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A氏
: 文部科学省の学習指導要領の改訂方針
が、文科省の諮問機関である 中央審議会
でまとまり、 11年度から新たな方針にそった授業が開始
されるという。
私
:18日の朝日新聞の社説でもとりあげていたね。
今の指導要領は「 ゆとり教育
」という旗印で 6年前
に、「 生きる力
」をつけるため「 総合学習
」をとり入れた。
それが 今度の改訂で授業時間数が増加して、理科や英語・算数・数学が2割から3割増加
し、「 総合学習」は代わりに減少
するという。
A氏 :「 ゆとり教育 」が始まってまもなく行われた 国際学力テスト の「 PISA 」で 日本の順位 が落ち込んだのと、 学力低下 を懸念した人たちの心配とが背景にあるね。
私
:社説は、 授業時間の増加が解決になるのかと疑問視
しているね。
そして、「 ゆとり教育」の功罪をきちんと総括しないで、方向転換をしていると批判
をしている。
ころころ変わる指導要領だね。
国家百年の体系がないために、日本の教育の自信のなさを示しているね。
私
:社説では、 具体的にどこに問題があったのか不明確
だとしている。
また、文科省が決める指導要領は細かすぎるから、 もっと現場に自由度
を設けるべきとしている。
A氏
:実際に、例の 和田中学校
では 授業時間を50分から45分にしてかえって効率を向上
したという。
今の指導要領でもできることはたくさんあるはずだね。
私
:問題は、この和田中学校の成功例を他の中学校が真似ていないことだね。
和田中学校の藤原校長は珍しい民間出身の校長
だね。
それが問題だよ。
社説は 現場の自由度
をあげよと言っているが、 現場の校長や教頭の改革能力
がなかったら混乱
をまねくだけだね。
A氏
:それに フィンランド
では 社会全体で国が目指す人間像に対して協力
している。
日本は基本的なことを忘れて、 目先のテスト結果
でうろうろする。
安倍前首相の「 美しい国
」の中身のあいまいさはともかく、 何かある人間像を目指して教育を変えていこうという基本的なやり方
はよかったがね。
それで「 教育基本法
」を変えた。
教員の質も向上しようとした。
ところが一方で、 現場の教員はムダな書類つくりが増加するという矛盾
だね。
効果的な武器を与えず、精神論で突っ込んでいく特攻隊精神
がまだ、生きているね。
私
:厳しいね。
そういえば、最近、教育だけでなく、今度の ガソリン税問題
も、 税制の問題
、 地方格差の問題
など、国全体のあり方がからんでいるのに、ただ、与党、野党ともに、 目先の議論
にはまっているだけだ。
A氏 :地方格差問題ももっと、 地方に自由度 をまかせたらいいのではないの?
私
:東京都の副知事になった 猪瀬氏
は、そういう考えのようだね。
自由にすれば、 地方は知恵を出して独立するようになるという発想
だね。
この人はよく調査はする能力はあるが、 改革・改善という理屈
は分かっていないようだね。
自由が問題解決をするのでなく、 人の知恵が問題を解決
するんだね。
大きな知恵
が出るのは「かけ」みたいなもんだよ
。
A氏 :自由にすると自然に、確実に知恵が出るんではないね。
私
:制約の中で苦しくても知恵を出す人もいる。
和田中学の例
がそうだね。
ところがそういう 知恵を出すべき世代
が、地方にいなくなっている。
老人が増加
している。
そこにいくら自由とカネをつぎこんでも意味がないと思うね
。
もっと日本を世界全体の流れの中で、どのような 戦略
で築いていくのかを明確にすべきだね。
改革
を叫んだ小泉さんは 改革後の日本の姿
を示さなかったから、現在、改革になっているか分からない。
安倍さんは「 美しい国
」を掲げたが、 具体的な行動計画がなく
イメージとつながらずに倒れた。
福田さんは 戦略なき
「 目先調整切り抜け
」型になってしまった。
日本は 前途多難 、どうなるかね。
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