Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2011/02/10
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カテゴリ: カクテルブック
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 日本最初のカクテルブックである「カクテル(混合酒調合法)」(秋山徳蔵著、1924年=大正13年=10月刊)について、私はその「復刻連載」を30回に渡って続け、先般、ようやく完結することができました。
s-IMG_7916.jpg
 しかしながら、秋山氏の本が世に出てからわずか1カ月後の同年11月に、前田米吉という方も「コクテール」という本= 写真左 =を出版しています(ハードカバーで約260頁)。

 秋山氏の本が個々のカクテルの作り方をすべて文章だけで表現しているのに対して、前田氏の本は、約300種のカクテルについて、「***2分の1、***3分の1」というように、今風の分量表記で作り方を説明しています。だから、当時のプロのバーテンダーにとっては、前田氏の本の方がより実用的で、仕事に役立つカクテルブックだったに違いありません。

 「コクテール」は定価「金五円」(末尾 【注1】 )と当時としては決して安くはなかった本ですが、数多くの飲食業界(とくにカフエやバー関係)の人たちに支持されて結構売れたためなのか、発売後にすぐ再版されています。

 しかし残念ながら、前田氏の本もおそらくは戦前の段階で絶版となっており、現在では古書市場でも手に入れることは極めて困難です。私は、今回、幸運にも前田氏の本「コクテール」をお持ちのバーテンダーの方と出会い、「貴重な内容がこのまま陽の目を見ないのはもったいない。現在のバーテンダーにもその内容をぜひ紹介したい」とその趣旨を説明したところ、快くお貸しいただけました。s-前田米吉氏IMG_8045.jpg

 そこで、次回から秋山氏の本に引き続き、前田氏の「コクテール」の内容を出来る限り、忠実に紹介していきたいと思います。秋山氏の連載時にも記しましたが、出版から50年以上が経過しているため、出版元の著作権は切れています(一般的には、出版社に帰属する場合がほとんどとのこと)( 写真右 =「コクテール」の中で掲載されている前田米吉氏の顔写真)。

 ただし、前田氏のご遺族がもし著作権を継承していた場合は微妙です。死後まだ50年が経過していなかった場合は、著作権侵害になる恐れがあります。前田米吉氏本人は生年没年不詳で、現在ではご遺族や関係者等まったく消息不明の方です。出版元で勤務先でもあった「カフエライン」も現在はありません。私自身は、前田氏のご遺族と連絡をとりたいと強く願っていますが、未だ叶っていません(末尾 【注2】 )。

 万一、前田氏のご遺族からクレームがあった場合は、「前田氏の偉大で貴重な功績を後世に伝えるための連載で、私自身一切の利益は得ていないこと」を伝えて理解していただくつもりですが、ご理解を得られない場合は、その時点で連載は中止し、過去分についてもすべて消去しますので、あらかじめご了解ください。


【注1】 大正13年当時の「金五円」はどれくらいの貨幣価値があったのか。「値段史年表」(朝日新聞社刊)によれば、SPレコード1枚1円50銭、板橋の3LDKの家の家賃が5円20銭、小学校教員の初任給(月給)は12~20円だったといい、この本の値段は相当高価なものだったことがわかる。
【注2】 その後の2017年、筆者は幸運にもご遺族と連絡をとる機会に恵まれ、前田氏の生没年も判明(1897~1939)した。


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うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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