As ass’s ears

As ass’s ears

知識の源泉

☆The spring of art☆
「ギャラリーフェイク」 細野不二彦 著 現29巻(連載中)/小学館ビッグコミックス
どこまで本当でどこからがはったりなのかは、この作品の主人公・藤田玲司くらい読めない所だが、とりあえず全部信じてしまうほど、リアリティがあり興味深く面白い。そんじょそこらの美術展や画本や教科書では得られないような美術に関する表から裏からの技術や知識が、裏街道に微妙に足をつっこんでいる美術商のスリリングな物語性を邪魔せずきらびやかに散りばめられていて、オムニバスの一つ一つが出来のいいジュエリーのようである。(サラちゃんの気持ち受け入れてやってよ、フジタ。あんなに若くも可愛くも金持ちでもないけど、ダブって辛いからさ。)


☆The spring of science☆
「ひみつシリーズ」 (私は「ピッポくんシリーズ」と覚えていた) 著者多数 シリーズ多数(“新”ひみつシリーズになってまだまだ出ているらしい)/学研まんがひみつシリーズ
そういえば手塚氏の「リボンの騎士」以前に、私名義で買ってもらっていたのは、こっちが先でした。家族で本屋に行くたびに、次はどれにしよう、とぺかぺか濃赤色に光る背表紙に胸ときめかせたものです(全部は揃えなかったが)。お陰で無駄に物知り博士になれました。高校で理系に進んだのもこれの影響やも知れぬ。
「名前のひみつ」「手品の…」「植物」「昆虫」「宇宙」「忍者」「からだ」etc…今思えば結構真偽があやしい所があったのもご愛嬌。そして実生活では余り役には立たないのですがね。しかし漫画だとなぜこんなに覚えられるのだろう。



☆The spring of Archaeology & Detective☆
「マスターキートン」 勝鹿北星氏・作 浦沢直樹氏・画 全14巻/小学館ビッグコミックス
一応自分は考古学と探偵と冠したが、歴史・国際情勢・保険・軍事その他かなり広範囲にわたって、それぞれにDEEPに掘り下げている。見た目はよれっとしたキートンがそれぞれの話の中ではカッコ良く見えてくるから不思議だ。お父さんの太平さんが、さらに単なるじじいの割にはモテ男君で、やっぱりいい男に見えてくるから不思議だ。上述「ギャラリーフェイク」と同様、確かな知識に構築された良さを上回る、人間ドラマの深さが両作品の惹きである。



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