Love on line / memories of 4 years.

Jan 8, 2005
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カテゴリ: ふたりの時間





広い窓の外は雨。





午後の暗い空。




寄り添っていた。


残った時間をいとおしむように


身体を寄せてた。


体温も感触も呼吸も感じていたかった。


彼は私の肩に手を回す。





離陸時間は5分違いだった。


行き先も航空会社も違ったけれど、


上手く取れたのはラッキーだった。


あまりにも時間差があるのは切なすぎる。


置いていく方はさみしい。


残される方はもっとさみしい。





彼の搭乗口からはものすごく遠かった。


建物をそのまま縦断しなくてはならなかった。


果てしなく続く真っ直ぐな通路を渡らなければならなかった。


私たちは、私の使う搭乗口のわきにいた。


今思えば、知らない人はどう見ただろう。


いい年のカップルが無言で、それも神妙な顔で寄り添ってる。


でもあのときは必死だった。


味わうので必死だった。




「そろそろ…行くね。」


そう切り出すのはいつも彼だ。


荷物を抱える。


搭乗口を離れ、通路まで一緒に歩く。




窓の外に身体を向けて、


顔を重ねてくる。


両手で顔をなでる。


彼は笑う。





動く歩道を駆け抜ける人ばかりいる脇で


彼は立ったままだった。


時折振り返っては、私の顔を見る。


少しずつ離れていく。


こうやってこのまま


千数百キロ、


今日の記憶はきっと宙に浮かんだまま


時々私の夢に出てくる。




歩道から降りた彼、


もうはるか遠い彼は


こっちに身体を向けた。


手を振る。


彼も大きく手を振る。


顔は遠すぎて見えないけれど、


きっと笑ってる。













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Last updated  Feb 8, 2005 11:06:53 PM
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