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ルテアトル銀座、二月花形歌舞伎昼の部(10日)昨日10日に今月唯一の歌舞伎観劇に、ルテアトル銀座の二月花形歌舞伎へと行ってきました。この劇場の客席は傾斜がついているので、前よりも中ほどから後ろのほうが見易いです。でも、花道はありませんから舞台下手に短い仮花道を付けてあるだけ。もちろん花道七三のスッポンもありません。これをどう克服するか・・・・。黒い花道の壁にヒントがありました。この日は、四国の澤瀉屋ファンが遠征してまいりまして、要望により花道が良く見えるようにと、10列目のセンター部花道に近い方を確保しておきましての観劇であります。まず、昼の部は、猿之助四十八撰の内『於染久松色読販~お染の七役~』。作者は鶴屋南北。野崎村と言う演目で知られる、お染久松のラブストーリーを南北が大活劇に書き換えたとか。今回は、猿之助さんが平成3年に上演した脚本で18年ぶりに上演されるものです。猿之助版でないものは、玉三郎さんや福助さんが何度も繰り返し上演しておりますし、平成21年5月の新橋演舞場では福助さんの七役を拝見しております。その時の記録は、こちら。ですから、今回は、どのあたりが異なるのかと言うことも興味津々。さらに、猿之助さんいわく「亀治郎には私以上に適した演目」とのことでありますが、こればかりは19年前には歌舞伎を観ていなかったので、比べようもありません。幕が開いて序幕第一場において、話の展開にが進むと、次々と七役早替わりで登場いたしました。話の展開で違う役ですから、当然、亀治郎さんの衣装や鬘、眉などそれぞれ異なります。眉はいちいち描き直す時間などあろうはずもありませんから、鬘の下に被る羽二重に細工がしてあるとか。違う拵えで出てきても亀治郎が出てきたと言うより、それぞれの役の登場人物が出てきたことをきっちりと認識出来るのは凄いです。何故って、そりゃァまあ、辛口になるから、あんまり言いたくないけど、澤瀉屋の早替わりを演じている方の中には、どんなに違う役で出てきても、ただ単に同じ役者が出てきただけにしか見えない方がいるからであります。これだけ沢山の役を一人でやるとなると、話の展開では同時に顔合わせしなければならない場面もありまして、そんな時は吹き替えを用い、顔を見せないようにしておりますから、これから観る方は、どのあたりで吹き替えを用いているかもお楽しみに。でもね、こちらが吹き替えだと思っていると実はあちらが吹き替えだったなんてことになりますから、ほどほどに・・・・。七役の中では、土手のお六が悪婆役ではありますが、相方となっている鬼門の喜兵衛@染五郎さんとの息もぴったりと合っていてノビノビとご自分の色合いで演じていたのではないでしょうか。鬼門の喜兵衛って言うのは幸四郎ほくろを付けているのですが、これは、この役を初演した五代目松本幸四郎にちなんでのもの。前に見た時にも気になっていた、タニシの木の芽和えが出て参りまして、いつか食べてみたいものであります。(美味しいのかどうか分かりませんけどね)喜兵衛は殺されてしまいますけど、相方の土手のお六も敵役か悪役にしか見えないのですが、実は・・・・と言うあたりがいかにも南北のお家騒動ものの筋書きであります。観ていれば分かりますよ。女形ではあっても最後は立ち回りがあり、亀治郎さんにはお手のモノですね。チョン・パ! で、これ切り~の口上にて幕となります。以下は、歌舞伎美人よりお借りして記録しておきます。「二月花形歌舞伎 公演概要」●日程:2011年2月1日(火)【初日】~25日(金)【千穐楽】●時間:昼の部 午前12時半~/夜の部 午後4時半~(午後6時半開演もあり) ●会場:ル テアトル銀座●演目と配役【昼の部】(午前12時半開演)一、猿之助四十八撰の内『於染久松色読販~お染の七役~』(おそめひさまつうきなのよみうり)油屋娘お染/丁稚久松/許嫁お光/後家貞昌/奥女中竹川/芸者小糸/土手のお六:市川 亀治郎鬼門の喜兵衛:市川 染五郎髪結亀吉 坂東亀三郎船頭長吉 中村亀鶴油屋多三郎 澤村宗之助女猿廻しお作 市川笑也庵崎久作 市川門之助油屋太郎七 坂東秀調山家屋清兵衛 大谷友右衛門『お染七役』とは――― 宝永年間(1704~1711)に、大坂で起こったお染と久松の心中事件は世間を賑わし、すぐに歌舞伎や人形浄瑠璃に取り上げられました。文化十年(1813)三月、江戸森田座において、大南北と称される四世鶴屋南北の作により初演されました。主要人物七役を早替わりで演じるという趣向が受け、大人気となった作品です。 質店油屋の娘お染(亀治郎)と山家屋清兵衛の縁談が進められていますが、お染には久松(亀治郎)という言い交わした相手がいます。しかし、久松にもお光(亀治郎)という許嫁があり、元は武家の子息で、紛失した御家の重宝の短刀と折紙を捜しています。姉の竹川(亀治郎)も久松の身を案じ、短刀の探索の金の工面を土手のお六(亀治郎)に頼みます。お六と亭主の鬼門の喜兵衛(染五郎)は、油屋で金を騙し取ろうとしますが、あえなく失敗します。一方お染は、久松の子を宿しながらも、母親の貞昌(亀治郎)の説得にあい、ついに家を抜け出します...。 主人公のお染から丁稚・久松、奥女中・竹川、後家・貞昌、芸者・小糸、許嫁・お光、土手のお六とスリリングに展開される早替りは見応えの連続です。傘やござ等を巧みに使い、二人の人物がポンとぶつかった途端に入れ替わる等見事な早替りが展開されます。 また久松の生まれ、御家騒動の背景、御家の重宝の剣の探索の話が綴られ、南北らしい人間のおかしみや陰惨な場面が展開されます。 夜の部は、また後程。
2011年02月11日
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