爬虫類、我が喜び

爬虫類、我が喜び

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2022.09.25
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カテゴリ: 爬虫類

晩夏の頃、いかがお過ごしでしょうか。どうも、ぱんくです。

今回のブログはヒガシヘルマンリクガメについて。

ご存じの方も多いとは思いますが、カメ飼育者の方々はすごい方が多すぎて、僕みたいなペーペーがこのテーマを書くのは・・・と躊躇っていたのですが、初めてリクエストいただいたので今回はこちらで。

とはいえ飼育方法教えます!なーんて偉そうなことをとてもじゃないので言えないので、今回は僕の飼育環境や私見のご紹介といった感じで書かせていただきます。だって自信なんてないからねっ!!というわけでイカよろしくー


ヒガシヘルマンリクガメとは



学名:Testudo hermanni boettgeri
和名:ヒガシヘルマンリクガメ
英名:Eastern Hermann's Tortoise
甲長:♀340mm ♂200mm
原産地:イタリア、スロベニア、クロアチアなどの東ヨーロッパ地域

一般的にヘルマンリクガメというと「ニシ」と「ヒガシ」の2種類がメジャー。
ニシはそのまんまスペイン・フランスなどの西ヨーロッパ。コルシカ島産のが有名ですね。
ヒガシは東ヨーロッパが原産となります。

何が違うの?と言われると最終サイズの違いで、ヒガシの方が大きくなります。
特にメスはニシヘルマンの場合、最大サイズ200mmとヒガシに比べると大分小さいです。
オスは190mmと大体同じサイズみたいです。
また甲羅の模様の出方も異なるそうですが、そこらへんは詳しい人に聞くか専門書をご覧ください。(投げやり)




​飼育環境について​

毎度おなじみなんですが、飼育する上で情報を原産地の情報を得るのは非常に重要になります。
YouTubeに野生下での様子を収めたものがありましたので、ご覧ください。(フランスの映像なのでニシヘルマンですけど、そこはご愛敬)

The Hermann's tortoise (Testudo hermanni)

いやー、可愛いですねw力強い足取り、立派な甲羅、可愛い顔、最高ですね!!
特に川に水を飲みに行く様子はすごいですね。「えっ?その小さい足でそんなとこ進んじゃうの?」みたいな。

....と話は脱線しましたが、こういった環境で暮らしているわけですね。見た感じ日本の野山をより乾燥させた感じでしょうか?

加藤 進 先生著の『世界のカメ』を見ると「海辺から標高500m程度の海岸砂丘や農地、林等に生息する。日当たりの良い草原に多い」とありますので、まぁ、そんな感じ?

気候については、生息地であるボスニア・ヘルツェゴビナ(サラエボ)のデータを下記に記載いたします。※カッコ内の数値は東京の気温です。

夏場
最高平均気温:27度(31度)
最低平均気温:14度(25度)

冬場
最高平均気温:3度(9度)
最低平均気温:-5度(2度)

夏場は日本(東京)より若干涼しく、昼夜の気温差が激しい。なので日本の一番暑い時期に外に出すのは厳しいかもしれません。
冬場は逆に東京の方が温かいですが、恐らく現地ではこの時期は冬眠していますね。

ちなみに「夏場でも14度だから!!」って温度下げるとに風邪をひくと思います。気温の変化見て気づいたんですけど、これ山梨県の河口湖町と気候似てるんですよね。昼あったかいけど、夜寒い。
人間の場合、夜は家で休みます。寒いから。カメの場合は土や草むらの中に潜り込んで暖?を取っていると思うので、その点を加味した上で飼育できないならマネしない方が良いと思います。
(屋外でカメを飼育してる方が以前スペースで急に気温が下がった夜の翌日にカメを探したら、普段入り込まない草の中で寒さを凌いでいた、なんておっしゃってました。)






亀の飼育環境Verトロ舟 

ケージの代わりに工事現場で生コンをコネコネするトロ舟80Lを使用。

亀界隈だと当たり前だと思いますが、初めて買う人は意外と知らなかったりするこのトロ舟。リクガメを飼育する場合、ケージのサイズは大体甲長の3倍は必要な為、ヒガシヘルマンリクガメの場合は90cm水槽が必要になります。
このトロ舟の寸法は 807mm×500mm×高さ207mmとベリーナイス寸法。パンテオン9045のお値段が2万越えということを考えると非常にリーズナブル!!


当初はパームチップを使用していたんですが、パームチップだとカビやすそうだし、爪が削れないと考えて赤玉土に。この爪が削れるってのが個人的には重要で(爪切りたくないから)、爪が削れるようにレンガや石などを随所に設置してます。
なお左のホットエリアには赤玉土の上に大きめの砂利を設置しました。これはわざと足場を悪くして足腰を鍛えるためですね。
水入れもバスキングランプの近くに設置して保湿効果を狙いました。

昼行性の生き物の為、バスキングライトと紫外線灯は必須。バスキングライトは紫外線も出る水銀灯のZOOMEDのパワーサン80W、サブの紫外線灯はレプティサン10.0を使用。


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ちなみにこのトロ舟ケージなんですが、今は使用していません。
なぜなら棚の一番下に置いていたせいでカメの様子が見えにくくて全く楽しくなかったから・・・

そして今使用してるケージが下記です。



はい、自作ケージです。
やはり爬虫類飼育者たるもの、一度はケージを作らないと・・・と思って作りました。寸法はほぼ9045ケージです。

床材は当初前面に赤玉土を敷いていたのですが、食べ残しやらなんやらで虫が発生するし、カビが出るのでメンテナンス重視の現在のレイアウトに。

ライト類は前回同様です。温度分布はホットが40度前後、クールが27度程度。本当はもっとクールエリアの温度を下げたいんだけど、このケージサイズだとこれが限界・・・バスキングライトを外に出したいんだけど、それもスペースがなくて難しく。現在対策を検討中です。

ちなみに中央にあるのはタートルボーンというイカの骨です。リクガメのカルシウム補給や嘴の摩耗を目的としています。(嘴削りたくないからね。)


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餌について



次は餌についてです。

ヘルマンリクガメはほぼ草食性のリクガメになります。
我が家ではメインに小松菜、レタス、サニーレタス、サラダ菜、桑の葉を使用し、サブで人参、オクラ、モロヘイヤ、トマトを与えています。餌にはカルシウム剤などのサプリを必ず添加。カメはカルシウム要求量が多いので。

人口餌はマズリとマルベリックドライを与えていますが、なるべく人口餌を与えないようにしています。

以前病院で聞いた話のですが、飼育されているリクガメは10年生きられない子が多いそうで、その死因は栄養過多によるものだと聞きました。なので栄養価の高い人口餌は常食を避けています。

カメで有名なショップで話を伺った際でも餌に人口餌は基本使用しないとのことでした。もし与えるのならば、週に一度もしくはそれ以下にした方がいいそうです。

その際に勧めていただいたのが人口餌がマズリだった為、現在はそちらを使用しています。なおお店で話を伺った当時マルベリックドライは未発売で是非については聞けませんでしたが、データを見る限り問題なさそうだったので、マルベリックドライも採用しています。

また草食性とは言え、雑食性の性質もあるため、昆虫なども食べます。

ちなみにカメが一番好きな餌がモニターフィードというオオトカゲ用の餌だったりします。
一度リッジテールモニターを外に出している時にカメをリッジのケージに入れた時があって、その際、ものすごい勢いで寄って行って食べようとしてたのがモニターフィードの食べ残しとリッジのフンでした。

​​元々リクガメにはスカベンジャーの性質があるそうなので、野生化でも肉食動物が残した食べ残しの死骸やフンをたんぱく質補給のために食べているのかもしれませんね。

今でも月一位でモニターフィードは与えていますが、あまり頻繁に与えるとたんぱく質過剰で病気になったり、甲羅がぼこぼこになるのでご注意ください。


レプタイルワームを与える。


温浴について


温浴については、飼育者によって賛否両論別れる鉄板のネタですね。曰く、自然環境で温浴なんてあるわけないってね。

元々の温浴の起源というか初めは、海外から飲まず食わずで送られてくるリクガメに対して、水分補給をさせることが目的でした。つまりショップでの立ち上げが終わった個体やブリーダーさんから購入する個体には必要ないということです。

ちなみに僕は温浴賛成派です。なぜかというと、リクガメ自体あまり水を飲まないために水分不足から結石になりやすい生き物です。クリーパーNo83号に記載されている「いしかわ動物園」の飼育員である野田英樹さんのレポートにも結石によるケヅメリクガメの死亡事例が報告されています。(記事自体は与える餌による結石の発生の有無についてですが、結石の原因は水分不足によるものではないかと推測されている。)

この結石発生のリスクを軽減するためには、リクガメに水分を摂取させる必要がありますが、その効率的な手段が温浴ではないかと考えています。

もちろん温浴自体にもデメリットもあります。それは温浴することにより、未消化の餌が排泄されてしまうことです。

当然毎日のように温浴をさせていれば、未消化のまま餌が排泄され、どんどん痩せていってしまいます。
じゃあどうするかというと、水分含有量の多い餌(トマトやキュウリ、水分を多量に含んだ人口餌など)を餌に加えて摂取水分量をある程度確保した上で、保険として週に1度程度温浴を実施するのが良いと考えます。

まとめ





ケージサイズ:90㎝以上
飼育温度(室内)
高温箇所:30度~40度※バスキングスポット
低温箇所:25度程度
※屋外で飼う場合、一番暑い時期である真夏の日中は避けるた方が良いかも。また冬場は都内などなら通年外飼い出来ると言われているが、まだ弱い幼体などは室内に入れた方が良いと考えます。
湿度:40度以上(乾燥しすぎると甲羅が凹つきます。)
紫外線ライト:必要(10.0)
バスキングライト:必要(あまり強くない方がいいかも・・・)
エサ:野菜や野草など。人口餌は毎日は避けた方が良い。
温浴:飼育状況により、適時実施

以上が僕の飼育方法についての考えです。冒頭でも述べた通り、カメの飼育方法は非常に奥が深く、これまで記載した内容もあくまで私見となります。実際に飼育される場合はショップやブリーダーの方に相談しながら、飼育をしてくださいね。

最後に参考文献を下記に記載いたしますので、もし飼育方法に悩まれた場合はそちらも参考になさってください。

世界のカメ リクガメ科
カメ研究で有名な加藤進先生の自費出版の本です。世界のリクガメについて書かれた図鑑。リクガメについてこれほど愛情をもって書かれた方はないのではないでしょうか?ところどころに「殖やして欲しい」って書いてあるのがツボ。これはマストバイ。


リクガメの飼い方 [ 吉田 誠 ]

リクガメの飼育書では一番メジャー。各飼育者の飼育方法についての記載が多く、ケーススタディな面でもお勧め。お値段も手ごろです。



カメの家庭医学百科 飼育の基礎と病気/本 書籍 亀 かめ 飼育書 爬虫類 レプタイル 小家山仁著 アートヴィレッジ

もう飼育に関してはこの本1冊あれば良いんじゃないかな?リクガメのみならず、沼ガメ等の情報も含めたカメに関する飼育や病気などすべて網羅してあります。僕も最近買った。もっと早く知っていたかった・・・

​​
爬虫類 長く健康に生きる餌やりガイド [ 安川 雄一郎 ]

カメのみならず爬虫類全般に関する栄養学(餌)の本。全て読まなくても部分的に読み解けるようになってるのでお勧め。これは爬虫類飼育者なら買うべき。しかし富水さんもおっしゃてたけど、この本は書名が良ければもっと売れたろうに・・・






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最終更新日  2022.09.25 07:00:39
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