武蔵野航海記

武蔵野航海記

2008年04月28日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
明治維新を招来した思想には、水戸学(山崎闇斎系列の日本化した儒教)、国学のほかに蘭学があります。

幕末の志士には蘭学者は少ないですが、蘭学が幕末の思想に与えた影響は大きいと思います。

オランダの医学を学ぶことから蘭学は始まりました。

その後欧米の船が日本近海に出没し国防上の問題が大きくなるに連れて、軍事学としての蘭学がクローズアップされてきました。

アメリカ独立戦争やフランス革命・ナポレオン戦争という欧米の事件は、幕末の志士には常識だったのです。

特にナポレオン軍は何故強かったのかというのが日本の武士の強烈な関心事でしたが、貴族を否定して平民を徴兵したためだということが次第に分かってきました。

徴兵制を実行するには階級制度を廃止しなければならないということが分かってきたのです。

しかし幕府や藩を運営しているのは武士ですから自分の階級を否定することは非常に難しく、そうかといって武士を温存しては欧米の侵略に対抗できません。

このときからこの壮大なジレンマが始まります。

薩摩などはまさにそうで、幕末に強力な洋式軍隊を作り倒幕を行いましたが、維新後は武士の特権を守ろうとして西南戦争を起こしました。

西郷隆盛も大久保利通も武士を廃止しなければ日本の独立は無いということが分かっていましたが、時代遅れの武士に同情して自滅したのが西郷隆盛です。

ペリー以後の騒乱期に幕府や諸藩は洋式軍隊を作りましたが、徴兵制を前提とする洋式軍隊と武士のプライドが摩擦を起こしました。

武士の次男・三男を兵士にして洋式軍隊を作りました。まだ庶民を兵士にしようという気にはならなかったのです。

彼らに鉄砲を持たせて様々な軍事訓練をしました。

兵隊は遠方の敵には銃弾を浴びせ、接近したら剣で以って白兵戦を行います。

このために銃の先に剣がついているのです。

この銃剣というのが一番合理的なのですが、武士の次男・三男は納得しません。

腰の剣を外すことを武士のプライドが許さないのです。

ですから銃を持ち更に刀を持つわけで、非常に重量が増えるだけでなく、接近戦では銃を捨てて刀を構えるという見ていられない状況になりました。

また洋式軍隊には隊列・集団運動が不可欠ですが、これを自分たちを足軽扱いするということで受け入れないのです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年04月28日 08時31分12秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

プロフィール

小川のジョージ

小川のジョージ

コメント新着

shimanuki@ 貴ブログを拝読してのお願い 初めてご連絡させて頂きました。 私、株…
閲覧者@ Re:ツイッター(01/15) はじめまして。もう6年以上も前の記事なの…
matt@ gdrJnOuevls YnkSiF http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
matt@ IzwpNkRETOhQpCn letF1M http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
julian@ krwuxtpmJFP IbmiSr http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
julian@ mYbsTXaKLqnB 9bnzxn http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
sally@ NaNGabeaKJYv YzljX0 http://www.FyLitCl7Pf7kjQdDUOLQO…
john@ mLwAlkOWyDpdifNTRwb Kh6dOB http://www.QS3PE5ZGdxC9IoVKTAPT2…
xMIuHh ikcvgdm@ xMIuHh <a href="http://ikcvgdmuojgv.com/">ikcvgdmuojgv</a>, [url=http://hqopyip xMIuHh &lt;a href=&quot;http://ikcvgdm…
matt@ QCsLOESFFSYWul 4J3vON http://www.QS3PE5ZGdxC9IoVKTAPT2…

バックナンバー

2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月

フリーページ

小川の蛍


ご主人


薩摩藩


夜這い作法


JR西日本


スイス


バチカン


神との契約


システィーナ礼拝堂


コンクラーベ


多数決


一山衆徒


一向一揆


オノレ・ド・バルザック


チャイニーズ


チャイナの原風景


サビニ族の女達の略奪


葬儀場


鐙が世界史を変えた


額田王


邪馬台国


お釈迦様


天台本覚論


会社は誰のものか


パンテオン


日出ずる処の天子


家族の絆


氏素性


大王は神にしませば


源頼朝


平将門


明恵(みょうえ)上人


北条泰時


貞永式目


シェイクスピア


不干斎ハビヤン


近代資本主義の精神


鈴木正三


石田梅岩


由井正雪


熊沢蕃山


朱舜水


聖人


封建制度


山崎闇斎


浅見絅斎


靖献遺言



赤穂浪士


出版


大日本史


荻生徂徠


国学


18世紀の思想家たち


サン・ジュスト


ジョン・ロック


水戸学


兵学


雄藩


明治維新


福沢諭吉


中江兆民


明治憲法


ヨセフス


日清戦争


徳富蘇峰


明治の終焉


軍部


敗戦


日本国憲法


伝統世界への回帰


葬儀場


「あるべきようは」の生成


個人的な動機


輪廻転生


東京国立博物館


「日本人のための憲法原論」を読んで


続「日本人のための憲法原論」を読んで


続続「日本人のための憲法原論」を読んで


「日本人のための憲法原論」を読んで 4


日本神話について


「日本人のための憲法原論」を読んで 5


「日本人のための憲法原論」を読んで 6


目付


目付 2


目付3


為替


ローマ史を読みました


ローマ史を読みました 2


ローマ史を読みました 3


ローマ史を読みました 4


ローマ史を読みました 5


お家大事


敗戦後のクリスチャン


尾瀬


尾瀬 2


西洋哲学を読みました


西洋哲学を読みました 2


飼い犬の交通事故


西洋哲学を読みました 3


西洋哲学を読みました 4


郷士


仏性


郷士 2


御霊神社


千日回峰



© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: