武蔵野航海記

武蔵野航海記

2008年04月18日
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江戸時代の研究が最近非常にすすんできていて、日本人が持っている江戸時代に関する常識が間違っているということが明らかになっています。

一般の日本人が抱いている江戸時代に対するイメージというのは、貧しく窮屈で暗いというものだと思います。

最初に考えなければならないのは、こういうイメージを積極的に作ったのは革命政府だということです。

薩長が中心になって作った明治政府は江戸幕府を敵として倒して出来た政権ですから、江戸時代を故意に悪くして「それに比べて今は非常にありがたい御世ではないか」と主張するわけです。

それに輪をかけているのが「左翼」で、昔のことはなんでもかんでも「封建的」と非難するのが仕事ですから、昔のことがよけいに分からなくなっています。

確かに江戸時代は今より貧しく、格差も今とは桁違いに大きな社会でした。

しかしそういう色眼鏡で見ると個々の現象を見落としてしまうのです。

高校では江戸時代の年貢率は「六公四民」とか「五公五民」で、税率は60~50%だったと教えています。

だから百姓は米の飯を食べることが出来なかったというわけです。

こういうデタラメを何の検証もせずに教えているというのは驚きです。

江戸時代中期の人口は3000万人で米の取れ高は3000万石です。一人一石となり全日本人が三度三度米を食べられるのです。

そもそも一石というのは一人の一年間の米の必要量の意味なのです。

一石は150キロですから四人家族では年間600キロで、月に50キロです。

こんなに米を食べている家は今はほとんどないのではないでしょうか。

江戸時代の武士は全人口の10%弱で、町人を含めても20%です。

この20%が日本中の米の60%を手に入れても食べきれないのです。

さきほど言った「六公四民」とか「五公五民」は極端な例で、普通は「四公六民」と税率40%でした。

幕府の直轄領では30%が普通でした。

これでも武士や町民は米を食べ切れません。

ということは江戸時代は上から下まで脱税が公然と行われていた社会だったということです。

平均的に言うと、農民は藩に対し取れ高の半分しか申告をしていませんでした。

1000石採れる村では500石と申告することにより、表面上の税率40%を適用されても実質は20%の税率だったのです。

人口の80%を占める農民は80%の米を食っていたわけで計算が合うのです。

さらに藩は幕府に対し脱税していました。

仙台の伊達藩の台帳では、領内の取れ高は120万石となっていましたが、幕府には60万石といっていました。

この藩の台帳の120万石にしても過少申告で実際は240万石だったのです。

要するに江戸幕府は、実際の米の取れ高の四分の一しか捕捉していなかったわけです。

こういう基本的なことを素通りして文書だけを調べても本当のことはなにも分からないのです。





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最終更新日  2008年04月18日 09時02分47秒
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