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死刑執行がどこで行われているか、ご存知だろうか。 私は刑務所だと勝手に思っていたが、違うという事を つい最近知った。 拘置所内だそうだ。 刑が執行されると、拘置所中に線香の香りが漂い、 判決を待つ者たちはソレを知る。 一番下の妹の体験談だ。 かの有名な小学児童無差別殺人の犯人も、妹のいた拘置所で 死刑執行されたという。 留置所は、売店があり、タバコも吸える。 拘置所は週に一度お菓子やパンをまとめ買い出来る。 いや、知らなかった。 差し入れでしかお菓子なんぞ口に出来ないと思っていた。 拘置所内では、毎日誰かが喧嘩していたらしいが、 『おい、新入り~!便所掃除しとけよ!』 みたいな、明日のジョーのような新入りへの手荒い歓迎は皆無であった。 妹は女性だけの棟にいたのだが(当たり前だ)、 入った当初に一番驚いたのが、皆、眉毛をきれいに整えている事だった。 剃刀や毛抜きなんて勿論禁止だ。 どうやってきれいにしているのかと聞くと、 歯磨き粉を眉毛周辺に塗り、手で抜くんだと教えられた。 知られざる世界である。 妹は執行猶予がつき、この夏拘置所を出所した。 お母様。 クスリやってたのは私じゃないだろう? 妹は、罪を犯す人間にはとても見えないので、 警察から実家に電話があった時、母は私の事かと思ったらしい。 妹は眉毛の事を驚いていたが、 私が驚いたのは、 妹が未だにジャッキー・チェンのファンクラブに入っている事だ。 入会して、もう20年になる…。
2005年09月29日
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死なないよ、まだ何にも返してないんだ、 絶対、死なない。 高校2年のある朝の事である。 その日もいつも通り、母は私より早く家を出て、 愛用のバイクに跨り出勤した。 当時、高校のすぐ裏に私たちは住んでいて、 友人や先生から羨望の眼差しで見られていたのだが、 近いという安心感から結局遅刻するので、有り難さも半減である。 大概、母を見送った後に、 私は登校準備を済ませておきながら2度寝したりするのだが、 (そんでもって、面倒になって学校を休む。) この日は後に義父となる、母の恋人が前日から泊まっていて、 まだ出勤していなかったので、私は渋々登校した。 珍しく遅刻をしなかった私に、友人も驚いていた。 『悪い予感がする……。』 同じ学校のギターが、不吉な予言を唱えた。 ホームルームが終わり、1時限目が始まった。 すでに眠たくなった私は、早々に机に突っ伏していた。 ピ~ポ~、ピ~ポ~、ピ~ポ~、 ピ~ポ~ 救急車のサイレンが、学校へと近付いてくる。 教室内がにわかに騒ぎ始めた。 だが、顔を上げる気力もないほど眠かった私は、 夢の世界のゲートに足を踏み入れようとしていた。 グイッと、背中のシャツを引っ張られて、 ビックリして目が覚めた。 後ろの席の友人が、私の家を指差している。 『救急車、ジュンちゃんとこ入っていったよ?』 そういえば、サイレンはいつのまにか止んでいる。 窓から身を乗り出すと、救急車は確かに私の家の前に居る。 クラスのみんなが私の家を見ている。 両隣のクラスの友人たちも、窓から身を乗り出していて、 目が合ってしまった。 ………ポーン… 黒板の上に掛けられたスピーカーから、緊急放送の音が流れた。 私の名前が告げられると、教室中に歓声が上がった。 滅多ない事だ。盛り上がるのも大いに結構。 だが、今家に居るのは母の恋人…。 何があったのか全く予想出来ず、私は不安に駆られていた。 呼び出しに応じ職員室に行くと、 『お母さんが交通事故起こしたから、すぐに病院に行きなさい。』 と、学年主任の先生に言われ、母が搬送された病院までは わざわざ校長先生が車で送ってくれた。 交通事故という事は、さっきの救急車は何だろ…。 病院に着くと私のすぐ前を、一番下の妹が泣きながら走っている。 危篤だと、聞かされたらしい。 真ん中の妹がアメリカ留学した直後に、何て事だ……。 母の恋人の姿は見えないし……。 何が何だか分からないまま、 私と妹は『面会謝絶中』の札が掛かった母の病室へと入っていった。 カーテンをそっと開けると、 首から胸下までを、ギプスでガッチリ固められ、 額や頬に大きなガーゼを貼られ、 まだ乾いてない血の筋が生々しく残る、母の姿があった。 妹は嗚咽を堪える事が出来ず、私にすがって激しく泣いた。 私はといえば、見た事も無い母の姿に、 頭の中が真っ白になって、妹の頭を撫でてやる事も出来ずにいた。 真っ青な母の寝顔。 『お、お母さん、死んでるの…?』 死ぬ……? まさか、嘘だよ… 『ジュン!』 母の恋人の声がした。 妹は実の父の記憶が無い。母の恋人が、自分の本当の父親だと思っていた。 だから、平気で母の恋人の胸に飛び込めた。 『お、お、おがあざ……』 もう、日本語ではない。 だが、次に口を開いた母の恋人の声色と言葉は、 私たちの予想を覆すものだった。 『お母さん、すごいよ!!』 ………は? 貴様、何を興奮しておるのだ! 母の恋人は眠る母の横で、ここに至るまでの経緯を話してくれた。 颯爽とバイクに跨り、母は風になっていた。 すると、目の前に1匹の子猫が飛び出してきた。 『おらおらおらおらおらおらおらおら~!!!!!!』 母は子猫をよけた。 が、そのままバイク共々電柱に激突したのだ。 近所の喫茶店のマスターがその凄まじい衝撃音を聞きつけ、 慌てて店から出て来た。 こりゃあ、大変だ、お~い、救急…… その時である。 『大丈夫!!』 母はムクッと起き上がり、マスターの差し延べる救助の手を断ったのだ。 バイクは後で取りに来ると言い残し、母は 歩いて家まで帰って来た。 血だらけの母にビビる恋人を尻目に、母は自ら救急車を呼び、 すぐに駆け付けた救急隊員の持つ担架に、自分から乗ったのだ。 『な?すごいだろ?』 …うん。ほんとだ、おっしゃる通りです。 その日、家に帰って……やっと安心したのか、 私は少し泣いてしまった。 母は、全治3ヶ月の重傷だった。 ギターは、自分の予言に恐れをなしていた。 妹が言う。 『お母さんが事故った時間って、ジュンちゃんもう家出てたよね。 なんか、気付かなかった?』 実は聞こえていたんだよね。 何だろうか~と思いながらも、見には行かなかったんだよね~。 その後、私は喫茶店にバイクを取りに行き、 止せばいいのに無免で乗り回し、運悪く捕まり、 見舞いに行った病院先で、 母に湯のみで殴られた。
2005年10月10日
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日本ノ皆サン、コンバンワー!! 久々ノ日記デース!! はい。 と、いうわけでですね。 もう12月ですな。 後2ヶ月もすれば、うちの三男も3歳になるのだが。 (しかし、未だ体重10キロ。米と一緒だ。) どうもおかしいのだ。 何がおかしいって、ドラえもんの絵描き歌だ。 ♪ まる、かいてて~ ♪ まる、かいてて~ ね? この時点ですでにおかしいのだが、 問題はこの後である。 ♪ もじゃもじゃ~ ♪ もじゃ?もじゃもじゃ~ (゜∇゜ ;)エッ!? 絵を描かずに歌うので、完成図が分からないのだが、 一体どこが、どう、もじゃもじゃなのか、 お母さんは是非知りたいぞ。
2007年12月20日
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