武蔵野航海記

武蔵野航海記

2008年02月09日
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ストア派哲学者であったマルクス・アントニウス皇帝は紀元後2世紀後半の人でした。

彼の時代から急に北方蛮族の侵入が激しくなり、彼はそのために東奔西走して疲れ果て死んでしまいました。

彼の死後実子が皇帝になるのですが、無能だったので軍隊の幹部に殺されました。

この時代、かつてローマを繁栄に導いた元老院は名前だけで皇帝の飾りに成り下がっていましたし、市民はかつての活力を失っていました。

そうして軍隊だけが政治勢力としての実力を保持していたのです。

マルクス・アントニウスの息子を殺害した後、各地域に駐屯していた軍隊の司令官たちが互いに皇帝になろうとして争うようになりました。

国境を守る軍隊が互いに戦っていたので、北方の蛮族も好きなように侵入し始めました。

まさにローマの終わりの時代が始まったのです。

日本人のローマ史家である塩野七生は、「ローマの各時代の彫刻を見るとそのときのローマ人の心理状態がよく分かる」と面白いことを言っています。

ローマが隆々としていた時の彫刻は、写実的で力強いです。

しかし落ち目になった時代の彫刻はまるでヨーロッパ中世の作品のようで、写実性がなく非常に幼稚な感じで、どの彫刻も個性がないのです。

彫刻を見るだけで、この時代はもはや中世なのだなと感じることが出来ます。

また経済的な衰退のために軍隊の数も激減しています。

かつてのローマ軍は、各地に駐屯している軍団を合計すれば30万人ぐらいあり、皇帝が直接率いる遠征軍は10万人を下りませんでした。

しかし落ち目になった時代には皇帝が率いる軍隊も1万人や2万人程度になってしまいました。

この数字は中世そのものです。

14世紀の百年戦争でイギリス王やフランス王が率いた軍隊も五千人や1万人ぐらいです。

もう一つこの時代の特徴として、宗教が大いに流行ったことが挙げられます。

これも中世と同じです。

ヨーロッパの中世は、蛮族の侵入によりローマが滅びた時から始まるのではなく、3世紀から始まっているのです。





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最終更新日  2008年02月09日 07時51分55秒
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