しんの米国神学生日記

しんの米国神学生日記

2006年02月02日
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今度の説教は、奇跡(ミラクル)を扱った、新約聖書箇所からすることになっている。そこで、いくつか候補があったんだけど、イメージの創りやすい、「突風を静める」(マルコ4:35~41)に決めました。たぶん、何人かのクラスメートも、同じ箇所にすると想うので、発想では負けられない。

僕のいま持っているイメージは二つ。ひとつは、ガリラヤ湖。マルコの福音書では、イエスのガリラヤ宣教が、全体の3分の1にもなっている(マルコ1:14~6:56、8:22~26、9:33~50)。 

イエスの主要な教え、奇跡、悪霊払い、癒し、召しとかは、このガリラヤ湖、周辺で行なわれている。 さらに驚かされるのが、イエスと弟子たちが使った宣教ルート。ときにイエスは湖畔を歩かれ、ときに小舟を使って向こう岸まで渡っている(4:35、5:21、など)。 

・・・想像するに、これはもうボート宣教みたいだ。ガリラヤ湖を軸に、ボートでベトサイダ、カファルナウム、ティベリアスへと渡り、その土地土地で、新たな人々と出会い、宣教している感じ。まるで、イエスはボート・ピープルみたいだね。舟の上で教え、食事し、寝て、たまに移動する。

ガリラヤ湖は、イスラエル最大の湖。辞書によれば、「イスラエルのガリラヤ地方にあるティベリアス湖の異称。ヨルダン川中流にある。面積165平方キロメートル。ガリラヤの海。」とある。周囲約53キロ、長さにして21キロ、幅13キロ。最大深度48メートル。 もちろん、岸からちょっと離れれば、見渡す限りの水となり、そこは”海上”となる。ボートが揺れれば、湖水をかき出さねばならず、ペトロやアンデレ、元漁師たちであっても、向こう岸まで泳いで渡るのは至難のわざ。沈没することは、なんとしても避けたい。

ところで、我々日本人にとっての湖とは、なんといっても”琵琶湖”だね。「滋賀県中央部にある湖。断層湖。面積674平方キロメートルで日本最大。最大深度104メートル。湖水は瀬田川を経て淀川に流れる。京阪神地区の重要な水資源であり、マス・アユ・シジミなどの漁業も行われる。古名、淡海(おうみ)・近江海(おうみのうみ)・鳰(にお)の海。」 

・・・琵琶湖はもちろん、ガリラヤ湖より、大きく、深度も深いわけだけど。もし、我々がいま、この琵琶湖の湖上にいるとして、突風が吹き荒れ、水面は波うねり出したら、と想像したらどうだろう。深さ104メートル。一度でも息継ぎに失敗して、誰も助けてくれなければ、あとは暗黒の底に沈むだけ。悪夢だね。・・・そんな緊迫した状況が、イエスと弟子たちに起ころうとしていた。もうこの湖は、その表面の美しさとは裏腹に、死へと導く通路と化す。

さて、もうひとつのイメージがある。それは、イエスの行なった奇跡。そして、その効果。・・・艫(とも)の方で、寝ていたイエスを、慌てて起こしにかかる弟子たち。それが、師匠に対する無礼であろうが、なかろうが、事は緊急事態。「先生、起きてください!」 

とはいえ、彼らの師は、船尾でまくらし、まだぐっすりと眠っている。それはまるで、ヤッファからタルシシュへ向かった汽船の船底で、大荒れの海にも気づかず、安心して寝込んでいた預言者ヨナのようだ。 ついに眼を覚まし、起き上がったイエスは、一言、「黙れ、静まれ!」と湖上に向かって、風に対して叱りつけた。その瞬間に、荒風は止まり、水面はなぎになった。

弟子たちのショックは、我々が想像する以上だったに違いない。まるで自分たちが叱りつけられたように想えただろうから。 

・・・イエスの奇跡の効果は、てき面だった。自然現象は、イエスの命じた言葉に、一瞬のうちに従った。しかし、肝心の弟子たちの動揺は、まだ治まっていない。瞬時にして風が止み、波が静まったようには、弟子たちの心は落ち着きを取り戻せない。すると、イエスは彼らを諭すようにささやかれた。「なぜ怖れるのか、まだ信仰をもっていないのか・・・」と。

私たちの心は、自然現象がそうであるように、頻繁に移り変わる。晴れていても、小雨にも、風にもなれば、台風のように雷雨にもなる。また、自分の外で起きたことに影響され、その色に染まってしまう。こうして、我々は、世の中のもつ、独特の雰囲気に振り回されてしまう。それは、ときに欲望であったり、怒りであったり、悲しみや無気力であったりする。 また、予想外の出来事が突然起き、瞬時に対応しようと、焦るあまり、我々は墓穴を掘ってしまう。 そんなとき、「なぜ怖れるのか、まだ信仰をもっていないのか・・・」というイエスの言葉は、我々の心にチクリと響く。

弟子たちは、いったい何を静められたのか。心穏やかに、ただ信じること。それは、何事にも動じない強さ。それは、イエスと共に死に切ること。なにがあっても、艫(とも)の方でぐっすりと、安心してイエスと添い寝して眠っていられるように。我々の咎は、海底に沈められた。イエスによって、肉なる身体は、湖の底深くに沈められた。もはや、我々の荒れた心は静められている。 





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Last updated  2006年03月01日 14時57分21秒
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鳥蘭丸@ うにゅぅぅぅぅ…… 可愛がってもらうだけ可愛がってもらって…

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