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ここ、鴻昌本店は何と言っても「揚州おう麺」。タンメンですが具材が多く、野菜・イカ・チャーシュー・豚肉・牛モツなどがたっぷり入り、小さな鍋で出てきます。味は薄めですがおススメ。メインストリートにありますが、休日でも11時頃なら空いていて、地元の人が多く来ているようです。麺以外ではおこげ料理を注文する人が目立ってました。
May 12, 2005
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マーク・マクシェーンの「雨の午後の降霊術」の映画化。というかTV用映画である。この原作の映画化としては既に1964年、ブライアン・フォーブス監督の同名作品があるので、そのリメイクということになる。監督は黒沢清。効果音技師の佐藤克彦(役所広司)が山の中で自然の音を録音している時、誘拐犯のもとから逃げてきた少女が克彦の大きいトランクに身を隠した。克彦は中身を見ずにトランクを自宅に運び、数日間放置。その頃、誘拐犯は捕まったものの意識不明の重体となってしまい人質の少女の行方は誰にもわからなかった。事件の担当刑事・柏原(きたろう)は旧知の心理学者・北見教授(岸部一徳)から霊能力者の存在を知らされ、北見教授の教え子・早坂(草なぎ剛)と共に霊能力者に会う。実はこの霊能力者は克彦の妻・純子(風吹ジュン)なのだ。刑事から少女の所持品だったハンカチを受け取って家に帰った純子は愕然とする。「何でウチにいるのか」と・・・ 本作のミソは、純子はそれほど強力な霊能力者ではなく、時々霊の存在を感じたり見たりする程度という点。しかし行方不明少女の捜索という仕事が舞い込んできて、有名になろうと言う野心が湧いてきてしまうのだ。それがもとで破滅の途をたどることになる。全体としてはけっこう地味で、幽霊の扱いもオーソドックス。心臓が止まるようなショッキングなシーンはない。しかし何気ない怖さは相当なもので、深夜に観るのは怖いかも。場面は落ち着いた色調で、軽さはあまりない。TV用映画としてはかなりハイクオリティだと思う。 純子の霊視・霊感能力と並んで本作のキーとなるのがドッペルゲンガー現象である。自分と生き写しの人物が目の前に現れると言う現象で、古くから見ると死ぬと言われている。本作では克彦のそれが現れるのだが、このシーンは特異な音楽が相俟って、なかなかユニークで面白い。役者たちは地味ながら、さすがに上手い。終盤少々おかしくなっていく純子を演じた風吹ジュンもいいが、気弱な夫の役所広司も良い。他に大杉漣がファミレスの客(このシーンは怖い)、哀川翔が神主役で出ている。なかなか優れた作品だと思うのだが、残念な点が一つ。それは少女がトランクに入って家に運ばれてくる設定だ。克彦はでかい空のトランクを何の目的で山に持っていったのか?少女が入らなかったら、ただ空のトランクを持っていって、持って帰ってきたということになるが、そんなことがあり得るだろうか。そして小学校低学年の少女とはいえ20キロ位はあるだろうから、持っていて変だと思わなかったのか?・・というところ。この部分がちゃんと理由付けできていたら満点だったろう。まあ、あまり気にしないで観るに限る。地味なホラーがお好きな方にはお勧め。DVDレンタルあり。 監督:黒沢清 原作:マーク・マクシェーン脚本:黒沢清/大石哲也 撮影:柴主高秀 美術:丸尾知行 音楽:ゲイリー芦屋 2001年・日本 / 97分 / 評価:4.0点 / 子供:△
Sep 14, 2007
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よくある、屋敷恐怖もの。無人の屋敷に忍び込んだ学生たちを惨劇が襲うC級映画。 ある大学の学生クラブでは、新人生が不気味な洋館で一晩過ごす肝試しイベントがあった。昔その洋館には異常な一家が住んでいて、一家心中後は無人となっていた。今年も男女4人が挑戦するが、モンスター化した一家の生き残り(息子)が4人と脅かし役の学生を次々と殺して行く。・・・リンダ・ブレアが男子学生の羨望の的、という設定には無理がある。キャアキャア叫んで逃げるのがちょっとうるさい。 学生の一人は何とか逃げ出し、銃を持って戻ってくる(警察では相手にされなかった)。首尾よく化け物息子を射殺するが、突然何者かに襲われ絶命する。そう、化け物息子は2人いたのだ。よっぽど暇な時に観るような、どうってことない作品であるが、化け物は不死身でないところが好感が持てる?【新品】DVD洋画 ヘルナイト
Sep 11, 2005
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1970年代を代表する名画の一つ。区画整理でアパートを追い出された老人ハリーが、愛猫トントを連れて旅に出るロードムービー・・と書くと何だか弱々しいが、実際には主人公はしっかりした老人であり、コメディタッチも随所に散りばめられている大変な秀作である。ニューヨークに住むハリー・クームズ(アート・カーニー)は元教師。妻に先立たれ独り暮らしだが、アパートが区画整理で取壊しとなり、強制退去させられた。とりあえず市内に住む長男バートの家に転がり込んだが、バート家では次男のノーマン(ジョシュ・モステル)が誰とも口を利かないなど、あまりいい雰囲気ではない。ハリーはノーマンには好かれたようだったが、バートの妻イリアーヌへの気兼ねから家を出ることを決意。シカゴにいる娘シャーリー(エレン・バースティン)の元へ向かう。 右:ジェラルディン・フィッツジェラルドここからがロード・ムービーの展開。ハリーは車(自分で運転)でシカゴへ行き、更にカリフォルニアの次男のところへ向かう。子供達も皆それぞれ事情があるのだ。途中、ヒッチハイクの男女を乗せたり、無口だったノーマンが喋るようになって現れたりする。そのヒッチハイクで乗せた家出少女ジンジャー(メラニー・メイロン)に勇気づけられて、昔の恋人に会いに行くところなんか、ちょっと『幸福の黄色いハンカチ』を連想させる。そして老人ホームで再会した元恋人(ジェラルディン・フィッツジェラルド)はもう呆けてしまっているのだが、かすかにハリーのことを思い出し、二人でダンスを始める。それを影から見守るジンジャー・・と、お決まりの展開ではあるものの、素直に感動できるのはサスガだ。 とにかく道中で実に多くの人との出会いがあるのだが、ほとんどが良い人(中には変わったのもいるが)であり、監督の温かい視点が伝わってくるようだ。そして寒々としたシカゴ(ミシガン湖畔の描写!)からアイダホ、そして暖かなカリフォルニアへと、場所とともに雰囲気が変わっていくのも素晴らしい。 主演のアート・カーニー(1918-2003)は主にTVで活躍した俳優だったが、本作で映画初主演。この頑固でいながら寂しがり屋の老人を見事に演じ、アカデミー主演男優賞を獲得した。この時実に56歳。他には父と同じく頑固者の娘を演じたエレン・バースティンの印象が強いが、やはりジェラルディン・フィッツジェラルド(1913-2005)だろう。人はなぜ老いるのか。でもこの映画は「老い」をかならずしもネガティブに捉えているわけではないところが良い。まあ、これも「若い」国アメリカだからなのだろう。少子高齢化が異常な速さで進んでいるどこかの国の方が問題は深刻かもしれない。 監督のマザースキーはこの頃がベスト。『ジーザス・クライスト・スーパースター』『シティ・スリッカーズ』のジョシュ・モステルも達者なところを見せる。そして意外なのがビル・コンティの音楽で、一体どうしちゃったんだ?というくらいの素晴らしい出来。観て損はない作品である。監督:ポール・マザースキー 製作:ポール・マザースキー 脚本:ポール・マザースキー/ジョシュ・グリーンフェルド 撮影:マイケル・C・バトラー 編集:リチャード・ハルシー 音楽:ビル・コンティ 1974年・アメリカ / 117分 / 評価:5.0点 / 子供:○
Dec 4, 2006
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これはですね、あまりにも数多くのレビューが書かれている作品なので、ちょっと気が引けるんですが・・・。この映画が公開されたのは私が高校生の頃。当時、月に2・3本劇場で映画を観ていて、必ずロビーのチラシを持って帰ったもの。しかし高校生のガキはアクション物しか興味がなく、この映画のチラシもホルダーにしまったままになった。実際、当時あまり話題にならなかったようで、私もスーパーマンが恋愛物?と違和感を覚えただけでしたね。この映画を初めて観たのはそれからずっと後のこと。公開時、本国でも不評でヒットはしなかったが、後にTV放映されてから次第に評判が高まり、ビデオ化されると一気に人気が出て、現在はカルト・クラシックになっているという。1972年のある晩。脚本家志望の大学生リチャード(クリストファー・リーヴ)作の劇が大学内で上演され、成功を祝福されていた時、一人の老婦人がリチャードに近寄り、年代物の懐中時計を手渡すと「戻ってきてね」と言いその場を去る。8年後の1980年。脚本家となったリチャードは執筆に行き詰まり、気晴らしの旅に出る。ミシガン湖畔の「グランドホテル」に何気なく投宿したリチャードは、資料室に飾られていた美しい女性の写真に心を奪われる。調べていくと、その女性はエリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)という1910年代の舞台女優で、8年前に会った老婦人こそがエリーズであったことを知る。エリーズの元付き添い婦ローラ(テレサ・ライト)の家を訪れたリチャードは、遺品の中から「タイム・トラベル」という本を見つけ、その著者に会う。偶然、著者の超心理学者はリチャードが卒業した大学の教授であったため、タイム・トラベルの方法を聞くことができた。リチャードは早速実行する・・・ 昔のままの部屋に入ったりするとタイムスリップしたような感覚にとらわれることがあるが、このタイムトラベルの方法はそれを応用したもので、自己催眠をかけるのだ。そんなことでタイムスリップするわけがない、とは誰しも思うことだが、ここではそんなことはどうでも良い。「時空を超えた愛」というのは良くあるパターンではあるが、この作品はその種の映画では最高峰であろう。タイムスリップに成功したリチャードが初めてエリーズに会うシーンの素晴らしいこと! 主演のクリストファー・リーヴのストレートな演技がナカナカ良いが、やはりジェーン・シーモアが素晴らしい。ポートレイト写真(後に資料室に飾られる)を撮るシーン、最初は何気なくポーズを決めていたが、カメラマンの後ろにリチャードが立っているのを見つけてからの表情の変化など、見とれてしまう。そしてもう一人のクリストファーである、エリーズのマネージャー役のクリストファー・プラマーも存在感たっぷりだ。まるで絵のようだが、実際にルノアールなどの名画を参考に場面作りを行ったらしい。本作は企画段階から会社が「どうせヒットしない」と難色を示し、低予算を強いられた。監督はジュノー・シュウォーク。ヤノット・シュワルツと言った方が早く、『ジョーズ2』『サンタクロース』位しかない監督さんだが、本作は間違いなく代表作。原作・脚本はSF物が多いリチャード・マシスンで、彼自身が古いホテルに宿泊した時、昔の女優の写真に目を奪われた経験が元になっているとか。音楽はジョン・バリー。予算的にはとても彼のような大物を使える状態ではなかったが、旧知のジェーン・シーモアが依頼し、快諾された。非常に美しい曲で、彼の代表作「キングコング愛のテーマ」に匹敵する出来。 この辺の裏事情はDVDのメイキングに収められているのだが、このメイキングが非常に良く、DVDをご覧になったことがない方は是非ご覧になるべきである。スタッフ、キャストの作品への情熱がよくわかるけれど、何と言っても落馬事故で半身不随となったクリストファー・リーヴが語っているのだ。何とも痛々しい姿ではあるが、この作品への愛情がひしひしと感じられる。そしてその後2004年に僅か52才で亡くなってしまったのは周知の通り。本国ではファンクラブもあり、ロケ地には記念碑まで建っているという。登場時は不運だったが、最後はファンに愛された、幸せな作品だったと言えるだろう。本邦でも人気は高い。本編をご覧になった後に、もう一度最初のシーンに戻ると、更なる感動が・・・。監督:ジュノー・シュウォーク製作:スティーヴン・ドイッチ原作:リチャード・マシスン脚本:リチャード・マシスン撮影:イシドア・マンコフスキー音楽:ジョン・バリー1980年・アメリカ / 103分 / 評価:5.0点 / 子供:○Christopher Reeve 1952-2004ユニバーサル・2005年11月25日~2006年1月31日までの期間限定ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャ...
Mar 24, 2006
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邦題『夢幻神殿』。オーストラリアの(プログレ)ロック・バンド"セバスチャン・ハーディー"の実質サードアルバム。1.Forward We Ride (序章)2.Horsemen To Symphinity (限りなき疾走)3.Glad To Be Alive (生きることの歓び)4.Gypsy (放浪のジプシー)5.No Scruples (何のためらいもなく)6.Lamb's Fry (愛児の出発)7.Non Siamo Perfetti (見つめ直す時に)8.Flight Call (今、飛翔の時)1976年に「哀愁の南十字星」(同名のアルバム所収)の大ヒットを飛ばしたセバスチャン・ハーディーは、同年第二弾のアルバム『風の唄(Windchase)』を発表。しかしそれを最後に活動を停止した。しかしメンバーチェンジしグループ名をウィンドチェイスと改め、1977年に本作を発表していたのだ。セバスチャン・ハーディーのオリジナルメンバーはMario Millo (g,vo) Toivo Pilt (kb,org)Peter Plavsic (b)Alex Plavsic (ds)だったが、ベースとドラムをDoug Bligh ,Duncan McGuire に替えウィンドチェイスとなった。マリオのギターが中心なので全体の感じはあまり変わらない。プログレではあるが観念じみたところはなく、明るい。マリオのギターも「哀愁の南十字星」ほどの"哀愁"はないが、メロディアスで躍動的だ。さすがオーストラリア。とても約30年前の演奏とは思えない好盤。
Oct 5, 2005
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奇才ジョン・ブアマン監督による風変わりなSF。西暦23世紀、不死を成し遂げた未来人が住む理想郷が、一人の外界(理想郷の外)人により崩壊していくストーリー。冒頭で狂言回し役のアーサー(ナイオール・バギー)が言うように「皮肉と諧謔に満ちている」のでちょっと取っ付きにくいかもしれないが、結構面白い作品である。23世紀の世界はボルテックスという理想郷が中心となっていた。住人は20世紀の科学者や知識人の子孫であり「エターナル」と呼ばれる不老不死の人間だ。生殖の必要がないのでその機能は失われている。歳を取るのは反抗的な態度・思想を持った場合に課せられる刑罰「加齢」の場合のみ。一方、ボルテックスの外にも獣人と呼ばれる人間が生息しているが、彼らは奴隷でありボルテックスの中には入れない。エターナルのために穀物などを生産するだけだ。獣人達は放っておくと増えてしまうので、獣人の中から選ばれた殺戮隊が存在する。それは「エクスターミネイター」と呼ばれ、ゼッド(ショーン・コネリー)は親の代から首領を勤めている。ゼッドはボルテックスの内部がどうなっている確かめたく、エターナルが獣人支配のために作り上げた神像「ザルドス」内に隠れ、ボルテックスに侵入した。しかしエターナルが発する強力なパルスによって失神させられ、捕らえられてしまう・・・ この「ボルテックス」は合議制のコミュニティで、不老不死が約束されている代わりに、コミュニティに反すれば「不老」は取り上げられ「加齢」されて一瞬のうちに老人にされてしまう。それでも死ぬことはできない。そんな社会に全く異質な外界人が入ったことで徐々にコミュニティが崩壊していく。逃げ出したゼッドを追いかけていくうちに戦闘本能・生殖本能が戻ってきたためだ。代わりにゼッドには知識が集積されていく。そしてゼッドはどうなるのか、そもそも何故ゼッドはボルテックスの中を知りたいと思うようになったのか・・・と興味深い展開が続く。詳しくはご覧頂くとして、とにかくショーン・コネリーである。『ダイヤモンドは永遠に』を最後にジェームズ・ボンド役を降り新境地を拓いた。薄髪をものともせず、半裸で走り回るプロ根性はさすが。そしてボルテックス指導者の一人・コンスエラを演じたシャーロット・ランプリングの異様な迫力(特に目つき)もナカナカだった。 本作の原案はキューブリックが非常に気に入っていたとか。確かにキューブリックが好みそうなストーリーである。ブアマンが手掛けることが決まるとキューブリックは協力を申し出て、撮影監督としてジェフリー・アンスワース(『2001年宇宙の旅』)を紹介したという。全編にわたってベートーベンの交響曲第7番が繰返し流れて印象的。その他の音楽はデイヴィッド・モンローが担当したが目立たなかった。あれこれ考えながら観るのは楽しいが、若干冗長と思える場面もあるのは確か(ダイヤモンドの中のシーンなど)。しかし視覚的にも楽しめるので、一度ご覧になっていただきたいもの。(以前の記事のリニューアルです)監督:ジョン・ブアマン 製作:ジョン・ブアマン 脚本:ジョン・ブアマン 撮影:ジェフリー・アンスワース 音楽:デイヴィッド・モンロー 編集: ジョン・メリット 1974年・イギリス / 106分 / 評価:4.5点 / 子供:×未来惑星ザルドス
Jul 7, 2006
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昨年公開された『日本沈没』のDVDが出始めた。とうとう劇場では観なかったが、それはオリジナルの1973年版への思い入れがあった(とは言ってもリアルタイムではない)からかもしれないし、少し後のTVシリーズ(これはリアルタイムで観た)への思い入れかもしれない。このTVシリーズはDVDも出ているが、一話ごとに日本の地方が沈んでいき、主題歌とも相俟ってナカナカ惹きつけるものがあった。特に印象深いのは札幌が沈む回。季節は雪祭りの頃、全員避難した後の大通り公園に一人のオッサンが「日本」の漢字を雪で作り(どうやって一人であんな大きいのを作ったのかは疑問)、地面にどっかと座っていると後ろから大波が押し寄せる場面だ(記憶だけで書いているので、違っているかもしれない)。鎌倉かどこかの回で、世界各国の救援船が日本にやってくるが、皆ソ連船には乗りたがらなかったのも面白かった。それはさておき『ノストラダムスの大予言』である。当時五島勉の本がベストセラーとなっており、東宝が『日本沈没』に続くパニック大作第二弾として製作した。公害対策の専門家・西山良玄(丹波哲郎)は父祖4代に亘るノストラダムスの研究者であるが、本業は環境研究所所長であり、人々の啓蒙活動に取組んでいる。しかし大企業からの資金援助凍結や何者かの脅迫など、有形無形の圧力が高まっていた。そんな中、夢の島に巨大ナメクジ発生の知らせが入り、娘のマリ子(由美かおる)の恋人のカメラマン中川(黒沢年男)と共に現場に急行する・・・。西山は公害→食糧危機→核戦争と進む危険性を政府に訴えるが、その間に世界各地で異変が起きていく、というのがおおまかな構成だが、ストーリーよりも様々な怪事を立て続けに展開していくという仕立てだ。この映画はDVDはおろか過去においてもビデオすら出たことはなく(理由は後述)、当時観た記憶しかないが、何分当時私は小学校低学年だったので、詳しいところは覚えていない。それでも未だに印象に残っているシーンを挙げてみると・・地下鉄内に巨大植物が発生し列車の運行を妨げるシーン。私はこの映画を有楽町の日劇(昔の)で観たのだが、その日は渋谷に行ってから銀座線で銀座に出たのだった。巨大植物が出現するのはまさにその銀座線渋谷駅。ちょっと驚いた。東北地方の亜鉛鉱山の近くで一つの能力(跳躍力だったり暗算だったり)が異常に発達した子供たちが出現するシーン(でも早死にしてしまう)。そして世界中が異常気象になり食糧危機が訪れる。人々は自暴自棄になって若者は自ら死を選ぶ。この時のオートバイで断崖からジャンプ(『さらば青春の光』のラストのように)するシーンも凄かったが、食料も何も持たずヨットで死出の旅に出る一団が強烈だった。全員白い衣をまとい顔は白塗り。ヨットの帆には大きく「死」「怨」と書いてある。この印象が怖すぎ、しばらく夜眠れなかったのを覚えている。そして問題のシーン。放射能が降り注いだニューギニア奥地で原住民が発狂し共食いを始めたり、調査隊を襲ったりする。そしてラスト近く、西山が語る来るべき核戦争後・人類滅亡後の世界に登場するミュータント。放射能で皮膚は焼け爛れ体は軟体化していて、これも強烈だった。小学校低学年にはキツすぎ。この二つのシーンが各方面から猛烈な抗議を受け、以後リバイバル上映もビデオ化もされなかったのだ。他にもオゾン層が破壊され、紫外線で人々の皮膚が焼かれたり、南北極の氷山が溶けて水位が上がったりとか、旱魃でオーストラリアの穀倉地帯が全滅したり、大型ハリケーンが発生して米ミシシッピ川流域が大洪水に見舞われる等々、やたら現在の状況にそっくりなシーンがあったりする。先見の明があったのか、全く社会が進歩していないのか。非常に真面目な作品で、最後に山村聡扮する総理大臣が「世界が団結してこの危機を乗り越えましょう」という主旨の長演説を静かに語って終わるのだった(確か)。もう一度観てみたい気はするが、手段はアメリカで販売されているビデオしかない(アチラでのタイトルは「Last days of planet Earth」)。当然英語吹き替えになっていて、かなり編集もされているようだ。新品で6ドルほどだから異常に安い。ちょっと怖くて買えないけど。冨田勲によるサントラ盤は国内でも出ているけど、録音はモノラルだ。 監督:舛田利雄 製作:田中友幸/田中収 原作:五島勉 脚本:八住利雄撮影:西垣六郎/鷲尾馨SFX: 富岡素敬/山本武 美術:村木与四郎 編集:小川信夫 音楽:冨田勲 出演:丹波哲郎/司葉子/黒沢年男/由美かおる/志村喬/平田昭彦/小泉博/山村聡/鈴木瑞穂/内藤武敏/浜村純/下川辰平/佐々木勝彦/谷村昌彦/竜崎勝1974年・日本 / 113分/ 評価:4.0点 / 子供:× ←米版VHSビデオ
Feb 1, 2007
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ジュール・ヴェルヌの小説をベースにしたチェコ製のコメディ。ちょっとグロテスクなところもある独特のムードが面白い。監督はチェコ映画界の巨匠・オルドリッチ・リプスキー。オペラ歌手でもあるテレク伯爵(ミハイル・ドチュロマンスキー)は結婚目前だったが、オペラ歌手である花嫁サルザを何者かに誘拐されてしまった。手がかりもなく傷心の伯爵は気分転換にカルパテ王国へ旅行に出かけるが、山中の村で、ある古城にオペラ歌手が監禁されているとの噂を聞いた。伯爵は村の若者ビルジャを伴い古城に潜入するが、古城の城主・ゴルツ男爵(ミロシュ・コペツキー)に捕まってしまう・・・。 ゴルツ男爵はオペラ好きが高じてサルザを誘拐。古城には男爵の庇護を受けている天才科学者(というか、マッド・サイエンティスト。スズキヒロミツを思わせる)が珍妙な研究に没頭している。アホな連中なのだが、伯爵側も間が抜けていて、このやり取りが面白い。監禁された部屋(豪華な部屋であるが)から脱出する際、ビルジャが部屋の中に飾ってあった真鍮製のベートーベンの胸像を使ってドアを壊そうとすると、伯爵は「とんでもない」と一旦遮るが、「まあオペラも1曲だけだしな」と使用を許可。胸像はペシャンコになってしまう。また伯爵の声量が物凄く(建物を破壊してしまう程)脱出に役立つなど。 オペラがネタになっており、クラシック好きの方は楽しめるかも。ハリウッドのコメディとはテンポも違うが、ブラックな味付けをぜひお試し頂きたいものだ。(以前の記事のリニューアルです) 監督:オルドリッチ・リプスキー 原作:ジュール・ヴェルヌ 脚本:オルドリッチ・リプスキー/ユジイ・ブルレチカ/イジー・プルデチュカ 撮影:ヴィクトル・ルツィカ 音楽:ルボシュ・フィシェル 1981年・チェコ/99分/評価:4.0点/子供:△
Aug 31, 2005
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2001年、デュプリー先生59歳のときのライブ盤、ということで購入したのだが、予想していたのとはかなり違っていた。1.Them Changes2.The Ghetto3.Pick Up The Pieces4.What's Going On5.Something6.Bass Instinct7.Sprit In The Dark8.Memphis Soul Stew9.Watching The River FlowCornell Dupree (g,vo)Nils Gessinger (p,kb.org)Ralph Reichert (ts)Dieter Heinsohn (b)Eckhard Stromer (ds)Roger Ciecero, Katja Berg (vo)場所は"Birdland"というのだがNYではなく、ドイツのハンブルグ。メンバーはデュプリーを除いて白人。ということでミュージシャン、観客ともデュプリー以外オール白人のライブなのだ。そのためかデュプリー先生、大人しい。「黒さ」がここまで希薄だとちょっとキツい。バンド自体は腕も良く、なかなかノリのある演奏ではある。ちょっとブルース・ブラザーズ・バンドみたいだ。選曲はユニーク。ダニー・ハサウエイの2、マーヴィン・ゲイの4などがあるかと思えば、5はジョージ・ハリスン、9はボブ・ディランの曲だ。かつてのボス、アレサ・フランクリンの7で、ちゃんと女性ボーカルが入ったのは嬉しかったけど。もう少しデュプリーが目立つ場面がほしかった。
Sep 9, 2005
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ペキンパーの1971年作品で現代のイギリスが舞台という異色作。原作があって、イギリスの作家ゴードン・M・ウィリアムズの『トレンチャー農場の包囲』がそれである。主演はダスティン・ホフマン。イギリスの田舎村に引っ越してきた数学者夫婦。夫デイヴィッド(ダスティン・ホフマン)はアメリカ人だが、妻エイミー(スーザン・ジョージ)がこの村の出身なのだ。村はずれの一軒家を購入し住み始めるが、そもそも排他的な村人はデイヴィッドに好奇の目を向け、何かにつけ突っかかろうとする。ある日村人たちに狩猟に誘われたデイヴィッドは、のこのこついて行ったが置き去りにされる。その間にエイミーは村の男たちに襲われてしまう。 ある晩、村のパーティに呼ばれたデイヴィッド夫妻は車での帰り道で精神薄弱者のヘンリー(デイヴィッド・ワーナー)をはねてしまう。とりあえずヘンリーを自宅に連れ帰ったが、実はヘンリーは村の娘エマを誤って殺していたのだ。エマの父親トム(ピーター・ヴォーン)と息子達がヘンリーを引き渡せと家に押し寄せるが、ヘンリーの手当てが優先とするデイヴィッドは応じず、にらみ合いとなる。そこへ村のスコット(T・P・マッケンナ)がやって来て仲裁に入るが、トムははずみでスコットを射殺してしまう。留め金が外れたトム一家はデイヴィッド家を攻撃する・・・ デイヴィッドは暴力が蔓延しているアメリカを嫌ってイギリスに移住してきたのだが、結局暴力からは逃れられないところが皮肉だ。エイミーはデイヴィッドの助手だったようなのだが、そう見ても数学者あるいは数学を学ぶ学生には見えない。夫が構ってくれないのが不満で、つい隙を見せたところを付け入られた格好だ。この前半はやや平板に感じるかもしれないが、この前半があるからこそ、後半の凄まじさが際立ってくるのである。早送りしてはいけない。 そしてスコット死亡後の展開は凄いの一言である。『ホームアローン』のリアル・バイオレンス版パワー数万倍と言った感じで、家に入ろうとするトム一家とデイヴィッド(エイミーは役に立たない)の死闘を描く。一般家庭なので重火器があるわけでもなく、火かき棒、煮えたぎった油などで応戦するのだが、凄い迫力だ。そしてただ温厚なだけだったデイヴィッドの顔つきが変わってくる・・。雰囲気もテーマもまるで違うが、『静かなる男』を思い出す(こちらは舞台はお隣のアイルランド)。売られた喧嘩は買わなきゃ男として認められない、というか、暴力は至極普遍のものだ、ということなのか。こういう面倒な場所には住みたくないものだ。 ペキンパー作品としては少々変り種だが上出来の部類だろう。ダスティン・ホフマンはサスガの上手さだが、デイヴィッド・ワーナーがなかなか良い(クレジットはないが)。内容は少々過激だがお勧めできる作品。監督:サム・ペキンパー 製作:ダニエル・メルニック 原作:ゴードン・M・ウィリアムズ 脚本:サム・ペキンパー/デヴィッド・Z・グッドマン 撮影:ジョン・コキロン 音楽:ジェリー・フィールディング1971年・アメリカ / 115分 / 評価:4.5点 / 子供:××他のペキンパー関連作品『戦うパンチョ・ビラ』 (1968) 脚本のみ 『ワイルドバンチ』 (1969)『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』(1973)『ガルシアの首』 (1974)『コンボイ』(1978)
Mar 16, 2007
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『サスペリア』とは直接関連はないが、監督が同じダリオ・アルジェントであるため配給会社が命名した。『サスペリア』の2年前に作られた作品で、アルジェントの最高傑作だと思う。ホラーというよりはミステリーまたはスリラーである。ローマで開かれている超心理学の講演。テレパシー能力者であるヘルガ・ウルマン女史(マーシャ・メリル)はスピーチの最中、会場に邪悪な気配を感じ錯乱。そして講演終了後、自宅へ戻ったヘルガは何者かに惨殺される。ちょうどその時、ヘルガと同じマンションに住むイギリス人ピアニスト(ジャズ・ピアニストらしい)のマーク・デイリー(デヴィッド・ヘミングス)はマンション前の広場にいて、ヘルガが殺されるのを目撃。急いでかけつけたが時既に遅く、茶色のコートをきた人物がマンションから出ていった後だった・・・目撃者となってしまったマーク(ヘルガと同じマンションに住んでいる)は、女性新聞記者ジャンナ・ブレッティ(ダリア・ニコロディ)や心理学者ジョルダーニ(グラウコ・マウリ)の協力を得て独自に調査を進める。最後のどんでん返しまで、ストーリーはよく練られており、謎解きとしても非常に面白い。 左:自宅でピアノを弾いている時、殺人者が忍び寄る。影しか映らないのが怖い。右:気配に気づき身構えるマーク。『サスペリア』『インフェルノ』にはオカルト的要素があるが、この作品にはない。『シャドー』に近いかもしれないが、エロ的な部分はなく、ある意味非常にオーソドックスなミステリーだ。また、この作品は監督独特の美意識が本格的に発現した最初の作品である。例えば、ローマ市街を中心にした風景と建築物。マークと友人のカルロ(ガブリエレ・ラヴィア)が語る広場、アールヌーボーの装飾が物凄い大邸宅、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチ小学校・・・私は建築物が好きなので、惹きつけられてやまない。また小道具類も凝っていて、ジョルダーニの書斎に突然現れる不気味な人形が有名だが、他にも子供の唄を流すテープレコーダー、女流作家の家で飼われているサイチョウ、トカゲの頭にピンをさして遊ぶ少女等々、監督のイメージは溢れんばかりだ。音楽はイタリアのジャズ・ピアニスト /コンポーザーのジョルジオ・ガスリーニの監修のもと、ロックバンドのゴブリンが担当。当然ジャズロック調だが、これが非常に素晴らしい。サントラ盤も一聴の価値あり。最後に出演者について。マーク役のデヴィッド・ヘミングスは『ジャガーノート』などに出演したイギリスの俳優。比較的地味だが軽妙で、本作でもダリア・ニコロディとのコミカルな遣り取りが結構多い。そのダリア・ニコロディはイタリアの女優。ホラーへの出演が多く『ザ・ショック』が有名であるが、本作のほか『インフェルノ』『フェノミナ』などアルジェント監督作品への出演が多い。そして今回の重要人物、カルロの母役のクララ・カラマーイだ。第二次大戦前に活躍した女優で、戦後の映画出演はルキノ・ヴィスコンティ監督の『郵便配達は二度ベルを鳴らす』と『白夜』くらい。本作では、元女優というそのままの設定で、自宅には昔の写真が沢山飾ってある。本作以降は映画出演もなく、アルジェント監督を追ったドキュメンタリーへの出演が記録に残っている程度だ。1998年死去。 左:デヴィッド・ヘミングス、右:ダリア・ニコロディ クララ・カラマーイ。右は若い時の写真(以前の記事のリニューアル版です)1975年・イタリア 106分 評価:4.5点 子供:×サスペリアPART2/紅い深淵 完全版+公開版 ◆20%OFF!↑日本公開版と約20分長い完全版の両方が観れてお得。実は短い公開版の方がテンポが良くていい。
Jun 12, 2005
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サム・ペキンパーの代表作。独特のバイオレンス描写が映画史に残る大傑作で「最後の西部劇」などと言われる。実在した強盗団がモデルで、ボスのパイクを演じるのはウィリアム・ホールデン。1910年代前半。無法者パイク(ホールデン)をリーダーとする強盗団「ワイルドバンチ」はメキシコ国境付近一帯を荒らしまわり悪名高かったが、業を煮やした鉄道会社がパイクの元相棒ソーントン(ロバート・ライアン)に追跡・撃破を命じる。ソーントンは保釈中の身で言う通りにする他なく、ならず者どもを引き連れてパイクを追う。パイク達の今度の仕事はアメリカ陸軍から小銃・弾薬を奪い、メキシコ政府軍に横流しするもの。ソーントンの追跡をかわしながらも強奪に成功。メキシコ政府軍・マパッチ将軍(エミリオ・フェルナンデス)に引渡す。しかしメンバーの一人・エンジェルが、自分の恋人がマパッチの愛妾に成り果てたと知り、怒りに任せて恋人を射殺。エンジェルはマパッチに捕らわれてしまう・・・冒頭、パイクたちの銀行(集金所?)襲撃のシーンから、スローモーションを多用した独特のバイオレンス描写が展開。途中、ソーントンとの追いつ追われつもスリリングだが、何といっても最後の戦い。これは実際に観て頂くしかないが、公開当時は大変な衝撃だったろう。特に4人で乗込んでいき、首領を撃った時の静寂さ!そして一転しての修羅場。主役のホールデンは悪者なのだが、『ウエスタン』のヘンリー・フォンダほど悪く見えない。他のメンバーはアーネスト・ボーグナイン、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、老エドモンド・オブライエンら。ウォーレン・オーツとベン・ジョンソンは、ここでは兄弟という設定だが、後年『デリンジャー』で敵味方として対峙することになる。この中ではやはりウォーレン・オーツだろうか。奇声を上げながら機関銃を撃ちまくるシーンが印象的。そして意外と重要なのがエドモンド・オブライエンだ。ラストのロバート・ライアンとのシーンは最高(ここが一番いいシーンかもしれない)。まさに「最後の西部劇」に相応しいシーンだ。 メキシコ民謡の影に隠れ勝ちだが、ジェリー・フィールディングの音楽が素晴らしい。彼にとっても間違いなく代表作だろう。(ラストシーン。ここの日本語訳は現在のDVDよりも以前のビデオの方がいい。オブライエンが一人になったライアンに言う、 「昔どおりとはいかないが、一人よりはいいぜ」 ----これぞ西部の男の世界!)1969年・アメリカ 137 分 評価:5.0点 子供:×ディレクターズカット ワイルドバンチ スペシャル・エディション(2枚組)
Nov 30, 2005
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