PR
キーワードサーチ
カレンダー
コメント新着
フリーページ
本来の醤油の製造工程は、大豆と小麦に麹を加えて発酵させるものだ。麹が出す酵素に大豆のタンパク質を分解させてアミノ酸を作らせるのだ。これには時間がかかる。
こうした正統な、伝統的な醤油作りならまず問題はないけれど、資本主義は恐ろしいもので、いかに時間をかけず安くつくって、大量に売るかを追及する。化学的にみれば、醤油はタンパク質をアミン酸に変えるだけの工程である。 素材が何であれ、タンパク質をアミン酸に変えればいいだけの話になる。
昨今の発泡酒や第三のビール、中国の髪の毛醤油などと同じインチキだ。
どうするかといえば、 タンパク質に塩酸を加えるとたちまちアミノ酸に分解される。われわれの胃のなかでもこういう化学反応が起きている
。そうすれば麹も酵素もいらない。 これでインチキ醤油が作られるのだ。
正統醤油は丸大豆が原料になるが、インチキ醤油はタンパク質でありさえすればいいので、 脱脂加工大豆
を使うのだ。これは 食用油を搾った後の、豆カス
である。戦時中の食糧難時代に考案された。徴兵を逃れるためこの醤油を大量に飲んだ人もいる。
現在では、 醤油の80~85パーセントがこの脱脂加工大豆
である。いかにも丸大豆に含まれる脂肪分はなくても醤油はできるが、風味やまろやかさがなくなる。
パック寿司やパック納豆のおまけ醤油は、風味もコクもまろやかさもない。なんとなく醤油らしい液体でしかない。
脱脂加工大豆から油を搾る際に、圧搾して油をとるなら、これは物理的でなんら支障はない。けれどたいていの食用油がそうであるように、大豆の場合も薬品を使って脂肪を分離させる。ヘキサンという有機溶媒の薬品だ。 ヘキサンは揮発性が高いから食品に残存しないと言われるけれど、実は毒性がある。マウスを使った実験では、吸わせると麻酔がかかったようになり、濃度を上げれば痙攣を起こして死ぬ。
食品添加物の使用基準としては、最終的な食品に残存してはならないとなってはいるが、あくまで基準である。脱脂加工大豆の残存の危険性はゼロではないと言われる。
ついでながら、先に述べたように、食用油はスーパーに置いてあるような(テレビCMで宣伝しているような)大手メーカーの商品は、みんな搾った油ではなく、薬品で処理した油だから、危ない食品である。やれ「油っこくない」「オレイン酸が多い」「さらさら」「栄養機能食品」「コレステロール ゼロ」などと美辞麗句を並べてあっても、危ないものである。
かといって、昔のように搾った新鮮な食用油を量り売りしている商店など、ほとんど絶えてしまっているから、怖い話である。
さて。
脱脂加工大豆(豆カス)を素材にしても、麹を使って発酵させればまだしもだが、冒頭に書いたように、タンパク質に塩酸を加えるだけでアミノ酸に分解される方法を使えばもっとコストを抑えられて簡便に合成醤油ができる。
ただしそれだけでは、麹や酵素がつくりだす自然な色や風味、うまみ、とろりとした味わいなどはできない。 それで大加工が行なわれる。
色はカラメル
でつけて、黒くする。
甘みはサッカリンやステビア
をぶち込む。
うま味はグルタミン酸ソーダ
、すなわち「味の素」と同じ化学物質をいれる。
とろみ、 粘り気をだすカルボキシルメチルセルロース
などの増粘多糖類をしのばせ る。 さらに 合成されたものは腐りやすいので、防腐剤
(安息香酸)を加える。
安息香酸は抗菌作用があるとのことで、清涼飲料の保存料としても使われる。安息香酸ナトリウムと、合成着色料であるタール色素とを同時に摂取すると、注意欠陥・多動性障害の子供には危険であるとされる。さらに、清涼飲料水中に安息香酸とアスコルビン酸が共存する場合には微量のベンゼンが生成する可能性があるというのだから、うっかりインチキ醤油を飲んだあとでアスコルビン酸を摂取したら、胃の中で猛毒のベンゼンが発生したなんてことにならないのだろうか?
しかし、いくらこんなことで警鐘を鳴らしたところで、大衆はきっとこういう。
「そんなことを気にしていたら、何も食べられない。国が安全だと保障してくれている食品だし、新聞テレビでもダメだといわないのだから、普通に食べればいい」
そして、白のタオラー、熱血カリスマらーめん屋は、無化調を自慢しながら合成醤油をバンバン使う。
だから、客の目の前で冷凍の鶏ガラを下処理もせず寸胴に入れ、大杓子で味の素を大量に放り込むというラーメン屋さんが嘘をつかない誠実な人に見えてくる。こんな店が岡山では人気があるのかもしれない。
家庭用のラーメンのスープとは 2012年04月21日 コメント(4)
近くのスーパーエスパーニャで見つけた3… 2012年04月05日
パラグアイの国民的昼食・ラーメン・タジ… 2012年04月04日 コメント(2)