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February 28, 2016
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カテゴリ: 特撮映画

 プロレスはリアルではなくて、ファンタジーだ、といわれる。
 かつては、真剣勝負ではなく、八百長だ、という言い方をされていた。

 ファンタジーという表現はいいと思う。
 八百長は、賭け事でズルしているような印象がある。
 しかし、ファンタジーは、プロレスが、真剣勝負や競技という枠内では得られないエンターテインメントであることがそこはかとなくわかる。

 付け加えると、プロレスのファンタジー性は、試合内容の筋書きだけの話ではない。
 以下のようなレスラーも、プロレスの世界では許容されていた。
 ザ・マミー:ヒューストンの港に貨物船が入港し、積荷に古い柩があった。その中から、古代エジプトのミイラが蘇りマットに上がった。
 ザ・コンビクト:ニューヨークのシンシン刑務所からの脱獄犯が、覆面をかぶり正体を隠してプロレスラーになった。

 プロレスだけでなく、ホラー映画やモンスター映画などのジャンル系映画も、プロレス的なファンタジーだと思う。
 だが、プロレスや映画のファンタジーについて、成功しているかどうか、おもしろいかどうか、あるいはそういったものを楽しめる感性があるかどうかは、また別の問題なのだ。
 受け入れる側としては、あまりにファンタジーに飛躍がありすぎるとついていけなくなる。

 といったところで、『メガ・シャークvs.メカ・シャーク』を見てみよう。

 この映画では、女性科学者ロージーがメカ・シャークに乗り込んで、世界の脅威であるメガ・シャークと闘う。

 リアルな場合を考えたら、例え新兵器を開発した人間であろうと、科学者が戦闘要員となることはありえない。
 しかし、そこはファンタジーの設定なのだ。
 ガチガチな戦闘員がメカ・シャークでメガ・シャークを迎え撃つ地味な話より、(美人?)女科学者が颯爽と立ち向かうほうが映画として華があるんだよね。

 ところが、あわれロージーは、非戦闘員の悲しさか、メガ・シャーク撃滅のために発進して、撃ち込んだ魚雷をメガ・シャークに交わされてしまう。そんでもって、味方潜水艦や駆逐艦を誤爆しちゃうのだ。そうであれば、誰か戦闘の専門家メカ・シャークをに任せた方がいいかと思うわけだ。

 (メカ・シャークとメガ・シャーク、「カ」と「ガ」のちがいだけ。文章中に何度も出てくるとまぎらわしくてごめんね)

 さてさて、女性が、メカ怪獣に搭乗して怪獣と闘うのは、『メガ・シャークvs.メカ・シャーク』が初めてのお話ではない。

 我が東宝特撮においては、『ゴジラvsキングギドラ(1991)』で、未来人エミーがメカ・キングギドラに乗りこんで、東京都庁前でゴジラと大バトルと繰り広げた。
 また、『ゴジラ×メカゴジラ(2003)』では、特生自衛隊員・家城茜がメカゴジラ(機龍)のオペレーターとして、品川などでゴジラとの激闘を展開する。

 この二人の場合も、ファンタジーだと思う。

 メカ・キングギドラでゴジラに対峙するエミーは、未来人かもしれないが、戦闘員ではない。
 エミー・カノーは、23世紀からやってきた。現在の科学技術よりもはるかに進んだ時代の人間だから、ともするとメカの操作にすぐれているというような錯覚を起こすかもしれない。だが、ゴジラに立ち向かうような戦闘能力の訓練はされてはいないはずだ。エミーは、もともと23世紀地球均等環境会議なる組織の穏健派メンバーなのだから。
 しかし、エミー・カノーは、単身メカ・キングギドラを駆使して、暴れ回るゴジラを制圧するのだ。
 これはファンタジーのなせるワザである。

 つぎに、特生自衛隊員・家城茜だ。彼女はれっきとした戦闘員である。そういう意味では、説得力を感じる。当然闘いのプロとして、ハードな訓練を積んでいるのだろう。
 しかし、リアルで考えたとき、ゴジラと闘うメカゴジラのオペレーターとして、女性が起用されるかというと、その可能性は低いと思われる。
 例えば、消防士では、女性の採用はあるのだが、体力差があるため、消火活動や救助活動に女性が出動することはあまりないようだ。
 だから、こちらも映画的な設定で、ファンタジー色が濃いといえる。

 『メガ・シャークvs.メカ・シャーク』のロージーは、こうした東宝特撮の闘うヒロインの影響下に設定されたと思われる。

 まずロージーとエミー・カノーとの類似性だ。
 ロージーは、メカ・シャークで闘う際、ネロという相棒がいる。
 このネロとは、メカ・シャークの操縦を補佐する人工知能である。
 そして、エミー・カノーがメカ・キングギドラを操作するときには、傍らにやはり人工知能M11がいる!
 ネロもM11も、それぞれのシステムに組み込まれ、スピーカーを通してロージーやエミーに指示を出したり激励したりする。

 つぎに、ロージーと茜だ。
 これはじつのところ、メカ・シャークとメカゴジラ(機龍)の類似性なんだが、両方とも、戦闘の最中に突如として暴走する。そして、街を破壊して回り、メガ・シャークやゴジラよりも手に負えない存在となる。

 もともとメガ・シャークの第一作 『メガ・シャークvs.ジャイアント・オクトパス』 からして、東宝特撮へのオマージュ?があった。
 メガ・シャークとは、つまるところ東宝特撮のゴジラなのだ。

 まあ、『メガ・シャークvs.メカ・シャーク』はモックバスター(便乗模倣映画)のアサイラム製だからね。

 映画の後半、ロージーはメカ・シャークに搭乗しなくなる。操作をネロに任せて、メカ・シャークは無人でメガ・シャークに挑む。
 しかし、メガ・シャークは、メカ・シャークに海中から陸上に吹っ飛ばされて、ネロが停止してしまう。
 そして、メカ・シャークは陸上モードになって暴走する。

 このメカ・シャークの陸上モードは、『ゴジラvsスペース・ゴジラ(1994)』の対ゴジラ兵器ロボット、モゲラのランドモゲラー・モード(戦車)からのいただきだと思う。

 ロージーは、暴走する陸上モードを止めようと、危険を顧みずメカ・シャークに飛び乗って電波発生装置をONにする。とても科学者とは思えない。
 その前に、ロージーは、暴走する陸上モードから逃れる群衆のどさくさにまぎれて、どこからか車を調達してきて、夫ジャックとともにそれに乗って逃げる。要領がいいというか臨機応変というか、ただのドロボーじゃないか。とても科学者とは思えない。
 夫ジャックも、暴走するメカ・シャークを追撃する際に、そのへんに乗り捨ててあったバイクを勝手に拝借していた。この人も科学者。ドロボー科学者夫婦だ。
 非常事態を理由に、罪悪感なく他人の乗用車やバイクに乗ってちゃうのもファンタジー。

 ちなみに、『メガ・シャークvs.メカ・シャーク』は、シリーズ最大の脱力映画である(今のところ)。

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Last updated  February 29, 2016 05:44:37 PM
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