花畑 風来(はなばたけ ふうらい)映画日記

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「霧笛が俺を
呼んでいる
1960年」



名古屋港
第一稲永埠頭
に立ち並ぶ
古びた倉庫群

 倉庫の壁の黒ずみと老朽化によって崩れ落ちたコンクリートの修理跡が醸し出す侘しさが、港を舞台にした遠い昔の日本映画を蘇らせる雰囲気を漂わせている。


 ある日の夕暮れ時。
花畑風来がここを通りかかると、歌を歌いながら歩いてくる男女数人の若者たちの
姿が目にとまった。
仕事帰りらしく、その顔は晴れ晴れとしていた。
 耳を澄まして聴いてみると、どこかで聴いて事があるような懐かしさを匂わせるメロディである。

   霧の波止場に 帰ってきたが 待っていたのは 悲しいうわさ

   波がさらった 港の夢を

   むせび泣くよに 岬のはずれ 霧笛が俺を 呼んでいる

 花畑風来のかすれた記憶がしだいに輪郭をおびてくる。
脳裏に浮かんでは消える古い港の風景が、靄のかかったようなレンタルビデオ店の陳列棚と重なって、ビデオ「霧笛が俺を呼んでいる」の形が現れてくる。


 そうです。そうなのです。
この歌は、花畑風来が今から数ヶ月前、レンタルビデオ店で、なにげなく借りてきて観た映画「霧笛が俺を呼んでいる」の主題歌だったのです。


 今の若者たちには似つかわしくない歌。
彼らが知っているはずのない歌。
この古びた倉庫の群れから吹きさらす異質な風が、彼らにとっては異質な歌を歌わせているのだ。


 この映画はB級映画である。
低予算、短期間で大量につくられていた頃の映画である。
B級映画のなかには時として、才気にあふれる映画が出現する事があるが、この映画には才気は感じられない。
ストーリーもありふれていて特筆すべきものではない。

 この映画のテーマは、ストーリーではなく、港の高潮防波堤に一人たたずむ赤木圭一郎自身の姿に集約されている。
 育ちは良さそうだが暗い過去を背負って生きているような影のある顔だち。

 金持ちしか海外旅行ができなかった時代に、日本ではとうていエリートになれそうもない大半の若者たちの疎外感を癒していたのが「船乗りになって世界中を旅したい。」という思いではなかったろうか。
その思いが、自分を取り囲んでいる冷たい現実を意識した時、靄のかかった港の風景と重なりあって、赤城圭一郎の寂しく孤独な横顔へと向かってゆく。

 10代の吉永小百合の初々しい美しさが、この映画に安らぎを与えている。




「霧笛が俺を呼んでいる」 歌 赤木圭一郎 作詞 水木かおる 作曲 藤原秀行



 霧の波止場に 帰って来たが 待っていたのは 悲しいうわさ

 波がさらった 港の夢を むせび泣くよに 岬のはずれ

 霧笛が俺を 呼んでいる


 錆びた錨に からんで咲いた 浜の夕顔 いとしい笑顔

 きっと生きてる どこかの街で さがしあぐねて 渚にたてば

 霧笛が俺を 呼んでいる


 船の灯りに 背中をむけて 沖をみつめる さみしいかもめ

 海で育った 船乗りならば 海へ帰れと せかせるように

 霧笛が俺を呼んでいる






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Last updated  2005.05.28 11:51:19
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