知的漫遊紀行

私 8 月 4 週の朝日新聞の 「 ニュースの本棚 」欄で紹介されていたもので、

安田氏 は 主任弁護人 として目撃した 麻原彰晃の素顔 を明かし、なぜ 飽食の時代の若者たち が 無差別テロ に走ったのかという謎に迫っていくとある。

　実は、 犯行に使われたサリンの原材料 は 麻原が「捨てろ」と指示 していたものだったという。
教団幹部 がその指示に反して隠し持っていたことが 安田の反対尋問 で分かり、 麻原首謀説 が揺らぐとある。

A 氏 ： オウム真理教の裁判 は今も続いているのかね。

地下鉄サリン事件 が １９９５年３月２０日 だから、もう ２０年 たつね。

私 ：この本は文庫本だが、 ４００頁 もあり厚い。

オウム真理教以外の死刑裁判 も多く書かれている。

そのうち、 オウム真理教の裁判 にふれているのは、 １００頁ほど だね。

俺の興味があったのは、 オウム真理教の件 だけだからこれを集中的に読んだ。

検察の調べ も急がれたが、 裁判所 も早く結審しようとしたので 大分検察寄りの裁判 となったようだね。

A 氏 ：事件はすべて 麻原教祖の指示 だとなっているが 弁護側から見た事実 はどうかね。

私 ：この本では 被告の本名 を書いていない。

例えば、 地下鉄サリン事件の主犯格の林郁夫 を Ｈ医師 としているね。

しかし、 Ｈ医師の証言 には 教祖から直接、「サリンを撒け」という部分はなかった 。

「 科学技術省」トップの村井秀夫 氏が 数人の幹部 を集め、地 下鉄サリンを撒くことを指示した時 、「 これは 」と言って、一瞬言葉を止め、 顔を上に向け 、そしておろし「 ―――からの指示である 」と言葉を繋いだため、 教祖の指示とＨ医師は確信した という。

ところが その場にいた他の幹部 は そのような村井氏の動作を見ていないと供述 しているという。

A 氏 ： Ｈ医師の証言 はあいまいだね。

私 ： 教団は１９９５年１月１日 に 「読売新聞」のスクープ の後、 教祖の指示でサリンを作る原料を全部すてたことになっている 。

ところが、 Ｎ医師は捨てずに残していた という。

司法取り引きから出たのか、6人を殺しながら死刑を免れたＨ医師の全ては教祖の指示という自供と違い、村井はじめ幹部の功名争いが根底にあるようだ。

地下鉄サリン事件 だけでなく 一連のオウム犯罪 は 未だに闇を解明されていないが多く存在する ようだ。