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銃器職人(ガンスミス)・デイブ2のご紹介です。ゴルゴ13のスピンオフシリーズの第2巻です。前巻の記事はこちら。ゴルゴ13スピンオフシリーズ 1 銃器職人・デイブ(2)【電子書籍】[ さいとう・たかを ]※本記事はネタバレを含みます。【収録作品】グリーンゴールドとモンストゥラスメキシコでアボカドは「グリーンゴールド」と呼ばれ、莫大な金を生む輸出品となっています。その利権をめぐって、多くのカルテルが争いを繰り広げていました。ゴルゴに呼び出されメキシコにやって来たデイブは、かつての顧客だったコロネルに出会います。コロネルは戦いから身を引きアボカド農園を経営していたのですが、息子がカルテルに殺されてしまいました。復讐を誓うコロネルのために、デイブは仕事を引き受けることにしました。はたして堅牢な装甲車を打ち抜く銃弾を作ることはできるのか?火龍(ガアシエンディエタ)の呪いロシアとウクライナの緊張が高まる中、争いを煽る者たちを抹殺して回る女スナイパーがいました。負傷した彼女はモホーク族の青年に助けられます。ですがモホーク族の居留地にシェールガスが埋まっていることが判明。それを狙うマフィアによって青年は殺されてしまいます。助けてもらった義理を果たすため、女スナイパーは一人でマフィアと戦うことを決意します。彼女に渡したデイブの策とは?本作はゴルゴ13第208巻「最終兵器小惑星爆弾」と若干リンクしているそうです。こうしたつながりもスピンオフならではですね。イングリッシュウォールナッツと執事のガンスミス40年前のエピソードです。デイブはイギリスの軍人であり貴族である青年から銃の調整を依頼されます。その家では執事兼ガンスミスがおり、デイブも意見を交わしながら調整が進みました。仕上がった銃を手に、青年は危険な任務に挑み……英国貴族の誇り高さや、執事とデイブの交流といった人間ドラマが味わい深い話です。デイブがゴルゴのことを考えているシーンがありましたが、40年前にはすでに付き合いがあったのですね。年齢の設定についてとやかく言わないのがゴルゴファンのお約束ですね。平和の守護者(ピースキーパー)ニューヨーク市警では、街の発砲音を集積して犯罪検挙に役立てる防犯システムPK(ピースキーパー)を導入しました。しかしPKでも反応しない殺人事件が起き始めました。捜査にあたった刑事たちは、事件の裏で大きな闇が蠢いていることを感じるのでした。実際にもありそうな生々しさを感じるお話でした。メダリオン・地獄への許可証メダリオンとはニューヨークでタクシーを持てる許可証です。そのメダリオンを買い集め、不当に値をつり上げている投機家がいました。多くの自殺者が出る中、デイブは復讐のためにやって来た少年兵に手を貸すことになりました。たった一人で相手を倒すための作戦とは?この話は富める者が貧しい者を踏みにじる社会構造が描かれています。また、貧困から這い上がった者が今度は貧者を踏みつける側に回っていくのが何ともやりきれない感じがしました。ゴルゴ13シリーズならではの奥深いドラマが味わい深い作品です。デイブの情に訴えられたり職人心をくすぐられると、何だかんだで仕事を引き受けてしまうあたりがゴルゴとはまた違った魅力があるように感じました。はやくも来年1月末に3巻が発売予定です。今後も楽しみですね。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2025年02月23日
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志望、死亡、脂肪、子房、資望…… 世の中には色々なしぼうがありますね。本作「しぼう」は、そんな感じを表現した(?)作品です。ポップな中に世の中を風刺した曲を描くピノキオピーのアルバムです。しぼう/ピノキオピー[CD]通常盤【返品種別A】【pick up】しぼうオープニングの曲ですね。確かに持っても良いけど取り扱い注意ですね。はじめまして地球人さんニンテンドー3dsソフト、初音ミクproject miraiでらっくすのテーマ曲です。男女の恋愛って、異星人と絆を作り上げる程の難事業なのかもしれませんね。ポップな歌詞の中にも人間関係の妙を描いていると思います。絵の上手かった友達子どもの時に仲の良かった絵の上手い友達。不器用な二人は結局結ばれることはなかったけど、時々思い出す友達とほろ苦い後悔。こうした思い出は誰にもあるんじゃないかなと思います。すろぉもぉしょん風邪をひいて寝込んだ夜に色々考えてしまう曲です。熱に浮かされ鼻水を垂らしながら、結構哲学的なことを考えてしまいます。たりないかぼちゃ9月になるともてはやされるかぼちゃ。色々首をかしげることもあるけれど、それを気にしちゃいけないのかもしれませんね。愉快な中にちょっと深みを感じる曲です。ヒーローが来ないある日姿を消してしまったヒーロー。ヒーローも不安や苦悩がたくさんあったんですね。そんなヒーローも最後には……でも寝坊で遅刻しているのにまでヒーローを呼んじゃだめだよ。100年前の僕、100年後の君100年後にはいない僕、100年後もいる君。すれ違う二人のさみしさを描いた曲です。変わっていくものと変わらないもの一緒にいられないもののせつなさを感じます。愉快な曲や歌詞の中に、人の世の切なさや風刺を盛り込んだ作品です。ぜひ手に取ってみてください。初回盤はこちら。【オリコン加盟店】初回生産限定[取寄せ]★スーパージュエルボックス仕様★ブックレット+ホロスペックス・メガネ+手ぬぐい封入※送料無料■ピノキオピー CD+DVD【しぼう】14/12/3発売【楽ギフ_包装選択】通常版はこちら。しぼう/ピノキオピー[CD]通常盤【返品種別A】よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2025年02月16日
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逃げる勇気のご紹介です。逃げる勇気【電子書籍】[ 和田秀樹 ]日本人は逃げるのが上手ではないと言われています。ストレスの多い職場やいじめなど、逃げた方が良い状況であっても日本人はがんばってしまう傾向にあります。これは戦時中の軍国主義が影響していると言えます。退却するという選択肢を持たず、とりかえしのつかない所までつき進んでしまうのです。本書では逃げるというのはどういうことか、逃げることを阻害する要素について述べています。そして肝心の逃げる方法についてもページを割いて書いてあります。この手の本に書いてある方法は「そんなもんやれたら苦労せんわ」というものが多いように思いますが、本書はとてもよく書かれていました。その場から距離を取る方法はもとより、離れなくてもできる方法も書いてありました。内容も気の持ちようであったり、心理的なものから法的なものまで様々なものでした。このようにあらゆる角度から逃げ方を論じているのは実用性があって良いと思いました。物事を真面目に取り組もうとする人ほど、逃げることに罪悪感を感じて無理をしてしまうと思います。本書では逃げるということの意義や必要性について述べ、周囲に迷惑をかけないように逃げる具体的な方法まで書かれています。各項目が短くまとまっているうえに文章も分かりやすいので、メンタルが疲れている時も読みやすい本です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2025年02月02日
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怪奇蒐集者 魘結び~ある怪談作家夫婦の日常 神薫&JIMMYのご紹介です。現役眼科医をしつつ怪談作家として活動する神薫。そして彼女をサポートするミュージシャンでラジオコメンテーターのJIMMY。怪談夫婦が送る日常とは?怪奇蒐集者 魘結び〜ある怪談作家夫婦の日常 神薫&JIMMY[DVD] / オリジナルV【収録エピソード】怪談作家夫婦の怪談な日常怪談作家をしている神薫さんの日常に起こる細々とした怪異が語られています。夫婦漫才のようでむしろちょっと楽しかったです。導入はバッチリですね。霊感のある知人霊感のある知人と、それにまつわる怪異のお話です。怪異について書いていたら、同じ体験をするというのは面白いですね。住む家にまつわる怪談何度か引っ越している神薫夫妻ですが、何度か奇妙な体験をしていました。コミカルな話が多いのですが、後半シャレにならないお話が増えて来ました。静岡怪談#1 夜泣き石旅をしていた妊婦が盗賊に襲われ、刀で斬られてしまいました。女性は死んでしまいましたが、刀が石に当たって止まったため、お腹の子は助かりました。それからというもの、そこの石からは泣き声が聞こえてくるようになり……静岡怪談#2 大崩海岸の怪異静岡県には大崩海岸と言われる場所があるそうです。名前のとおり頻繁に崩れるのだそうですが、そこにまつわる怪談が複数語られています。静岡怪談#3 霊山寺霊山寺という地元では有名な場所があるそうで、夜には行かない方がよいとのことです。そんな霊山寺にまつわる怪異あれこれです。色々な物や人が現れたり消えたりする怪異が多いようですね。静岡怪談#4 浅間神社バス亭を通るたびに同じ人が立っている……気味の悪い話なのにどこか緩い雰囲気なのは語り手さんのしわざでしょうか。怪談女医なのに…神さんは女医さんですが、医療に関する怪談はあまりないそうです。元々眼科はお看取りがないからだそうで。まあ確かにそうですよね。本来怖い話なのでしょうけど、何となく面白くなってしまうのは2人の掛け合いのおかげでしょうか。夫婦漫才のような、一風違った怪談が味わえる作品でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2025年01月26日
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劇場版ゴールデンカムイのご紹介です。大人気和風闇鍋ウエスタンの劇場版です。公式サイトはこちら。※本記事はネタバレを含みます。【あらすじ】過酷を極めた日露戦争。帰還兵である杉元は北海道で砂金を掘って暮らしていました。そんな時、杉元は莫大なアイヌ埋蔵金の噂を聞き、アイヌの少女アシㇼパとともに埋蔵金探しを始めました。ですが埋蔵金を狙っている者はたくさんいました。陸軍最強と言われた第七師団、戊辰戦争で命を落としたはずの土方歳三。様々な勢力がぶつかり合う黄金争奪戦が始まるッ!【驚異の再現度ッ!】本作の制作が発表された当初「大丈夫なのか?」みたいな意見が多かったそうです。バカスカ人が死ぬし、ショッキングなシーンも多いからでしょう。ですがそんな下馬評を木っ端微塵に吹き飛ばすほど、本作はクオリティが高かったです。というよりも、再現度が異常でした。以降個人的に印象に残ったシーンを列挙します。不死身の杉元杉元の再現度が高かったですね。特に目の演技がすごい。黄金の噂が本当らしいと知った時の目が笑ってない所とか、戦闘シーンの殺気に満ちた目とか怖いですね。一方でアシㇼパとくつろいでる時のまったりした所とのギャップも上手かったです。アイヌの愛娘 アシㇼパ幼いながらもしっかりしたアシㇼパをよく再現していたと思います。そして随所に見られる変顔も原作そっくりだったのがすごい。脱獄王 白石由竹雰囲気といい動きといいそっくりですね。音声もある実写版だと、彼の存在が余計映えますね。反逆の情報将校 鶴見篤四郎彼の異様な雰囲気の再現度もまたすごい。口の端を持ち上げる笑い方がそっくりでした。第七師団の良心 月島基序盤から実はしょっちゅう登場していた月島軍曹。私情を挟まず「はい」とだけ答える、正面を向きながら目線だけ相手に向ける感じがそっくりでした。重傷を偽装した杉元を病院に運ぼうとするシーンで鶴見から「私も後から向かう」と言われた時の「はい」がそっくり過ぎて鳥肌が立ちました。玉井伍長ちょい役だけど妙に似てましたね。【まだまだ続く物語ッ!】本作はゴールデンカムイの序盤部分を実写化した作品です。続きはWOWOWで連続ドラマ化し、さらにその続きが映画化されるそうです。今から楽しみですね。本作は制作陣の本気度がほとばしっていました。2時間ちょっとの尺の中であれほど内容を再現しているのがすばらしい。そして役者魂がすごい。雪の中を走るし川に落ちるし。みんな頬や耳が真っ赤になってるし。本作は原作ファンはもちろん、ゴールデンカムイを知らない人の導入としても最適な作品です。【エントリーで全品ポイント10倍!】[新品]ゴールデンカムイ (1-31巻 全巻) 全巻セット原作です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2025年01月19日
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ゴールデンカムイのご紹介です。送料無料【新品】【予約商品】ゴールデンカムイ 1〜31巻 漫画 全巻セット 野田サトル 集英社(おすすめ)※本記事はネタバレを含みます。【あらすじ】明治末期、日露戦争直後の北海道。帰還兵である杉元佐一は、戦死した親友剣持の妻梅子の眼病を治す費用を稼ぐため砂金を掘って暮らしていました。そんなある時、杉元はアイヌの埋蔵金に関する噂を耳にします。杉元はアイヌの少女アシㇼパと手を組み、金塊探しを始めました。ですが金塊を追っているのは杉元だけではありませんでした。陸軍最強と言われた第七師団や、戊辰戦争で戦死したと言われていた土方歳三など、多くの者たちが金塊を求めていました。はたして金塊を手にするのは誰か?冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・ホラー・GAG&LOVE! 和風闇鍋ウエスタンが幕を開けるッ!【綿密な取材に裏付けられた物語ッ!】本作を読んでまず驚くのは、アイヌの文化に関して非常に詳しく載っていることです。物語のちょっとした色付けなどではなく、生活様式や考え方など、マンガを通してアイヌ文化を学ぶことができました。他にも実在した人物や事件をモチーフにしたエピソードや、当時の新技術なども物語に絡んでいたりと、歴史の勉強にもなりました。巻末にたくさんの参考資料が載っており、かなり綿密に調べて描いていることをうかがわせました。また、随所に映画や映像作品などのパロディが入っており、それも見どころの一つです。昔の映画ポスターみたいなノリの扉ページが楽しいですね。個人的には車等が操作できなくて「ウキーウキー!」と癇癪を起すシーンがじわじわ来ています。【奇人変人だョ! 全員集合ッ!】本作を語るうえで外せないのは、とにかくヘンな人がたくさん出てくることでしょう。連続殺人犯辺見が出て来た時は「また濃いキャラが来たなあ」と思っていました。それを皮切りに死んだそばから変な人が補充されていき、層の厚さを感じました。個人的には岩息が好きです。また、すでに死んでいるキャラが回想シーンで出てきたり、キャラクター同士が以前意外な所で会っていたりと、各人物を大事に扱っている感じがすごく好感が持てました。【美食のアイヌグルメッ!】本作では旅の途中で野宿することが多いですが、何といってもそこは北海道。うっかりすれば凍死します。雪や風を避ける知恵もふんだんに紹介されており、サバイバル知識も本作の魅力だと思います。そして、生きることは食べること。本作では料理のシーンが数えきれないほど出てきます。調理方法も細かく描かれていて、料理好きな人なら再現できるのではと思う程でした。ここでもアイヌの文化や生活の知恵を知ることができて面白いです。どれもおいしそうなのですが、脳みそに塩かけたのはちょっとなあ……【物語を彩るキャラクター達ッ!】本作は個性的で魅力的なキャラクターが目白押しですが、吾輩が印象に残った人物をご紹介です。「不死身の杉元」杉本佐一本作の主人公ですね。戦いの時は鬼のごとき恐ろしさを見せるものの、基本的には面倒見がよくて優しい青年なのだと思います。彼のような他人を放っておけない人が報われて良かったと思いました。「アイヌの愛娘」アシㇼパ本作のヒロインですね。幼いのにしっかりした子でしたが、終盤の成長が著しいと思います。武力行使とは違った方法で自分たちの文化を守ろうとする考えはすばらしいと思います。それでいて食いしん坊で天真爛漫な所が最後まで残っているのも良いですね。「反逆の情報将校」鶴見篤四郎彼ほど深淵で複雑な人物も少ないと思います。その野望の原動力は愛国心なのか、妻子への愛なのか、部下たちへの愛なのか……彼の言動は基本的に自分を見ている人たちに向けた「甘い嘘」なのですが、吾輩は全ての言動は100%嘘ではなく少しだけ本心が入っているんじゃないかなと思っています。「不屈の阿仁マタギ」谷垣源次郎ちょいちょいいじられていましたが、彼のように真面目で実直な人が生き延びて幸せな家庭を築いたのはほっとしました。チカパシとの別れは泣けました。「第七師団の貴公子」鯉登音之進まだまだ未熟な所がかえって味のあるキャラクターでした。鶴見の言動が手駒を増やすための甘言であったと気づいた後も自暴自棄にならず、自分の意志で戦い抜いたのが大器の気配を感じさせますね。「不敗の牛山」牛山辰馬戦いでは負け知らず、女性を守って死ぬというさっぱりした生き様が素敵でした。これほど自分に素直な人だとむしろ好感が持てますね。アシㇼパが懐くのだからいい人なのでしょう。案外彼の戦いがアイヌのおとぎ話になってたりして……「殺人ホテルの支配人」家永カノ第七師団に身柄を拘束されてからフェードアウトしていくのかなと思っていたのですが、最後にあんな出番があるとは思いませんでした。命と引き換えでしたが、キャラとしてすごく引き締まったと思います。「天狗の下駄音」都丹庵士土方一味に入ってからはフェードアウトかと思っていたのですが、あれほど出番があるとは思いませんでした。「どうせ拾った命だから」と最後まで土方と戦ったところに心意気を感じました。「狩猟の魂」二瓶鉄造色々とまっすぐな生き方が潔い人ですね。息子の銃が彼に引き継がれ、それが谷垣からチカパシへと続いていくのがロマンを感じました。「海賊房太郎」大沢房太郎登場期間が短いものの、深い印象を残したキャラだと思います。東南アジアに王国を作るなんて途方もない夢でしたが、その理由が故郷を作るためというのが切ないですね。本作は黄金を巡って荒くれ者たちが戦うというひと昔前の西部劇のようなノリでありながら、ありとあらゆる要素を取り入れエンタメとして完成度が高いと思います。雪原に赤々と燃えるかがり火がごとき命たちの物語でした。久しぶりに良い物語に出会えました。ヒンナ~。劇場版は原作の序盤を実写化しています。原作を知らない人も導入にぴったりの再現度です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2025年01月12日
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劇場版 はたらく細胞を観て来ました。※本記事はネタバレを含みます。【あらすじ】体の中で日々はたらいている細胞たち。栄養を運んだり外から侵入した菌と戦ったりしています。そんな細胞たちに大事件が勃発。細胞たちは体を守り切ることができるのか?【笑って泣けてためになる総合エンタメ】本作はバランスよく楽しめる作品だと思います。笑えるシーンも多くて楽しいのですし、そこからシリアスで泣ける展開へとシフトしていく流れがとても上手いと思いました。そして細胞のはたらきもきちんと頭に入ってくるのも良いですね。キラーT細胞とNK細胞の違いが大変分かりやすかったです。白血病の治療ってそういうことだよな~と思いました。細胞たちに人格があったら、これほど悲壮な物語になるんでしょうね。でも医師が言っていたように、細胞たちが体を支えてくれていたからこそ治療が間に合ったのでしょう。最期まではたらき続けていた細胞たちに改めて感謝したい気持ちになりました。【表現技術も優れた作品】本作は原作のエピソードをベースに作られています。一方原作では細胞の世界のみで、人間の世界は描かれていません。劇場版ではそれを大胆にアレンジし、人間の物語を描きつつ、その体内で起こっている細胞の物語を描くという手法を取っています。マンガの場合は読者が自分のペースで読んだり戻ったりできるのですが、映画の場合はそれができませんし、ナレーションで全て説明するわけにもいかないでしょう。作品の持ち味を失わないようにしつつ分かりやすい表現を求めた結果なのかと思います。さすがは武内監督。テルマエ・ロマエや翔んで埼玉の実写化を成功させた手腕は確かですね。本作は細胞のはたらきを学びつつ、楽しくて泣けるストーリーも味わえます。原作を知らなくても楽しめますので、映画館へぜひ足を運んでみてください。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2025年01月05日
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怪奇蒐集者 坦國異聞 松永瑞香のご紹介です。タンザニアで看護師として働き、現地の呪術師に弟子入りしました。タンザニアでの医療や呪術にまつわる怪談を蒐集しています。怪奇蒐集者 坦國異聞 松永瑞香 [DVD]【収録エピソード】赤い玉病院に黒焦げになった青年の遺体が運び込まれました。周りの人が遺体から赤い玉を取り出して欲しいと言います。院長が遺体にメスを入れると……呪術が息づく地域ならではのお話でした。呪物にされかけた呪いを補強するために他の物や人を使うことがあるそうです。ある日松永さんは院長に頼まれて、使っていなかった部屋の片づけをしていました。そこへ見知らぬ女性が訪ねて来ました。その女性がそっと手を差し出して来たので思わず握手したのですが……真相が分からないだけに不気味なお話でした。松永さんに何もなければ良いですね。病院で出遭ってしまったもの松永さんの同僚が夜勤中に停電が起こりました。仕方なく携帯の灯りで見回りに行きました。すると暗闇の向こうから近づいてくる足音がしました。やがて灯りの中に入って来たモノとは……幽霊というよりも妖怪のような存在なのでしょうか。金縛りタンザニアでは幽霊という概念はあまり無く、怪異は呪術によって起こると考えられているそうです。呪術というと他人を攻撃するイメージがありますが、タンザニアでは人を治したりする伝統医療の側面もあるそうです。松永さんが呪術の調査のため、呪術師の家に居候していた時の話です。夜中にふと目を覚ますと金縛りに遭ってしまい、さらに足を引っ張られたり首を絞められる感触がしました。もがいていると隣にあるイスラム教のモスクから放送が聞こえてきて、金縛りが解けました。居候させてもらっている呪術師にその話をすると……タンザニアでは呪術がかなり生活に根差しているのだなあと思いました。日本に来ている駅前の電話ボックスのそばに奇妙な木のようなモノを見つけたのですが、同行していた人にはそれが見えていませんでした。時が経ち、体験者は松永さんがSNSに投稿した画像を観て驚きました。それは以前見た奇妙な木のようなモノにそっくりだったそうです。画像はタンザニアの精霊の像だそうです。精霊も国を行き来することがあるのかもしれませんね。盗まれたもの手術中、助手の男性が意識を失って倒れてしまいました。意識を取り戻した彼が語った内容とは……はたして呪いなのか幻覚なのか…… 怪異の地域性があるのは面白いですね。呪術師になったきっかけ松永さんは呪術師のFさんに、呪術師なったきっかけを聴きました。Fさんの家は代々呪術師をしており、母親は呪術師としても優秀で人格者でした。ある日母親は体調を崩し入院してしまいます。他の呪術師によれば呪いをかけられているとのこと。息を引き取る間際、母親はFさんをそばに呼ぶと……力が受け継がれていく様を見せられたお話でした。お守り松永さんが友人の付き添いで村を訪れたところ、呪術師と話をする機会がありました。その呪術師からお守りを作ってもらい、それを日本に帰ってからも身に着けていました。日本で霊感のある友人に見てもらったところ、松永さんのオーラが見えにくいとのこと。「お守りか何か持ってない?」と聞かれ、そういえば呪術師からお守りもらったなあと思い出し……ぼったくられたけど効果もあったんですね。呪術というと怪しげな印象がありますが、伝統医療としての文化でもあるんだなあと思いました。現地の文化や風習を感じられる怪談でした。【作品紹介】怪奇蒐集者のYouTubeチャンネルでは、ランダムでお話を公開しています。呪物にされかけた病院で出遭ってしまったものよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年12月29日
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にゃんこ大戦争、オーメンズ強襲をクリアしました。かるたで! にゃんこ大戦争 あいうえおで侵略にゃ! [ PONOS 株式会社 ]【オーメンズ強襲】オーメンズはケルベローズの超生命体版です。烈波と動きを止めて来ます。これらは確定ではないものの攻撃頻度が高いため、実質的にはかなり頻繁に出てきます。【ステージ攻略】LV1~LV10城を叩くまでボスは出て来ないので、壁キャラで膠着状態を作り、お財布レベルや円を十分に準備してから城を攻撃しましょう。オーメンズの烈波と大天使チビネルの攻撃により前線が崩れやすくなります。遅れて登場する天使スレイプニールとちびぶんぶんによりさらに押し込まれやすくなるので注意です。特にちびぶんぶんは早く倒しておきたいですね。吾輩の編成はこちらです。哀悼の舞姫ダークイズデビルハンターサトル大妖怪結社チュンチュン天命の王フォノウGクロノストリガーネコアミーゴ大狂乱のゴムネコネコキョンシーネコカメラマン大狂乱のムキあしネコにゃんコンボ:妖怪バスターズ!(研究力アップ小)にゃんこ砲クロノストリガーやフォノウで早めにちびぶんぶんを倒してからチュンチュンとサトルを出すと場持ちが良いです。LV11~LVMAX全ての敵が時間経過で登場するので、お財布レベルを上げつつも一定量の円はキープしておきたいです。うまくネコカンカンで敵を倒せれば円を稼ぎやすいです。厄介なのがジョンレオンです。撃破に手間取ってミッドナイトナカイが合流するとかなり押されるので注意です。ジョンレオンを倒してからチュンチュンとサトルを出せれば理想的です。吾輩の編成はこちら。哀悼の舞姫ダークイズデビルハンターサトル大妖怪結社チュンチュン天命の王フォノウ飛脚ネコネコアミーゴネコキョンシーネコエキゾチックネコカンカン大狂乱のムキあしネコにゃんコンボ:妖怪バスターズ!(研究力アップ小)にゃんこ砲【編成のコツ】烈波で前線を削られやすいので、烈波無効のキャラをなるべく多く入れたいです。またオーメンズは悪魔シールドや妨害無効を持っていないので、妨害を入れて本領を発揮させないようにすると戦いやすいです。攻略に詰まっている方の参考になれば幸いです。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年12月22日
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栃木県佐野市立吉澤記念館の企画展、源氏物語とみやびを観て来ました。朝廷文化が花開いた時期の美術に焦点を当てた企画展です。本日最終日でした。【第1室 朝日森天満宮の宝物】朝日森天満宮は菅原道真公を祀っています。また、朝廷から東照宮へ向かう使いであった例幣使が盛んに通っていました。その道すがら、道真公の絵を奉納する人が多かったそうです。道真公が周囲から妬まれ左遷されてしまったこともあり、初期は怒りの表情をたたえた絵が多くありました。やがて穏やかで威厳のある絵が増えて行った流れを観るのも面白かったです。【第2室 吉澤コレクションの工芸 板谷波山と山本茜】第2室は吉澤記念美術館の所蔵品と、現在も活躍中の山本茜さんの作品が展示されています。山本さんは載金ガラスという表現技法で、源氏物語の各帖を立体作品にすることをライフワークにしています。山本さんの作品は撮影OKになっています。第一帖「桐壺」金細工が印象的な作品です。第五十四帖「御法」源氏に愛された紫の上の臨終シーンを描いた作品です。苦しみの多かった彼女の魂が天に昇っていく様子が表現されています。第三十三帖「藤裏葉」(光の道)源氏は帝の子でありながら源姓を与えられ臣下となっていました。そんな彼も苦難を乗り越え天皇となります。一段一段昇り詰めていく様子を描いた作品です。第五帖「若紫」源氏最愛の人紫の上(若紫)の初登場シーンを表現しています。ふくら梅当館の所蔵品で、今回初展示の作品です。二人静静御前の霊が乗り移った女性と、静御前自身の霊が舞いを舞うシーンです。この世とあの世が混じり合った美しさを感じさせる作品です。【第3室 源氏物語とみやび -吉澤コレクションを中心に-】第3室では源氏物語に関する作品が展示されています。小さな絵がたくさん描かれている屏風があり、各絵はQRコードを読み取ることでアップで観られるようになっています。【第4室 巻物とものがたりをたのしむ】第4室では朝日天満宮所蔵の竹取物語や、吉澤記念美術館所蔵の菜蟲譜が展示されています。本展は貴族文化が隆盛した時代の美を集めた企画展です。後の鎌倉時代からしばらく続く武家の文化とはまた違った、みやびな美しさを味わえる企画展でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年12月15日
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加藤清正(下)のご紹介です。上巻の紹介記事はこちら。加藤清正(下)【電子書籍】[ 海音寺潮五郎 ]【あらすじ】徒労に終わった朝鮮出兵と秀吉の死によって、豊臣家の勢力にも翳りが見え始めます。もはや天下は徳川のものになったと感じた清正は、豊臣家存続のためにあらゆる手を尽くします。清正は戦場とは違った戦いに身を投じるのでした。【清正、新たな戦い】秀吉が世を去り、天下は徳川のものになったと感じた清正は、様々な手を講じます。秀吉の子秀頼と、家康の孫千姫を婚約させることで両家の関係を良好にしようとしました。また主だった重臣たちと何度も宴会を催すことで、自分たちは徳川と争う気は無く、太平の世を生きるつもりだとアピールしました。それでいて武士のシンボルである髭を剃らず、移動の際は多数の侍を連れて行きました。さらに江戸の行き帰りには秀頼に挨拶を欠かしませんでした。これにより清正は、天下人である徳川に仕えはするが、自分の主君はあくまで豊臣家であり、有事の際は戦うことも辞さないという姿勢を見せました。徳川に対して敵対しないけど舐められないようにするこの匙加減は絶妙だと思いました。【忠臣、加藤清正】上巻と違って下巻は清正にスポットを当てた描き方をしていました。秀吉が亡くなっていることもあったでしょうが、清正も九州の半分程を治める大大名となっています。清正自身が直接的に歴史に関わることになってきたということなのでしょう。清正は実直で誠実な人であったようですが、それとともに愚直ではなかったようです。天下が徳川に移ったことを敏感に感じ取り、豊臣家を永らえることに目的をシフトする切り替えの早さはそうできるものではないと思います。いずれ天下が戻ってくると信じて疑わない淀殿や秀頼に現実を説くのは、一歩間違えれば切腹ものです。周りが言いづらいことを言うのも豊臣を思えばこそなのでしょう。そんな清正も病に倒れます。脳血管障害だと言われています。状態はそこから改善せず、清正は世を去ります。豊臣家が滅亡する大坂の陣が起こったのはその4年後。豊臣滅亡を見ずに済んだのは、死力を尽くして生き抜いた清正に対する天のはからいだったのかもしれません。おそらく家康も、清正が生きている間は豊臣家に手は出せないと思っていたのでしょう。相手にそこまで思わせる清正の存在感たるや凄まじいものがあったのでしょうね。幼い頃より豊臣家を支え続けた加藤清正。戦に出れば負け知らず、誠実な性格であり領民の生活にも心を砕いていました。物語が「清正の死は、すなわち、豊臣家の滅亡だったのである」と締めくくられるほどの英雄だったのでしょう。そんな加藤清正の人生をたどった物語です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年12月08日
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映画ミンナのウタのご紹介です。ダンス&ボーカルグループGENERATIONSが本人役で登場したのが話題になった作品ですね。ミンナのウタ《通常版》 【DVD】※本記事はネタバレを含みます。【あらすじ】GENERATIONSの小森隼はラジオ番組のパーソナリティを務めていました。ある日彼は局の倉庫で古びたカセットテープを見つけました。それからGENERATIONSのメンバーや関係者が気が付くと不思議なメロディーを口ずさむようになり、次々に行方不明になってしまいました。リーダーの白濱亜嵐はマネージャーや探偵とともに、失踪したメンバーの捜索と謎を解くべく調査を開始するのでした。【切り口の面白いホラー】本作の面白い所は何といってもGENERATIONSが本人役で出演しているところだと思います。その設定ゆえに舞台が芸能界でも全く違和感が無く、一般人のキャラが主人公の作品とは一風違った雰囲気が味わえます。ラジオ局の倉庫に長年紛れ込んでいたカセットテープという小道具も面白いですね。【圧倒的劣勢】調査を進めるうち、この怪異は「さな」という少女の怨霊が原因だと判明します。立ち向かうはアイドルとそのマネージャー、そして探偵。霊に対抗できそうな人が一人もいないんだけど……ともあれさなの気持ちに共感することで何とか事態は収拾します。しかし……こんなヤバい女に共感できる人が何人いるのだろうと思ってしまうのですが、まあ結果オーライということで、ね。ちなみにネコがひどい目に遭うシーンがあるので、ネコ好きな人は注意してください。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年12月01日
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怪奇蒐集者 裂け目 城谷歩怪談控 巻ノ七のご紹介です。怪奇蒐集者 裂け目 城谷歩怪談控 巻ノ七 [DVD]【収録エピソード】お前だよ体験者は学校の先生をしていました。新任で仕事が忙しく、父親の一周忌にも行けませんでした。後ろめたい気持ちを抱えたまま洗面所に向かっていると、鏡に自分ではなく中年の男性が映っていました。それからというもの、日に1回は自分ではない男性が映るようになりました。きっと父が無念に思っているのだろうと思い、休みをとって実家に帰りました。仏壇に手を合わせ父の遺影を見ると、そこに映っていたのは……予想と少し違った結末のお話でした。裂け目城谷さんが怪談デビューしたばかりの頃のお話です。怪談を話していると、ミシミシと音がしてきます。ラップ音かと思っていると、観客の頭上付近の空間に裂け目ができました。やがて裂け目から覗いてきたモノとは……別の世界というものは、案外近くにあるのかもしれませんね。助けを求める少女スーパーに勤める女性が体験したお話です。仕事がはかどらず遅くなってしまいました。すると自動ドアの向こうに小学生くらいの女の子が立っていて、しきりに何かを訴えています。不審者に追われているのかと思い、急いで女の子を招き入れました。自動ドアから大きな音がして、追ってきた不審者なのかと思い振り返ったわずかな時間に女の子はいなくなっていました。怖くなって鍵も電気もそのままにして逃げ帰ってしまいました。翌日店長に謝りに行ったのですが……何とも不思議なお話でした。時間や空間の歪みを扱ったお話が詰まった一作です。着物ではなくスーツ姿の城谷さんも珍しいですね。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年11月24日
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葛生化石館の企画展、生き物がつくる鉱物の話を観て来ました。生き物と鉱物。相反するように見えますが、貝など体から鉱物を生み出す生き物もいます。そうした生き物と鉱物について展示した企画展です。葛生化石館のホームページはこちら。【生き物が生み出す鉱物】生き物が鉱物を生み出すようになったのは、爆発的に生き物の種類が増えたカンブリア紀でした。目を持った生き物が増え、食べる者と食べられる者が出て来た時代でもありました。身を守るために殻を持った生き物が姿を現すようになりました。一口に鉱物と言っても、様々な硬度や特徴がありました。貝殻がらせん状になっているのは、成長とともに貝が大きくなっても体の向きを変えずに生活できるようにするためだそうです。また真珠は硬度が高く腐食にも強いのですが、生み出すためには多くのエネルギーを消耗するそうです。真珠は真珠層とそうでない層が交互に重なっていて、真珠が光るのは光を反射するからなのだそうです。【専門知識も学べる企画展】この企画展は当初軽い気持ちで観に行ったのですが、予想以上に専門的な話が多かったです。また貝殻は昼成長して夜は成長を止めるので、木の年輪のように貝の年齢が分かるそうです。貝殻の筋を調べると、昔の方が一年の日数が多かったそうです。これは年々地球の自転の速度がゆっくりになっているからなのだそうです。また鉱物に含まれている成分を調べると、その土地の以前の環境等も分かるのだそうです。そう思うと太古のロマンを感じますね。生き物と鉱物というと関係が無いように思いますが、意外な接点が感じられて面白い企画展でした。実際に触れる展示も多く、QRコードで動画等が見られたりと、随所に工夫の見られる企画展です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年11月17日
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栃木市立文学館の企画展、東海道を旅したとちぎの人々を観て来ました。栃木市立文学館のホームページはこちら。【旅行ブーム到来!】江戸時代に入り戦乱の世が終わると治安が改善し、人々は旅行しやすくなりました。そしてお伊勢参りの効果もあって、空前の旅行ブームが起こりました。本展は栃木から旅行した人々について、資料をもとに展示されています。【今も昔も変わらない人々の営み】旅行ブームとは言っても、資金の捻出に皆苦労していました。そこで村でお金を積み立てて、そのお金で順番に旅行に出ていたようです。旅行に出る時はパスポート的なものを持ち歩いていたそうです。どこの村に住んでいるのかとか、旅の目的などが書かれていました。旅先で命を落とした時の処遇について書かれているのが生々しいですね。旅行に行った人は日記をつけることが多かったようです。これは旅の思い出でもあるのですが、後日旅行に出る家族や子孫のための備忘録としての役割もありました。旅行がブームになると、ぼったくりなど悪徳旅館も出てきました。そこで旅館も講と呼ばれる組合を作り、現在で言う旅行ガイドを発行するようになりました。こうした人々の営みや行動パターンが今とあまり変わらないのが面白かったです。今も人々が楽しんでいる旅行。資料から透けて見える人々の生活を感じられた企画展でした。東海道五十三次も展示されているので、そちらも楽しめます。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年11月10日
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加藤清正(上)のご紹介です。豊臣秀吉に仕えた忠臣であり、朝鮮出兵の際は虎を退治したとか、熊本城を作ったとか色々伝説のある人物です。本作はそんな加藤清正を主人公にした小説です。加藤清正(上)【電子書籍】[ 海音寺潮五郎 ]【あらすじ】織田信長の元で頭角を現し始めた木下藤吉郎秀吉(豊臣秀吉)。彼は優秀な部下を求めていました。しかし平民出身の秀吉には代々仕えている臣下はおらず、さりとて外部から臣下を集め過ぎると謀反を疑われてしまう。そんな秀吉の元に、母親に連れられた少年が訪ねて来ました。彼は秀吉の母親のいとこの子、加藤虎之助。後の加藤清正でした。【歴史も学べる小説】本作は加藤清正が主人公ですが、彼を取り巻く歴史についてもかなり語られています。特に清正の主君である秀吉に関する出来事に多くの紙面が割かれており、豊臣家から見た歴史を描いている作品だとも言えます。【哀しみの朝鮮出兵】国内を平らげ天下人となった秀吉。次に彼は明を手に入れようと海外派兵を開始します。無謀としか言えない出兵をなぜ行ったのか?作中では「耄碌したのだろう」とありますが、おそらくそうなのでしょう。手に入れるべき領土が国内に無くなってしまったことや、やっと生まれた息子を亡くしたこともあったのでしょう。知略や周到な準備で勝利を積み上げてきた秀吉であっても、やがて衰え判断を誤ったのでしょう。それが臣下だけでなく他国にも多くの被害を出したのが、人の上に立つ者の責任の重さや難しさを感じました。さらには秀吉の腹心石田光成は出兵に利益が無いと感じながらも面と向かって意見することもできず、早々に和睦を結んで済ませようとします。あくまで完全制圧を目指す秀吉と、適当に戦争を切り上げたい光成。こんな感じだから上下の伝達は機能しておらず二国間の認識もすれちがっているため、戦線はどんどん泥沼化していきます。吾輩は歴史で朝鮮出兵を習った時は、単純に戦いが厳しかったのかと思っていました。それがこうした思惑が絡み合って事態が悪化していたのは読んでいて辛いですね。本作は朝鮮出兵の途中で終わり、下巻に続きます。下巻の記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年11月03日
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栃木市立美術館の企画展、北斎展-師と弟子たち-を観て来ました。栃木市立美術館のホームページはこちら。葛飾北斎は江戸後期に活躍した、世界でも有名な浮世絵師です。北斎は90年の生涯の中で30数回の改号、93回もの引っ越しを行いました。また、絵以外に全く頓着しない生活ぶりや常に新しい技法を研究するなど、波乱万丈な人生を送りました。【北斎とその画業】本展では北斎の人生をたどるようにしてその画業を振り返ります。葛飾北斎といえば風景画が有名ですが、初期は役者絵などの人物画も描いていたのが面白かったです。代表作富嶽三十六景も展示されていてかなり近くで観ることもできます。富士山という一つのテーマであれだけたくさんの作品を描けるのがすごいなあと改めて思いました。【北斎とその弟子たち】本展では北斎の弟子や、北斎から影響を受けた画家たちの絵も展示されています。中でも興味深いのはフランスの画家アンリ・リヴィエールです。彼は北斎にインスパイアされてエッフェル塔をあらゆる角度から描いた「エッフェル塔三十六景」を描いています。北斎に直接会っておらず、国も違うにも関わらず影響を受けているのが面白いですね。当時下火になっていた浮世絵界に颯爽と現れ新しい風を吹き込んだ葛飾北斎。彼の人生と画業を振り返る企画展です。各絵をかなり近くで観ることができるので、興味のある方は足を運んでみてください。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年10月27日
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栃木県の佐野市郷土博物館の企画展、戦国時代を生き抜いた佐野氏と唐沢山城を観て来ました。佐野市郷土博物館のホームページはこちら。【戦国を生き延びた佐野氏】佐野氏は藤原秀郷を祖先に持ちます。藤原秀郷は平将門公を討った人物であり、栃木ではむかで退治の伝説もあります。その藤原氏が足利氏と佐野氏に分かれたのだそうです。現在の佐野市は当時交通の要衝であり、上杉氏や北条氏が何度も侵攻してきたそうです。佐野氏は豊臣家や徳川家などの有力者と協力しながら領地を護り、江戸時代になるまで存続しました。【史跡唐沢山城】佐野氏の居城であった唐沢山城は、関東屈指の山城です。城跡の保存状態は良好で、多くの資料も残されています。佐野市で長く調査研究が行われ、平成26年に国指定史跡になりました。【多くの資料が面白い企画展】本展では佐野氏にまつわる大量の資料が展示されています。豊臣秀吉や徳川家康からの書簡もありました。教科書に載る人物からの文書を実際に見られるのは何とも興味深いですね。佐野氏一族の中には徳川2代将軍秀忠と同い年の方がいて、書簡の中に親しみがにじんでいる感じが人間味が伝わって来ました。本展では多くの資料が展示されていて、見ごたえがありました。戦国の世を生き抜いた佐野氏と唐沢山城のいぶきを感じられる企画展でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年10月20日
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栃木県の小山市立車屋美術館の企画展、できごとどもを観て来ました。小山市立車屋美術館のホームページはこちら。本展は小山市に暮らしてきた3代の画家、五月女政平、五月女政巳、五月女哲平の作品が展示されています。【世代や画風の違いが面白い企画展】3代と言ってもそれぞれが過ごした時代が異なるためその作風はずいぶん違いがあります。政平さんは若い頃戦争を体験し、その後独学で画家を目指しました。画風は明治期に入って来た洋画のような、暗めで重厚な絵や風景画を多く見かけました。政巳さんは高校教師をしながら風景画を多く描きました。政平さんが病気を患ったため写生旅行へ行くことは少なく、近隣の風景を描くことが多いようでした。哲平さんは今40代で、抽象的な作品を多く描いています。前の二人とはずいぶん違う作風でした。小山市は市制後間もなく工場を誘致し、団地建設に着手しました。こうした小山市の風景の移り変わりが描かれているのも面白かったです。政平さんと政巳さんがそれぞれ旧思川の風景を描いた作品がありました。変わらない部分もあれば建物が変わっていたりと、対比も見どころでした。親子3代にわたる画業を鑑賞できる面白い企画展でした。本展のために描き下ろされた作品もあるので、それを観に行くのも良いと思います。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年10月13日
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怪談日記のご紹介です。第2の稲川淳二とも呼ばれ、怪談を聴いていると姿を見ない日は無いと言っても過言ではない怪談家ぁみ。本書はぁみさんの自伝であり怪談本です。怪談日記 怖い体験をしすぎて怪談家になってしまった芸人 (イカロスのこわい本) [ ありがとう・ぁみ ]第1章 怪奇の初体験地元山口県で高校球児として過ごし、卒業後福祉系の専門学校に通っていました。楽しい学生生活を送っていたのですが、すでに不思議な体験をし始めていました。霊感のある友だちユカとの話の数々が味わい深いですね。第2章 上京・男6人シェアハウスぁみさんは専門学校卒業後、介護施設で働きながら貯金をし、幼い頃からの夢であった芸能界を目指しました。そしてよしもとの養成所に合格し、大好きな家族や大切な仲間たちがいる地元を離れ上京することになりました。一人暮らしを経て、同期6人でシェアハウスに住むことになりました。都心から少し離れた郊外の一軒家で、古いながらも快適な家でした。しかしそこでは不思議なことがしばしば起こりました。この章ではそうしたエピソードの数々が収録されています。みんな若いせいか、ずいぶんはっちゃけたことしてますね。様子がおかしい(憑りつかれた?)仲間を正気に戻すのにすねガムテって(笑)。本章の最後に、シェアハウスに来て間もない頃の話が収録されています。ってゆうか怪異現象が頻発したのはぁみさんたちがやらかしたからでは……第3章 都内での生活芸人としての仕事が増えて来たぁみさんは、再び都内で一人暮らしを始めました。ですが住んでいた部屋に幽霊がいるらしく、怪異現象が頻発しました。気味が悪かったのですが経済的にも引っ越すことができず、そこに住み続けました。本章ではその部屋で起こった怪異と、それに付随する話が語られています。第4章 芸人怪談家の夜明けぁみさんが怪談を話始めた頃、組んでいたお笑いトリオを解散することになりました。仕事とバイト漬けで睡眠時間も休みもほとんど無い生活だったのが、急に時間ができました。これからのことを考える時間もできたし、好きなこともできるようになりました。自然と怪談に触れる時間が長くなっていきました。やがて怪談を話す仕事が増えたり怪談イベントへ遊びに行っているうちに、様々な怪談仲間ができました。この友だちがまた錚々たるメンバーでした。この人たちだけで怪談イベントできますね。最後に収録されている「サトウさんとの約束」というお話が印象深かったです。芸人を始めた当初、アルバイトでホームヘルパーをしていた時に関わっていたサトウさんとのお話です。稲川淳二さんの怪談は怖いだけじゃないという言葉を表したようなお話でした。ぁみさんは人を惹きつける魅力があるのではないかと思います。怪談好きという共通項があるにしても、これだけの人が彼の周りに集まってくるのはひとえにぁみさんの人柄なのだと思います。それゆえに色々な怪異も寄って来るのではないでしょうか。自身が語るだけでなく怪談でイベント会場を満席にするなど、怪談界をリードするぁみさん。怪談家ぁみの原点を語った一冊です。【おまけ】ぁみ【怪談ぁみ語】ぁみさんのYouTubeチャンネル「ぁみ【怪談ぁみ語】」です。ぁみさんだけでなくアミーゴ(仲間・友達)が怪談を語るチャンネルです。10分くらいで聴けるお手軽ながら質の高い怪談が味わえます。週2回更新なのでコンスタントに動画が増えるのも嬉しいですね。心霊噺心霊噺です。ぁみさんの語りをじっくりと堪能できます。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年10月06日
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栃木県の小山市立博物館の企画展、江戸時代の本と読書を観て来ました。小山市立博物館のホームページはこちら。天下泰平の江戸時代。出版文化が発展し、多くの人が本を読むようになりました。本展は本と読書について歴史が学べる企画展です。【製法について】本展ではまず、本の製法について展示されていました。初期の本は本を手書きで写す写本が主流でした。やがて版木を使って本を刷る出版がメインになって来ました。版木を作ったり紙に印刷する技術のは高等技術であり、それにかかわる職人は各出版社に所属したり独立して仕事を請け負ったりしていたようです。一方で写本は仏教における修行や布教のための写経として残っていきました。また、幕府から禁止されている内容については写本でこっそり出回っていたそうです。聖と俗が入り混じっている感じが面白いですね。他にも本の綴じ方についても紹介されていました。よく時代劇とかに出てくる本ってあんな感じで製本してるんだなあと面白かったです。袋とじという言葉はこの時からあったのですね。【話題作も目白押し】本展では話題の作品も多く展示されていました。源氏物語や太平記、里見八犬伝など、今でも有名な作品が展示されていました。挿絵も多くあって、ライトノベルを楽しむような感じだったのかなあと思いました。【小山の本と歴史】小山市立博物館は会館以来郷土の歴史を調べて来ました。その過程で膨大な資料を収集しており、今回の企画展では小山における本の歴史も紹介されていました。小山市には長らく書店が無く、人々は貸本で読書をしたり、栃木市で本を買っていたようです。本展では小山の蔵書家が持っていた本の内訳が展示されていました。医者、商人、役人など、職業によって所蔵している本のジャンルが偏っていて、その人の生活が透けて見えて面白いですね。【面白い企画】博物館に入るとすぐに、市立図書館から借りて来た古典作品などが並んでいてムードが出ていました。また、古文書解読アプリを使って古文書を読むコーナーもあります。こうした展示の工夫が良いですね。江戸時代以前は本と呼べるものはほとんどなく、学者や僧侶が持っていたり、大名の道楽でした。それが天下泰平となり、一般の人々も娯楽や勉強のために本が読めるようになってきました。また寺子屋が増えることで識字率が上がって来たこともあるようです。こうして我々が読書を楽しめるのも、平和で教育制度が安定しているからなのかもしれません。本好きの方はぜひ足を運んでみてください。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年09月29日
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映画スラムドッグスのご紹介です。スラムドッグス ブルーレイ+DVD/ウィル・フォーテ[Blu-ray]【返品種別A】【あらすじ】クズ飼い主ダグに飼われている犬のレジー。ある日レジーは遠い場所に捨てられてしまいます。レジーはそれを遊びだと信じていたのですが、野良犬のバグと出会い自分が捨てられたことに気づきます。レジーは復讐を誓い、バグやその仲間たちとともに珍道中を繰り広げるのでした。予告映像です。さっそく(ピー)入ってます。【年齢制限あるよ】本作はかわいいワンコのコメディかと思っていたのですが、年齢制限ありです。え、そんな過激なのかと思っていたら、下ネタだらけでした。下ネタと下ネタの間にいい話が挟まっている感じです。これ、銀魂? と思いながら観ていました。【メイキングも見ごたえのある作品】とりあえず下ネタコメディかと思ったのですが、メイキングが面白かったです。カメラワークや視覚効果にはかなりこだわっているようでした。また、犬たちに演技をしてもらうための工夫なども載っていました。映画製作に詳しくないとこうしたところは気が付かないことが多いと思います。そう言われてみると、カメラアングルなどの見せ方や表現が工夫していると思いました。基本的には下ネタ満載なので、子どもは見ない方がいいかも。うっかりカップルで観ると気まずい感じになるかもしれません。とはいえ下ネタが大丈夫ならば、肩ひじ張らずに笑って楽しめる作品であると思います。「ペット、闇落ち」というキャッチフレーズがインパクトありますが、そこまで深刻なお話ではないので安心です。なんだかんだでいい話に落ち着いてるし(笑)。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年09月22日
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栃木県佐野市東石美術館の企画展、秋の夕暮れを観て来ました。前回の風薫るに続くオープン記念展です。風薫るの記事はこちら。【秋の幅広さを感じさせる企画展】今回のテーマは秋なのですが、様々な作品が展示されていました。秋の風景を描いた絵はもちろんのこと、赤とんぼや栗の彫刻などがありました。風景画にしても紅葉が美しいものもあれば、稲の収穫に忙しい農村の様子を描いたものもありました。一言に秋と言っても、色々なとらえ方があるなと感じた企画展でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年09月15日
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明智恭介の奔走のご紹介です。屍人荘の殺人において強烈な存在感を見せつけた青年明智恭介。本作は彼を主人公にしたスピンオフ作品です。神紅のホームズと呼ばれた明智恭介と、その助手(半ば強制)葉村譲。彼らの活躍(?)を描いた短編集です。明智恭介の奔走【電子書籍】[ 今村昌弘 ]※本記事はネタバレを含みます。【収録エピソード】最初でも最後でもない事件明智とその後輩葉村が関わった、文字通り最初でも最後でもない事件です。彼らの通う神紅大学のコスプレ研究部において窃盗事件が発生しました。窃盗犯は外部の人間で、窃盗の常習者でした。犯人はすぐに逮捕されたのですが、発見時意識を失っていました。部室の2階で盗みをはたらいて降りて来た時、何者かに遭遇し投げ飛ばされて気を失ったとのこと。奇妙なことに手袋と革ジャンを持ち去られていました。警察が調査したところ、2階の指紋が拭き取られていました。手袋をしていたなら指紋を拭く必要はないので、警察は犯人の供述自体が嘘だと考えていました。しかし明智は、泥棒は窃盗を否定せず具体的な行動まで白状しているのに、そこで嘘をついてもメリットが無いと考えました。はたしてもう一人の侵入者は存在したのか?居たとしたらその目的は何なのか?泥棒や侵入者など、各人物の立場に立った明智の推理が面白い話でした。とある日常の謎についてさびれた商店街で喫茶店を経営している加藤久夫は、行きつけの立ち飲み屋で奇妙な話を耳にします。商店街にあるビルが売れて、オーナーが老人ホームに入ることになったそうです。そのビルはだいぶ古くなっており、そんな高値で売れるようには思えません。はたして何か裏があるのでしょうか?シャーロックホームズの赤毛連盟を髣髴とさせるお話ですが、最後はハートウォーミングな感じに終わって良かったです。泥酔肌着引き裂き事件とある休日、葉村は明智の電話で目を覚まし憂鬱な気分になりました。というのも、昨晩クラスメートとの飲み会で泥酔した明智を介抱してアパートに送り届けたからです。「すぐに来てくれ」というので行ってみると、神妙な顔つきをした明智が待っていました。奇妙なことに昨日穿いていたパンツが引き裂かれ、部屋に落ちていたそうです。部屋は施錠されているうえにドアガードまでかかっていて、密室です。しかも、明智は目が覚めた時ズボンはしっかり穿いていて、布団をかけて寝ていたそうです。つまり侵入者がいたとすると、明智のパンツをはぎ取った後、わざわざズボンを穿かせてベッドに寝かせ布団までかけていることになります。しかも密室まで作って。肝心の明智も泥酔していて何も覚えていない状態です。はたしてこの密室の真相はいかに?とてもしょーもない内容なのですが、しっかりミステリーをしているのが面白いですね。宗教学試験問題漏洩事件名探偵は一日にして成らず。信頼と実績を積むため、明智、葉村コンビは今日も今日とて迷いネコの捜索をしていました。そんな時、宗教学の試験問題が盗まれるという事件が発生します。事件発生時、教授の部屋では講義で代返をしていた生徒が反省文を書いていました。しかも生徒がトイレに立った数分の間に事件は起こりました。人が居る時に盗みに入るのは不自然です。部屋はめちゃめちゃに荒らされていることから犯人は試験問題のしまってある場所を知らない様子でしたが、数分で部屋を荒らすのも難しいでしょう。さらに置きっぱなしになっていた生徒の携帯も盗まれていました。不可解なことが多い盗難事件の真相やいかに?犯人も予想しない事が起こったために不自然な状況ができてしまっているという手法が面白いお話でした。手紙ばら撒きハイツ事件明智が葉村と出会う前の事件です。明智がバイトしている田沼探偵事務所に調査依頼がありました。ストーカーめいた手紙が、同じハイツの複数の住人に投函されたのだそうです。ただのいたずらなのか、ストーキング対象の部屋が分からないので手紙をばら撒いているのか?映像や音声の無い小説ならではのミスリードが面白いお話でした。また、この探偵社の面々も味わい深いです。このメンバーでスピンオフのスピンオフができるんじゃないかという程に魅力的なエピソードでした。【美麗な扉絵も見どころ】本作は各エピソードの扉ページにイラストが載っています。これまでの作品では表紙だけだったので、より多くのイラストが楽しめます。明智と葉村のツーショットが良いですね。【在りし日の思い出】シリーズ第1作目屍人荘の殺人でインパクトのあるキャラクターを見せた明智恭介。それがあんなことになってしまい降板となってしまいました。残念に思っていたのですが、彼の在りし日の活躍が見られたのは良かったです。屍人荘の殺人内で語られていた宗教学試験問題漏洩事件がちゃんとエピソード化されているのが心憎いですね。こうした作中で別の気になる事件名が語られるのは、シャーロックホームズでもありましたね。これはこれでシリーズ化されてくれたら嬉しいなと思った作品でした。【中古】屍人荘の殺人 /東京創元社/今村昌弘(文庫)屍人荘の殺人です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年09月08日
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映画サユリを観て来ました。【あらすじ】あこがれの一軒家を買った神木家。しかしその家には少女の怨霊が棲み着いており、一人、また一人と死んでいく家族。生き残ったのは中学3年生の少年則雄と、認知症の進んだお婆ちゃん。もはやこれまでと思ったその時、怒りが頂点に達したばあちゃんが覚醒します。「祓って済ます気はねぇ!」「ワシら二人でさっきのアレを、地獄送りにしてやるんじゃ!」。怨霊に家族を殺された少年とお婆ちゃんの逆襲が始まる!※本記事はネタバレを含みます。【ジャパンホラーの定番を壊す一作】前半は定番どおり、怨霊によって家族が殺されていく恐怖が描かれています。後半は一転、ばあちゃんと則雄の反撃が始まります。多くのジャパンホラーだと人間サイドはなすすべがなく、おっかなびっくり対応するのが精いっぱいだと思います。本作では霊に対して積極的に挑んでいるどころか、なんか勝てそうな気すらしてくるのがすごい。【裏方の仕事も見逃せない】本作は俳優さんの演技だけでなく、裏方の仕事も見過ごせないように思います。物語の構成が良くて見やすかったです。最初の犠牲者であるお父さんが亡くなった時はお葬式のシーンがありましたが、2人目のおじいちゃんの時は遺影を飾るシーンまでショートカットしていました。いちいちお葬式シーンを流してると冗長になるし視聴者にはもう伝わっているので、どこの場面をワープさせるかは構成の腕の見せ所だと思います。また、音楽のセンスが良かったです。吾輩音楽は詳しくないのですが、おばあちゃんがガンガン聴いてる曲はたぶん有名な曲なのでしょう。アゲアゲの音楽が入ることで、暗くなりがちな作品にメリハリを与えていると思います。エンディングテーマがピアノ曲なのも印象に残りました。【スタイリッシュバイオレンスアクション】やはり俳優さんってすごいんだなあと思いました。お姉ちゃんの死にっぷりが壮絶でした。カメラアングルもあるのでしょうけど、崩れ落ちた後の首の曲がりっぷりが……あの姿勢で目を開きっぱなしはキツイよね。主人公則雄がだんだん立派になっていく演技が良かったです。太極拳や走り込みが全然できていなかったのが、少しずつできるようになっていく表現が上手かったですね。そして、何といってもインパクト抜群なのはばあちゃんですね。認知症の感じとかシャッキリしてる時の動きのキレとか、俳優さんってすごいんだなあと見せつけられました。【人生を生き抜く強さを教えられる一作】本作は怖い話だけでなく、人生のプラスになる話がありました。家をきれいに保つことでマイナスの気を追い出すのは分かりやすいです。風水でも、方角うんぬんの前にきれいに片付けるのが大事だと言っています。たくさん食べてたくさん寝て、命を濃くするというのは至言だと思います。怪談を聴いていると時々耳にするのですが、この世は生きている者の世界なのだそうです。そのため、気持ちで負けなければ生きて肉体を持っている我々の方が幽霊よりも有利なのだとか。苦難に立ち向かうには命を濃くするのが必要なのでしょうね。最初はホラーの定番を外したインパクト重視な作品なのかと思っていました。ですがホラーあり、笑えるシーンあり、アクションあり、総合的に楽しめる作品でした。ばあちゃんの言葉に人生を生き抜く強さを感じられて含蓄がありました。特に最後のセリフが最高にイカすので、ぜひ映画館で観てみてください。ただしバイオレンスなシーンが多いので、そういうのが苦手な方は注意してください。こんなにバールで人を殴る映画は初めて見ました(笑)。サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル) [ 押切蓮介 ]原作のマンガです。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年09月01日
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稲川淳二の超霊感夜話のご紹介です。【DVD】稲川淳二の超霊感夜話【収録話】湯治場友人と静かな湯治場を訪れた女性が体験したお話です。体験者が温泉に浸かっているといる時、他の宿泊客と話をしました。寝ている時に奇妙な体験をした翌日友人と話をすると、どうも自分だけ別の温泉に入っていたようなのです。気になって確認に行ってみると……体験している最中は怪異だと気づかないのがまた怖いですね。留守宅知人の別荘の掃除を頼まれた男性が体験したお話です。庭の片づけが終わり家の中に入ると、見知らぬ女性の姿が見えて……結局何もかもが謎で不気味なお話です。怪談ナイト稲川さん自身の体験です。差出人不明でちょっと気味の悪いファンレターが届きました。それからというもの、こうしたファンレターが届くたびに怪異が起こるようになり……心霊とも人怖ともつかない不気味なお話ですね。怪談師さんもほぼ全員にヤバいファンがついているという話を聞いたことがありますが……今回は長尺で怖い話でした。少し前に発売された超恐怖夜話も怖い話が多く、今年は怖い話祭りでした。稲川淳二の超恐怖夜話[DVD] / 稲川淳二超恐怖夜話です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年08月25日
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稲川淳二の超恐怖夜話のご紹介です。2年ぶりの夜話シリーズです。稲川淳二の超恐怖夜話[DVD] / 稲川淳二【収録話】指輪の女稲川さんの先輩が生前体験した話です。心臓発作で入院した際、隣のベッドの患者が亡くなりました。夜寝ていると隣から指輪をした手が出てきて胸を押さえて来ました。無我夢中で抵抗しているうちに、相手の手を引っかきました。翌朝隣の患者の遺体が運び出される時、たまたま見えたその手の甲には……後日談もあって不気味なお話でした。事故物件とある青年が住んでいるアパートには事故物件がありましたが、自分の部屋でないからと気にしていませんでした。ある夜下の階の住人だという女性が訪ねて来ました。帰宅したら自分の部屋に人の気配がする。怖いので一緒に来てくれないかとのこと。女性の部屋に行ったものの何もなく、青年は部屋に戻りました。後日警察が部屋にやって来て話を聴きたいとのことで……確かに自分の部屋は事故物件じゃなかったけどねえ……人の執念の恐ろしさを感じさせるお話でした。巻き込まれた彼はたまったものではないですね。渋谷の飲み屋以前通っていた飲み屋に行ったところ、昔と変わらない顔ぶれがいました。ですがその夜眠りにつこうとした時ふと、飲み屋の面々はすでに亡くなっていることを思い出し……ストレートに恐怖体験があったわけではありませんが、気が付くと怪異だと分かるお話でした。撮影の旅館稲川さんが恐怖番組の脚本をした時のお話です。スタッフが稲川さんのイメージにぴったりの旅館を探してきて、そこで撮影をすることになりました。そこで怪異が複数起こり……確か、結構昔から語られている話ですね。稲川怪談といえば心が温かくなるような話もあるのが特徴だと思います。ですが今回はストレートに怖い話が多く、怪談って怖いものなんだなあと改めて感じさせる作品でした。【DVD】稲川淳二の超霊感夜話少し後に発売された超霊感夜話です。今年は豪華2本立てです。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年08月18日
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栃木県足利市立美術館の企画展、相田みつを展を観て来ました。「にんげんだもの」で有名な相田みつをですが、今年で生誕100年を記念した企画展です。【唯一無二の芸術性】相田みつをは当初書家を目指していました。それと並んでろうけつ染めを習得し、地元足利の店などに書やろうけつ染めを提供していました。やがて独特な書体でシンプルな詩を描くという、他に例を見ない作風にたどり着きました。相田さんと懇意にしていた麺処なか川や、和菓子店香雲堂など、足利の店では相田さんのデザインしたものが今でも使われています。飽きの来ないデザインが愛される理由なのかなと思いました。撮影可能なスペースがありました。古印最中で有名な香雲堂の包装紙のデザインもありました。【複雑な内面を伺える企画展】本展では多くの作品に対して、息子である相田一人さんのコメントが添えられています。間近でみつをさんを見ていた息子ならではのコメントが興味深かったです。相田みつをというとシンプルな言葉による作品が多い印象がありますが、その内面はとても複雑だったと語っていました。ひらがなで書かれた作品が多いですが、カタカナや漢字を随所に使うことにより作品にメリハリやリズムが生まれるように意識していたようです。相田さんは天衣無縫な作風だと思っていたのですが、実際は綿密に考えられていたのですね。【穏やかに真理を突く作品】相田さんは在家であるものの仏教に帰依していたそうです。それもあるのか、相田さんの詩には穏やかな言葉でありながら世の真理を突いた言葉が多いように思います。一人さんのコメントによると、鑑賞者が本展で一つだけ心に残すとしたら「うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころがうつくしい」という詩を残して欲しいとありました。これは詩の言葉通りの意味もあるのですが、美しいものがわかる心を持つというのは、逆に犯罪や戦争など美しくないものを感じ取る心を持っているということなのだそうです。第三者の考察ではなく、作者の思いに直接触れられたのが良かったです。個人的には「ただ」という作品「花には人間のようなかけひきがないからいい ただ咲いて ただ散ってゆくからいい ただになれない人間のわたし」が好きです。生誕100年を記念するだけあって、有名な作品だけでなく書家としての作品や初期の作品など、幅広い作品を大ボリュームで味わえる企画展になっています。息子さんのコメントもみつをさんの息吹を感じられて良かったです。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年08月11日
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そこに無い家に呼ばれるのご紹介です。本作は幽霊屋敷シリーズの3作目です。そこに無い家に呼ばれる/三津田信三【3000円以上送料無料】前作「わざと忌み家を建てて棲む」の記事はこちら。※本記事はネタバレを含みます。【あらすじ】作家をしている僕(たぶん三津田さん)は、懇意にしている編集者の三間坂秋藏(みまさか しゅうぞう)から新たな怪談を提供されました。前回は自身も怪異に見舞われた両名ですが、今回も懲りずに怪異へ足を踏み入れたのでした。【3つの怪異】あの家に呼ばれる 新社会人の報告新社会人である体験者は兄夫婦が転勤して留守になるため、兄の家に住むことになりました。隣は家が建っておらず、空き地になっていました。ある夜酔っぱらって帰ると、空き地のはずの隣に家が建っています。不思議に思って近寄ると……かなり長いお話で、この本の半分以上を占めています。とんでもない怪異が起こるわけでもありませんが、常にまとわりつく不気味さが気持ち悪いですね。その家に入れない 自分宛ての私信引退間近の医者(研究者?)の女性が奇妙な場所に住むことになりました。そこはどこからどう見ても更地なのですが、近所の人や不動産業者に至るまであらゆる人が、そこに家があるように振る舞っています。どう見ても更地なので体験者はテントを張って暮らすのですが、隣人たちは相変わらずそこに家があるかのような反応をします。はたしておかしいのは自分なのか、隣人たちなのか……この家に囚われる 精神科医の記録とある精神科医による、印象的な患者の記録です。奇妙な患者の顛末とは……【定番の考察】前回あんな目に遭ったのに、シリーズ定番の考察が今作も健在です。面白かったのは時系列に関する考察でした。小説に収録されているのは1、あの家に~2、その家に~3、この家に~ですが、時系列は1、3、2なのではないかというものです。3に出てくる患者は1の体験者で、彼を治療していた精神科医が怪異を調べようとして体験したのが2なのではないかと。奇妙な家にまつわる怪異がそう幾つもあるとは考えにくい。本書に収録されている怪異は全て同じものを示しているのではないかというのです。1の体験者の言葉から彼は建築関係の人間ではないかというものや、近所の住人の年齢等から時系列を推察するのがさすがでした。【ずれていく】本シリーズの装丁は谷川千佳さんのイラストを使っています。1作目と2作目のイラストでは、女の子の人数と目の数が1つ増えていました。三津田さんが気に入ったイラストを採用したので特に意図は無かったそうですが、気味の悪い符合でした。本作の装丁に使うイラストもある程度決めていたそうですが、それは3人の人物が描かれたものだそうです。さすがに気味が悪かったのか、本作のイラストは違うものになっていましたが……本シリーズは今のところ3作出ていましたが、全5作を考えていたそうです。題名はどこの家にも怖いものはいるわざと忌み家を建てて棲むそこに無い家に呼ばれるこんな家で寝ると病むあれが僕の家に来るだそうで、1文字ずつ減っています。さらに1作目には5つの怪異譚が収録されていますが、2作目が4話、3作目は3話収録され、1話ずつ減っています。「僕」は特に意識してやったわけではないそうです。そのうえこのシリーズを手掛けるようになってから「僕」や三間坂の周囲で人や物などが1つずつ減っていったそうです。本編の周囲でこうした怪異が起こっているというのも気味が悪いですね。はたしてこれは作者の仕掛けなのか、何者かがそうさせたのか……皆さんも身の回りで何かが「一つずつ減っている」と感じたら読書を中止してください。幸い吾輩の周りでは何もありませんでしたが……どこの家にも怖いものはいる【電子書籍】[ 三津田信三 ]1作目「どこの家にも怖いものはいる」の紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年08月04日
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群馬県立館林美術館 大森暁生展を観て来ました。2014年に同美術館で開催された企画展でも大森さんの作品が展示されていて、今回また観てみたいと思い行ってみました。【霊気を掘り出す彫刻家】大森暁生氏は動物を主なモチーフとして、写実的でありながら幻想的な作品を生み出す彫刻家です。パンフレット裏面です。鏡から体が半分出ている動物を表現した「frameシリーズ」(上段左)や、角や棘を生やした動物の作品が目を引きます。他にもファッションブランドとのコラボ作品なども展示されています。【反骨の彫刻家】本展では作品だけでなく、大森氏の言葉も随所に展示されています。その言葉を見ると、だいぶストイックに創作へ取り組んでいるように感じました。安易な安定に落ち着かず、常に自分を追い込んでいく姿はまさに求道者ですね。また、近年の芸術界における複雑な作品に複雑な解釈を乗せることを良しとする風潮に違和感を感じていたそうです。ファッションブランドからコラボの依頼があった時「カッコイイから」というシンプルな理由で評価するファッション業界に新鮮さを感じたとも書いてありました。芸術という明確な物差しが無い世界であるため、反骨精神ともいえるその姿勢は印象的でした。【命を描く】いくつかのコーナーの中で印象深かったのが、熊本県動物愛護センターを取材して作った作品たちです。日本で殺処分される犬や猫は年間30万匹と言われています。動物愛護センターとは名ばかりの「処分場」で、多くの命が処理されています。そんな中熊本県動物愛護センターでは殺処分ゼロに取り組んでおり、ほぼゼロを達成しています。大森氏がそのセンターを取材した写真も展示されていました。場所が場所だけに、訳ありの動物が多くいるようでした。人に怯えて近づこうとしなかったり、怪我や病気で体が不自由であったり、そうした環境でも人懐っこくて明るいものなど様々です。そうしたものたちに正面から向き合ってはじめて「モチーフにすることを許される」という大森氏の言葉が印象的でした。こうしたテーマを扱う時にありがちなお涙頂戴や感動ポルノにしないという大森氏の姿勢も素敵でした。この作品たちは目に力を感じました。悲しみや苦しみだけでなく、過酷な境遇を生き抜いていくふてぶてしいまでの強さも内包しています。【作品集等】大森暁生氏の作品集も紹介されていました。木端と言端 彫刻家の作品と言葉 / 大森暁生 【本】最新の書籍です。作品だけでなく大森氏の言葉も多く掲載されています。本展で展示されている言葉はこの本から取っているものが多いようです。しあわせな彫刻 大森暁生作品写真集/大森暁生/芸術新聞社【1000円以上送料無料】大森氏が自分の作品を買った人の家を訪ねて対話するという作品集です。面白い趣向の作品集だと思います。幻触 彫刻家大森暁生 大森暁生/著掲載作品が多く、広く楽しめる作品集です。これらの作品集は美術館でも購入できます。幻想的な作品だけでなく、創作に取り組む作者の姿勢も感じられる企画展でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年07月28日
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先週に稲川淳二 ミステリーナイトツアー2024 怪談喜寿を観て来ました。【構成が見事なライブ】コロナ禍の最中は人混みを気にして行っていなかったので、実に5年ぶりに観に行きました。今回は構成がきれいでした。最初は小粋なトークから始まり、1話目はちょっと笑える怪談でした。その後だんだん怖い話になっていき、盛り上がっていきました。【広く愛される稲川さんの魅力】驚くべきはその客層の広さです。怪談イベントというとお客はおっさんばっかりというイメージがありましたが、ずいぶん若い人たちが多かったです。この人たちは稲川さんが怪談ライブを始めた頃はまだ生まれてなかったんだろうなーと思うと感慨深いですね。一方で年配の方も多く、稲川さんは本当に幅広い人たちに愛されてるんだなあと感じました。稲川怪談も今年で32周年。これからも長く上質な怪談を味合わせてもらいたいなと思いました。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年07月21日
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にゃんこ大戦争では、現在消滅都市コラボ開催中です。コラボステージ、メシエ強襲をクリアしました。にゃんこ大戦争でまなぶ!難しい言葉1000 [ ポノス株式会社 ]【メシエ強襲】ボスのメシエは移動が遅く、感知射程も短いのですが、攻撃力が高いです。さらに攻撃力up、攻撃力ダウン無効、停止無効を持っています。高火力で前線が崩壊しがちなので、再生産の早いキャラを集めるか、射程の長いキャラで戦うのがおすすめです。【ステージ攻略】メシエ強襲の敵配置はLVMAXまで変わりません。敵は全て時間経過で登場します。取り巻きは例のヤツ、天使ガブリエル、天使カバちゃん、シャドウボクサーのみです。やっかいなのはシャドウボクサーで、シャドウボクサーに対処できるかどうかがクリアの分かれ目になります。吾輩の配置はこちらです。ネコまねきネコにぎり亡者探偵ヴィグラー召し猪のカイμ大狂乱のゴムネコねこ法師ねこ医師ネコデリバリーネコキノコネコカンカンにゃんこ砲にゃんコンボ:感謝御礼(会計力アップ小)、浮気調査(研究力アップ中)、豚丼(体力アップ小)全ての敵が時間経過で出現するので、悠長に円を貯めている余裕がありません。本能を解放したネコカンカンで資金アップを狙いつつ、敵に応じて出すキャラを調整します。常に出す:ネコカンカン壁必要な時:ネコにぎり、大狂乱のゴムネコ取り巻きが少ない時:ねこ法師、ねこ医師天使が多い時:ねこ法師、ネコキノコシャドウボクサー対策:ネコデリバリー余裕があったら出す:召し猪のカイμねこ法師とねこ医師が多くなればメシエを妨害し続けられるので、取り巻きが少ない時はフル生産しましょう。ネコデリバリーは移動が遅いので、フィールドには常に1体出ているようにしたいです。むやみに大型キャラに頼るよりは、復活の早いレアキャラを中心にすると戦いやすいと思います。攻略に詰まっている方の参考になればと思います。【ありがとう、さようなら消滅都市】コラボしている消滅都市は、先日10年の節目にサービス終了となりました。サービスが開始したころCMを見たことがありましたが、ストーリーがしっかりしているなという印象がありました。それ以降もにゃんこ大戦争のコラボで見かけるだけでした。今回のコラボで気になってサイトを見てみました。……すごく面白そうじゃないですか! しかもユキ役は花澤香菜さんじゃないか。ストーリーなどを楽しめるオフライン版が出ているそうなので、今からでも遅くないかな……アニメ版もあるようですね。これほど広がりのある作品だったとは。皮肉なことににゃんこ大戦争が忙しくて他のスマホゲームを遊ぶ余裕が無いのですが、チェックしておこうかなあと思いました。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年07月14日
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わざと忌み家を建てて棲むのご紹介です。本作は幽霊屋敷シリーズの2作目です。わざと忌み家を建てて棲む/三津田信三【3000円以上送料無料】前作「どこの家にも怖いものはいる」の記事はこちら。※本記事は結末を含むネタバレがあります。【あらすじ】作家をしている僕(たぶん三津田さん)は、懇意にしている編集者の三間坂秋藏(みまさか しゅうぞう)から家にまつわる怪談を提供されます。三間坂の実家は旧家で、オカルトマニアだった亡き祖父が大量の資料を残していました。今回提供された怪談は、とある酔狂な資産家が人死にに関わった部屋を集めて無理やり繋げて一軒の家にしました。こうしてできた奇妙な屋敷「烏合邸」。資産家はその各部屋に人を住まわせ、怪異が起こるか検証していました。わざと建てられた忌み家に棲んだ者たちの体験と運命はいかに……【4つの部屋の怪異】黒い部屋 ある母と子の日記シングルマザーの女性が黒い部屋に住み、記録をつけることになりました。曰く付きの部屋であることは承知で、報酬のために住みました。仕事も斡旋してもらい真面目に日記もつけていたのですが、怪異は少しずつ日常を侵食していき……前作に収録されていた「向こうから来る 母親の日記」にも通じる、次第に文章がおかしくなっていくのが不気味なお話ですね。白い部屋 作家志望者の手記白い部屋には作家志望の青年が住むことになりました。執筆に専念できるうえに報酬ももらえるので「仕事」を引き受けました。やはり青年にも怪異が起こり始めます。青年が前話黒い部屋の住人に会っているシーンも描かれています。あ、そういうこと? と思わされました。この表現の仕方はすごいと思います。相当ヤバいですね、黒い部屋。赤い医院 某女子大生の録音この話は烏合邸の赤い部屋を調査した女子大生の音声を記録に起こしたものです。赤い医院は元歯科医院で、そこで起こった事件については明らかになっていません。この女子大生についても詳しい経緯は不明です。彼女はここに住むのではなく調査を依頼されているようで、内部を探索していくとしだいに怪異が起こり……この話が最も謎が多いと思います。青い邸宅 超心理学者の記録超心理学者の女性が研究のため、烏合邸の青い邸宅に住んで様々な調査をすることになりました。霊能力のある少年の力も借りながら調査を進めるうち、次第に邸宅で起こったことに気がついてきて……ホラーだけでなくミステリーのような味わいのあるお話でした。【蒐集者にも忍び寄る恐怖!】前作同様、今回も「僕」と三間坂が怪異を考察する「幕間」があります。さらに今回は両名にも怪異が訪れます。怪談は好きだけど自分が体験するのはまっぴらごめんという方がほとんどだと思います。いざ自分が体験する側にまわるとなると、怖さもひとしおですね。【必殺ちゃぶ台返し】怪異に怯えながら「僕」が出した結論とは……烏合邸は、存在しない!え~! マジですか?烏合邸を建てた資産家は各住人に場所を確定できるような記述を控えるよう要請し、烏合邸の情報を極力隠そうとしていました。ですが建築物である以上、周囲の目に触れないことは不可能です。関係者たちが情報を隠そうとしても、それほど奇異な建物は必ず誰かの話題になるはずです。にもかかわらず他に情報が無いというのは、そもそも烏合邸は存在しないというのです。なるほど確かに合理的な結論ではありますね。一方で僕と三間坂だけでなくその周囲にも謎の人物が現れ、怪異が起こっています。これについてはどうするのかというと、この話を本として出版しました。僕たちの元に現れた謎の女性もまた烏合邸のことを知りたがっているようでした。なので本として出版し多くの人が目にすることで、烏合邸に関する情報が寄せられるかもしれない。正体を暴くことで怪異が消えるということがあります。荒唐無稽にみえてどこか合理的な力技でした。曰くのある部屋を集めて家を作る……これほどキャッチーな話はそう無いのではないでしょうか。各怪異のエピソードや関係者にも起こる怪異、衝撃の着地点など見どころの多い作品だと思います。そこに無い家に呼ばれる/三津田信三【3000円以上送料無料】次作「そこに無い家に呼ばれる」です。紹介記事はこちら。【おまけ】わざと忌み家を建てて棲むってこういうことでしょうか(笑)。本シリーズは面白そうだと思って結構前に購入したものの、しばらく本棚で眠っていました。それがこの動画を見て思い出して読みました。ある意味恩人ですね。ちなみに怪談を語る方はあまたいらっしゃいますが、個人的にはDJ響さんが推しです。クールなルックスに似合わぬ変態レベルの怪談愛がすばらしい。今後も上質な怪談を聴かせていただきたいですね。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年07月07日
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とちぎ花センターの企画展、雑草たべてみた展を観てきました。コケと植物展と同時開催されています。コケと植物展の記事はこちら。入るといきなり草食いの心得が。やっぱりむやみに食べない方が良いのですね(笑)。フローチャートがありました。これで自分にあった草が見つけられます。吾輩にお勧めはスベリヒユでした。雑草をあまり食べたくない人におすすめって……さらには雑草レシピもありました。この写真の他にあと2枚くらいありました。そのうえ一か月分の雑草レシピまでありました。ここまでされると若干気味が悪くなってきました(笑)。そのへんで見られる植物たちが再現されています。わざわざ再現しなくても、そのへんで見かけるような気が……実際にそのへんの草を食べる勇気がない方は、コケ風のプリンも売っています。翔んで埼玉の名セリフ「そのへんの草でも食わせておけ!」。それに乗っかった企画ではありますが、食糧難など何が起こるか分からないこのご時世。雑草食は人類を救う? かもしれません。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年06月30日
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とちぎ花センターの企画展、コケと植物展を観てきました。新聞で開催のお知らせを見た時は「ふ~ん」くらいに思っていたのですが……このお知らせを見て観に行くのを決意しました。とちぎ花センターさんのエッジのきいたノリ好きだなあ。入場すると指名手配のようにナゾの掲示が。隊員(職員)紹介のようでした。一番印象深い隊員は彼です。思ってたのと違うというのはどこでもありますよね。【驚きの生態!】本展は撮影自由なので、色々写真撮りました。様々なコケの生態に驚きました。木や岩についている小さな植物の総称がコケというのだそうです。シダ植物や菌類もコケと名前がついているものもあるそうです。根はあるけど、一般の植物とは役割が違うんですね。コケはタネではなく胞子で増えるので、受粉のために虫を呼び寄せる必要無く、花は咲かないそうです。なるほど、それもそうかと思ったら、花言葉はあるんですね。花は無いけど匂いはあるのですね。【おまけ】本展と関連して、苔テラリウム作家さんの作品が売っていました。本展に入場するとカフェや花販売コーナーの割引券がもらえるので、先に企画展を見た方がお得です。展示会場が温室であるため冷房はありません。暑さ対策を気を付けてご覧になってください。【次回予告】現在第二企画展として雑草たべてみた展が同時開催されています。こちらの記事は次回掲載します。記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年06月23日
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栃木県佐野市東石美術館のオープン記念展 -風薫る- を観てきました。【東石美術館リニューアル】東石美術館は今年5月にリニューアルオープンしました。だいぶおしゃれな雰囲気です。イベント等で使える貸しスペースや、建物の上がテラスになっています。まだ工事中の部分もありますが、今後設備も充実してくるでしょう。【風薫る】東石美術館は4つのギャラリーに分かれています。それぞれ暁、白日、春く(うすづく)、宵闇と名付けられ、一日の時の流れを表現しています。今回の企画展風薫るは、初夏を感じさせる作品を集めました。東石美術館は近代美術を中心に収集していることもあり、絵画や焼き物などのジャンルにとらわれずさまざまな作品が展示されていました。「風薫る」とは初夏に吹くさわやかな風のことで、俳句の季語としても使用されています。季節外れの暑さが続いていますが、ふっと心地よい風を感じる企画展です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年06月16日
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どこの家にも怖いものはいるのご紹介です。幽霊屋敷シリーズの1作目です。※本記事はネタバレを含みます。どこの家にも怖いものはいる/三津田信三【3000円以上送料無料】【あらすじ】僕(たぶん三津田さん)は懇意にしている編集者の三間坂秋藏(みまさか しゅうぞう)から5つの怪談を提供されました。それぞれ人物、時代、内容がバラバラなのに、なぜか別の怪異とは言い切れない共通点がありました。僕と三間坂は怪異について考察を続けるのですが……【5つの怪異】向こうから来る 母親の日記平成の半ばくらいと思われるお話です。新築の一軒家に引っ越してきた一家の母親の日記という形式をとっています。引っ越してきた当初は良い家だと思ったのですが、家のあちこちで妙な音がしたり視線を感じるようになりました。やがて子どもがおかしなことを言いだしたり、近所の子どもが遊びに来たがらなくなったりして……終盤に日記の文章がどんどんおかしくなっていくのが不気味ですね。異次元屋敷 少年の語り昭和初期ごろのお話です。森で遊んでいると「割れ女」と呼ばれる者に遭遇してしまいます。必死になって逃げているうちに晨鶏屋敷と呼ばれる屋敷に逃げ込みました。そこは気味が悪いほど静まり返っていて……よく分からない終わり方だったので首をひねっていたのですが、考察を読んで「あっそういうことか」と思わされたお話でした。幽霊物件 学生の体験昭和後半のお話です。体験者は大学に進学し、アパートで一人暮らしをすることになりました。他の入居者はやや暗い雰囲気の人が多いものの、特に問題なく一人暮らしが始まりました。ですが屋根の上や隣室から物音がするようになりました。大家さんに話を聴いてみると「大人には害が無いから大丈夫」と意味深なことを言われます。ある日隣部屋の物音がうるさく、腹を立てた体験者は隣室に文句を言いに行って怪異体験をします。ふと部屋の表札を見ると204号室でした。自分の部屋は203。4は縁起が悪いのか、隣は205のはず。では目の前にある204号室には何者がいるのか……光子の家を訪れて 三女の原稿平成初期のお話です。体験者の半生を綴った小説の一部です。体験者の母親は霊能力に目覚め、ローカル宗教団体の教祖のようなことをしていました。家族は彼女を連れ戻そうとするも、帰って来ませんでした。体験者は仲の良かった弟だけでも連れ戻そうと、母親の住む家を訪れました。ですが家には誰もおらず、疲れてしまった体験者は眠ってしまったのですが……ホラーゲームのような不気味なお話でした。本書の帯にもある「寝ていると彼女がまぶたをこじ開ける」ってパワーワードですね。或る狂女(くるいめ)のこと 老人の記録明治末期から昭和初期にかけての、とある老人の手記です。手記を書いている老人が、幼い頃に祖母から聴いた話です。地元の有力者の娘は奇矯な振る舞いが多く、時折ポツリと漏らす予言が必ず当たるため村人から気味悪がられていました。不吉な出来事を孕んだ一族の顛末とは……【驚異の考察】本作はエピソードの合間に「幕間」と、最後に「終章」があり、僕と三間坂が怪異について考察しています。この考察がとても鋭くて味わいが深いです。ちょっとした言葉や記述の端々から手がかりを探り当てる嗅覚はすさまじいと思いました。「ここも近畿と言えば、まぁ近畿ですわ」というセリフについて、言葉本来の意味にこだわる人のコメントなので、一般的な近畿ではないのではないかという考察がすごいなと思いました。また各怪異の舞台がバラバラなのですが、記述した人が場所を明示することに抵抗があるので、わざと違う場所を書いたりぼかしたりしているのではないかという考察もありそうだと思いました。こうして導き出された衝撃の結末は! とまではっきりした結末にはなりませんでした。ほぼほぼこれだよねという結論で終わりになっています。煮え切らない感が無いわけではないのですが、とことんまで追求するとこの本が出版できないような事態になりかねないので、ここで引いておいたのは正解なのだろうなあと思いました。怪を語れば怪至る。本書でも警告されていますが、みなさんもくれぐれもこの怪異の場所を突き止めようとしないようにお願いします。吾輩は本書を読んでいる時、屋根の上からパラパラと音がしたような気がしたのですが、気のせいだよね、うん。わざと忌み家を建てて棲む/三津田信三【3000円以上送料無料】次作「わざと忌み家を建てて棲む」です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年06月09日
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栃木県立美術館の企画展 高橋由一から黒田清輝へを観てきました。明治時代に日本の洋画壇を切り開き「近代洋画の父」と言われた高橋由一と黒田清輝。ちょうど入れ替わるように活躍した両名。本展は近代洋画における「二人の父」と、二人が活躍した時代を比較した世代交代劇を描いています。【高橋由一】高橋由一は日本に洋画壇の土台を気づいた人物です。高橋由一といえば「鮭図」が有名で、美術の教科書で見た方も多いのではないでしょうか。高橋の絵は食品や風景に関わるものが多いです。写実性の高い洋画の良さを伝えるため、生活の身近にあるものを題材にしたそうです。風景画についても「闇」を表現したものが見られます。日本画にはろうそくを描くなどして間接的に闇を表現しているものの、直接的な闇を描く技術はありませんでした。一方洋画は黒い絵の具を使って闇を描くことができます。当時は日常生活の中でろうそくや提灯を使うことが多く、高橋が描いたような闇が身近にありました。風景画の中に闇を取り入れることで、人々に受け入れられるよう配慮したと思われます。また、高橋は工事に関わる絵も多く描いています。当時は近代化を推し進めるために、各地でインフラ工事が行われていました。工事現場の記録に写真が使われていましたが、当時の写真に比べて洋画の方が鮮明で保存性が高かったそうです。そのためこうした分野でも高橋は積極的に洋画を使うことで、有効性を示そうとしていました。高橋の画業からは、洋画を日本に根付かせようとする努力を感じました。身近なものを題材にしたり洋画の有効性を示すことで、洋画が広まるように尽力しているようでした。【黒田清輝】黒田清輝はフランスで絵を学び、高橋由一が亡くなる前年に帰国しました。重厚な作風が特徴である高橋時代に対して、黒田時代の作風は明るい色合いが特徴です。これは黒田が絵を学んだ欧米で印象派や象徴主義が興っていたことが影響しているようです。洋画を広めるために努力をしていた高橋の時代に比べて、黒田の時代は画家の描きたいものをのびのびと描いているように感じました。とはいえ黒田たちも順風満帆であったわけではありませんでした。当時ヌードは欧米では普通でしたが、日本画壇では風紀を乱すとして厳しい取り締まりがありました。裸婦を描いた絵の下半身に布を巻いて展示することになった「腰巻き事件」なんてものもありました。そのため黒田の代表作「花野(パンフレット右上)」では裸婦を正面から描かず、下半身に布をかけるといった配慮がみられます。本展は近代洋画の二人の父にスポットを当てました。二人の父と言っても、その作風や時代には大きな違いが見られます。こうした対比について解説されているのが面白い企画展でした。本企画展は2024年6月16日まで開催です。美術館のホームページはこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年06月02日
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怪奇蒐集者 贄ノ杜 若本衣織のご紹介です。怪談コンテスト入選や多くの出版社から著作を出すなどの活躍を見せる若本さんの登場です。怪奇蒐集者 贄ノ杜 若本衣織 [DVD]【収録エピソード】鳥じじどこの地域にも変わった人はいるかと思います。若本さんが子どもの時、鳥を見かけると叫びだす「鳥じじ」と呼ばれるお爺さんがいました。ある日若本さんの祖母が鳥じじと同級生だと知りました。そして祖母は、なぜ鳥じじがそうなってしまったのかを語りだし……山には我々のあずかり知らぬ存在がいるのでしょうね。訪問販売訪問販売で訪れた家。そこはいわゆるゴミ屋敷でした。失敗したかと思っていましたが、ふと見ると座布団やトイレにありえない物が入っていました。慌ててその家を後にしたのですが……見ず知らずの家に行く仕事って怖い部分がありますよね。あかべ君体験者が幼い頃、あかべ君という友だちがいました。ある日かくれんぼをしているとあかべ君が古井戸に落ちてしまい、体験者は怖くなって逃げ出してしまいました。月日は流れ、同窓会に行方不明になったはずのあかべ君が現れました。話が弾み2人は恋人になったのですが……因縁というものはあるのですね。禁忌の日猟師の間では、山に入ってはいけない日があるそうです。趣味で狩猟をしていた体験者は、忠告を破り禁忌の日に山へ入りました。普段と様子が違い帰ろうとした時、鹿を見つけて猟銃で撃ちました。とどめをさそうと近づくと、その鹿が急に振り返りました。その鹿は口だけが人間でした。慌てて体験者が里の老人から聴いた話とは……風習というものは過去の痛い体験の積み重ね。若本さんのコメントに重みがありますね。【おまけ】若本さんの話を初めて聴いたのは、YouTubeチャンネル「Channel恐怖」のコーナー「DJ響の怪談に酔いしれる夜」でした。その時は親しみやすい方だと思ったのですが、本作では結構クールな感じでした。本作は怪談に酔いしれる夜よりも前の作品なのですが、宣伝文句に「覆面の怪談師が封印された戦慄の扉を開く!」とありました。当時はそういうキャラだったのでしょうか。そのギャップもまた味わい深いものでした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年05月19日
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怪奇蒐集者 Z-ファイル 國澤一誠のご紹介です。多くの怪異体験を持つ國澤さんの登場です。怪奇蒐集者 Z-ファイル 國澤一誠 [DVD]【収録エピソード】プロジェクターあこがれのプロジェクターを買った國澤さんの元に届いた体験談です。体験者の結婚式の時プロジェクターで会場の様子を流していたところ、見慣れない少年が映っていました。後日映像を確認してみると……それにしても、プロジェクター買ってわくわくしている時には聴きたくない話ですね。揺れ一人暮らしをしていた男性の体験談です。ある日激しい揺れに見舞われ地震かと思ったら、トラックが突っ込んで来ました。その後家をリフォームしたのですが、どうしても事故を思い出してしまうことが……その場に焼き付く記憶のようなものがあるのでしょうね。ベランダから聞こえる声マンションの上の部屋から大声で言い争っている声が聞こえました。ベランダに出てみるとちょうど上の部屋の住人が顔を出し「家じゃない」と言います。それ以降声は聞こえなかったのですが、気になって調べてみると……最後に不気味なオチがついたお話です。深入りしない方がよさそうですね。かくれんぼ公園でかくれんぼをしていると、見知らぬ女性が「ここなら見つかないよ」と教えてくれました。翌日もう一度公園に行くとたくさんのパトカーが停まっていて……直球の怪談であり、切なさもあるお話ですね。夢の男体験者が中学生の時、彼氏ができました。楽しくて彼とデートする夢もよく見ていました。ですが、夢の中で奇妙な男と頻繁に会うようになりました。男はこちらを見ているだけだったのですが、ある日話かけて来ました。それから数か月後……続きがまた気味の悪いお話です。人身事故國澤さんが東京へ上京して間もない頃のお話です。電車の中が混んでいたのに、一つだけ空いていた席に座れました。やがて電車が人身事故で止まってしまいました。様子を見ていると、外で作業をしていた駅員が國澤さんの座っている席の外側にやって来て……人間の直感を感じるお話でした。シホちゃん幼馴染に告白しようとしたところ、不思議なことが起こり……お話自体よりも、体験者の考察が薄気味悪いお話でした。りょうちゃん病気で生死の境をさまよっていた時、一緒に遊んでいたりょうちゃんのことを思い出していました。ですがそのうちに身に覚えのない出来事も浮かんできて……これもまた不吉なお話ですね。心霊スポット心霊スポットを訪れると見知らぬ女の子が居て「心霊スポットに来たものの怖くて入れないので一緒に行って欲しい」とのこと。一緒に心霊スポットを探索しましたが、特に変わったことは起こりませんでした。ですが後日テレビを見ていると……幽霊もメールとかできるのかなとか考えてしまうお話ですね。初めて見た幽霊体験者はオカルト好きで、子どもの頃から幽霊が見たいと思っていました。社会人になり電車に座っていると、隣の人に膝がぶつかってしまいました。謝りながら隣を見ると、足は見えるものの隣に誰も座っていませんでした。初めて幽霊を見たと喜んで友だちに自慢したところ、その友だちがひどく怖がりだして……やはり幽霊は見えない方がいいなあと思いました。おやじ「かくれんぼ」の体験者のお話です。ある日警察官だったお父さんが交通事故で亡くなってしまいました。さらにお父さんの後輩だった警官が寮で自殺してしまいます。体験者には自殺者のそばに父親の幽霊が見えて……亡くなってからも職務に忠実な方だったのですね。パラレルワールド國澤さんが子どもの頃見知らぬ小径を入っていくと、古い長屋に出くわしました。もう一度友だちと行こうとしたのですが、そのような小径は無く……パラレルワールドというものが存在するそうですが、これもそうなのでしょうか。語りの後ろでかすかに流れるBGMが良い味を出していました。この話に限らず、怪奇蒐集者シリーズはBGMの使い方がうまいと思います。短めながら不気味な後味を残す話が多い作品でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年05月12日
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まいまいつぶろのご紹介です。過酷な運命を背負った次期将軍と、彼に仕える青年の物語です。まいまいつぶろ [ 村木 嵐 ]※本記事はネタバレを含みます。【あらすじ】第九代将軍徳川家重(幼名・長福丸)。彼は生まれながらに口がまわらず、右半身が不自由でした。さらに尿漏れのため歩いた後には尿を引きずった跡が残るため、まいまいつぶろ(かたつむり)と陰口を言われていました。ある日、下級旗本の子息である大岡忠光(幼名・兵庫)は家重の言葉が理解できることが判明しました。そこで忠光は家重に仕え、彼の口の代わりになりました。ですが誰が将軍になるかで幕府内の力関係も変わってきます。家重は将軍になれないだろうと思っていた者たちからすれば、忠光は目障りな存在です。様々な思惑と陰謀が渦巻く中、主従の運命やいかに?【歴史の人物も登場】本作は史実をもとにした作品だけに、教科書に載っている人物も登場します。そうした人物が動いてしゃべっているのを見るのも面白いですね。徳川吉宗家重の父にして第八代将軍。いわゆる暴れん坊将軍ですね。将軍としての立場と息子への情の間で揺れる姿が描かれています。引退する際、家重の障害になりそうな人物を軒並み始末する辣腕ぶりはさすが将軍ですね。大岡忠相名奉行大岡越前ですね。忠光の遠縁にあたります。吉宗とともに改革の真っ最中であったため、最初は忠光が不手際を起こさないかとヒヤヒヤしていました。それが二人の絆を見るにつれて、次第に応援するようになります。こうした人間臭い面が描かれているのが面白いですね。比宮家重の妻です。結婚当初は家重の障がいにとまどい、結婚を後悔しました。やがて家重の思いやりや知性の高さに気づき、愛情を深めていきます。家重の子を死産してしまったうえに産後の肥立ちが悪く、世を去ってしまうのが寂しいですね。彼女の死後家重の落胆ぶりがその愛の深さを感じさせました。幸比宮の従者であり、友人のような関係でもあります。自らの死を悟った比宮より、自分に代わって家重の子を産んで欲しいと頼まれます。それは次々期将軍候補を産むことで、家重の次期将軍の立場を確固としたものにしたいという想いでした。最初は比宮に対する友情の念から家重の子を産みましたが、やがて我が子を将軍にしたいと思うようになっていきます。こうした心の動きがやや寂しいようであり、人間らしいとも言えるのでしょうね。田沼意次歴史の教科書でも有名ですね。吉宗の頃に取り立てられ、家重に仕えます。若き切れ者として描かれていて、実在した人間としての息遣いを感じますね。【壮大な溜め】本作は跡継ぎ問題や政策など日々の様々な事柄に取り組む家重と、それを支える忠光の姿が描かれています。やがて忠光も歳をとり、病に倒れたのをきっかけにお役目を退くことになりました。家重の忠光の別れのシーンは特に印象に残りました。それまでは家重の言葉を忠光が伝えていましたが、二人きりのこのシーンでは、普通に会話するのと同じ書き方で表現していました。そこまで読み進めていると、二人が積もる思い出を話しているだけなのに感慨深いものがありました。個人的には、本作はこのシーンに至るまでの壮大な振りなのではないかと思っています。【大きな殻を背負い、まいまいのごとく】本作のような物語は「運命に立ち向かった」とか「苦難を乗り越えて」などと言われることが多いかと思います。ですが家重と忠光は特に立ち向かってもいないし乗り越えてもいません。ひたすら日々を生き、職務を全うしていました。思うにならない体で生きて行くその姿は、大きな殻を背負いゆっくり進むまいまいのようでありました。障がいを治そうとするでもなく、克服しようとするでもなく、背負ったまま進む。だからこそ家重は「もう一度生まれても、私はこの身体でよい。そなたに会えるのならば」とまで言えたのではないでしょうか。過酷な運命に踏みつぶされることもなく、まいまいのごとく人生を生き抜いた主従と、その二人を取り巻く人間模様が味わい深い小説でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年05月05日
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怪奇蒐集者 喪刻 西浦和也5のご紹介です。怪奇蒐集者 喪刻 西浦和也5 [DVD]【収録エピソード】ぶら下がる女看護師さんが体験したお話。深夜巡回の際患者さんの顔にライトを当てないよう、天井に向けました。するとそこに映し出されたものは……どっちが視えるの?深夜のコンビニに孫の手を引いた老婆が買い物に来ました。会計の際その老婆が「どっちが視えるの?」と訊いてきて……この対応をした店員さん大変でしたね。自販機の隙間自販機だけが残っている潰れたドライブインに買い出しに来た若者たち。その様子をカメラに収めていた青年は急に立ち去ってしまいました。訳を聞いてみると……桜金蔵さんの厚さ1ミリの女を思い出しました。厠の花嫁深夜の厠で母子が目撃したものとは……その時代ならではのお話だなあと思いました。畳の色が違う部屋課外授業で施設に泊まることになりました。先輩からは一枚だけ畳が新しい部屋は気をつけた方がいいと言われました。一日が終わり友達とおしゃべりをしていると……俺の涙自衛隊の方が体験した話というのは結構あるのだそうです。夜の官舎を見回りしている時、後輩が体験した話をしてきました。次の倉庫を見回ろうと外に出た時……不思議でもあり寂しくもあるお話でした。水色の扉とある女生徒が行方不明になりました。しばらく経ってから先生に訊いてみると「その話はもういい」と言われました。そこからさらに時が経ったある日、先生から荷物を運ぶのを手伝ってほしいと言われました。そこには見慣れない水色の扉があって……真相のはっきりしない不気味なお話でした。どのお話もクオリティが高く、さすが西浦和也さんといった作品でした。いい怪談を聞きたい方は手に取ってみてはいかがでしょうか。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年04月28日
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怪奇蒐集者 不動産怪談 富田安洋のご紹介です。事故物件内覧実績100件以上!現役不動産業者ならではの怪談の数々です。怪奇蒐集者 不動産怪談 富田安洋 [DVD]【収録エピソード】呪殺体験者の女性が、とあるバーのマスターと付き合おうとしていました。そこでマスターが借りたアパートに住むことになったのですが、毎夜恐ろしい夢を見るようになり……怪異だけでなく、人間の悪意が薄気味悪いお話でした。内覧富田さんの実体験です。ある日友人が事故物件に住みたいと言い出しました。事故物件をはしごして内覧していたところ、車のブレーキが効かずガードレールに衝突してしまいました。警察が現場を調べると不可解な点が……ともあれ無事でよかったですね。隣人富田さんと付き合いのある管理会社の中には、富田さんに怪談を提供してくれる人もいるそうです。今回はその管理会社の人が提供してくれたお話です。アパートの隣に若いカップルが引っ越して来ました。ある日隣に来た男性が「ここ出ませんか?」と訊いて来ました。数日後隣でお祓いをしていたのですが、それからというもの体験者の部屋で怪奇現象が起こるようになり……オカルトマニアからすると、あ、やっぱりねというお話でした。1LDK友人から、引っ越しを考えている女性を紹介されました。物件探しで外せない条件を聴いたところ「出ない物件がいいです」と即答されました。その理由とは……体験者の人、よく2年も辛抱しましたね。駅近激安物件夜中に隣の部屋から男女のひそひそ声が聞こえました。やがてその声が言い争いになり、女性の悲鳴とともに静かになりました。その後出勤しようと部屋を出ると……現役の不動産業者が蒐めてきた活きのいい怪談が味わえる一作です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年04月21日
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怪奇蒐集者 怨念桜 下駄華緒2のご紹介です。元火葬場職員が語る怪談が味わえる作品です。怪奇蒐集者 怨念桜 下駄華緒2 [DVD]【収録エピソード】怨念桜自衛隊の人から聴いたお話です。訓練で歩哨壕を掘っているとシャベルに何かが当たりました。その直後気配を感じて振り返ってみると……理由を知っていそうな上官のリアクションがまた怖いですね。駅駅で電車を待っていると、友だちが「ここの駅、飛び込みが多いよね」と言ってきました。ですがそうしたことは特に無く不思議に思っていると……これは何かの予兆なのか? 不気味なお話でした。包丁家の裏手から物音がしました。泥棒かと思い、とっさに包丁を手に様子を見に行きました。すると暗いうえに足元が悪く転んでしまい、包丁を落としてしまいました。後でそのことに気づき拾いに行ったのですが……受け取り方によって解釈の分かれる不思議なお話でした。花魁淵戦国時代の凄惨な歴史がある花魁淵。そこに大学生たちが訪れました。その時は何も無かったのですが、後日……やはり因縁のある土地はむやみに行くべきではありませんね。交通整理交通事故が多い道で自主的に交通整理をしているお爺さんがいました。やがてそのお爺さんが亡くなったのですが、その後……物事って解釈によって変わるものですね。霊よりも気味の悪いお話ですね。水仏下駄さんが火葬場職員だった時の先輩のそのまた先輩のお話です。その先輩は水の事故で亡くなった人が来るのがわかるのだそうです。ある日その予想が外れたのですが……当たっているといえば当たっているのが不気味なお話でした。お札20年ほど前、下駄さんは今でいう事故物件に住んでいたそうです。入居してふと見ると、ドアにお札が貼ってありました。若かったせいか下駄さんは特に気にせず、そのお札をはがして当時バンドで使っていたベースに貼ってみました。すると色々なことがうまく行かなくなってしまいました。やがてお金に困り、お札を貼ったベースを売りました。ベースを売ってから生活全般がうまく行くようになりました。その後ベースを売ったリサイクルショップへ行ってみると…………認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものは。肝試し林間学校での肝試しの時、道の向こうから歩いてくる男性が見えました。おどかし役の先生かと思っていたのですが、違う様子で……最後が一捻りあって不思議なお話でした。田中さん家下駄さんは仕事で東京に来る時、呪物コレクター田中俊行さんの家に泊まることがあるそうです。田中家は呪物が大量にあるだけに、大小さまざまな怪異が起こるそうです。ある日留守番をしていた下駄さんが昼寝していると金縛りに遭い……てゆうかアプスーさんも遊びに来るんだなあと和んでいたら、最後のふと気づいたことが薄気味悪いですね。あれは本当に夢だったのでしょうか?ちなみにアプスーさんのマネが結構似てました。短めで手軽に聴けるお話が多かったです。それでいてほのかな不気味さを感じさせる怪談が味わい深い一作でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年04月14日
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怪奇蒐集者 怪談葬庫2 呪物人形 田中俊行のご紹介です。呪物の企画展を行うなどの活躍を見せる呪物の第一人者が登場です。怪奇蒐集者 怪談葬庫2 呪物人形 田中俊行 [DVD]【収録エピソード】呪物人形田中さんの元に日本人形が送られて来ました。添えられた手紙によると、その人形は「鬼人(きじん)」を封じたものなのだそうです。その人形を持ってライブを回っていたのですが、日に日に体調が悪くなり妙な夢を見るようになりました。後日、持ち主から人形について調べたことについて連絡があり……数年前に田中さんが体調を崩したのはこの件だったのでしょうか。オカルトコレクターも大変だなあ。お面田中さんがよく行く骨董品屋の体験談です。チベットの密教寺院で使われていたというお面を入手しました。それを店に飾るとおかしな夢を見るようになり、1日1個ガラス製品が割れるようになり……因縁を示すような夢が薄気味悪いお話でした。呪具田中さんがよく行く骨董品屋から「いいものが入った」と連絡がありました。多忙で店に行けないうちに、他の人に売れてしまいました。売った人に連絡を取ろうとしたものの、一向に繋がらず……どうなったのか分からないのが心配かつ不気味ですね。その先飲食店をしていた男性が体験したお話。夜遅くまでうろうろしている子どもがいたので、声をかけました。話を聴くと、お母さんが帰ってくるまで家に入れないそうです。その理由とは……色々不気味なお話でした。「その先」っていったい何なんでしょうね。日記田中さんがリサイクルショップで見ず知らずの人の日記を手に入れました。そこには奇妙な体験が綴られていて……結局正体不明のお話ですが、考察が不気味でした。忠告出張が終わって、のんびりと各駅停車の電車で帰ることにしました。ところがいつまでたっても次の駅に着かず不思議に思っていると、通りがかった女性が声をかけて来ました。女性は「最近お父さんに会ってないんでしょう?」としきりに声をかけて来ました。それから数日後……これもまた不思議なお話でした。子泣き婆ぁいつも通る道が通行止めになっており迂回したところ、街灯の下で子どもをあやしている女性がいました。何気なくすれちがおうとしたところ……幽霊でもそうでなくても怖い話ですね。田中さん自身の体験も含めて、色々なタイプの怪談が味わえます。まさに怪談の倉庫のような一作です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年04月07日
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にゃんこ大戦争、大天使エクスエル強襲をクリアしました。前回ウリボーイに苦戦しましたが、今回はクリアできました。前回の記事はこちら。【にゃんこ大戦争 タンクネコ フィギュア ボトル 20cm】水筒 タンブラー 蓋付き 子供 こども キャラクター 直飲み 小学生 ボトル お茶 飲み物 キャラクター ポノス にゃんこ タンクネコ ネコ ねこ コロコロ だいせんそう 大戦争【大天使エクスエル強襲】大天使エクスエルはミスターエンジェルの超生命体版です。攻撃頻度が高いうえに後方へワープさせるので突破力が高いです。加えて前・後半ともに相性の良い取り巻きが揃っており、壁を集めれば防げるという布陣ではないので注意が必要です。【ステージ攻略】LV1~10取り巻きは黒い敵と悪魔です。特にシャドウボクサーとヘルゴリラ―の突破力が厄介です。城を叩くまでボスは出てこないので、膠着状態を作って円を貯めましょう。大狂乱のゴムネコで壁を作りつつ、適度にネコデリバリーで押し返します。吾輩の編成はこちら。ネコモヒカン大狂乱のネコモヒカン大狂乱のゴムネコネコカメカー大妖怪結社チュンチュンネコデリバリー竜宮超獣キングガメレオンGクロノストリガーGテラアマテラス白無垢のミタマにゃんコンボ:妖怪バスターズ!(研究力アップ小)にゃんこ砲エクスエルのワープ以外に妨害は無いので、エクスエル対策のキャラを多めにすると楽です。複数属性に有効なキャラを組み込むと、取り巻きもまとめて倒せるのでお勧めです。LV11~20こちらも城を叩くまでボスが出ないので、円を貯めてから挑むのが基本です。定期的に登場するウリボーイの波動で前線が崩壊するので、対ウリボーイのキャラを組み込みましょう。エクスエル登場後はカルビンチョが厄介です。ウリボーイの波動やエクスエルのワープで前線が薄くなっている所に、主力がカルビンチョに噛まれると危険です。吾輩の編成はこちら。大狂乱のネコモヒカン大狂乱のゴムネコネコキョンシー飛脚ネコ大妖怪結社チュンチュンネコカンカンエヴァ零号機&ネコ初音ミクCCマジカルミライ2020東京哀悼の舞姫ダークイズ碧眼の魔女アスカにゃんコンボ:妖怪バスターズ!(研究力アップ小)にゃんこ砲キョンシーやカンカンで前線を保ち、エヴァやミクでウリボーイを倒します。エクスエル登場後は飛脚やカンカンでカルビンチョを倒しつつ主力を投入します。チュンチュンやアスカでエクスエルを呪ってワープを封じると前線維持が楽です。また、烈波があるとウリボーイを巻き込んで倒しやすいです。主力は波動無効や天使妨害を持つキャラがおすすめです。攻略の参考になれば幸いです。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年03月31日
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殺人鬼(サイコパス)狩りのご紹介です。※本記事はネタバレを含みます。【中古】 殺人鬼狩り/二宮敦人(著者)【あらすじ】東京から1000キロ離れた羊頭島(ようとうじま)にある刑務所から、5人の囚人が脱獄しました。彼らは多くの殺人を犯したサイコパスです。周囲への被害拡大が懸念され、一刻も早い対応が求められました。事態解決のため、警視庁は警官隊に一人の女性を同行させます。彼女の名は園田(そのだ)ユカ。かつて13人を殺したサイコパスでした。こうして孤島を舞台にサイコパス対サイコパスの殺し合いが始まるのでした。【殺人鬼紳士録】本作は殺人鬼ごとに章分けされていて、各殺人鬼にスポットを当てています。これが思いの他読みやすく、物語の構成にも技量を感じました。「血のナイチンゲール」伊藤裕子怪我人を看護することに執着していて、しまいには自分で「看護する対象」を作り出すようになりました。幼い頃虐待を受けていた彼女は、他人を救うことに自分の存在意義を感じていました。彼女が罪悪感を感じているのは怪我人を救えなかったことで、他人を傷つけていることには何も感じていない所がヤバいですね。「ごはん男」高橋光太郎自分より弱い高齢者や子どもを標的にし、さらに殺した相手の穴という穴にごはんを詰めます。ですがこの異常性は計算されたもので、被害者の遺族をより苦しめるために行っています。日本に住んでいればごはんを目にしない日は無いでしょう。遺族がごはんを目にするたびに苦しむようにしているのです。この話は構成が上手でした。警官隊と読者は事前の資料で高橋のことを知っていました。ですが実際に会った高橋はおびえ切った卑屈な男で、とてもそんな犯行をするようには見えませんでした。それがひとたび標的と認識すると……高橋の卑屈さと残虐性のコントラストが印象深いです。彼の過去も社会の縮図を表しているようで、全体に胸くその悪い展開に仕上がっています。「膣幼女」川口美晴男性を誘惑し、寝た相手を殺す殺人鬼です。彼女は幼い時から魅力があり、あらゆる男たちが彼女を求めました。どんな言葉を持ち出したところで、人の考えることもやることも変わらない。そのうち「ルールなんてものは最初から存在しない」「ルールとは都合よく使われるもの」と考えるようになります。まあそうなるよねと思いながら読み進めると「本当に強いものはルールなど必要としない」「だって無駄じゃん。弱い者も生かしておくなんて」。……あれ? 雲行きが怪しくなって来ます。やがて彼女は別れ話がこじれて危害を加えられそうになった時「そうか。男は捨てる前に殺しとくのが楽ってもんだわ」という結論に達します。そうかじゃない(笑)。体験に因らない、ナチュラルにヤバい思考回路はさすがサイコパスですね。「真面目ハンド」山本克己傭兵をしていたこともある、筋骨隆々な中年男性です。素手による絞殺にこだわっており、恐怖のあまり自殺を図った被害者をわざわざ救命処置をしてから絞殺したこともありました。そんな彼についた二つ名は真面目ハンド。彼にとってはルールを守ることが何よりも優先することになっており、その徹底ぶりから不気味さが漂っています。美晴がルールなんて初めから存在しないと言っていたこととの対比が面白いですね。「人形解体屋」霧島朔也今回の脱獄事件の首謀者であり「人類の天敵」「人類滅亡の一つのサンプルケース」と言われています。彼いわく「自分ほど人間を愛していた者はいない」とのこと。愛していて興味があるからこそ、彼は多くの人を解体し、人間を理解しようとしました。そして彼は「飽きて」しまいました。子どもがおもちゃに飽きて急に興味が無くなってしまったように、霧島は人間に対する興味を失ってしまいました。以降彼は何にも興味を持てなくなってしまいました。脱獄はしてみたものの、それも彼の心を震わせることはできませんでした。全体を包む物憂げな虚無感がラスボスにふさわしいですね。「真紅の妖精」園田ユカ本作のヒロインです。自分を暴行しようとした変質者13人を皆殺しにした過去を持ちます。虫は殺してもいいけど人間はダメ。こうした「普通の」人間が持っている感覚を、彼女は持ち合わせてはいません。それでもユカは人間と生きて行きたいと願いました。常習的に動物を殺していたのも、普通の感覚を理解しようとしていたが故というのが切ないですね。高宮との交流を通して新しい感情に目覚めた彼女はどのような未来を歩むのでしょうか?「殺さない才能」高宮晴樹新米警察官であり、普通の人間代表です。命に頓着しないユカの言動を不気味に思いながらも、普通に生きられない彼女の苦しみに同情しました。ユカも高宮に対して、自分を気味悪く感じる理由をちゃんと話してくれた人は初めてだと驚いていました。言下にサイコパスを拒絶するのではなく、ユカを1人の人間として理解しようとする姿勢が印象的でした。また異常犯罪者だから殺してしまえという結論は出さず、あくまで殺さずに逮捕しようとするところが、サイコパスたちとの対比で面白かったです。本作はただのグロ小説ではなく、サイコパスたちの過去や思考についても細かく描写されていたのが良かったです。恵まれない環境やきっかけとなる体験についても描かれていますが、何よりもサイコパスたちの独特な思考回路まで描いているのがすばらしいです。「あれ? これって、こうした環境に生まれなくてもいずれ人を殺してたんじゃ……」みたいなヤバさが味わい深いです。とはいえ基本的に臓物がまろび出る小説なので、苦手な方は注意して読んでください。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年03月24日
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怪奇蒐集者 呼び水怪談 クダマツヒロシのご紹介です。媒体を問わず多方面で活躍するクダマツさんの登場です。怪奇蒐集者 呼び水怪談 クダマツヒロシ [DVD]【収録エピソード】呼び水クダマツさんの通っていた高校の近くで軍服姿の幽霊が出ると噂がありました。高校のそばに住んでいるM君にその噂を知らないかと聞いてみました。以前M君は以前お兄さんとその噂について話したことがあったそうです。すると家の窓をしきりに叩く音が聞こえて来ました。誰かが来たのかとカーテンを開けてみると……クダマツさんがこの話をしたところ、とある人がそれって都市伝説で有名なカシマさんでは? と情報をくれたそうです。とある人って、あの会の会長ですよね、たぶん。ウェディングドレスクダマツさんの体験談です。寝ていると金縛りに遭い、みると天井からウェディングドレスを着た女性の下半身が天井から下がっていました。そこで以前ここに何が建っていたのか調べることにしました。この怪異は土地の記憶なのか幽霊なのか……不気味な余韻を感じるお話でした。〝サカキレイコ〟についてクダマツさんが兄から聴いた話です。兄の友人である向井君がおかしくなってしまったとのこと。大学のサークルでホラー映画を撮ることになりました。向井君が撮影の下見にダムへ行った時、奇妙な写真を見つけました。それからというもの、その体験談を話すたびに聴いた人が「サカキレイコ」という名前の人に会うようになってしまいました。気味が悪くなり、次第に誰もその話をしなくなりました。やがて月日が経ち向井君は結婚したのですが、その相手の名は……偶然が重なったとは思えない、薄気味悪い余韻を感じるお話でした。顔保育士が体験したお話です。なぜかある1人のお母さんの顔だけがぼんやりとして見えませんでした。見間違いかと思ったら、その娘も母親の顔がぼんやりと見えることがあるそうです。後日その娘に母親の顔のことを聞いてみると……憶測の域を出ないものの、後味の悪さが染みるお話でした。左利きの理由クダマツさんと知り合いの女性が体験したお話です。その女性が中学生の頃コックリさんが流行っていて、お姉さんが熱心にやっていたそうです。ある日メンバーが足らないので、その女性も加わってコックリさんをしました。やがて飽きてきて終わりにしようとした時、ふとコックリさんの紙を見ると、鏡に映したように文字が反転していました。その日を境にお姉さんは左利きになりました。ですが家族もお姉さんもずっと左利きだと言っていました。彼女が勘違いしているのか、怪異が起こったのか、何とも不思議なお話です。そしてクダマツさんと一緒に食事をしていた彼女も左手で食事をしていたのですが、その理由とは……最初軽い気持ちで聴いていたのですが、最後になって「左利きの理由」というタイトルが活きて来ました。何とも不気味なお話でした。さすが怪談の新時代を担う語り手。全編に漂うねっとりとした不吉さがたまらない一作でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年03月17日
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怪奇蒐集者 恐鳴 響洋平4のご紹介です。衰え知らずの情熱を持つ怪談蒐集家による、極上の怪談集です。怪奇蒐集者 恐鳴 響洋平4 [DVD]【収録エピソード】踏切の部屋響さんの友人Tさんが体験した話です。Tさんが友人宅に誘われました。その家は踏切のすぐそばにある「出る」部屋なのだそうです。霊感のある彼女を連れて友人宅へ向かったのですが、彼女は早々に帰ってしまいました。友人を放っておくわけにもいかず、その日は泊まったのですが……そのアパートはまだあるそうです。怖い場所というのはあるものですね。鉄格子深夜ナースコールが鳴ったので行ってみると、患者が「夜が怖い」と言います。何度もそんなことがあり、患者を落ち着かせようと窓を閉めようとした時……とある病院の部屋に鉄格子がつくことになった原因のお話です。無くなった帽子ある日を境に、体験者の両親が腫物に触るような態度をとるようになりました。その理由とは……病気と言えば病気なのかもしれませんが、なぜ帽子が無くなったのか……最後まで不思議なお話でした。煙響さんが髪を切りに行った時、担当していた美容師さんの体験です。夜寝ているとアパートの郵便受けから煙のようなものが入って来て、それが子どもの形になるという怪奇現象が起こりました。その後同棲している彼氏も同じ体験をして……霊現象なのか何かの予兆なのか不可解なお話でした。革靴友だちの家に遊びに行くと「玄関で靴を揃えないでくれ」と必ず言われます。普通逆じゃないかと思うのですが、毎回言われるそうです。ある日遊びに行った時、うっかり靴を揃えてしまい……シンプルで謎なお話です。いったい何者がいるのでしょうか?三面鏡体験者が寝ていると、白い服を着た女が立っていました。やがてその女は、部屋に置いてある三面鏡の中に消えて行きました。その三面鏡は家を買った時から置いてあった物なのだそうです。ある夜その女が三面鏡から抜け出してきて……いつも危ない所で母親が来てくれるのは、守護霊様のおかげなんでしょうかねえ。怖くない幽霊体験者のお父さんが亡くなりました。生まれたばかりの息子に父親(祖父)のことを伝えようと、ノートに父親のことを書いていました。ふと顔を上げると、父親が座っていました。怖いという感覚は無く、むしろ温かな気持ちになって……家族愛を感じる穏やかなお話でした。霊は怖いだけじゃない。稲川淳二御大の言葉を体現するようなお話でした。さすが響さん。引き出しの多さは群を抜いていますね。直球の怪談から優しい話まで、多くの怪談が味わえる一作です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年03月10日
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50代からでも間に合う新NISAとiDeCoのご紹介です。NISAが制度改正され、資産形成に興味を持つ方が増えたと思います。とはいえどうしたら良いかわからないし、投資というと怖いイメージがあるかもしれません。本書は人生を重ねた50代から始める資産形成や新NISA、iDeCoを解説した本です。50代からでも間に合う新NISAとiDeco[本/雑誌] (ONE PUBLISHING MOOK) / 横山光昭/監修【資産形成の基本】昔は銀行の金利が8%あった時代もあり、その時は銀行に預けているだけで資産が増えていきました。一方今の金利は0.01%程。預金だけでお金を増やすのは困難です。そして現代は寿命が延び、年金だけで生活費を賄うのも難しいでしょう。資産形成の基本は「長期」「積立」「分散」です。短期間で大金を得ようと思ったら、やはりリスクがあります。時間をかけることでリスクを抑えることができます。決まったタイミングで一定額ずつ積み立てることで、相場を気にせず投資ができます。そして投資先を分散させることで、値下がりのリスクを抑えられます。この長期、積立、分散の要素がすべて入っているのが投資信託です。そのため投資初心者はとりあえず投資信託1本でも安定した資産形成が可能です。50代から積み立てを始めるのは遅いのではと思うかもしれません。ですが現在は定年が65歳になりました。50歳から始めても15~20年は投資ができます。どうせ始めるなら節税効果のあるNISAとiDeCoを利用するのも有効であると言えるでしょう。【新NISA】NISAは投資による利益が非課税になる制度です。旧NISAにあった投資可能期間の制限が撤廃され、より使いやすい制度になりました。本書ではネット証券での口座開設の仕方や、旧NISAからの変更手続きについても解説されています。【iDeCo】iDeCoは自分で掛け金を拠出して運用して老後に受け取る制度で、年金に上乗せするようなイメージです。原則途中解約ができず、60歳になるまで受け取ることができません。ですがNISA同様運用益は非課税で、掛け金は所得控除の対象です。老後に備えながら節税効果もあるのが魅力です。【出口戦略】老後に備えて準備した資産。ではどういったタイミングで取り崩せば良いのでしょうか?年金の繰り下げ受給はするべきかとか、取り崩す時に相場が暴落した場合はどうするかなど、取り崩す時のポイントが解説されています。タイトルにもあるとおり、本書はやや年上の人向けに書かれています。100ページ未満なうえに図も多く使われていて読みやすいです。また、ネットでの口座開設のやり方や老後の資産の受け取り方についても説明されています。各制度を解説した本は多くありますが、こうした部分について書かれたものは少ないように思います。老後が不安、資産形成に興味があるけど何をしたらいいか分からないといった方にぜひお勧めの一冊です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024年03月03日
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