アロハリアム

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May 31, 2003
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台風のシーズン、ハワイもハリケーンのシーズン。
特に8月から9月にかけてが多い。

アメリカでは台風みたいな1号、2号といった数字ではなくて、女性の名前をつけるのが一般的。
早くおとなしくなってね、って意味でだと誰かは言ってたけど、本当のところは知らない。

おかしなもので、男の名前が無いのは男女平等では無い!って反発がでて、近年男性の名前も付けるようにはしているらしい。

さて、ハリケーン・イニキがハワイを直撃したとき、私はハワイに嫁いで数ヵ月といったところだった。
当時はオアフのビーチのすぐ側で暮らしていて、避難勧告が出ていたのにもかかわらず、まわりが波を見て楽しんでいるので「きっと私がラジオで聞いた避難勧告は気のせいなのだろう」と、そのままいたのであった。

私の暮らしていた家は、築80年ほどで、あたりでは一番古い家だったので、ハリケーンは壁をはがし、天井をはがし、私はまるでテレビ・ドラマのように、洗面器をあちらこちらに並べて、家の中で雨・風に耐えていた。

無事なのは唯一天蓋つきのベッドの上のみ。

波は荒れ狂って、椰子の木は折れて飛んでくる。

海にせり出している家には波が入り込み、家具をごっそりさらっていった。

こんなクレイジーな日には、警察の勧告も聞かずにサーファーが海にやってくる。
キアヌ・リーブスとパトリック・スエイジの映画みたいな、ちょっとおかしい人たちだ。
(余談だけどキアヌはハワイアンの名前です。確か山を越える風かなんかってステキな意味だったように思います)

私の前夫もおかしな人たちに属しているので、翌日、天気がおさまって、まだ波が高い頃、サーフィンに連れ出された。

あたしはまだまだ上手に波に乗れなかったんだけど、さすがに巨大な波に、もう勝手に乗せられて運ばれてしまう状態。
すべる目の前のえぐれた水面から岩が次々に現れていく。

恐ろしくて降りたいのだけれど、それって、まるで走っている車から外に転がり出るのと同じような感覚で、早いスピードですべるボードの上から岩肌の見える海に飛び込むのはものすごく勇気がいる。
まよっていたらあっというまにビーチの壁まで運ばれてってしまいそうだ。
えいやっ!と勇気を出して自ら波に落ちたら、もう、上がどっちだかわからない、洗濯機の中のような状態で、水着は脱げるは、息は出来ないはとんでもない状態だった。

もう裸になってたって、見られたって「死にたくない~!」って思ってるときって、そんなこと、どうでもいいんだなあと思う。

んで、やっと浜辺にたどりついたと思ったら、また波に押されて、あやうく壁に激突するところだった。
まわりのサーファーが「ジーザス!」だとか「死ななくてよかったね!」といってくれたが、冗談じゃない。

以来、サーフィンが恐ろしい。

ハリケーン・イニキはカウアイ島をヒットし、島に多大な被害をもたらした。
数年後、わたしはその被害の一番ひどかった地域に引っ越すことになるのだけど、その当時はそんなこと、夢にも思ってなかった。
ただ、「ハワイに死ぬためにきたんじゃない!」と憤慨していたのだけ、覚えてる。

イニキが去って3日後、ワイキキのおみやげ物やさんには、ハリケーン・イニキのTシャツが早くも売り出されていた。
さすが観光地である。

台風が来るとイニキ体験を思い出すのでした。





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Last updated  May 31, 2003 11:32:17 AM


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