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2006年10月12日
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去る10日、昼夜通しで観劇してきた、芸術祭十月大歌舞伎の夜の部です。いつものことながら、夜になると、かなり船を漕いで意識が薄らぐ時間が増えてきますので、覚えている範囲でまとめておきます。

【昼の部】話題とみどころは、歌舞伎座の案内から。

一、 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

五段目  山崎街道鉄砲渡しの場
  同    二つ玉の場
六段目  与市兵衛内勘平腹切の場

『五段目』
早野勘平   仁左衛門
斧定九郎   海老蔵
千崎弥五郎 権十郎
『六段目』
早野勘平     仁左衛門
女房お軽     菊之助
千崎弥五郎   権十郎
不破数右衛門 弥十郎
おかや         家橘
一文字屋お才 魁春

話題とみどころ

主人塩冶判官の一大事に駆けつけられず、自責の念に苛まれる早野勘平(仁左衛門)は、女房お軽(菊之助)の実家へ身を寄せ、狩人をしています。山崎街道でかつての同志千崎弥五郎(権十郎)に出会った勘平は、名誉挽回のために仇討資金を調達することを約束。一方お軽の父の与市兵衛は、お軽を祗園に売ることでその資金をつくろうとし、手付け金五十両を得ますが、塩冶の家老の息子で今は山賊の斧定九郎(海老蔵)に襲われ、金も命も奪われます。大金を手にほくそ笑んだのもつかの間、定九郎は猪と間違われて勘平に銃殺され、五十両は勘平の手に渡ります《五段目》。
お軽を引き取りに来た祗園の一文字屋お才(魁春)の話から、勘平は自分が与市兵衛を撃ち殺したものと勘違い。姑に疑われ、同志の千崎、不破数右衛門(弥十郎)に突き放されると切腹して詫びますが、その直後に疑いが晴れ、敵討の連判状への血判を許されます《六段目》。
悪の凄味と色気を印象付ける定九郎の登場など、錯誤の発端の一部始終をほとんど無言で表現する五段目と、追いつめられて行く勘平の心の機微を、緻密に描く六段目。練り上げられた型の数々によって、鮮烈な勘平の悲劇が描かれます。

<印象記>
片岡仁左衛門、東京で20年ぶり勘平役   (2006年09月28日)、と言うことで、東京では、滅多にお目にかかれなかったのですね。

そして、もう一人、初役で斧定九郎(海老蔵)がおりました。黒の紋付姿は塁(かさね)や、江戸の夕映えなんぞを彷彿とさせます。このお役は、早野勘平(仁左衛門)に火縄銃で撃たれてあっけなく死んでしまうのですが、短い中にも成田屋風の凄みが・・・。成田屋
《六段目》での勘平(仁左衛門)は「浅葱の紋服にするのは、暗い話の中にどこか花が咲く美を見せたいから。過ちを犯した色男の色気を表現したい」 と、浅葱の紋付に着替えまして、これまで観たものとは一味違うイメージになってました。
女房お軽(菊之助)は新婚っぽさが抜け切れていない女房と言う感じでしたね。一方、母親のおかや(家橘)は、婿の勘平にも容赦なく立ち振る舞う姿など、しっかり者風でした。

最後に勘平が腹を切った後の進み具合なんぞは、仁左衛門仕立てと言うことでしょう。演じる方によっていろいろな舞台が見られるのも、歌舞伎の面白さですね。

二、 梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう) 髪結新三

序 幕  白子屋見世先の場
      永代橋川端の場
二幕目  富吉町新三内の場
      家主長兵衛内の場
      元の新三内の場
大 詰  深川閻魔堂橋の場

髪結新三       幸四郎
家主長兵衛     弥十郎
手代忠七       門之助
加賀屋藤兵衛   男女蔵
下女お菊       宗之助
家主女房おかく 鐵之助
白子屋後家お常 吉之丞
車力善八       錦吾
下剃勝奴       市蔵
お熊           高麗蔵
弥太五郎源七   段四郎

話題とみどころ

出張専門の髪結いで小悪党の新三(幸四郎)は、材木屋白木屋のひとり娘お熊(高麗蔵)と、恋仲の手代の忠七(門之助)をさらい、白木屋から身代金をせしめようとします。誘拐された娘を取り戻そうと白木屋から依頼を受けた親分の弥太五郎源七(段四郎)が新三のもとを訪れますが、持参した金額の安さをなじられ、交渉は決裂。が、続いて現れた老獪な家主の長兵衛(弥十郎)が、まんまと新三をやり込め、お熊を取り戻すことに成功します。顔に泥を塗られて収まらない弥太五郎源七は、閻魔堂橋のたもとで新三を待ち受け、仕返しに及びます。江戸の市井の風俗をみごとに活写した、河竹黙阿弥の代表作。ワルでありながら、どこか憎めない新三役に、幸四郎が初挑戦します。

<印象記>
舞台では初めて見たのですが、これまでに無く、ご立派な新三(幸四郎)でした。小悪党と言うより髪結いらしからぬ悪党かな。
家主長兵衛役で、弥十郎が、やっと、この日の中で一番長い出番です。新三を見事にやり込める駆け引きの場面は大笑いでした。ちょっとした江戸時代のコメディだと思いますので、この場面でも新三の幸四郎に、もう少しくだけていただければと言うか、軽さがあれば新たな幸四郎の一面を見られて、もっと面白いでしょう。
手代忠七(門之助)が素直で実直な手代を好演していました。弥太五郎源七(段四郎)は、この場の役どころをしっかり押さえて、はまり役ですね。
どんなに大役者になっても何事も挑戦する姿勢を大切に、これからも幸四郎の新しい一面を見せていただきたいものですぅ。

夜の部は、掛け声の方もかなり帰られて二人ほど通しで居残っていたようです。
総じて昼の部の華やかさが歌舞伎を楽しめるかなって言う一日でした。






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最終更新日  2006年10月12日 22時57分54秒
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9月1日(日)~25日(水)新橋演舞場 九月大歌舞伎

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9月28日(土)高山市他 錦秋特別公演 芯 2013 勘九郎、七之助他

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10月3日(木)~27日(日) 大阪松竹座 十月花形歌舞伎

10月3日(木)~27日(日)国立劇場 10月歌舞伎公演

10月5日(土)~27日(日) 日本特殊陶業市民会館 錦秋名古屋 顔見世

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11月1日(金)~11月25日(月) 巡業 松竹大歌舞伎

11月1日(金)~25日(月) 歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎

11月1日(金)~25日(月) 明治座 明治座 十一月花形歌舞伎

11月3日(日)~26日(火)国立劇場  11月歌舞伎公演

11月5日(火)~10日(日) 永楽館 永楽館歌舞伎

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12月1日(日)~25日(水) 歌舞伎座 十二月大歌舞伎

中村屋の定式幕(新橋演舞場にて)
新橋演舞場の中村屋の定式幕


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