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私 : 1980年 (昭和55年) は「 スキーブーム」 だったんだね。
A 氏 : 総務省 の調査 によれば 81年と91年を比較すると、スキー人口は20代を中心に、男性が2倍、女性は3倍に増加。
87年の映画「私をスキーに連れてって」に象徴される ように、 服装や用具をファッションとして楽しみ、ゲレンデのロマンスを期待する心理がスキーブームをさらに後押しした。
私 :しかし、 スキー人口は1993年の1770万人をピークに減少に転じ 、 スノーボード人口を含めた総数でも、1998年を境に減り、今はピークの4割強まで落ちた。
スキーリゾートを研究する筑波大の呉羽正昭教授(観光地理学 ) は、「 景気の低迷もありますが、ブームは極端だった 」といい、「 人が集まれば道もリフトも渋滞する。しかも寒い。流行の先端なら我慢できたことも、設備やサービスが従来のままなら飽きられる。つらい思いをしてまで行く魅力は薄れたのでしょう 」という。
A 氏 : 呉羽 氏の調べでは、 2012年までに開発された日本のスキー場は763カ所 。
うち37%が閉鎖・休業しており、特に00年以後の幕引きが目立つ という。
また、 呉羽 氏は、 現存するリフトの多くは1980~90年代のもの で、 新たな設備投資をする余力のあるスキー場は限られ 、 30年と言われるリフトの寿命 を考えると、 老朽化は近い将来の大きな課題だ という。
私 :しかし、 新たな活路を見いだす取り組み も始まっているという。
雪国など地方再生を手がけるコンサルタント・釼持勝 氏は、 お客様が押し寄せていた90年代半ばまでに、日本のスキー場は本来なら20年後の先細りを見据えるべきだった という。
欧米では当たり前にやっていたこと だが、 日本は後手に回り 、 他国と違い、スキー場がリフト中心の運輸業の扱い で、 サービス業ととらえた業界団体や研究機関が無かったことも一因。
今に至るまで手を打てず、 ギリギリで営業するスキー場がほとんどで、今やスキー場は衰退産業の先端モデルだ という。
A 氏 :現状では ブームの再来 は厳しいが、その中で、 それぞれのスキー場や地域の潜在力を最大化するに鍵は「危機感」だ と 釼持 氏はいう。
実際に 釼持 氏は、 2002年から3年間、北海道・ニセコ地域で外国人客受け入れの基盤整備に関わり、今、外国人の延べ宿泊数は低迷時の50倍に 。
成功の原動力は、切迫した「危機感」を持つ地元の若い人の存在。
剣持 氏は、「 強い危機感を持って外的な要因を冷静に分析し、どうすれば問題を解決できるのかを皆で一緒に考える努力ができる。そんな人材の育成が、地域の再生・創造の一歩になると思います 」という。
私 : 「地方創生」もスローガン気味 だが、こういう 地道な活動の積み重ね が必要だね。
原点は「危機感」だ ね。
ところで、今日、 東海地方のある労働集約型の中小企業 に仕事で行ってきたが、 人手不足は深刻 で、 非正規の人の応募はゼロ が続き、 募集の費用と見合わないので募集を現在あきらめた という。
一方、 最低賃金は上昇 するし、そ のコストアップを顧客企業は認めない ので、 次第に利益は減っている という。
背景に「少子高齢化」の波が地方に厳しく押し寄せている ことがあるが、 「危機感」をもって対応しないと人手不足による企業倒産が地方で増加する だろう。
「地方創生」 どころではなくなるね。