与乃登の霊障日記

与乃登の霊障日記

2006年05月20日
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昨日のお話の続きです。

若い男性が相続した家を見て欲しいと言って相談に見えた。
住人が死に絶えた家を視た与乃登は魔物が居ると確信した。
そして、男性に霊視で視た牛の絵があるはずだから探して欲しいと頼んだ。

男性 「牛の絵は見つかりませんでしたが、こんな物を倉の床下から発見しました。」

古い陶器の壺だった。

与乃登「開けても良いですか?」

与乃登はぼろぼろになったひもを外し、蓋を開けました。

男性 「何が入っていますか?」

中には泥だらけになった、和紙と二枚重ねに縛った平皿、動物の骨らしき物が入っていました。

与乃登「埋鎮(まいちん)ですね。」

男性 「何ですか、その、埋鎮(まいちん)って?」

与乃登「陰陽道の呪術です。本来は土地の穢れを清めるために行われたり、地縛霊を封じるために用いられる呪術ですが、これは違いますね。おそらく呪いをかけた物でしょう。」

与乃登は茶色くなった和紙を拡げた。

与乃登「あぁ、これは。」

そこには、牛の頭をした赤い和服の女性姿が書かれていた。

男性 「何ですか、それは。」

与乃登「おそらく魔物の正体でしょう。私が視た牛の絵はこれでしょう。赤いよだれかけに見えたのはこの女性の和服だったようですが。」

男性 「陰陽師が呪いを掛けたのでしょうか。」

与乃登「そうでしょうね。しかし、これは普通の陰陽道の呪術とは少し違います。埋鎮はこのようにお皿を二枚重ねにして使用する形もありますが、魔物の絵や動物の骨などは一緒には使用しません。おそらく、いろんな呪術が混交した呪術師が呪った物でしょう。」

男性 「怖いですね。」

与乃登「でも、もう大丈夫です。こうやって日の光にさらされて、これから祈祷を行いますので呪力はなくなるでしょう。」

早速、与乃登はこの呪物の祓いの祈祷に入った。

祝詞を奏上し、剣祓いを掛けた。
さらに、この男性の家の浄霊祈祷も行った。

与乃登「さぁ、これで良いでしょう。」

男性 「もう、災いはありませんか。」

与乃登「あとは、亡くなった方々のご供養をなさって下さいね。」

男性 「はい。あのぉ、あの魔物はなんて言う名前なんでしょうか?」

与乃登「さぁ、名前まではちょっと。しかし、昔、兵庫の山奥で見たという話を聞いたことがあります。昔いた魔物でしょう。」

男性 「そうですか。本当にいたら怖いですね。」

与乃登「今はもっと怖い魔物が都会の人の心にいるかも知れません。」

与乃登(よのと)の神霊心療室
http://yonoto.com/









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最終更新日  2006年05月20日 21時46分14秒
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その魔物って  
ゆり さん
確か(手元に原文がないのでうろ覚えですが)、小松左京が小説に書き、阪神淡路の震災の時に某警備会社の社員多数が何度も目にし、それを聞き書きした「新耳袋」に出ていた「件(くだん)」とそっくりですね。
確かその文章にも、「明石方面」と地名が明示されていたような・・・・。 (2006年05月21日 10時05分35秒)

お久でやんす  
恋川亭 さん
先生、ごぶさたです!
 未だに一杯背負ってる恋川亭でやんす(笑)。
先生は、お元気そうでなにより。
先生のお仕事のお忙しいことは、お仕事柄『ご清栄の程』と言えないのが難儀ですが、お働きにより世の中がすこしずつ清められているので、結果は『ご清栄の程』と慶ばせて頂きます(勝手失礼お詫び致します)。
 ご案内頂いてから、ずーと拝読しています。蔭ながら応援させていただきますヨ。今回は兵庫方面ということで出てきました。またまた、ごゆっくりと~。<(__)> (2006年05月22日 00時31分42秒)

Re:その魔物って(05/20)  
zuihou10  さん
ゆりさん
書き込みありがとうございます。
そんな有名なお方だったのですね。この魔物さんは。私が目撃情報を聞いたのは兵庫県の西宮の奥ですね。また、情報があったら教えて下さいませ。 (2006年05月25日 17時07分16秒)

Re:お久でやんす(05/20)  
zuihou10  さん
恋川亭さん
大変ご無沙汰を致しております。
お元気でいらっしゃいますか。
また一度、濃いお話で盛り上がりましょう。
またのご訪問をお待ちしております。 (2006年05月25日 17時09分35秒)

ちょっとゾクリとしました  
以前、聞いた話だと床下に祠があって、それに触れた者とか動かそうとすると死ぬほど強烈なものだったそうです。
で、その一家の両親はその事を知らず、その家の狂気なのか日に日に狂っていってしまったという話なんですが。
一応、現在は最悪の状況は免れたみたいです。


赤いよだれかけの牛頭女──確かに件に似ていますね。牛頭馬頭の牛頭さんかも知れませんね。
文章を見ているだけで、その物の気配がまるで側にあるみたいでゾクリとしました。
床下って普段見ないから、そんなのあったら本当嫌ですね。 (2006年06月28日 05時00分46秒)

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