2010年10月13日
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アスラクライン（14）
価格：578円（税込、送料別）
夏目智春。それが私の兄の名前だ。と言っても私と彼には血の繋がりはない。同じ家で暮らしたこともない。しかし、たとえばうちの父と、彼の母親の職場が近かったとか。たまたま独身だった二人が意気投合して、いきなり結婚することになったとか・・・まあ、そんな感じで。世の中には成り行きというものがあり、自分の意思とは無関係に、ある日突然、一人っ子に兄が出来るということもあるらしい。そして、兄弟と呼ばれることになった私たちが、初めて顔を合わせた日。彼が最初に口にした言葉を、私は今も覚えている。「幽霊って信じる？」それはちょうど一年前の春の出来事。あの時何も答えられなかったことを、私は今も悔やんでいるのだ。姿を消した兄・智春が通っていた洛芦和高校に入学した苑宮和葉を待ち受けていたのは・・・。
「アスラクライン」シリーズは、幼馴染みの美少女の幽霊・水無神操緒に取り憑かれていること以外ごく普通の主人公の少年・夏目智春が摩訶不思議な洛芦和高校（通称・洛高）に入学したことで、世界崩壊をはじめとするハードな戦いにわけも分からず巻き込まれていくことになるというストーリーです。天才と呼ばれる兄・直貴族と同じ洛芦和高校に入学した智春。しかし、洛高は生徒会が３つもあったり、地下に異世界の遺跡があったり、悪魔やサイボーグや機巧魔神の演操者が通っていたり、する非日常が日常になる異常な学校だったのです。そこで兄・直貴は世界崩壊を防ぐ活動をしていたようです。この世界は一度リセットされた二巡目の世界であること、二年後に世界は滅びることを知った智春は厄介な事件に次々と巻き込まれることになってしまいます。
「自分以外の誰にも見えない咲華というもう一つの人格を持っている」と思い込んでいる和葉。幽霊に取り憑かれている行方不明の兄・夏目智春を捜すため洛高へ入学する彼女ですが、そこで出会うのはジェットエンジンで空を飛んだり墜落したりする先輩や電撃を放つ超巨大アライグマと格闘する生徒会長、テレポートをする小動物系の生徒会長、黒科学によって世界の真理を探究する兄の親友、名前が複雑すぎる金髪ドリルヘアー噛み付き留学生、謎の美少女・嵩月奏など変な人々ばかり。和葉は過去の思い出を辿って兄・智春の行方不明の真相に迫ることになっていきます。一応、シリーズ完結編なのでしょうか？登場人物それぞれの過去と未来を繋ぐストーリーになっています。世界崩壊をはじめとする試練を乗り越えて来た人々の未来や過去の姿は、非常に感慨深くて感動的でとても面白かったです。また、行方不明の兄に恋心を抱く和葉、奏に取り憑いた操が老婦人をいたぶる、など本編であまり見られない番外編っぽい楽しいエピソードの数々がよかったです。
ジャンルは非日常学園ファンタジー。ファンタジーが好きな人にお薦めです。＜終＞
アスラクライン
価格：599円（税込、送料別）
アスラクライン（13）
価格：557円（税込、送料別）
アスラクラインシリーズ
アスラクライン（1）
価格：599円（税込、送料別）
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