Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2011/04/04
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カテゴリ: カクテルブック
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75. マアテニーズコクテール【注93】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ゴルドン・ドライジン        三分の二オンス
 マアテニーロシー・ベルモット  三分の一オンス
 オレンジビタ            一振り

 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。


【注93】 ジンは「ゴルドン(ゴードン)」に代わったが、ベルモットもマルチーニ社の「ロシー(赤)」に代わっている。今日の標準マティーニ・レシピでは、ベルモットは当然「ドライ」を使うが、この時代(1900~1920年代)はスイートベルモットを使うのが一般的だった。マティーニ発展の歴史の知られざる一面だ。


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76. マアガレトコクテール【注94】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 トムジン             三分の二オンス
 伊太利ベルモット       三分の一オンス
 オレンジビタ          一振り
 マラスチノー          一振り

 を加え、最も強くセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。


【注94】 「マアガレトコクテール」は、現時点では前田氏のカクテルブックにしか見られないカクテルである。


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77. マイフエールコクテール【注95】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ドライジン              二分の一オンス
 プレーン・オレンジジュース    二分の一オンス
 クロウエー・シロップ 【注96】     少量
 アツプリコ・シロップ 【注97】     一、二振り

 を加え、最も強くセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。


【注95】 「マイフエールコクテール」は、現時点では前田氏のカクテルブックにしか見られないカクテルである。

【注96】 「クロウエー・シロップ」は詳細不明です(情報お持ちの方はご教示ください)。
【注97】「アツプリコ・シロップ」とは、文字通り「アプリコット」(アンズ)のシロップ。ちなみに英語ではApricotだが、仏語ではAbricot。


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78. フエルバンクコクテール【注98】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ジン              二分の一オンス
 フレンチベルモット      二分の一オンス
 オレンジビタ          一振り
 ノワイヨー・ローズ 【注99】    一振り

 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にオレンジの皮の小片を搾り込んですすめる。


【注98】 「フエルバンクコクテール」は、レシピから類推するとサヴォイ・カクテルブック(1930年刊)に登場する「フェアバンク・カクテル」と同一と思われるが、もちろん前田氏の本(1924年刊)の方が6年早い。なお、前田氏のレシピはジンとベルモットが等量だが、サヴォイ・レシピはジン3分の2、ドライベルモット3分の1と、やや辛口の仕上がりとなっている。

【注99】 「ノワイヨー・ローズ」の「ノワイヨー」とは「クレーム・ド・ノワイヨー(Cr?me de Noyaux)」(桃や杏の核を主成分とし、アーモンドやヘーゼルナッツの風味を持つ)リキュールのことを指すと思われるが、「ノワイヨー・ローズ」とは何を指すかは不詳である。なお、サヴォイ・カクテルブックでは「クレーム・ド・ノワゼット(Cr?me de Noisette)」との名で紹介されている。


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79. フエルネットコクテール【注100】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 フエルネット・ブランカー 【注101】  四分の二オンス
 ウイスキー          四分の一オンス
 ブランデー          四分の一オンス
 ガムシロップ         二振り
 アンゴスチュラビタ       一振り

 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。

【注100】 「フエルネットコクテール」は、現時点では前田氏の本でしか見られないカクテルである。

【注101】 「フエルネット・ブランカー」とは、1845年、イタリアのミラノのブランカ家が創製したビター系のハーブ・リキュール。ゲンチアナ、カモミール、リコリス、ジンジャー、サフラン、リュバブなど約30種類のハーブ・スパイスを、ワインとブランデーの混合液に浸漬・濾過し、オーク樽で熟成させて製品化する。現代の表記では「フェルネット・ブランカ」。


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80. フユブコクテール【注102】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ブランデー          二分の一オンス
 伊太利ベルモット       二分の一オンス
 ベネデクチン         テースプーン半杯

 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之に一個のマラスチノー・チェリーを加え、尚ほレモン皮の小片を搾り込んですすめる。


【注102】 「フユブコクテール」は、サヴォイ・カクテルブックに「フロープ(Froupe)カクテル」として紹介されているが、他のカクテルブックには見られない。前田氏のレシピはサヴォイのとまったく同じである。


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81. フラントンコクテール【注103】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 ホワイトポート        一オンス
 アンゴスチュラビタ      二振り
 ブランデー          少量

 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉してすすめる。


【注103】 「フラントンコクテール」とは、現時点では前田氏の本でしか見られないカクテルである。


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82. フルートコクテール【注104】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 フレンチベルモット      二分の一オンス
 ピコン            二分の一オンス
 オレンジビタ         三振り
 ブランデー          少量

 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉してすすめる。


【注104】 「フルートコクテール」は、現時点では前田氏の本でしか見られないカクテルである。


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83. フオドコクテール【注105】
 調合グラスに約半分の砕き氷を入れ之に

 フレンチベルモット      三分の二オンス
 トムジン           三分の一オンス
 オレンジビタ         二振り
 ドム             テースプーン半杯

 を加え、バースプーンにてよく攪き廻したる後、コクテールグラスに漉し、之にレモン皮の小片を搾り込んですすめる。


【注105】 「フオドコクテール」は、現時点では前田氏の本でしか見られないカクテルである。「フォド」は車の「フォード」のことと思われるが、1908年に発売された「T型フォード」にちなんだカクテルか。


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84. プリンセスマリーコクテール【注106】
 コクテールセーカに二三塊の氷を入れ之に

 ドライジン           三分の一オンス
 クレーム・デ・カカオ     三分の一オンス
 ミルク             三分の一オンス

 を加え、よくセークしたる後、コクテールグラスに注いですすめる。


【注106】 「プリンセスマリー(メアリー)コクテール」は、ハリー・マッケルホーンのカクテルブックやサヴォイ・カクテルブックにも登場する古典的カクテル。有名なカクテル「アレキサンダー」のベースをブランデーからジンに代えたもの。前田氏のレシピは、生クリームの代わりにミルクを使用している以外は、両著とまったく同じ(大正年間は生クリームなどまだ貴重品だったのだろう)。
 なお、原著では「プリンスマリーコクテール」となっていたが、明らかに「プリンセスマリーカクテル」の誤植であるため、復刻版では修正した。


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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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