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March 24, 2013
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朝の通勤電車で目に入ってきた中吊り広告のタイトル
「奇跡の一本松、美談か茶番か」の文字
補修に1億5千万で耐久年数はたったの10年。

陸前高田で津波に耐えた松をプラスチック加工して保存するらしい。

記事が目に入った途端、なんだか腹が立ってきて
陸前高田まで斧でなぎ倒しにでもいって来ようかなんて気持ちが沸き起こる。

でも実家ではこの松の事何にも話題にしてなかったなぁ。
まあ隣の市の事だからだけど。
1億5千万あれば、町の企業の数社でも再建の足しになったろうに。
余裕のある時ならまだしも、なんで今この時期に松にそんな金かける?
あの賢そうな高田市長も承諾したのか?

怒りと共にいろんな疑問が駆け巡った。

第一、住宅だって高台移転とかまだ決まってなくて修復も建てることも躊躇してる人が大勢いるのに、あのダイレクトに波受けるだろう場所にある松はいいの?

陸前高田であの松を見たのは震災から1年後位。
高田の町は何にもなくて、瓦礫の山と行き交うトラックと砂埃だけの風景。
遠めに見えたあの松は、本当にか細く小さくて、松だかなんだかわからない
腐った棒切れみたいだった。

形あるものはいつか滅びる。津波に会おうが会うまいがいずれ朽ち果てるのが
本来の姿だ。なぜそれを教えない?自覚しない?
過去にしがみついてないで、新しい町を目指して新しい松に変わる何かを育てて
いくべきじゃないのか?

一通り腹を立てた日から数日後、大船渡の実家から届け物がきた。
近所のおばさんが今回の津波で全国紙の取材を受けて新聞に載ったのと、おじも
同じ新聞の地元版にのったから見てと、コピーが送られてきた。
(母は記事云々よりこの新聞に、最近飼い始めた犬も一緒に写っていて、それが見せたかったらしい)

その新聞のコピーと一緒に、家で採れた野菜も入っていて、緩衝材に地元の「東海新報」という新聞が数部入れてあった。記事は少ないけれど、地元の情報が詳しく書いていて、地元にいた時は必ず見ていた新聞。東海新報とかは結構中立な意見を載せるので、あの松の事とか何て評価してるんだろうと思っていたら、偶然にもその緩衝材の新聞の中に松の記事が書かれていた。

タイトルは「よみがえった立ち姿」と関連別記事で一本松「市長印」完成という記事も。
私の怒りとは裏腹になんとも穏やかに受け止めているタイトル。

記事は淡々と復元の経緯と現在の状況を記載し、反対意見があった事、逆に全国から復元に賛成する寄付があった事などが書かれていた。

なんだろう。いいとか悪いとか無駄とか無駄でないとか単純ではないのかな?

この松を見ただけで、地元の人は頑張ろうと思ったり、在りし日の高田の姿を思い出したり、色んな思い出の象徴や、自分を奮起させるお守りのようなものと考えればいいのかな?
この松があるだけで、数年にわたり地域の大勢の人の心の何かが救われるのなら、1億5千万の金額ってありかもね。なんて気にもなってきた。
この松は心を癒すヒーラーのようでもあり、みんなの願いを聞く神社のようでもあり、ここにあって何役もこなすのかな?知名度もあるから、これで町を活気つけるための宣伝もできるのか。
損得や、目に見える有用無用で物事をすっぱり切り捨てている自分の思考が、ゆとりや情緒を忘れかけてしまっっていたようで切なくなった。

松みて元気になるって素朴じゃない?花見て元気になるとか。そういう心の人達だもんね。
そうだそうだごめんごめん。
ここ数年の不景気で、世の中殺伐としていて、自分達に関係ないお金の使途にまで敏感になる風潮だから、批判も多くあると思うけれど、有効に活用していけば結果オーライな・の・か?







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最終更新日  January 4, 2015 02:57:21 PM
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