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1.ことの始まり―――司法書士は財産のある高齢者を見つけると「成年後見契約」を勧誘する
2004年4月,母が父の遺言書の検認について,事務所が近くにあるということで,“問題の司法書士”に相談の電話をしたのが事の始まりでした.
母が遺言執行人だったのですが,当時89歳だった母は当然,銀行手続きなどできる筈も無く,その司法書士が執行人であるかのように介入してきました.
母は独居となっていたのですが,私たち夫婦は近住しており,妻が毎日のように母を訪問して面倒を見ていました.司法書士は頻繁に実家に来ていたと妻から聞いていましたが,私はてっきり,執行手続きを手伝ってくれていると思っていました.
父の遺言書はその10年ぐらい前に書かれたこともあって,総ての遺産は母に相続させるという内容でした. 司法書士はこの財産内容を全部知ってしまったのです .
司法書士は,長男で身元引受人である私と妻に話さないように 母に口止めをして,
「財産管理委任契約」および「任意後見契約」を結ばせていたのです.
さらに,母は以前に自筆の遺言書を書いていたにも拘わらずそれを没にさせて, 司法書士自身を遺言執行人とする「公正証書遺言」
を作らせていたのでした
. その際,もう一人の証人はその司法書士の息子でした.
私が何かおかしいと思って問い詰めた結果として,知らされた時は契約から半月後で,既に総ての財産は契約受任者である司法書士に渡されていました.
隠していたことについて詰問すると,その司法書士は「 二人の間の契約で,第三者には関係ない」という返事
だけでした.
当時この制度が成立して間もない頃で,一般にはまだあまり知られていなかったし,私も知りませんでした.ましてや89歳の母が知っていた筈もありません.
この制度は,2000年4月に介護保険制度とセットでスタートしたもので,もともとは,既に認知症や重い病を患っていたり,まだ患っていないがその心配のある身寄りのない高齢者や障害者を対象に消費者被害から守り,財産を安全に守るという趣旨でつくられた制度なのです.
最近では,しっかりした身寄りがいる高齢者を勧誘してこの制度を契約させているケースが増えてきているようだ.
89歳の高齢者を説得してこれらの契約をさせることは,非常に簡単である 事は容易に想像できるでしょう.
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