武蔵野航海記

武蔵野航海記

2008年01月20日
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インド、東南アジア、支那、朝鮮、日本は同じ仏教文化圏だという説がありますが、これはとんでもない誤解だと思います。

インドには仏教は残っていませんし、東南アジアの小乗仏教は日本の仏教とは別のものだと割り切ったほうが良いと考えます。

支那で仏教が盛んになった時期は確かにありましたが、これは3世紀~10世紀ぐらいまでで、現在の支那に仏教はありません。

この時期、支那を支配したのは北方の騎馬民族で、彼らは儒教などに関心を持っていませんでした。

そこで従来からの知識階級は、儒教を学んでも実際の政治に役立てることが出来ず個人的な出世にも役立たなかったので、儒教から仏教に一時的に鞍替えしただけのことだったのです。

朝鮮では統計上仏教徒は全人口の20%弱となっていますが、実態がどうかは疑問です。

現在の南朝鮮では30%がキリスト教徒だと統計上はなっていますが、これに関しては斉州島出身の朝鮮人で日本の大学教授をしている呉善花は、「あれは新興宗教だ」と明言しています。

朝鮮では政治・経済的な活動が宗教の衣をかぶることが歴史的に多いのです。

この件に関してはもう少し情報を集めてから判断をしようと思っていますが、朝鮮では「仏教徒」の方が「キリスト教徒」より少ないわけで、朝鮮が「仏教国」とは言えません。

いずれにしても、現在日本で行われている大乗仏教は日本だけのものだということを、はっきりと認識しておく必要があります。

もう一つ日本の仏教の特徴として、古くからの宗教である神道の発想を大いに取り込んでいるというのがあります。

日本では古代から、恨みをのんで死んだ人間やこの世に未練を残している魂は怨霊になると考えられています。

この怨霊を祭って鎮魂し良き神にして人間に幸福をもたらすようにするのが、古来の神道の重要な役割でした。

仏教が入ってからこの鎮魂の役割を仏教が果たすことになりましたが、こういう類のことは本来の仏教の使命ではありません。

先祖を祭るというのも同じことで、先祖の中にはこの世に未練や恨みを持つものがいるので、彼らを祭って祟りを起こさせないようにするわけです。

これも日本では仏教の役割になってしまいました。

というより今の日本の仏教が主として行っているのは先祖を祭ること(供養)になっています。

このように日本の仏教というのは、本来神道が行うべき役割を果たすことによって日本の社会に受け入れられていきました。

今の日本の仏教というのは色々問題を抱えていますが、大乗仏教の教えそのものは良く考えられた宗教だと私は思うようになりました。

そしてこの大乗仏教が日本人の発想である「あるべきようは」を形成していったのです。

「あるべきようは」という発想は非常に良い面がありますが、同時に大きな弱点を持っています。

こういうわけで、仏教と「あるべきようは」をこれからもっと勉強しようと考えています。





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最終更新日  2008年01月20日 08時59分04秒
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Re:日本人が仏教だと思っているものは日本にしかない(01/20)  
七詩  さん
神道には死者の祟りや怨霊を鎮めるといったような生者のための死者儀礼はあっても、死者本人のための儀礼はなかった。そのあたりに仏教の需要というのはあったのかなと思います。
それにしても、非常に現世的で現実的思考の中国人がなぜ、インドに発生した世界宗教を一時的とはいえ、受け入れたのかは興味深いです。いいかえればなぜ仏教というのは西ではなく、東にひろまったのでしょうか。 (2008年01月20日 12時51分50秒)

Re[1]:日本人が仏教だと思っているものは日本にしかない(01/20)  
七詩さん
-----
なぜ仏教が西ではなく東に広がったかという問題は興味深いですが、しっかり研究した人はいないみたいですね。
私が勝手に想像しているのですが、西にはイスラム教があります。
仏教はインドから中央アジアに広がりましたが、やがてここにイスラムが侵入し、仏教を偶像崇拝の邪教だとして徹底的に弾圧しました。
これは今でも続いていて、アフガニスタンのゲリラが石窟寺院の仏像を破壊したのはご記憶にあると思います。
こういう歴史的経緯を知ってか知らずか、平山郁夫などという政治ゴロが「文化財の保護」などと言っているのは宗教的無知そのものです。
仏像は宗教的な装置であって芸術品ではないという基本を分かっていないのです。
また西にはキリスト教やイスラム教、ミトラ教などギリシャ哲学で教理を鍛えた宗教があったことも仏教が西に行かなかった理由だと思います。
儒教は教理がいい加減で、仏教が優位になってからあわてて仏教の教理を取り入れて再構築しています。
朱子学などはこの典型だと思います。
要するに東の宗教は競争によって鍛えられるということがなかったからではないでしょうか。 (2008年01月20日 13時56分06秒)

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