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私 : 日銀の黒田総裁が 就任して20日で丸5年。
19日公表の資金循環統計(速報) では、 日銀の国債保有残高は昨年末時点で前年比6・8%増の449兆円(時価ベース)。
緩和開始前の2012年末の3・9倍で、保有割合は国債全体の41・1%に達した。
A 氏: 巨額の国債買い入れで金利は0.795%から0.045%と下がり、円安・株高で企業収益も増えたが、国債の取引量は大幅に減少。
年金や保険は資金運用 収益悪化で金融機関はリストラ や手数料値上げを迫られている状態。
8~9日の金融政策決定会合で出た政策委員の「主な意見」 では、「 低金利が長期化すれば金融仲介が停滞するリスクがある」「副作用も考慮しながら適切な政策運営の検討が必要」などの政策修正を示唆した発言が相次いだ という。
私 : BNPパリバ証券の河野龍太郎 氏は「 一番の副作用は利払い負担の減少で『財政悪化』を許し、円安・株高による慢心で成長戦略も遅れた ことだ」と言う。
年6兆円のペースで買う上場投資信託(ETF)の保有残高は緩和開始前の12倍に増え、日銀が投信保有を通じて実質的な大株主となった企業も多い。
A 氏 : 5年間で138兆円から479兆円と大量供給されたお金 は、 成長戦略 にではなく、 不動産投資などに偏って流れ込み 、 局所的なバブルを誘発 。
第一生命経済研究所の熊野英生 氏は 「緩和が長引くほど副作用が膨らみ、将来に禍根を残すようなバブルが生まれる可能性も出てくる」と指摘 する。
私 : 黒田総裁 は 「現時点で行き過ぎはみられない」と繰り返すが、2%アップの物価目標の達成前に副作用が強まれば、日銀は難局に立たされる。
国会で、森友学園問題の公文書改ざん問題でもめている間 も、 金融緩和で、カネは貯まり続けているが、この重要な議論は抜けているね。
黒田総裁再任後の5年の政策運営 は、 副作用の抑制もにらんだ難しいかじ取りを迫られると予測される。