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退陣表明した安倍晋三首相が入院。総辞職したわけではないので,一応はまだ首相在任中の安倍首相ですが,入院したことですでに政権の表舞台から去ったような感じです。「安倍前首相」と呼ばれるようになるのも間もなくですね。 安倍首相が退陣表明した日,与謝野馨官房長官は,安倍首相の辞任の一因として健康問題を挙げていましたが,実際に翌日には入院してしまいましたね。 疑問なのは,なぜ安倍首相は自らの口で健康問題について語らなかったのか,ということです。 安倍首相本人は退陣の理由として「局面の転換」を強調していましたが,それではこのタイミングでの辞任に納得できないのではないでしょうか。「首相の職を続けるには体調が限界に至った,だから職を辞することを決意した」と説明した方が,まだ理解できると思います。 さらに,記者会見の中で安倍首相からは謝罪の言葉が一言もありませんでした。国民の高い支持を背景に就任した首相が,国民に謝罪もしないまま退陣する…。こちらも納得できません。 ただ,そんな安倍首相を支持した,国民にも責任があると思っています。 首相就任前から世論調査で常にトップの支持を得ていた安倍首相。しかし就任後は強力なリーダーシップを発揮できないまま政権を放棄。「人気だから」「若いから」という短絡的な理由で何となく安倍首相に期待していた国民の責任というものも免れないのではないでしょうか。そういう国民に,辞任を批判する資格というものが,果たしてあるのでしょうか。私自身は「ポスト小泉」が騒がれ始めた2005年頃から一貫して安倍首相誕生には悲観的でしたが…。
2007.09.14
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安倍晋三首相辞任の速報が流れる直前まで,私は午後1時から始まる予定だった国会代表質問の中継を見るため,テレビの電源を入れて待っていました。 ところがその時,速報が飛び込んできたのです。「安倍首相が辞任する意向を持っている」「まさか!?」と思いましたが,直ちに冷静さを取り戻し,随時伝えられる速報を頼りに,情報収集に着手したのでした。 実は私自身,辞任の予兆のようなものは感じていました。 10日朝に訪問先のシドニーから帰国した安倍首相は,そのまま出勤,午後からは国会にて所信表明演説をこなしていました。翌11日,午後に面会した津島派会長の津島雄二税調会長は,報告にまったく関心を示さない安倍首相の態度を「不審に思った」と述べています。心配した中川秀直前幹事長は「一人で何でも抱え込んではいけない」と声を掛けたものの,安倍首相は「風邪をひいた」と言い残し,午後5時半前,公務を切り上げて早々と公邸に戻ったのです。そして翌12日…。辞任を正式に表明したのです。 与謝野馨官房長官も12日午後の定例記者会見の中で,安倍首相の辞任の理由の一因として「健康問題」を挙げました。どうやら安倍首相の健康状態は相当厳しいようで,特に8月下旬のインド・東南アジア,9月上旬の豪州訪問と外遊が続き,体調不良が続いていたそうです。 首相官邸筋によると、安倍首相は最近,胃腸の調子が悪く,おかゆを食べることが多かったようです。8月下旬のインド訪問でも,刺激の強いスパイスの多い現地料理ではなく消化の良いメニューを特注。帰国後は公邸で点滴を打つこともあったようです。 それにしても,このタイミングでの辞任はやはり腑に落ちません。参院選惨敗直後に辞任すべきだったという声をよく聞きますが,私は主要国首脳会議(ハイリゲンダムサミット)から帰国した6月上旬には退陣すべきだったと考えています。そうすれば参院選は新しい総裁のもとで戦えた訳ですから。 しかしながら,健康問題があるとはいえ,直前に「職を賭す」と宣言した以上は,もう少し,せめて国会閉幕までは職責を果たすべきだったと思います。在任中に病に倒れて急逝した1980年の大平正芳元首相,2000年の小渕恵三元首相のように,命懸けで取り組む必要があったのではないでしょうか。
2007.09.12
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安倍晋三首相は9月12日,辞任の意向を表明した。 自民党の麻生太郎幹事長は,記者団に「首相から直接辞意をきいているのか」と質問されると,「はい」と答えた。また,辞任の理由について「議会での求心力がない」と答えた。 安倍首相は辞任の理由について「海上自衛隊によるインド洋での給油活動の継続をめぐり,民主党の小沢一郎代表に党首会談を申し入れたが,断られたため」と話した。 また安倍首相は周辺に「疲れた。政治的エネルギーもなくなった。」と漏らしていたという。 本日午後1時から予定されていた国会代表質問は,中止になった。 本日午後2時より,安倍首相は首相官邸で緊急の記者会見を開き,辞任の理由などを明らかにした。 記者会見の中で安倍首相は,「今月下旬に開催される国連総会には新しい首相が出席した方がいい」と述べた。 与謝野馨官房長官は,安倍首相の辞任の一因として「健康問題」を指摘した。 今後,後継総裁選出に向けて動きが加速するのは必至。安倍首相は,新しい自民党総裁が選出されたのち,総辞職に踏み切る構えだ。
2007.09.12
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「昨晩、ジョージ、ローラご夫妻に招かれて大変すばらしいひと時を過ごした」。安倍晋三首相は首脳会談後の共同記者会見で、ブッシュ大統領を3回もファーストネームで呼んだ。首相は首脳会談で「シンゾウ」「ジョージ」と呼ぼうと決めたことを、すぐに実践に移した。 「共通の価値観」を強調しながら、すれ違いも目立つ日米関係。両首脳ともに、首相訪米の成功を演出しようという思いが前面に出た。 特に北朝鮮問題で、両首脳は違いをいかに小さく見せるかに腐心した。柔軟路線に転じた米政権と、拉致問題で譲歩できない安倍政権の距離は次第に開いている。 この点で大統領は日本側の期待に応えたと言えるだろう。大統領は「核施設を停止するだけでなく、すべての核計画と核兵器を放棄する」よう北朝鮮に求め、約束が守られなければ「我々はさらに制裁措置を行う能力がある」と表明した。 拉致問題でも昨年4月に横田早紀江さんと面会したことに触れ「胸が張り裂ける思いだった」と振り返った。めぐみさんの写真を執務室に飾ってあるとも付け加えた。さらに「テロ支援国家解除は拉致問題の進展を条件とするのか」との首相の問いには「考慮する」と語った。日本側が望んだ通りの展開だった。 一方、首相は米国のイラク政策を「支援する」と改めて表明。米国が望む集団的自衛権の憲法解釈見直しを検討する有識者懇談会を訪米直前に設置したことも伝えた。 日米の首脳が互いにファーストネームで呼び合う関係は過去にもあった。ロナルド・レーガン元大統領と中曽根康弘元首相の「ロンヤス関係」である。 ジョージ・ブッシュ大統領と安倍晋三首相の場合は「ジョーシン関係」とでも言えようか(笑)。 不思議なのは、小泉純一郎前首相とブッシュ大統領は互いにファーストネームで呼び合わなかったことだ。あれだけ極端に米国に傾斜した外交を展開した小泉前首相なのに。
2007.04.28
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支持率の下落が止まらない安倍晋三首相に「退陣論」が急浮上してきた。2007年7月22日の参院選の直前、5月に総辞職する可能性があるという。すでに自民党内は「ポスト安倍」で動き始めている。 「復党問題、道路特定財源、本間スキャンダルと、まったくリーダシップを発揮せず、支持率を下げたことで、党内から『安倍首相では参院選を戦えない』という声が噴出しています。『選挙の顔として選んだのに、ここまでお粗末だったとは……』という議員も多い。年明けから『安倍早期退陣』というキーワードが政界で飛び交うのではないか」と政治評論家の有馬晴海氏は述べている。 そんな自民党内の空気を察知して、民主党の渡部恒三・最高顧問も先週、講演で「来年は自民党のなかから『ポスト安倍』という言葉が出てくる」「後継は福田康夫元官房長官が取り沙汰されるだろう」と参院選前の安倍退陣を予言してみせた。 麻生外相が新派閥「為公会」を結成し、武部前幹事長が「新しい風」というグループを立ち上げたのも、ポスト安倍に備えた動きとみられている。 「安倍首相が退陣を迫られるかどうか、焦点は4月の統一地方選と補選でしょう。ここで大惨敗したら、安倍降ろしの動きは止められない。5月の連休明けに退陣を表明させ、通常国会の会期末に新首相と代わる。2001年、参院選の直前に不人気の森首相から小泉首相にバトンタッチした時と同じパターンです。参院選で勝利するためには、それしかない。これなら安倍内閣として予算を成立させ、通常国会をこなしたということでメンツも保てる。後任は小泉前首相の再登板でしょう」と政界関係者は述べている。確かに小泉前首相なら選挙に強いからいいのかも知れない。だが本人が快諾するかどうか疑問である。 鳴り物入りで登場した安倍内閣も、1年も持たないということか。今後の安倍内閣の動きに、一層の注意を払いたい。
2006.12.29
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安倍晋三首相は11月21日夜、政府がミサイル防衛(MD)システム導入時にMDは日本の防衛目的に限定するとした福田康夫官房長官談話(2003年12月)について、「MDの導入について政策的な判断を示したものだ。個別的判断だ」と述べ、集団的自衛権の行使をめぐる政府の憲法解釈の検討次第では、将来の談話見直しもあり得ることを示唆した。首相官邸で記者団に語った。 安倍首相は「憲法解釈の中で、MDとの関係についても研究していく必要があるかも知れない。何が憲法で禁じられている集団的自衛権の行使にあたるか研究する必要がある」と語り、同盟国の米国に向かった弾道ミサイルを日本のMDで迎撃することが集団的自衛権の行使に該当するかなど、集団的自衛権行使の「個別的な具体例」研究の必要性を改めて強調した。 福田官房長官談話はMDについて「第三国の防衛のために用いられることはないから、集団的自衛権の問題は生じない」と明記している。 同問題では塩崎恭久官房長官も20日の記者会見で「談話の真意はどこにあるのか議論を本格的にやっていかなくてはいけない」と述べており、談話解釈の見直しを検討する考えを示していた。 ■福田康夫官房長官談話■ 他国から日本に向け発射された弾道ミサイルを迎撃ミサイルで撃ち落とすミサイル防衛(MD)システムの導入を2003年12月に決定した際に発表された談話。イージス艦搭載SM3、地上配備型PAC3の2段構えで迎撃ミサイルを配備する方針を示した。MDを、国民の生命、財産を守るための防御的なものと位置づけ、「専守防衛の理念に合致する」と説明。そのうえで、他国の防衛のために運用することがないため、集団的自衛権の行使に該当することはないと断定した。
2006.11.21
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安倍晋三首相としては就任後初の出席となったアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は11月19日、「持続的な成長と繁栄のための躍動的なコミュニティに向けて」をテーマとする「ハノイ宣言」を採択し、閉幕した。同宣言では、世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の支持を最優先事項とし、自由で開かれた貿易や投資というAPECの目標に向け、努力することで一致した。 北朝鮮の核実験への非難は首脳宣言には盛り込まれず、議長国であるベトナムのグエン・ミン・チェット大統領が北朝鮮の核実験を平和と安全保障への脅威として非難する声明を口頭で発表した。「ハノイ宣言」骨子1.自由な貿易・投資の促進 ・ドーハ開発アジェンダ(DDA)交渉の支持がAPECの最優先事項であることを再確認。現状を打破し、野心的かつバランスの取れた交渉の成果を達成するためにはいかなる努力も惜しまないとのわれわれの意思および決意を明示したDDAに関する特別声明を発出。 ・地域貿易協定・自由貿易協定交渉時に参照できるモデル措置について今年6つの章で合意したことを歓迎。 ・長期的展望としてのアジア太平洋の自由貿易圏を含め、地域経済統合を促進する方法と手段をさらに研究。来年豪州で開催のAPEC首脳会議に報告するよう指示。 ・中央政府機関が適法なソフトや著作権のみを使用するよう適切な管理を要請。2.人間の安全保障の強化 ・世界中で深刻な脅威を及ぼし続けるテロ行為を非難。 ・鳥および新型インフルエンザ予防・対処に関するAPEC行動計画を証人。 ・エネルギー安全保障が持続可能な経済開発のために重要であることを確認。3.より強固な社会とより躍動的・調和的なコミュニティに向けて ・衡平な成長と繁栄、貿易・投資の自由化、円滑化を推進する基盤とし、国際競争力を確保するための経済・技術協力の重要性を確認。APECにおける経済・技術協力の効果的な実施の強化のための成果と努力を歓迎。 ・腐敗を経済・社会開発に対する最大の障害の1つと考える。APEC腐敗防止や透明性タスクフォースでのイニシアチブの効果的実施により、腐敗と闘い、誠実な社会に導くことに合意。 ・APECを効率的かつ結果志向なものとする。急速に変化する環境の中で新たな課題や機会に対処するため、APECが引き続き進化しなければならないことを再確認。APEC改革案を採択する。
2006.11.19
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安倍晋三首相は10月31日、首相官邸で米CNNテレビと英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューに個別に応じた。内閣広報室によると、首相はインタビューで、憲法改正について「自民党総裁任期は3年で2期までしか務められない。自分の任期中に憲法改正を目指したい」と述べ、今後6年間に自らの手で憲法改正の実現を目指す考えを示した。 また、「時代にそぐわない条文として典型的なものは9条だ。日本を守る観点や、国際貢献を行う上で改正すべきだ」と述べ、9条改正の必要性を指摘した。 安倍首相は就任以来、憲法改正について所信表明演説で「与野党で議論が深められ、方向性が出てくることを願う」と述べるなど、踏み込んだ発言を控えていた。いよいよ本性の「タカ派」的な態度を見せ始めたかといった印象だ。 私としても、改憲に関しては基本的に賛成だ。現行の憲法は主に連合国軍最高司令官総指令部(GHQ)が起草したものであり、我々日本人が生んだものではない。さらに、憲法が公布されたのは終戦後まもない1946(昭和21)年であり、60年を経た現在と当時とでは状況が大きく異なる。やはりここは、時代に即して改憲に踏み切る必要性があるのではないだろうか。 岸信介元首相は在任当時の1960(昭和35)年、新安保条約の批准案の成立を強行した。孫の安倍首相も、そんな祖父のDNAを活かして改憲を実現させて欲しいと強く願っている。
2006.10.31
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安倍内閣が発足して今日で4日目。しかし、私は今もなお、安倍首相が首相に指名された瞬間以来の興奮の余韻に酔いしれている…! 安倍首相が指名された瞬間、私は思わずその場で飛び跳ねてしまい、興奮が最高潮に達したわけだが、その時の余韻が今でも続いているのである。 例えば、ニュースで「安倍総理大臣」と聞くたびに全身が震え、興奮に包まれる。つい数日前までは「小泉総理大臣」と呼ばれていたのが一転して、今では「安倍総理大臣」と呼ばれている…!まだ聞き慣れないためだろうが、果たしてこの興奮がいつまで続くのか、密かな楽しみである。最低でも1ヵ月は続いてほしいものだ。 実は私はもともと安倍首相を支持していたわけではなかった。自民党総裁選では福田元官房長官の出馬を強く望んでいた。7月21日に福田氏の不出馬が明らかになったことを知った瞬間は深く失望したものだ。もしも福田氏が出馬し、当選し、首相に指名されていたら、私は安倍首相の時以上の激しい興奮に包まれ、狂ったように絶叫しまくり、万歳をしながら飛び跳ね続けていただろう(笑)。 福田氏の不出馬を受け、今度は福田氏と政策が近い谷垣前財務相への支持に切り換えた。福田氏と同じ派閥だった安倍首相ではなく、あえて谷垣氏を支持したのだ。決して「若いから」とか「イケメンだから」とか「みんなが支持しているから」とかいった短絡的な理由で安易に安倍首相を支持するのではなく、きちんと政策を見極めて谷垣氏を支持したのだ。その点に関しては多くの国民も私を見習うべきだ。 谷垣氏は始めから厳しい戦いであることは分かっていたが、案の定、惜しくも安倍首相に敗れてしまった。しかし、過去のことはもういい。やや早い話かもしれないが、福田氏や谷垣氏には、「ポスト安倍」になってもらいたい。だがとりあえず当面は安倍首相を支持し、応援していくつもりだ。興奮の余韻に酔いしれながら…。
2006.09.29
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安倍晋三官房長官の外交は基本的に「価値観外交」だ。民主・自由という普遍的な価値観を基盤として彼我を区分する。こうした安倍氏の外交に対する見方は母方の祖父(岸信介元首相)から引き継いだものだが、これを支えるのが日本の「親米保守派」のインテリ達だ。 その中でも岡崎久彦(76)前タイ大使は「安倍外交の師」と呼ばれる人物だ。「強固な日米同盟がアジアでも日本の発言権を高める」というのがその考えの基本だ。日米の連帯を基礎に中国に対抗し、靖国参拝に対する圧力に屈してはならないという立場だ。外交官出身で駐韓日本大使館に勤務し、韓国の知識人との長年の交遊でもよく知られている。 一方、安倍氏の外交・安保関連の寄稿を代筆するほど親しい間柄にある京都大学の中西輝政教授(59)もまた筋金入りの親米保守派だ。彼は「普遍的価値を主張できなければ日本はアジアのリーダーにはなれない」と主張する。自由・人権を尊重する隣国が結集し、中国との対等な関係を構築しようとするもので、安倍氏の「インド・オーストラリア連帯論」はまさにこの主張の反映だ。 財界ではJR東海の葛西敬之会長(66)が代表的で、与謝野馨経済財政担当長官と共に安倍氏を引入れ「四季の会」と呼ばれる勉強会をつくった。日本を海洋国家として分類し、「米国と共に大陸に対抗しなければならない」という考えは親米保守派に近い。経済の実情に対する安倍氏の認識は亡父・安倍晋太郎元外相と親しかった大和総研の的場順三前理事長(72)がブレーンを引受けているという。
2006.08.27
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安倍晋三官房長官は8月24日、自民党総裁選への正式出馬表明の記者会見を来月1日に広島市内で行う方針を決めた。 当初は東京での会見を予定していたが、日程上の事情に加え、平和維持や地方重視のメッセージを込めるうえでも得策と判断した。同氏周辺が明らかにした。 安倍氏は9月1日午後、同市で総裁選の各候補者が顔をそろえて開かれる自民党中国ブロック大会に出席した後、広島平和記念公園を訪問し原爆死没者を追悼。その後、同市内で記者会見を開く。 ブロック大会の後に飛行機で東京に急行して会見を開いても、夕方のテレビニュースに間に合わないことなども考慮したようだ。 実は私はこの日の午後は所用で自宅にいることができない。したがってテレビニュースを見ることもできない。政治マニアにとっては痛いが、翌日以降、情報収集に没頭するつもりだ。
2006.08.24
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安倍晋三官房長官は8月13日、昭恵夫人とともに地元・山口県長門市油谷にある父故晋太郎元外相の墓を参り、来月の自民党総裁選に出馬する決意を報告した。安倍氏は記者団に「初当選から13年が経ち総裁候補として期待される立場になった。地域や国のために仕事を果たすべく努力し、志を持ち続けたい。総裁選に際して自分の気持ちを報告した」と語った。 また、集まった地元支持者ら約100人に対しても「(1991年に)父が他界した際、地元の小学生たちが(旧油谷)町民葬で『ふるさと』を合唱し、送ってくれた。 『志を果たしていつの日にか帰らん』。その思いで頑張っていきたい」と改めて決意を述べた。
2006.08.13
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安倍晋三官房長官は8月12日、地元・山口県下関市での後援会主催の「激励する会」で、来月の自民党総裁選について「しっかりとした志をもって頑張りたい。改革の炎を絶やしてはならない」と述べ、出馬の意向を表明した。「ポスト小泉」レースは派閥の枠を超えて支持を集める安倍氏独走の流れが加速しているが、このまま「総主流派体制」が築かれることは安倍政権の“危うさ”にもつながりかねない。党運営や政策で安倍カラーをどこまで出せるか。安倍氏の真の戦いは「総裁選後」に待ち受けている。■戦いがパワーの源泉■ 安倍氏は来月1日に記者会見し、憲法改正などを柱にした政権構想を発表する。総裁選は谷垣禎一財務相、麻生太郎外相との三つどもえになる見通しだが、実際は「安倍氏が全党的な支持を得たことですでに勝負は決まった」(森派幹部)との見方が支配的だ。 しかし、安倍氏は8月8日夜、自身を支持する中堅・若手議員による「88会」との会合で、こう漏らしている。 「小泉さんは故橋本龍太郎元首相への挑戦者として総裁選に出た。私は立場が違う。年少にもかかわらず『守り』の立場にある」 平成13年の総裁選で小泉純一郎首相は当時の最大派閥・橋本派の領袖だった橋本氏に真っ向から挑み、総裁選を制した。これが小泉首相の政治パワーの源泉となった。 逆の例もある。1987(昭和62)年、中曽根康弘首相(当時)の後継に意欲的だった安倍氏の亡父、晋太郎元官房長官は、中曽根氏に後継指名された故竹下登氏との戦いを避けた。党幹事長ポストを受けて政権の総主流派体制を演出したが、党の活力を弱めた側面もあった。晋太郎氏は病で倒れ頂点に立つことはなかった。 その「亡父の志を受け継ぐ」と語る安倍氏は、また、「戦って勝った首相の強さ」を間近に見てきた一人でもあり、「独走」の悩みも深い。 事実、雪崩を打って安倍支持に向かう党内では早くも、「挙党態勢」を大義名分にポスト争いの動きが始まっている。党内には「『後見人』を自称するベテラン議員が増え、党運営で注文をつけるだろう」(中堅)との声が出ている。 かといって、安倍氏が、人事などで党内バランスを重視する旧来型の政治手法に戻れば国民の支持が離れる恐れがあるとのジレンマもある。■小泉流踏襲は難しく■ 「安倍支持」一色に染まる党内情勢は政策運営にも影を落とす。安倍氏は8月12日、「改革路線の継承」を改めて明言したが、抵抗勢力との対決を演出しつつ、トップダウン方式で改革を押し通した「小泉流」の踏襲は実際は難しそうだ。 まず内政面では、消費税率引き上げ問題が眼前に控える。「来夏の参院選をにらみ、上げ幅や時期をめぐり党内が大混乱する」(閣僚経験者)事態が予想される。消費税問題と表裏一体の歳出改革も、既得権に固執する省庁と族議員が息を吹き返して抵抗に出てくる可能性がある。 さらに、小泉首相の靖国神社参拝を理由に途絶える中国、韓国との首脳外交再開など対アジア外交のあり方でも、「総主流派」の中でのカジ取りは容易ではない。 「親中派」といわれる古賀誠元幹事長や二階俊博経済産業相ら、安倍氏支持をにじませる有力議員の中には「対中強硬の安倍氏の外交路線とはそもそも肌が合わない」とされる議員も多い。「安倍氏が党内融和に配慮し、理不尽に中韓に屈する姿勢をみせれば政権はすぐに失速する」(森派中堅)との指摘もある。 「みんなが『勝ち馬』意識でぶら下がっているだけ。来年夏の参院選に惨敗すれば手のひらを返したように安倍氏から離れていく」。津島派中堅議員は冷ややかだ。首相周辺も「安倍氏が全員野球をやったらおしまいだ」と発言、安倍氏の前途が平坦(へいたん)ではないことをうかがわせている。◆◇安倍氏の発言の要旨◇◆~8月12日、地元・下関、長門両市で~ 小泉政権の5年間で日本は立ち直った。「改革なくして成長なし」とのスローガンを掲げ、強い意志で改革を貫徹してきた。私たちが進めてきた改革は決して間違っていない。改革の炎は絶やしてはいけない。このたいまつを私たちは受け継いでいかなければいけない。 だが、改革には痛みが伴う。格差を感じる人がいるのも事実。人間は病気をすることも、うまくいかなくて生活基盤を失うこともある。セーフティーネットをさらに安心なものにしていかなければならない。年金や医療、介護保険、生活保護をさらに見直し、持続可能なものにしていかなければいけない。 課せられた宿題はたくさんある。そろそろ私たち戦後世代が責任を担っていく気概を持つときがやってきた。戦前、戦中生まれの鍛えられたみなさん、地域や国のために貢献したいという熱意にあふれる若い人たちとともに、国づくりに大きく一歩、踏み出していかなければいけない。 私は13年前の(衆院選に)初当選のときに「おやじ(安倍晋太郎元官房長官)の志を受け継いでいく」と宣言した。しっかりと志を持ってがんばっていきたい。9月の早い時期にはこの志を国民に説明する。 長州は7人の首相が日本のかじとりを担った。私も伝統ある長州出身の政治家として命がけでがんばっていく決意だ。吉田松陰の言葉に「士たる者、その志を立たざるべからず。それ志ある所、気もまた従う」というのがある。侍は志を持たなければいけない。志がしっかりとしていれば、やる気も気力もついてくるということだ。
2006.08.12
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安倍晋三官房長官は8月12日午前、地元・山口県下関市の「海峡メッセ下関」で開かれた後援会など主催の支援集会で「しっかりと志を持って頑張っていきたい。9月の早い時期にはこの志、思いをしっかりと国民に説明したい」と明言、来月の自民党総裁選への出馬を事実上表明した。安倍氏は来月1日に正式に出馬会見を行い、社会的な格差を固定しないための「再チャレンジ支援策」などを盛り込んだ政権構想を発表する。 総裁選は安倍氏と先月27日に出馬表明した谷垣禎一財務相、今月21日に表明予定の麻生太郎外相の三つどもえの構図となる公算。若手からベテランまで派閥横断的に支持を集める安倍氏の独走状態で、来月8日の告示を控えた地元集会は「安倍首相」誕生への地元の期待を反映する「総決起大会」となった。 支援集会には支持者ら約3000人が出席。安倍氏は「私たち戦後世代が責任を担っていく。そういう気概を持つ時がやってきた。戦前・戦中の鍛えられた皆様や、熱意にあふれる若い人たちとともに、国づくりに大きく一歩踏み出していかなければいけない」と政権獲得への決意を表明。さらに「我々が進めてきた改革は決して間違っていない。改革の炎は絶やしてはいけない。たいまつは受け継いでいかないといけない」と小泉首相が進めてきた構造改革路線の継承を強調する一方で、再チャレンジ支援策推進を訴えた。 安倍氏は、幕末の思想家、吉田松陰の言葉を引用し「志がしっかりしていれば気力がついてくる」と述べた。さらに「13年前(の総選挙で)初当選した際、(首相の座を目前にして病を得て他界した)父(安倍晋太郎元官房長官)の志を受け継ぐと宣言した。その志をもってがんばっていきたい」と語った。 伊藤昭男後援会長は「長年の念願の『安倍晋三総理』。長州8人目の総理実現に向け、機は熟した」とあいさつ、安倍政権実現を目指した決議も行われた。 江島潔下関市長が「皆さんも私も心の中は『総理にする会』。小泉首相が下関に来られたのは、お分かりですよね」と呼び掛けると大きな拍手。林芳正参院議員(山口)は「この次は、総理になって帰還される」と会場を沸かせた。 安倍氏が登壇すると会場の熱気は最高潮。「戦後世代が責任を持って担っていく時がきた」と政権への強い意志を表明し、支持者に応えた。安倍氏は昭恵夫人、母の洋子さんらとホール出口に立ち、約四十分かけて一人一人と握手した。 安倍氏は午後には山口県長門市での後援会会合で、幕末の思想家・吉田松陰の言葉を引用し、「士たる者、その志立たざるべからず。それ志ある所、気もまた従う」と、自民党総裁選への意気込みを語った。安倍氏は、この言葉について「侍はしっかりと志を持たないといけない。そして、志がしっかり定まっていれば、やる気も後からついてくるという意味」と説明。「この長州は7人の首相を生み、日本のかじ取りを担ってきた。わたしも伝統ある長州出身の政治家として、命懸けで頑張っていく決意だ」と強調した。 安倍氏の表明を受け、安倍氏支持の中堅・若手議員らが18日に選対本部を事実上発足させ、政権構想作りも本格化する。 安倍氏は来月1日の政権構想発表と同時に、小泉首相同様、森派からの離脱も表明する。政権構想は再チャレンジ支援策、憲法改正、教育基本法改正のほか、靖国問題でこじれる中国との関係で政治問題を経済問題に波及させない「政経分離の原則」を確認することなども盛り込む方針。
2006.08.12
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来月に迫った自民党総裁選で安倍晋三官房長官の独走が確実視される中、党内で派閥や世代の枠を超えた安倍氏支持の動きが急速に広がっている。8月9日には、安倍氏の外交姿勢と距離感のある丹羽・古賀派代表の古賀誠元幹事長や二階グループ会長の二階俊博経産相も、支持の意向を示したことが明らかになった。ただ、旧来の「安倍シンパ」からは「支持のウイングを広げすぎると、政策や人事で安倍政権の手足を縛ることにつながる」との懸念も出てきた。 古賀、二階両氏は今月、武部勤幹事長と会談。古賀氏はこれと前後して、安倍氏に近い中川秀直政調会長とも会い、総裁選で安倍晋三官房長官を支持する意向を伝えた。また、来年の参院選に向け「来年の参院選、次期衆院選は小沢一郎氏の率いる民主党との戦いになる。我々(ベテラン)が政権与党の一員として、若い安倍氏を支えなければいけない。党内で足の引っ張り合いをしていてはいけない政権与党の一員として」と述べた。同派の共同代表を務める丹羽雄哉元厚相も安倍氏を推す意向で、48人の同派のほとんどは同氏支持に回る見通し。ただ、二階氏自身は9日の講演で「私は意思表示をしたことは1回もない」と否定したが、二階派(15人)も一致して安倍氏を支持する方向だ。中川、古賀、二階の3氏は今月中旬以降に会談し、安倍氏支持を再確認するとみられる。 安倍氏は8月8日、主要5派閥のベテラン議員10人とも会談している。ここにきて他派閥幹部らにもウイングを広げた形だ。 支持層の拡大は、森派の中川氏や尾身幸次元経企庁長官らが主導しているとみられる。だが、安倍政権での「総主流派体制」を視野に入れたかのような多数派工作は、総裁選後の火だねともなりかねない。 中国との関係改善を重視する古賀、二階両氏にしても、安倍氏とは「思想が違う」(丹羽・古賀派中堅)。福田康夫元官房長官の不出馬表明後、「非安倍」勢力の結集が進まない現状では「古賀氏にも打つ手がなくなった」(同派若手)との声もあるが、古賀氏らの支持には違和感も残る。 加藤紘一元幹事長は8月9日、栃木県大田原市内で記者団に「日中関係を重視する人たちの間で、政策論より派閥の一致した行動が重要だという動きになってくると、かなり政策論議は難しくなった」との懸念を示した。総裁選後の党役員・閣僚人事でも「安倍氏の思想を理解していない議員が処遇されるのではないか」(森派中堅)との疑心暗鬼がある。
2006.08.09
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自民党熊本県連の古閑三博会長は8月1日、首相官邸に安倍晋三官房長官を訪ね、来月の総裁選での同県連の推薦状を手渡した。都道府県連単位で安倍氏の推薦を決めたのは初めて。県連としての決定ではないが、7月31日に会長ら県連幹部が相談して文書を作ったという。 安倍氏は記者会見で「再チャレンジや地域の再生に取り組む私の発言を評価をしていただき、大変ありがたい」と述べた。 また山口県の二井関成知事も官邸に安倍氏を訪ね、「山口県8人目の首相になってほしい」と激励した。 今後、熊本県のように安倍氏に推薦状を手渡す都道府県は増えていくと思う。総裁選では、国会議員票とは別に、合計で300の地方票が各都道府県に割り当てられる。それだけに、地方の票の重みは大きい。 投票日までに全国各地でブロック大会や街頭演説が開催されるが、これは国民に人気のある安倍氏に有利に働くのだ。 実際、2001年の総裁選で勝利した小泉首相の得票は、大半が地方票だった。国民的に人気の小泉首相だからこのようになるのも当然である。 したがって、総裁選において我々国民は、国会議員だけでなく、地方の状況も注視していく必要があるといえる。
2006.08.01
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ポスト小泉レースは「安倍官房長官独走」で消化試合の様相が濃厚である。永田町の関心はすでに「安倍新政権」の顔ぶれに移っている。“大臣適齢期”の先輩議員らもそわそわしてきた。 「安倍晋三官房長官が、平沼(赳夫・元経産相)さんと会って、来年夏の参院選に向け、無所属議員の復党問題などを話し合ったらしい」 7月下旬、自民党内で、こんな情報が駆け回った。平沼氏は、昨年夏の郵政民営化政局で離党した無所属議員をまとめる大物議員。平沼騏一郎元首相の孫でもある。時期が時期だけに、ある自民党幹部は「安倍君は、もうその動きが総裁の雰囲気だ。参院選で無所属議員を協力させるため、平沼さんを副総理格で入閣させる腹かもしれない。二人は思想信条も近い」と分析した。 最近の永田町は「安倍政権9月発足」は織り込み済み。安倍氏の一挙手一投足は、こんな具合に新政権のポストとの関連で語られ、党内では早くも「人事情報」が飛び交っている。 いま党内が注視しているのが、「安倍氏が、どんな手法で組閣するのか。小泉流を引き継ぐのか、はたまた、従来の派閥均衡に配慮するのか」ということである。 ある党幹部が指摘する。「安倍君は当選5回の51歳と若い。後見人の森(喜朗・前首相)さんに相談して決めるだろう。派閥や当選年次に留意しつつ、“安倍枠”を設けて若手の抜擢やサプライズを仕掛けるかもしれない」 政治ジャーナリストの伊藤達美氏も「『安倍総裁』の使命は、5年間でガタガタになった支持組織との関係修復と、荒廃した人心の一新にある。離れた保守支持層を取り戻し、政策面でも実務型内閣を目指す……そのためには麻生、谷垣、額賀といったポスト小泉に名前が挙がった実力者を閣内に囲い込むのではないか」とみる。 安倍氏の売りの「若さ」は、政権にとっては逆に「不安定要因」でもある。来夏の参院選で自民党が負ければ即、倒閣運動が勃発しかねない。事前にそのような危険の芽を摘む、という戦術だ。 そして、うるさ型のベテラン議員を抑え込むためにも、党を仕切る幹事長を誰に託すのかが重要になる。永田町の下馬評で最有力候補は、津島派の青木幹雄参院議員会長の推す額賀福志郎防衛長官、対抗馬は二階派の二階俊博経産相、中川秀直政務調査会長といったところ。 森派関係者も額賀氏が本命とみる。「安倍さんは、同じ森派の中川さんに信頼を置いていますが、森さんが許さないので政調会長続投だと思います。とすると、額賀さんではないか。自民党には『総幹分離』といって、総裁と幹事長は同じ派閥から出さないという慣習があります。来夏の参院選を挙党一致で戦うためにも津島派、とくに青木さんとの連携を大事にしたいからです」 参院選を考えれば、昨年の総選挙を自民党総務局長として仕切った二階氏を望む声もある。しかし、二階氏は、東シナ海のガス田問題への対応で「媚中派」のレッテルを張られており、「対中外交で立場を異にする安倍さんが二階さんを処遇するか微妙ですね」とある自民党担当記者は話す。 総務会長、政調会長には、丹羽・古賀派代表の丹羽雄哉・元厚相、伊吹派会長の伊吹文明・元労相などの名前が挙がっている。 次は首相の女房役で内閣のスポークスマンである官房長官人事。出身派閥の森派からの起用が濃厚だが、やる気満々と言われているのが町村信孝・元外相だ。もっとも、町村氏は、当選8回で安倍氏より10歳年上。町村氏が就任すれば、安倍氏としては使いづらい上司型の官房長官となる。首相執務室で「晋三君」なんて呼ばれたら、たまらないだろう。派内では、同じく当選8回の尾身幸次・元沖縄・科学技術相もかなり意欲を示しているが、こちらも20歳以上年上の73歳だ。 脇を固める官房副長官には、安倍氏との間で勉強会「NAIS」を結成していた根本匠・元内閣府副大臣、塩崎恭久外務副大臣、それに安倍氏の信頼が厚い世耕弘成参院議員あたりの起用もあり得る。 重要閣僚で注目されるのが外相人事だ。出馬を断念した見返りに、福田康夫・元官房長官を抜擢するのではとの憶測も流れていたが、現実的ではなさそうだ。 「対中外交で毅然としたスタンスを求める安倍さんは外交路線の異なる人を起用しないはず。麻生太郎外相の留任が順当でしょう」という声もある。 次期政権で一番の課題は、何といっても消費税率の引き上げ。そのため、担当する財務相には経験と腕力が必要だ。谷垣禎一財務相の続投、政策通の与謝野馨経済財政相あたりが有力だ。 「隠し玉」としては武部勤幹事長の名前も取りざたされている。自ら“偉大なるイエスマン”と名乗り、上司の命令通り、がむしゃらに走るその行動力への期待からだ。もっとも、出身派閥の山崎派は冷や飯組が多く、ずっと日の目を見ている武部氏に向けられた視線は冷たい。領袖の山崎拓・前副総裁とは、「(山崎さんは)次の選挙で落ちる」と講演でちゃかして、すきま風がビュービュー吹いている。そこで、武部氏を財務相として重用すれば、安倍氏に批判的な山崎氏への格好の意趣返しにもなる。 私としては、総裁選も終わっていない段階から「安倍首相」を念頭に安倍政権への準備を進めているのは早計に感じる。そのようなことをする余裕があるのなら、総裁選を消化試合に終わらせないために、もっと政策論議を活発にしていくべきではないだろうか。今回の総裁選は、ひとりの候補、すなわち安倍氏の独走という特質な構図であるため、政策論議がどうしても談論風発に行われない。だが、そもそも安倍氏に対抗できる有力な対抗馬がいない。福田元官房長官も「ポスト小泉」レースから去ってしまい、「安福対決」は幻に終わってしまった。今後も有力な対抗馬は出現しないだろう。 来年の参院選は、自民党にとって非常に苦しい戦いになることは確実だ。自民党が惨敗すれば、かつての宇野宗佑元首相や橋本龍太郎元首相のように、首相は責任を取って退陣をしなければならない。つまり、次の政権はわずか10ヵ月の短命政権に終わってしまう。これでは森前首相の在任記録にさえも及ばない。 参院選に勝利するためには、小泉首相の路線とは対極にある人物が首相になることが必要であると言われている。例えば谷垣財務相。彼は靖国神社参拝の自粛を明言している上に、消費税の引き上げにも積極的だ。あるいは、ここは思い切って安倍氏が一回休みをし、福田氏に譲ったらどうだろう。 だが、もはや安倍氏の独走は誰にも止められないだろう。安倍氏自身は短命政権を覚悟で総裁選に臨んでいるのだろうか。 総裁選まで2ヵ月を切った。来年のことも見据えた上で、政策で戦う総裁選にしてほしい。
2006.07.31
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小泉内閣の閣僚が国民と直接対話する「タウンミーティング」の5周年記念行事が7月24日夜、東京・秋葉原のアキバ・スクエアで開かれ、小泉純一郎首相が最後の対話に臨んだ。安倍晋三官房長官とそろって参加した。安倍氏を前に「首相はいいことばかりじゃない」と語るなど、秋のバトンタッチを連想させる発言もあり、総裁選を前に“二人三脚”ぶりを見せつけた。 対話集会は2001年の小泉政権発足当時、首相や閣僚が「国民の声も聞き、双方向の内閣運営を行っていく」(安倍氏)ことを目的としてスタート。安倍氏によると、これまでに166回開かれ、約6万4000人が参加。この日は、日本有数のIT関連電器店街として海外にも知られ、アニメなど若者文化のメッカでもある秋葉原で、対話集会開始から5周年を記念して開催された。 小泉首相は「今後、こういうタウンミーティングを次の政権を担当される方もやられたらいいんじゃないかな。強制はしませんけど。総理大臣になれば、いいことばかりではない。ならなければよかったと思うときが必ずある。だが、だからこそ人生はおもしろく意義がある」と、安倍氏に視線を投げかけつつ、これまでの苦労を語った。 隣で苦笑しながら聞いていた安倍氏は、終了後の記者会見で「首相も5年間大変だった。やめたい気持ちに勝る使命感が必要だとしみじみ感じた」と総裁選に向けた意欲をにじませた。 タウンミーティングに小泉首相と安倍官房長官がそろって出席するのは、今回が最初で最後。小泉首相には、安倍官房長官に次期首相としての心構えを国民の目の前で伝えたいとの思いがあったのかも知れない。
2006.07.24
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山口県下関市にある安倍晋三官房長官の地元事務所に、脅迫文などが送られていたことが7月10日、明らかになった。下関署が脅迫容疑で調べている。 事務所などによると脅迫文は8日に郵送され、文面は「靖国に参拝するな。参拝すれば天罰が下る」という意味の内容。カッターナイフの刃が同封されていた。香港の消印があったが、日付は確認できなかったという。 事務所は8日に下関署に被害届を出した。首相官邸にも安倍氏あての同様の脅迫文が送られており、下関署は関連があるとみて調べている。
2006.07.10
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小坂憲次文部科学相は6月8日午前の衆院教育基本法特別委員会で、天皇、皇后両陛下が公園を散策されたことを報じた一部の新聞記事で敬語表現がなかったことについて「新聞だから、字数が限られているから、で済まされる問題ではない。敬語を使うべき方には敬語を使い、親しみを持つために使う言葉と敬語をうまく混ぜて伝えることが必要だ」と述べ、記事を批判した。 安倍晋三官房長官はこれに関連し「個人的には」と前置きした上で「ここで敬語を使わなければ誰に敬語を使うのかと感じる。感じ方を強制するわけではないが、政治家個人としては違和感がある」と述べ、天皇、皇后両陛下を報じる記事に敬語を用いないことに疑問を示した。 同時に安倍氏は「陛下への敬語の使い方は(報道)各社でニュアンスが違う。使い方に対して政府がとやかく言うべきではない。各社の判断と思う」とも述べた。
2006.06.08
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沖縄県の稲嶺恵一知事は3月10日昼、首相官邸で安倍晋三官房長官と会談し、沖縄の普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部移設案に関し「長い間の積み重ねがあり容認できない」と述べ、反対の意向を重ねて表明した。 在沖縄米海兵隊のグアム移転については「一定の評価をしている」と述べた。その上で「沖縄県は日米安保を認める立場で、誠意をもって(政府との)話し合いには応じる」との考えを伝えた。 これに対し安倍氏は「地元に対して、以前から誠意をもって対応してきたし、これからもそうする」と述べ、粘り強く地元に沿岸部移設案への理解を求めていく考えを強調した。 この後稲嶺氏は国会内で麻生太郎外相と会談、同様に沿岸案反対の意向を伝えた。麻生氏は早期に在日米軍再編の最終報告を取りまとめたい考えを示した。
2006.03.10
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安倍晋三官房長官は3月7日午前の記者会見で、在日米軍再編について、普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部移設案に反対している沖縄県や名護市など地元の合意がなくても、最終報告を取りまとめる考えを示唆した。一方で、麻生太郎外相は、地元の理解を得るよう説得すべきだとの認識を示し、微妙な姿勢の違いを見せた。 安倍氏は「(日米両政府間で)協議が調っていない項目を詰めながら、最終的な報告にすべく調整を行っている。地域からの声も念頭に置きながら、基本的には日米の交渉で決定していく」と指摘。その上で「決定したものについて、さらに誠意を持ってしっかりと地域の皆さんに理解してもらえるように説得、説明をしていきたい」と強調した。 これに対し、麻生氏は「基本的に地元の合意は、安易な結論は出さずに時間をかけて丁寧に、誠心誠意やっていく態度が必要だ」と述べた。
2006.03.07
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小泉純一郎首相は3月1日夜,皇室典範改正で女系・女性天皇を容認する有識者会議の報告書を後継首相も尊重すべきかを記者団に問われ「ええ,貴重な報告書だと思っています」と述べ,報告書に基づく改正実現を期待する考えを示唆した。 一方,安倍晋三官房長官は同日の衆院予算委員会分科会で,報告書について「法的な拘束力はない。審議会の検討の結果は新首相の下でも活用されることが通例だが,新首相が別途検討を始めることが出来ないわけではない。政治の判断だ」と述べ,一般論として次期政権を縛るものではないとの考えを示した。ポスト小泉候補の安倍氏はもともと改正慎重派で,改めて首相との温度差が出た形だ。
2006.03.01
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安倍晋三官房長官は2月15日午前の記者会見で,2月4~8日の日朝包括並行協議で日本側が問題解決を促す小泉首相のメッセージを北朝鮮側に伝えたことについて「日朝交渉については(日朝)平壌宣言の原則にのっとって進め,正常化を目指すという政府の基本的な考え方を述べるなかで,当然,首相以下,政府はそう考えているという説明をしたということではないか」と述べ,政府として認めた。
2006.02.15
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安倍晋三官房長官が1月21日,昨年10月31日の官房長官就任後初めて地元・山口県に入った。「ポスト小泉」の最有力候補とみられている安倍氏の里帰りを地元は大歓迎,大スクリーンを2つ設けた下関市内の講演会場は約3100人の出席者で満杯になった。 山口県から8人目の首相誕生への期待は高く,藤田忠夫宇部市長は「秋の陣に向けて一大決心を固めてほしい」と9月の自民党総裁選への出馬を要請。同市出身の福島啓史郎参院議員からは「今は無派閥だが,早く安倍派を作ってもらい,安倍派に入りたい。総裁選で安倍勝利の先兵となって働きたい」と支持表明が飛び出した。 昨年9月以来4カ月ぶりの地元入りとなった安倍氏は,記者会見で「地元はいいな,ふるさとはいいな,とホッとしている」と語るなど,リラックスした様子だった。 後援会で安倍氏は,9月の自民党総裁選の候補に挙がっていることに関し「至誠をもって事に当たりたい。動ずることなく,日本のために頑張りたい」と述べ,出馬への意欲をにじませた。 さらに安倍氏は,幕末の思想家・吉田松陰が孟子の言葉として弟子たちに伝えた「至誠にして動かざるものは,いまだこれ有らざるなり」との言葉を引用。意味について「誠実さでなしえなかったことはこの世にない」と説明し「至誠」の重要さを強調。自らが小泉純一郎首相の後継候補に挙がっていることに関し「父(故安倍晋太郎元官房長官)が総裁候補と言われた時に自分を鍛えていこうと言ったことを思い出す」と回想した。
2006.01.21
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安倍晋三官房長官は12月26日午前の記者会見で,北朝鮮との政府間対話で国交正常化交渉を来年一月末をめどに再開することで合意したことについて「我々は拉致問題の解決なしに国交正常化はないという基本的な揺るぎない原則を持っている。拉致問題が置き去りにされて,国交正常化交渉だけが進んでいくことはない」と述べ,拉致問題の解決が,国交正常化交渉進展への前提となるとの考えを強調した。 また,小泉純一郎首相は午後,記者団に対し「拉致も核もミサイルも全体を包括的に取り上げるということだが,(北朝鮮が)今後,より積極的な対応をされることを期待している。(拉致問題が)置き去りにされることはない」と述べた。
2005.12.26
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小泉首相は12月12日,クアラルンプール市内のホテルで同行記者団に対し,来年の自民党総裁選では安倍晋三官房長官を「温存」すべきだとの意見があることについて「チャンスはそう来ない。チャンスをいかにつかむかだ。準備がない人はつかめない。困難に直面して逃げたら駄目だ」と語った。安倍氏の総裁選出馬に期待感を示唆したものとみていい。 安倍氏については森喜朗前首相が12月9日,次期参院選で自民党が敗北する見通しが強いとして「安倍さんを大事にしておきたい」と発言していた。 総裁選への予備選導入について首相は「予備選がどういうものか分からない。党員投票もある」と慎重な考えを示した上で「いずれにしても国民の支持が得られない人が出てくる可能性はないだろう」と話した。 総裁選での自身の対応については「誰かを応援する。私も1票行使しないといけない」とした。 果たして国民の支持があるというだけで,次の我が国のリーダーを選んでいていいのだろうかと私は思う。そういう人物ほど,いざ首相になると失政するものだ。森前首相の述べたように,まだ若手でさらに研鑽を積む必要がある安倍氏は「温存」すべきではないだろうか。
2005.12.12
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森喜朗前首相(68)は12月9日,TBS番組の収録で,「ポスト小泉」候補に目されている安倍晋三官房長官について「安倍さんは大事にしておきたい。あまり乱暴に使って袋だたきになるようなことはしない方がいい。安倍さんは一番かわいい(森派の)弟分だ」と述べ,安倍氏が来年の自民党総裁選の出馬見送りも検討すべきだとの認識を示唆した。 森前首相はその理由として,2007年夏の参院選に触れ「振り子の論理から言うと,次は(自民党は)負けるのではないか。参院はいくらやっても過半数にはならず,あまり冒険しない方がいい」と指摘。安倍氏が新総裁として参院選に臨んでも,苦戦する可能性があるため,森派としては温存した方が得策との考えを示唆した発言とみられる。 確かに私も,来年の今頃にはすでに安倍氏が首相となっていることが果たして正しいことなのか,と疑問視している。安倍氏は51歳とまだ若いわけで,少なくともあと10年は研鑽を積み,実績を高めた方が安倍氏自身にとっても自民党にとっても,さらには国民にとっても有益だと思う。「人気だから」という短絡的な理由だけでわが国の次のリーダー選んでいてはいけないのだという警鐘を鳴らしたい。
2005.12.09
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安倍晋三官房長官は,山口4区選出の51歳。2003年に49歳の若さで党幹事長に抜擢されて話題を呼んだが,2004年の党役員人事の折には参議院選挙で議席を減らした責任をとって自ら幹事長の辞任を求めていた。しかし結局は,小泉首相の厚い信頼により,幹事長代理にとどまった。 安倍氏の祖父は,岸信介元首相。また父親は,外務大臣や幹事長などを歴任した安倍晋太郎氏。竹下登・宮澤喜一(86)両元首相とともに「ニューリーダー」と呼ばれた有力な総裁候補だったが,1987年の中曾根康弘元首相(87)による後継指名では竹下元首相に先を越された。やがて1991年に肝不全のため急死。息子の晋三氏は,父親の果たせなかった屈辱を晴らすことができるかが注目される。 10月31日の内閣改造においては,初入閣にして首相の女房役である官房長官という大役を任された。1日2回の記者会見をはじめ,官房長官は世間に顔を売る上で格好のポストといえる。 ただ,自民党の久間章生総務会長(64)は「小泉首相は発言には慎重だが,安倍氏はやや慎重さに欠ける。後継首相にはまだ早いのではないか」と述べており,今後の発言の仕方が注目される。 安倍氏は51歳と若く,国民的な人気もある。もしも安倍氏が首相になれば,田中角栄元首相の54歳という記録を更新し,戦後最年少の首相が誕生することになる。だが,政治に対する能力は未知数で,官房長官として今後いかに活躍できるかが,人気先行を跳ね返すために重要となるのは言うまでもない。
2005.11.12
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