思い、ぐっと乗り気になる。
由良之助は帳場と身請けの話をしてくると、部屋を出ていく。
おかるが一人でいると平右衛門があらわれた。
「私は勘平さんの面目を立てるために、こんなところに身売りをして恥ずかしい。」
「いやお前の心掛けは立派だ、何の恥じることがあろう。」
「先ほど由良之助様から身請けの話しがあった。」
ほとんど面識のない女郎をなぜ身請けするのかということで、平右衛門はおかるが密書を読んだための口封じかと思いいたる。そこで、平右衛門は脇差を抜いておかるにきりかかる。
「兄さんなにをするの。」と身をかわすおかる。
「そなたの口を封じるための、突然の身請け話だ。その前に密書を読んだ女の口を封じたと言う手柄をもって、なんとか仇討の端にくわえてもらいたい。足軽と言う軽い身分の俺だから、せめて手柄を立てねばな。」
「ちょっと待って、気持ちはわかるけれど私は勘平さんに会うまでは死ぬわけにはいきません。」
「それがな、実はわしは、母親のところによって、おやじが山賊に殺されて金を奪われ、いろんな事情があって勘平は自害してしまったと言う話を聞いてきたのじゃ。」あまりのことにおかるは、気を失うが、平右衛門の介抱で気がつき、「このうえ兄さんが私を殺せば、おっかさんがどれほど嘆くか。私は自害して、勘平さんの後を追いますから、兄さんは私の首を切るなりなんなり、手柄にして仇打ちに参加して下さい。」
そこへ由良之助が戻ってきて、「話は聞いた。二人の心底あっぱれじゃ。平右衛門には連判状47人目としてくわえてやる。おかるは生きながらえて、勘平始め諸々の追善供養をしてやれ。勘平は連判状に名前を載せたりとはいえ、敵を一人も討ちとっていない、妻であるそなたが夫に代わり・・・」と言いながら平右衛門の抜いた脇差におかるの手を添えて、畳の下につき通し隠れていた九太夫を刺し殺す。
九太夫は床下から引きずり出され、平右衛門によって川になげこまれることになる。(おしまい)







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最終更新日  2019年08月03日 09時00分07秒
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