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自民党の北海道ブロック大会が8月31日、札幌市内のホテルで開かれ、安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相が憲法改正などをめぐり論戦を交わした。安倍、麻生両氏は改正への意欲や歳出削減優先で歩調を合わせ、谷垣氏との違いが改めて鮮明になった。 9月1日に出馬を正式に表明する安倍氏は、憲法改正を「政治スケジュールにのせていくリーダーシップを発揮しなければならない」と強調。麻生氏も「国民投票法案をまず成立させなければいけない。機は熟しつつある」と述べた。谷垣氏は「相当なエネルギーをかけ手順を踏まなければいけない。機が熟したというところまで進んでいない」と異論を唱えた。 安倍氏は、首相の靖国神社参拝を理由に首脳会談に応じない中国の姿勢を重ねて批判し、麻生氏も「靖国だけが問題というのにはくみしない」と主張。両氏は、谷垣氏の消費税引き上げ率の明示を時期尚早だと批判し、経済成長や歳出削減に力を注ぐべきだと訴えた。 麻生氏は地域の特性を生かした産業活性化などを訴えたが、憲法、財政、社会保障の主要課題における基本路線は安倍氏と重複。「途絶えている日中外相会談をもちかけ、4回ぐらい行った」と、外相としての実績を訴えたものの、独自色を打ち出しきれなかった。 安倍氏はこの日、札幌市内での会合で、出馬表明に先立ち「わたしは戦後生まれだが、その世代のトップバッターとしてしっかり責任を担っていく」と決意を表明した。
2006.08.31
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最近になって急に忙しくなってきた。したがってご覧のとおり日記の更新が滞っている。期待して度々訪問してくださっている方々には本当に申し訳ない。なるべく空白を埋めていくように努力していこうと思う。 さて,今回は「ポスト小泉」に関するクイズご用意した。ぜひ気軽に挑戦してみてほしい。正解が分かった方は「コメントを書く」からどうぞ!【1】来る自民党総裁選はいつ行われるか。 ア 9月8日 イ 9月11日 ウ 9月20日 エ 9月22日【2】次の中から自民党総裁選に出馬する予定の候補と肩書の組み合わせとして適切なものを選べ。 ア 安倍晋三氏……官房長官 谷垣禎一氏……外相 麻生太郎氏……財務相 イ 安倍晋三氏……外相 谷垣禎一氏……財務相 麻生太郎氏……官房長官 ウ 安倍晋三氏……財務相 谷垣禎一氏……官房長官 麻生太郎氏……外相 エ 安倍晋三氏……官房長官 谷垣禎一氏……財務相 麻生太郎氏……外相【3】自民党総裁選の日は,出馬する予定のある候補の誕生日でもある。その候補とは誰か。 ア 安倍晋三氏 イ 谷垣禎一氏 ウ 麻生太郎氏【4】安倍晋三氏は,自民党総裁選への出馬を正式に表明する記者会見をどこで行う予定か。 ア 赤坂プリンスホテル イ 品川プリンスホテル ウ 京都宝ヶ池プリンスホテル エ 広島プリンスホテル【5】次の候補の中で,元首相を祖父にもたない人物は誰か。 ア 安倍晋三氏 イ 谷垣禎一氏 ウ 麻生太郎氏※1問20点,100点満点とします。
2006.08.28
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自民党の中川秀直政調会長は8月26日、青森県弘前市内で講演し、党総裁選で優位に立つ安倍晋三官房長官が次期首相に就任することを念頭に、「首相指名では賛成するが、実際の政策に反対ということは許されない」と述べたうえで、「公約をリーダーが実行し、(政府の)経済財政諮問会議や党が支える。個別議員の拒否権発動はあり得ない」と強調し、昨年の「郵政解散」と同様、総裁選で支持する以上首相への造反は許されないとの考えを示した。 また、中川氏は「(総裁選で)誰が選ばれても、その政権構想実現のための戦う『仕事師』内閣・党執行部をつくらざるを得ない。単なる論功行賞の人事をする余裕はない」と語り、次期政権での処遇を求める思惑から安倍氏支援に集まろうとする党内の動きをけん制した。
2006.08.26
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自民党の加藤紘一元幹事長、山崎拓元幹事長、船田元・元経済企画庁長官ら21人は8月24日、東京都内のホテルで「アジア外交のビジョン研究会」の設立発起人会を開き、加藤氏を会長に選出した。安倍晋三官房長官の首相就任を前提に、中国、韓国との関係改善を主張していくのが目的だが、安倍氏の外交路線に批判的な勢力の結集を図る狙いもあるとみられる。 顧問に山崎氏、会長代理には船田氏を選出し、「最優先課題は対中・対韓外交の改善」とする趣意書を確認した。山崎氏は「新政権発足後にアジア外交が正しく展開されるよう積極的に提言していきたい」とあいさつ。その後、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長が講演し「新政権は年内に中国の胡錦濤主席との首脳会談ができるようにすべきだ」と求めた。 出席者の内訳は、山崎派9人、谷垣派7人、津島派2人、高村派、丹羽・古賀派、無派閥各1人。18日の準備会合には出席した津島派の竹下亘氏は出張を理由に欠席した。安倍氏支持の森派、伊吹派、二階派からは参加者がいなかった。加藤、山崎両氏は「総裁選が終われば(他派からも)参加する」として、総裁選後に参加者拡大を呼びかける。「アジア外交のビジョン研究会」の出席者※( )内の数字は衆院当選回数,[ ]内の数字は参院当選回数≪本人出席≫ 山崎派=山崎拓(12)、野田毅(12)、保岡興治(11)、木村義雄(7)、渡海紀三朗(6)、稲葉大和(5)、田野瀬良太郎(5)、平将明(1)、安次富修(1) 谷垣派=逢沢一郎(7)、中谷元(6)、遠藤利明(4)、佐藤勉(4)、原田令嗣(2)、小里泰弘(1)、土井真樹(1) 津島派=船田元(9)、後藤田正純(3) 高村派=村上誠一郎(7) 丹羽・古賀派=二田孝治(7) 無派閥=加藤紘一(12)≪代理出席≫ 山崎派=石田真敏(3)、岡田広2 谷垣派=園田博之(7)、山本公一(5)、阿部正俊[2]、加納時男[2]、岸宏一[2]、加治屋義人[1]
2006.08.24
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自民党伊吹派の伊吹文明会長は8月24日昼の派閥特別総会で、来月の自民党総裁選への対応について「みんなで団結して安倍晋三官房長官を支持していこう」と表明、派として安倍氏を支持する方針を決定した。 山崎派会長の山崎拓元幹事長は派閥会合で「派内にはさまざまな意見がある。集約するよりは、この際、派として自主投票にさせていただきたい」との方針を示し、了承された。 山崎氏自身は、アジア外交の立て直しを唱える谷垣禎一財務相を支持するが、中堅を中心に安倍氏を推す声が多く、甘利明政調会長代理ら幹部も安倍氏支持を明言。その一方で小泉純一郎首相の靖国神社参拝で冷え込んだアジア外交立て直しを打ち出す谷垣禎一財務相を推すべきだとするベテラン議員もおり、派内の対応が分かれていた。 山崎氏はまた「新政権を支えるとともに、山崎派が取りまとめた政策提言の実現に努力したい」と述べ、安倍氏が首相になった場合も政権運営に協力する意向を示した。 津島派は同日午後、都内の派閥事務所で幹部会を開き、総裁選に自主投票で臨む方針を決めた。衆参75人の同派の大半は、安倍晋三官房長官の優位は動かないとみて、同氏の支持に回る見通しだ。 幹部会には津島雄二会長、船田元事務総長、陣内孝雄参院津島派会長らが出席。席上、陣内氏は、青木幹雄参院議員会長ら参院側の意向として「来年夏の参院選を控え、個々の議員が地元の事情などを踏まえ自由に判断するべきだ」と主張し、衆院側も受け入れた。 丹羽・古賀派の丹羽雄哉代表は派の会合で「一致した行動でグループの存在感を示すことが何より大切だ。幹部で相談し一定の方向を示すよう全力を尽くしたい」と指摘、安倍氏支持で取りまとめを目指す考えを示した。
2006.08.24
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自民党は8月22日、南関東・北関東ブロック合同大会を横浜市で開き、安倍晋三官房長官、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相らが総裁選への「所信表明」と題して演説した。「ポスト小泉」の主要3候補が顔をそろえたのは初めて。安倍氏は「新しい憲法を制定すべく、政治スケジュールに乗せるためのリーダーシップを発揮すべき時がやってきた」と述べ、首相在任中の憲法改正に意欲を示した。また、日米同盟の信頼性を高めるため、首相官邸に日本版NSC(国家安全保障会議)を設ける意向を明らかにした。 安倍氏は大会後、集団的自衛権について、記者団に「日本を守るために何をすべきか検討しなければならない」と述べ、現憲法のまま解釈変更で行使を容認できないか検討する考えも示した。 ブロック大会には約5000人が参加。演説会には出馬に意欲を見せるものの推薦人の確保が難航している河野太郎副法相、鳩山邦夫元労相も参加した。 安倍氏は憲法改正と並ぶ重要課題として教育改革に取り組む姿勢を強調。外交に関して言及したNSCは米国の組織で、外交・安保調整、決定を行う。安倍氏の狙いは日本版NSCにより、官邸主導の外交を打ち出す狙いがあると見られる。 一方、谷垣氏は得意の経済・財政対策を中心に持論を展開し、「地方自治体に安定的な財政基盤を与える必要がある」などと主張。集団的自衛権については「解釈(変更)によって行うべきではなく、憲法改正で行うべきだ」と述べ、安倍氏との違いを強調した。 麻生氏は経済政策と地域間格差の解消を前面に出し、「伸びる産業分野には規制緩和や減税などで後押しする必要がある」と強調。教育基本法改正案について「臨時国会で断固成立させなければならない」と語った。 自民党総裁選で独走態勢を強める安倍氏が憲法改正を具体的な政治日程に乗せる考えを表明したが、これは祖父・岸信介元首相の悲願で、自民党結党以来の党是の「自主憲法制定」の実現を目指す姿勢を強調することで、党内の求心力を高める狙いがあるとみられる。さらに来年夏の参院選に向け、改憲問題で意見集約が進まない民主党に対し、「保守攻勢」で揺さぶりをかける思惑もあるようだ。 「新しい憲法を私たち自身の手で立ち上げていかないといけない」 安倍氏は約10分間の演説で、憲法改正を真っ先に掲げた。大会終了後には憲法改正の前段階として、解釈変更による集団的自衛権の行使容認を政権構想で打ち出す考えを示した。 この発言に公明党内には「首相になった後、連立政権がうまくやっていけるのか」(幹部)との懸念が早速上がった。反発を承知であえて保守色を鮮明にしたのは「安倍氏らしさの原点」(側近)を示すためだ。 加えて、憲法問題で踏み込んだ発言を控える民主党の小沢一郎代表との違いをはっきりさせる効果もある。次期政権の命取りにもなりかねない来年の参院選での「民主党の結束を崩す好材料になる」(同)との計算も働いていた。 「私たちが取り組まないといけない大きな課題は教育の再生だ」 安倍氏が憲法改正に次いで強調したのが教育改革。「日本人として生まれたことに静かな誇りを持てる日本にするためにも、ぜひとも教育の再生に取り組まないといけない」と力を込めた。憲法改正と教育改革は安倍氏の長年の持論。近著でも二つの課題について、経済成長優先の結果「後回しにされた」として、強い意欲を示している。 一方、谷垣氏は集団的自衛権行使容認をめぐり、安倍氏が解釈変更の考えを示したことを批判する形で、改憲によって対応する考えを表明。「憲法論争」という新たな対立軸を示した。党内ハト派集団の代名詞だった「宏池会」(旧宮沢派)の流れをくむ谷垣氏にとって、憲法論争は安倍氏、麻生氏の「タカ派路線」との違いを示せる絶好のテーマ。今後も持論を積極的に訴える方針だ。 「経済通」をアピールしたのが麻生氏で、演説の大半を経済政策に割いた。年金制度改革では「明日にも年金がなくなるかのごとき話は間違っている」と谷垣氏を暗に批判する場面も。ただ、安倍、谷垣両氏が独自色を出したのに比べるとインパクト不足は否めず、終了後、記者団に「安倍候補は具体的な話をしなかったので、内容に入らないと差は出てこない」などと語った。 特徴的だったのは、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題への言及がなかったことだ。党内では山崎拓元副総裁や加藤紘一元幹事長らが、総裁選での争点化を目指しているが、一方で靖国問題が自民党総裁選での大きな争点となることには党内から批判的な意見が多数出ている。それよりも幅広い政策課題で論議を深めるべきだとの各氏の姿勢が現れた形だ。 ただ、政策論争が活発化したとの印象は薄い。経済政策、社会保障、外交などのテーマによる各氏の立会演説会形式で行われた大会運営にも問題がある。7月の東京ブロック大会と同様、候補者同士の論戦は一切なく、論議は深まらなかった。 しかも持ち時間は1人10分間。ほとんどが総花的に一方通行の持論を開陳するばかりで、谷垣禎一財務相は「触れろというテーマで大きなものがたくさんあり、10分で話せというのは難しかった」と不満を漏らした。 皮肉なことに、会場が最も盛り上がったのは、立候補に必要な推薦人20名の確保が困難視される河野太郎副法相の演説だ。河野氏は「『派閥の長が右と言ったから、皆で右に行こう』という選挙をやったら、自民党にあすはない」と訴えたが、安倍晋三官房長官の独走で「消化試合」と揶揄される総裁選を盛り上げるには、候補者同士の丁々発止のやり取りが不可欠だ。◆◇各候補の発言要旨◆◇≪経済≫●安倍官房長官 「少子化を防ぐために、ありとあらゆる政策を動員していく必要がある。しかし、少子化対策をやっても人口減少はしばらく続く。人口が減少すると日本の経済が縮小するとの声があるが、そんなことはない。やるべきことをしっかりやれば、日本は力強く成長する。そのためのキーワードは人材育成、イノベーション、オープンの3つ。社会、経済、国を開いていくことで、外国から日本への投資が行なわれるとともに、アジア・世界の消費者を相手にすることができる」●麻生外相 「少なくとも2~3%の名目経済成長率が2~3年継続して初めて企業は先行きに自信を持ち、新たな設備投資のために借り入れをしようという気になる。今、設備投資が始まっているが、借金返済に充てていた分を、返済の必要がなくなり、設備投資に回し始めた程度。これから伸びる産業には、規制緩和や減税などで後押しすることが必要。それによって企業が前向きに考え、増収につながる。日本経済を大きくさせていく大事な観点だ」●谷垣財務相 「人口が減少し、国際競争が激化している中で競争していくには、日本を魅力的な国にすることが大事。そのためには、人づくり、科学技術振興をきちっとやるとともに、開かれたチャンスの多い日本をつくっていくことが大切だ。懸念は地域・地方の活力をどう引き出すかということ。ふるさと共同税の創設など地方自治体の税収の偏在を是正する仕組みをつくり、自治体財政に安定的な基盤を与えていく必要がある。少子化対策は避けて通れない緊急の課題。子宝税制も考える必要」≪社会保障≫●安倍官房長官 「社会保障制度は助け合いの精神の延長線上にあり、こうしたセーフティーネットはきちんと維持していきたい。そのためには、社会保障制度の一体的な改革は避けて通ることができない。社会保険庁は当然、抜本改革が必要だ」●麻生外相 「社会保険庁を信頼できる役所に立て直すことが必要だ」●谷垣財務相 「給付と負担がアンバランスなため、社会保障制度が長続きするのかとの疑問がある。給付、サービスの見直しは不断に行なっていく必要があるが、同時に必要な財源について、逃げることなくきちっと議論することが大切。消費税を社会保障財源と位置づけ、子どもや孫の世代に負担の先送りをしないようにする。社会保険庁改革は徹底的に取り組まなければならない。 日本が目指す社会は弱肉強食ではない。国と国民が信頼の絆(きずな)で結ばれている社会ではないか。」≪外交・安全保障≫●安倍官房長官 「基本は日米同盟。アジア重視の外交も必要。同盟の信頼性を高めるために、政務レベルの対話を定期的に行なっていく必要がある。米ホワイトハウスのNSC(国家安全保障会議)のような組織を官邸につくらなければならない。かつては外国がつくったルール、土俵の上で相撲をとる外交があったが、これからは日本もルールづくりに参加し、時にはリーダーシップをとっていく主張する外交を展開していきたい」●麻生外相 「外交は日米が基軸。アジアとの関係は一層、力強くしていける状況ができつつある。それに精力的に関与していくべき」●谷垣財務相 「外交の基軸は日米にあることはいうまでもない。しかし、日本の将来を考えた場合、アジアとの共生は避けて通れない。首脳同士が腹を割って議論し、物事を解決していくことが不可欠であり、こうした体制を直ちにつくりあげることが必要だ」 「集団的自衛権と憲法の関係をきちっと考えなければならない。解釈(変更)によって行うのではなく、憲法改正で臨んでいくべき」≪その他≫●安倍官房長官 「日本をつくるにあたり、国の理想、かたちを示すのが憲法。新しい憲法を私たち自身の手で立ち上げていかなければならない。新憲法を制定すべく、リーダーシップを発揮していく時がきていると思う」 「まず取り組まなければいけない大きな課題は教育の再生」●麻生外相 「教育基本法を臨時国会で断固として成立させなければならない。10月の衆院補選、11月の沖縄県知事選、春の統一地方選の先に参院選がある。参院選で過半数を失えば政策を実行に移せない。各種選挙に自民党が何が何でも勝つことが次の総裁のもっとも大きな使命だ。10月の衆院補選、11月の沖縄県知事選、春の統一地方選の先に参院選がある。参院選で過半数を失えば政策を実行に移せない。各種選挙に自民党が何が何でも勝つことが次の総裁のもっとも大きな使命だ。」
2006.08.22
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9月20日に実施される自民党総裁選の告示(9月8日)まであと1ヵ月。谷垣禎一財務相はすでに出馬表明をしており、安倍晋三官房長官、麻生太郎外相も独自政策を訴えるなど既に前哨戦に突入している。「再チャレンジ可能な社会」に加え教育改革も重点にする安倍氏に対し、谷垣氏は「非小泉・安倍」路線を鮮明化、麻生氏も靖国問題などで独自色を出そうと策を練る。ただ、安倍氏「一強」の構図は固まりつつあり、政策論争もいまひとつ盛り上がりに欠けているのが残念だ。 「9月以降、私たちに課せられた大きな使命の一つは教育改革だ」。安倍氏は8月4日、大津市内で講演し、教育基本法改正案の早期成立と道徳教育の立て直しを訴えた。7月28日の東京ブロック大会で積極姿勢を示した持論の憲法改正とともに、ここにきて持論を前面に掲げ、「安倍氏らしさ」をアピールしている。 「ポスト小泉」候補の中で、最も忠実に小泉路線を踏襲するとみられている安倍氏。ただ一方で、改革路線への批判をいかに回避するかに苦心しているのが実情でもある。「再チャレンジ」を訴えてきたのも小泉改革で拡大したとされる格差問題是正が狙い。8月6日、埼玉県川越市で講演した際も「次の時代は協力して一歩一歩前進しなければいけない」と党内融和を唱え、「小泉流」との違いを出そうとしている。 外相の麻生氏は外交日程がたて込み、安倍、谷垣両氏に比べ出遅れ感は否めない。だが先週のバグダッド訪問に続き、8月8日には靖国問題の解決に向けた私案を発表するなどで巻き返しを図る構えだ。 「なかなかタイミングは難しい」。麻生氏はイラクから帰国した8月5日、冗談めかしながらも「総裁選モード」に切り替えられないもどかしさを吐露した。これまでは安倍氏との連携が目立っていただけに、靖国問題に関する私案で違いを打ち出す狙いだ。8月21日に予定している出馬表明では「活力ある高齢化社会」などの政権構想も明らかにするが、「安倍氏VS谷垣氏」のはざまで独自色をどうアピールするかがカギとなる。 谷垣氏は8月5~7日、京都、高知、愛媛の1府2県を行脚し、地方重視の姿勢を強調した。「大都市偏重」といわれる小泉路線の継承を掲げる安倍氏との違いを明確にするための戦略の一つだ。 地方行脚の中で、谷垣氏は小泉内閣が進めた三位一体改革について「失望感を持っている人が多い」と批判。安倍氏の再チャレンジにも否定的な見方を示した。 これまでも首相の靖国参拝問題で安倍氏との違いを出してきたが、より鮮明に「非小泉・安倍」路線にシフトした形。政策面では「都市部と地方の税収格差を縮める政策」を掲げるなどをアピールしている。ただ、出馬を見送った福田康夫元官房長官の受け皿になりきれていないのが現状で、安倍氏優位の構図は確定しているといっても過言ではない。 1ヵ月後にはすでに候補が確定している訳だから、いよいよ迫ってきたという思いだ。すでに出馬を表明した谷垣氏はもちろん、麻生・安倍両氏の出馬は間違いない。焦点はこの3人のほかに出馬する人物が出現するかどうかである。ぜひ、より多くの人々が出馬を決意し、総裁選を盛り上げてほしい。
2006.08.08
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安倍晋三官房長官と谷垣禎一財務相が8月5日、関西圏を訪れ、自民党総裁選に向けた政策をアピールした。安倍氏は政府の再チャレンジ政策推進の一環として大阪を視察。一方、谷垣氏は出馬表明後初めて地元の京都に入り、支持拡大を訴えた。 安倍氏は同日午前、大阪市内のホテルで関西経済連合会の秋山喜久会長らと会い、再チャレンジ支援策への協力を要請。その後、失業してホームレスとなった人の再就職を手助けする自立支援センターと、子を持つ女性に仕事を紹介するマザーズハローワークを相次いで訪れた。 ハローワークでは就職を果たした子育て中の女性5人と懇談。「子供がいるというだけで面接を断られた」といった苦労話に熱心に耳を傾けた。視察後は「再チャレンジを進める中で女性がしっかりと能力を生かせる社会をつくっていくことが大切だ」と記者団に語り、女性の社会参加拡大に努める考えを力説した。 谷垣氏は午前中、京都市内の清涼寺に足を運び、宏池会第2代会長だった故前尾繁三郎元衆院議長の墓前に総裁選出馬を報告。午後は自民党議員の会合で講演し、「わたしを育てていただいた地域から支援の輪を広げてほしい」と求めた。民間非営利団体(NPO)に対する優遇税制の拡充を打ち出すなど、「谷垣らしさ」を売り込んだ。
2006.08.05
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自民党丹羽・古賀派代表の古賀誠元幹事長は8月2日、総裁選での同派の対応について、支持候補を一本化せず、自主投票にすることも選択肢になるとの認識を示した。古賀氏は、候補一本化に関し「あえて、そうする必要はない。一人ひとりが自分の考え、政治観で決めるのも一つの方法だ」と明言した。 古賀氏としては、自主投票に言及することで、安倍晋三官房長官への支持をにじませる同派共同代表の丹羽雄哉元厚相をけん制する狙いがあるとみられる。だが、なるべく派閥としては結束していた方がいいと思う。派閥の意向に沿えない者は、派を離脱すればいい。会長が複数いると、一本化も難しいといったところか。
2006.08.02
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自民党森派会長の森喜朗前首相は7月29日、那覇市で講演し、9月20日の自民党総裁選での第2派閥の津島派の動向に関し「どの派閥も若い人は安倍(晋三官房長官)だと言って走っている。派内で意見が割れており、額賀(福志郎防衛庁長官)さんが出ても一本になれるのか」と述べ、全員が額賀氏擁立でまとまるのは困難との見方を示した。 さらに「どのグループも若い人は安倍晋三官房長官で走っている。丹羽・古賀派も高村派も同じだ」と語った。各派内での安倍氏支持の広がりに自信を示すことで、非安倍勢力結集の動きを牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。 森氏はまた、山崎拓元副総裁と加藤紘一元幹事長が福田康夫元官房長官に総裁選出馬を促してきたことに触れ「自分が(総裁選に)出たいが、チャンスがないから芽を残すため、若い者に早く渡したくないのだろう」と述べ、世代交代阻止が目的との見方を強調。その上で山崎派については「山崎さんが出馬するのかと思ったが、最高幹部は『クビを切ってでもやらせない』と言っている」と述べ、山崎氏擁立でまとまるのは難しいとの認識を示した。 麻生太郎外相と谷垣禎一財務相を抱える旧宮沢派3派勢力については「(麻生、谷垣両氏の)予備選をやればいい。安倍さんと戦うための大きな布石になる」と突き放した。
2006.07.29
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9月の自民党総裁選に向け全国10カ所で実施される同党ブロック大会の先陣を切り、東京ブロック大会「東京政経フォーラム」が7月28日、東京の赤坂プリンスホテルで開かれた。パネルディスカッションには安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、与謝野馨金融・経済財政担当相が参加し、マレーシアを訪問中の麻生太郎外相もビデオで出演。安倍氏は憲法改正を主張、谷垣氏は格差是正を唱え、麻生氏は高齢者層との共生を訴えるなど、「ポスト小泉」候補が政策論議を展開した。 「ポスト小泉」候補がそろい踏みで討論するのは初めて。(1)日本の将来(2)外交(3)教育(4)社会(5)都市と地方の5つのテーマで持論をぶつけ、会場には自民党員約5300人が詰め掛けた。 討論会では、安倍氏が日米関係について「他で代替できない関係だ」とし「条約があるから必ずそうやる(日本を守る)ということではない」、「日米関係を重要視し、信頼関係を作っていく」とし、引き続き日米関係を軸とした外交政策の重要性を強調した。 アジア外交に関しては「日中の経済関係から利益を得ていることをしっかり確認する必要がある。政治目的を達成するために、経済に嫌がらせをしないことは大切なことだと思う」とし、「靖国神社に参拝するからといって、首脳会談をしないということでいいのか」と小泉首相の立場を擁護した。 一方、谷垣氏は、日米、日欧関係は大事だとしながらも、「アジアとの経済関係をどうするかということが非常に重要だ」とした。また、東アジア諸国との貿易が増大していることを挙げたうえで、金融危機が再び起きないようにする仕組みを作ることが大事だと指摘した。 また谷垣氏は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝で冷え込む中国との関係について触れ、「首脳同士の外交が基本的に大事だ。よく考える必要がある」と首相を批判。これに対し、安倍氏は「靖国神社に参拝するからといって首脳会談をしないという姿勢がいいのか。決していい関係ではない」と反論するなど、両者の違いが際立った。外交姿勢についても、安倍、与謝野両氏が日米同盟の重要性を唱える一方、谷垣氏は中国などアジア外交を重視する考えを強調した。 このほか、安倍氏は「キーワードはイノベーションとオープン」とした上で「憲法改正についてしっかりと議論したい。私たちの世代に残された大きな宿題だろう」と改憲への積極姿勢を明示。谷垣氏は首相が進める構造改革について「弱肉強食の社会に、格差の多い社会になるという心配が少し起こっている。国と国民が信頼の絆(きずな)で結ばれる国を目指す」と格差の是正に取り組む考えを示した。 一方、麻生氏は「元気なシルバーという人たちと共生できる日本にしたい」とした上で「教育は主にしつけの部分で駄目になった。義務教育を2~3年低年齢化させ、幼児からの義務教育で直していく」と教育改革の必要性を唱えた。今後のブロック大会の日程8月5日近畿ブロック8月22日南・北関東ブロック8月22日南・北関東ブロック8月26日北陸信越ブロック8月31日北海道ブロック9月1日中国ブロック9月2日四国ブロック9月3日東北ブロック9月4日九州ブロック9月5日東海ブロック
2006.07.28
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7月28日に開かれる自民党総裁選の東京ブロックの大会では、小泉首相の後継候補と目される安倍官房長官と谷垣財務相、与謝野金融・経済財政担当相が出席し、「新しい国造り」などをテーマに討論会を行う予定。海外出張と重なる麻生外相は、ビデオメッセージを送ることも検討しており、総裁選の前哨戦が始まる。 これに合わせ、安倍官房長官を支持する議員らがつくる再チャレンジ支援議員連盟は、自民党本部に東京都議会議員を集めて会合を開き、安倍氏が「再チャレンジができる社会作り」について講演する予定。この議員連盟では、その後も全国各地で総裁選で投票権を持つ党員などを集めて会合を開き、安倍氏に対する支持の拡大を目指す。 一方、世論調査で安倍氏に次ぐ支持を得ている福田元官房長官は、討論会に出席するよう要請を受けていたが、すでに欠席する意向を伝えている。福田氏をめぐっては、党内の情勢をぎりぎりまで見極めて、総裁選挙への対応を決めることになるという見方が強まっており、この時期のブロック大会出席は得策でないという判断があったものと見られ、安倍氏とは対応が分かれる見通し。
2006.07.16
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自民党二階グループ会長の二階俊博経済産業相は7月15日、静岡県小山町での同グループ研修会で講演し、総裁選への対応について「総裁候補の政策などを勉強し、ポスト小泉がどうあるべきかを考えたい」と述べ、総裁候補の正式な出馬表明を受けて慎重に見極める考えを示した。また所属する14人の国会議員が「まとまって行動することが理想だ」とグループの結束を呼びかけた。 二階氏は研修会後の記者会見で、8月上旬に発表するグループの総裁選向け政策提言では、地方と中小企業重視の経済政策などを盛り込む考えを示した。ただ、アジア外交については言及を避け、靖国問題などの争点化を回避する姿勢もにじませた。
2006.07.15
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自民党は6月28日、小泉純一郎首相(党総裁)の後継を選ぶ総裁選について、9月8日告示、同20日投票の日程を固めた。総裁選管理委員会が7月上旬に正式決定する運びだ。 新総裁は直ちに党3役人事などに着手、早ければ9月25日にも臨時国会を招集して、新首相を選出、組閣に取り組みたい考えだ。 総裁公選規程によると、任期満了前の10日以内に選挙を実施するよう定めており、9月20日から29日までが実施期間。今回は、首相が再選を果たした2003年9月と同じ日程で、選挙期間は12日間となる。 自民党は総裁選に先立ち、衆院比例代表ブロックごとの大会を主に8月下旬から9月初旬にかけて開き、ポスト小泉候補による討論を実施する方向だ。
2006.06.30
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自民党の武部勤幹事長は6月18日、フジテレビの番組に出演し、小泉純一郎首相の後継を選ぶ9月の自民党総裁選について、与謝野馨経済財政担当相や二階俊博経済産業相の名を挙げ「ダークホースになるかもしれない」と述べ、出馬の可能性があるとの認識を示した。 有力候補とされる安倍晋三官房長官、福田康夫元官房長官、麻生太郎外相、谷垣禎一財務相については「最もふさわしい方々」と論評。山崎拓前副総裁に関しては「キャリア、見識は抜群だ」と指摘した。 武部氏は、候補者が政権公約づくりに時間がかかるとして、総裁選の動きが本格化するのは8月中旬以降になるとの見通しを示した。
2006.06.18
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政府与党が6月18日までの今国会の会期を延長しない方針を固めたことで、小泉純一郎首相の後継を決める9月の自民党総裁選に向けた動きが一気に加速するに違いない。国民的な人気のある安倍晋三官房長官が5月24日に出馬の意向を事実上表明している。 総裁選をめぐっては、谷垣禎一財務相が既に立候補の意向を示し、麻生太郎外相も出馬の構え。「三一太福」の中では残る福田康夫元官房長官が出馬の意思を明確に表明しておらず、今後は福田氏の去就が焦点だ。 5月11日には河野太郎法務副大臣が出馬を目指す意向を表明した。さらに、与謝野馨金融経済財政担当相の名前も取りざたされており、戦いの構図は確定していない。安倍、福田両氏の森派同士による「同門対決」の可能性もあり得る。 国会閉幕直後、出馬を正式に表明していない「三一太福」をはじめとする人物らは相次いで表明する可能性がある。注意深く見守りたいものだ。
2006.06.01
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小泉純一郎首相は5月18日,首相官邸で記者団に対し,9月の自民党総裁選の実施時期の前倒しを否定した。これにより,総裁選は9月20日(水)に実施される可能性が高くなった。 また小泉首相は,自らが支援する候補者については「改革を継承し,総裁選に勝てる人物」とした。さらに,支援する候補者を表明することは「後継指名」ではないかとの質問に対しては「後継指名ではない。自分も一票持っているのだから」と否定した。 総裁選まで約4ヵ月。今後の行方に,一層注視したいものだ。
2006.05.18
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自民党総裁選をめぐる動きが徐々に本格化している。総裁として小泉純一郎首相に残された任期は残り4カ月余り。後継者争いが白熱化するのも当然だが、肝心の政策論争が聞こえてこないように感じる。 後継者レースには安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相、福田康夫元官房長官の「三一太福」が有力候補として目されている。 しかし、麻生、谷垣両氏は小派閥に所属し、立候補に必要な推薦人20人確保のめどが未だに見えてこない。いきおい党内最大派閥の森派をバックにした福田、安倍両氏の動向が焦点になる。 森派会長の森喜朗前首相が5月11日の派閥総会で派として、あえて候補者の一本化を行わない意向を明らかにしたのも「同門対決」が現実味を帯びつつあるからであろう。 確かに小泉首相が「本人が出たいというのを止める方法はない」と指摘する通り、派閥単位の総裁選は時代を逆行させるだけだ。その点では、4氏に先駆けて総裁選に出馬の意向を表明した河野太郎衆院議員の決断は評価すべきではないだろうか。 森氏は一本化調整断念について「森派が古いというイメージをつくられるのは許せない」と述べるなど、基本的に派閥の利益を優先させる思惑から抜け出せていないのではないか。 問題の本質は候補者を一本化すべきかどうかにあるのではなく、5年を超える長期政権を担った小泉首相の後継者像をめぐる議論が欠落しているところにある。 小泉首相が推進した構造改革は長く日本経済の足かせになってきた金融機関の不良債権処理に区切りをつけ、景気も浮揚させた。その一方で、さまざまな格差を生んだ。こうした格差社会に対する処方せんもポスト小泉候補の重要課題になる。 外交面でも、対米重視というよりはむしろ極端に米国に傾斜した小泉路線の修正をめぐる議論は避けて通れない。 小泉首相の靖国神社参拝に起因する中韓両国との関係悪化をどう是正するか。長期政権が残した課題は多岐にわたり、しかもどれもが国家の将来に直結する重要な課題ばかりである。 現在訪米中の福田氏はワシントンでチェイニー副大統領、ライス国務長官、ラムズフェルド国防長官と会談し、立候補への意欲をにじませるが、こうした課題について胸襟を開いて本音を語ることを避けているように見える。「結局、福田氏は立候補しないのではないか」との憶測が消えないのも、こうした問題に踏み込もうとしないからだ。 これは福田氏だけではない。安倍、谷垣、麻生の3氏も同様だ。東アジア外交の立て直し、財政再建、憲法改正などめじろ押しの重要課題にどう立ち向かうのか。 4氏とも明確な政策が聞こえてこない。いつまでも「国会開会中は発言は差し控える」という建前論を繰り返しているだけでいいのか。百害あって一利なしだ。 立候補の意欲がある政治家は一刻も早く自らの意思を明確にすべきだし、9月の総裁選までの残された時間の中で徹底した政策論争をすべきだ。
2006.05.12
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自民党森派会長の森前首相は5月11日午前の派閥総会で、9月の自民党総裁選で安倍官房長官と福田康夫元官房長官の2人の候補がいることについて「私は一本化をしようなんて気持ちはない」と述べ、自ら一本化調整に乗り出すことはしない考えを表明した。同派には世論調査で上位を占める安倍官房長官、福田康夫元官房長官の2人の総裁候補がいるが、「派閥主導」との批判を避け、派内の亀裂を最小限に抑える狙いがありそうだ。 森氏はこれまで「2人出たら、みんなが困る。そうなったら、私はクビになる」と言ったことは認めながらも、「一本化したいと言ったことはいっぺんもない」と強調した。派閥主導での調整が批判を浴びかねないことを意識し、「古いのは森派だというイメージを出されるのはたまらない」と語った。 総裁選への対応については「福田氏は去年まで『迷惑なことだ』と言っていたが、今年は言わなくなった。少し変わってきたのかなと思う」と述べ、福田氏に意欲が出てきたとの見方を示した。「私は福田氏だと言ったことはない」としながらも、「(中川秀直)政調会長は安倍氏(を支持)と見られている。だから、少しこちらに傾いておかないといけないと思っている」と語り、福田氏支持をにじませた。 一方、安倍氏支持を公言している同派の山本一太参院議員については「もう少し冷静にしてほしい。今日はレッドカードを出しておく」と述べ、安倍氏支持発言を控えるようクギを刺した。 森氏としては、国民的人気がなお高い首相が派閥の一本化調整を「古い自民党」の象徴と批判する中、派閥主導で一本化を決める印象を与えるのはマイナスとの判断がある。ただ、総会では「複数の人が出て争えば、清和会(森派)のメンバーの間に感情的な溝や傷ができるし、清和会を割りたいと思う周辺の人たちの思うつぼだ」と訴える方向で、当事者による話し合いで結束を維持するよう訴える模様。
2006.05.11
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河野太郎法務副大臣は5月11日に記者会見し、9月の総裁選について「政策で戦うべきだと考えている。年金制度と教育の改革を掲げ、名乗りを上げたい」と述べ、出馬を目指す意向を表明した。党内の若手を中心に支持を呼び掛ける予定だが、立候補に必要な推薦人20人を確保するめどは立っておらず、出馬までこぎつけるのは厳しい情勢だ。 河野氏は所属する同党旧河野派の鈴木恒夫事務総長と、同じく出馬に意欲を示す同派の麻生太郎外相に立候補を目指す考えを既に伝達。「小さな政府」の実現と年金制度改革などを掲げ「政策本位で総裁選を戦う」と語った。 さらに河野氏は「派閥がこれだけ公の役割を果たしている政党を近代的政党と呼べるのか。党の体質を変えなければいけない」と指摘し「派閥を通じた人事、ポストの分配をやめる」と強調した。ただ自らが所属する旧河野派からの退会は否定した。 昨年12月にも河野氏は総裁選への予備選導入を検討する若手の記者会見で「推薦人20人の立候補要件がなくなれば、私も総裁選に出ようと思う」と意欲を表明していた。ただ党内では「総裁選を盛り上げるためのパフォーマンスではないか」との見方も出ている。 河野氏は、自民党が野党だった時代に自民党総裁を務めていた河野洋平元外相の息子だ。43歳というのはかなり若いが、閣僚経験すらない河野氏が、総裁にまで登りつめることは、到底無理だろう。まずは同じ派閥に属す麻生外相を支援すべきではないだろうか。
2006.05.11
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自民党総裁選は、「三一太福」の4氏が連休明けまでにそろって立候補への意欲を示し、9月の本番に向け事実上の中盤戦に突入する。小泉純一郎首相の「意中の人」と目される安倍晋三官房長官には、首相がこれまで以上に踏み込んだ言動で援護を印象づける一方、福田康夫氏は5月10日から訪米するなど活発な議員外交で存在感を演出する。「安福」両氏を軸とする対決構図が強まる中、終盤国会は会期延長問題も総裁選の進め方に影響する複雑な展開になる。《首相後押し環境整備……安倍氏》 「派閥は、かつてのように強烈な領袖がいて、一致結束、乱れなく進む性格ではなくなっている。小泉政権5年を経た後の総裁選は大きく変わっている」 安倍氏は8日の記者会見で、首相が訪問先のアフリカで記者団に対し、森派による安倍、福田両氏の候補一本化調整を否定したことに、賛意を示した。 派閥次元の調整を否定した首相発言は、表向きは安倍、福田両氏による一騎打ちを奨励したようにも取れる。しかし、実際に森派内で調整が行われれば、福田氏で一本化が進み、安倍氏は温存されるとみる向きは多い。「チャンスはそう来ない。逃げたらだめだ」と安倍氏に出馬を促してきた首相は今回の発言で、より「安倍後継」の意図を鮮明にしたものとみられる。首相の応援団、武部勤幹事長も8日の記者会見で「一つの派閥から1人しか立候補できないという狭い自民党ではない」と述べ、後押しした。 首相の後ろ盾を意識しつつ安倍氏が取る姿勢は、小泉内閣を国会閉幕まで支えつつ、意欲を発信し続けることだ。先月のインタビューでは「困難な問題があるから、やめておくという判断をする政治家はトップの指導者になる資質に欠ける」と語った。各種世論調査で人気が高いだけに、名乗りを上げれば派閥を超えた支持が期待できる強みは変わらない。 ただ、首相の靖国神社参拝問題や、所得格差の拡大問題など、小泉政権批判がそのまま安倍氏批判に連動することが、懸念材料として残る。安倍氏はインタビューで「参拝すると宣言するつもりはない」と述べ、参拝を公約にしない考えを表明。首相も「次期首相にとっても心の問題。人から指示される問題じゃない」と語るなど、両氏の最近の言動を「靖国問題が安倍氏の『障害』とならないための連携」(党幹部)とみる向きもある。格差社会についても「再チャレンジ推進会議」を主導するなど、批判回避の布石を打ちつつある。《活発外交で存在感……福田氏》 一方、福田氏。5月10日から約1週間の日程で訪米し、旧知のベーカー前駐日大使や米連邦議員と交流する。この連休には中東を訪問。ヨルダンでは各国の大統領・首相経験者らによるOBサミットにも参加、中国の銭其シン前副首相らと会談した。 福田氏は先月末の講演で、父・故赳夫元首相が提唱した東南アジア外交指針「福田ドクトリン」を発展させた新ドクトリン策定を打ち出した。OBサミットも元首相ゆかりの会合で、亡父の足跡をたどりながら存在感を示すかのようだ。今回の訪米は森派内で、「得意のアジア外交に加え、米国とも深い関係があることをアピールした」と受け止められている。 山崎拓前副総裁、加藤紘一元幹事長ら他派閥からの待望論が元々強かったが、ある当選1回の議員は「同僚議員の間でも『若い安倍氏よりも安定したベテランが望ましい』との声が急速に増えた」と語る。 しかし、首相が森派による一本化調整を否定したことは、安倍氏を除く有力3氏に微妙な影響を与えている。安倍氏が立候補に踏み切った場合、福田氏があえて出馬するかどうかは流動的。派内では「安倍氏が立候補するなら森派を守るために自らは身を引くのではないか」(幹部)との見方も根強い。首相発言を受け、一本化に意欲を示していた森喜朗前首相がどう出るかに、派内の関心は集中している。 麻生太郎外相、谷垣禎一財務相にとっても、首相発言は無視できない。首相発言の結果、安倍氏が立候補する公算が大きくなったとみているため。少数派閥に所属する麻生、谷垣両氏にとって、超派閥的な支持を集め得る安倍氏は脅威だ。麻生氏が所属する河野派は6月12日、谷垣派は5月15日にパーティーを開くが、どこまで踏み込んで立候補の意思や政権構想を公表するか、慎重に情勢を見極める考え。 とは言え、麻生氏が今月初め外遊先のワシントンで小泉改革批判に言及、谷垣氏も立候補への「覚悟」を派閥の会合で表明するなど、両氏とも引くに引けない状況にあることも事実だ。《国会会期延長問題……進め方にも影響》 6月18日の会期末を控え、火種となりそうなのが会期延長問題。首相はアフリカで記者団に延長に含みを持たせたが、総裁選の進め方にも影響しかねず、駆け引きが激しさを増しそうだ。 首相は8日、首相官邸で武部氏と会い、総裁選前に衆院比例代表ブロックごとに大会を開き、首相候補の演説会を設けるという武部氏の提案を改めて支持、具体化を促した。党規定に沿いつつ「国民参加型」の総裁選を進めるのが狙いで、人気の高い安倍氏に有利になるとみられている。 そこに絡むのが、会期延長問題。ブロック大会は国会閉幕後を想定するが延長次第では準備期間がなくなり、実現が危ぶまれるためだ。与党内には教育基本法改正案の今国会成立のための延長論がくすぶっており、小泉首相も8日、国会内で自民党の青木幹雄参院議員会長と会い、延長問題について「あんまり考えないでやってもらいたい」と述べ、あえて完全否定しなかった。 しかし、延長に踏み切るにしても、延長幅によって総裁選日程への影響は微妙に変わる。公明党幹部は「延長したとしても最小限だろう」と語り、首相は小幅延長による改正案成立の道を探るとの見方を示唆した。
2006.05.08
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自民党の加藤紘一元幹事長は4月25日、都内で開かれた共同通信社の「きさらぎ会」で講演し、衆院千葉7区補選での自民党敗北に関し「来年の参院選は風頼みの選挙をしてはいけない。政策を議論しながら進まないと、かなり厳しい選挙結果を覚悟しなければならない」と執行部に苦言を呈した。 さらに加藤氏は、昨年の衆院選で自民党が大勝したことへの反動を想定し「大きな流れは自民党に厳しい。千葉7区もその1つだった」と強調した。 9月の自民党総裁選の争点として、対アジア外交と格差社会問題を挙げた上で、「アジア外交がつまずいたのは歴史認識(の問題)に尽きる。歴史の総括をしないと日本はしっかりとした歩みができない」と指摘。「教育基本法改正や憲法改正で意見がまとまらないのは、先の戦争の総括をしてこなかった日本の弱さだ」と述べた。
2006.04.25
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自民党の山崎拓前副総裁は4月6日夜,昨年の衆院選で初当選した新人議員と都内の中国料理店で会食した。その中で山崎氏は9月の自民党総裁選に触れ「森派から安倍晋三官房長官と福田康夫元官房長官の2人が出馬することはないだろう。1つの派閥から2人の候補が出馬すれば派閥が割れてしまう」と指摘した。 会合に参加したのは地方議員出身者でつくる「無名会」のメンバー約10人。山崎氏は「新人は小泉バブルで当選した。自分の力で次の選挙に当選すれば本物だ」と激励した。 確かに私も,安倍氏と福田氏の2人が出馬すれば森派が分裂してしまうため,そのようなことはないと思う。ただ,両者とも意欲があることは,これまでの発言から考えればほぼ間違いない。今後の森派の課題は,候補者をいかに一本化するかということであろう。
2006.04.06
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自民党の族議員を「抵抗勢力」と見立て,対決姿勢をアピールして国民の支持を得る。──小泉純一郎首相が就任してまもなく5年を迎えるが,長期政権を維持してきた背景には,郵政事業や建設業界など自民党の強固な支持組織,それに支えられた議員との「対立劇」を演出してきたことが挙げられるのではないだろうか。 ハンセン病訴訟の控訴断念や電撃的な北朝鮮訪問など「サプライズ(驚き)」も繰り出し,支持率をアップしてきた。果たして後継首相はこうした手法を踏襲できるのか。9月の自民党総裁選に向けた「ポスト小泉」レースにおいては,候補者の政治手法にも注目が集まる。 小渕恵三首相(当時)の急病を受けて就任した前任の森喜朗首相は,自民党内の「密室調整」で決まったと指摘され,空前の低支持率に泣いた。小泉首相が就任直後から打ち出した「脱派閥」や「官邸主導」は旧来の自民党的政治を突き崩す手法だった。 党内合意を重視する調整では,時間がかかる上に「足して2で割る結論で,タイムリーな政策にならないと指摘されている。
2006.04.01
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自民党の旧宮沢派(宏池会)の流れをくむ丹羽・古賀,谷垣,旧河野各派の議員を中心とする「アジア戦略研究会」が3月15日,都内で設立総会を開いた。 9月の総裁選をにらみ3派の連携を模索する動きだが,「ポスト小泉」をうかがう谷垣禎一財務相は谷垣派会長,麻生太郎外相は旧河野派に所属しており,3派の連携が実現するか定かではない。 総会には,無派閥の新人議員も含め41名が出席。「対米偏重」と指摘される小泉純一郎首相の外交路線に批判的な宮沢喜一元首相と河野洋平衆院議長もゲストで参加した。
2006.03.15
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自民党の中川秀直政調会長は3月14日,訪問先のオーストラリア・ホバート市内で同行記者団と懇談した。その中で中川氏は自民党総裁選に関し「いま『若さより経験』という議論が出ているが,年齢は対立軸ではない」と述べ,「ポスト小泉」の有力候補の中で最も若い安倍晋三官房長官を牽制する党内の動きに対抗し,安倍氏を擁護した。 さらに中川氏は「国内が『親中』『反中』で割れるのは日本の国益にならない」と述べ,総裁選においては靖国神社参拝問題を争点にすべきでないとの認識を示唆した。 同時に,ロシアで7月中旬に開かれる主要国(G8)首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)に触れ「ポスト小泉の議論はサミット後で,今は時期尚早だ」と述べ,後継レースが本格化するのは7月中旬以降との見通しを示した。
2006.03.14
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森喜朗前首相は3月12日のテレビ朝日番組において,9月に自民党総裁任期が切れる小泉純一郎首相の後継問題に関し,安倍晋三官房長官の「温存論」を重ねて披露する一方で,安倍氏が首相になった場合,日中関係に配慮して靖国神社参拝を控えるとの見方を示した。 小泉首相の靖国参拝で冷却化している日中関係に絡んで「小泉首相と同じことをやる安倍さんは危険だと考えるからいけない。私は(参拝は)やらないと思う。時と条件と場所をよく判断されると思う」と指摘した。 日本世論調査会が実施した調査で「次期首相にふさわしい人」として,安倍氏に次いで福田康夫元官房長官の名が挙がったことに言及し「本人は『やらない』と言っているのになぜ2番手になるのか,よく考える必要がある。世間・経済人に期待している人が多い」と述べ,待望論があることを強調した。
2006.03.12
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自民党の中川秀直政調会長は3月3日,日本記者クラブで講演し,小泉政権後の次期政権について「短期では困る。2期6年をやれるような政権が必要だ」と述べ,改革路線を堅持した本格政権が望ましいとの認識を示唆した。「ポスト小泉」として国民的人気が高い安倍晋三官房長官を支持する考えをにじませた発言だ。 さらに中川氏は,9月の党総裁選に関して「最終的には民意の判断が大きく影響してポスト小泉が決まる」と指摘。「来年には参院選があり,2009年までに衆院選もある。それを乗り越えていける政権でなければならない。小泉純一郎首相並みの50%前後の内閣支持率が必要だ」と強調した。
2006.03.03
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平成18年度予算案が3月2日,衆院を通過し年度内成立が確定したことを受け,自民党総裁である小泉純一郎首相の後継を狙う安倍晋三官房長官,谷垣禎一財務相,麻生太郎外相の3人は,支持議員による政権構想づくりなど9月の党総裁選の出馬準備に入った。 民主党が「送金指示」メール問題で大きなダメージを負ったことから,自民党は今国会乗り切りに自信を示しており,党内で総裁選に向けた多数派工作などが次第に本格化していくのは確実。 ただ,3氏とも現職閣僚のため,国会終了後に出馬を最終判断する見通しで,待望論が根強い福田康夫元官房長官の動きも含め,戦いの構図が固まるのは夏ごろの方向だ。
2006.03.02
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韓国の潘基文(パン・ギムン)外交通商相は1月16日,小泉首相の後継首相が靖国神社参拝を続けた場合の日韓首脳会談の実現について「歴史認識問題の解決なくしては韓日関係の発展は難しい。停滞関係が解消されにくいのではないか。大変懸念している」と述べ,会談開催は難しいとの認識を示唆した。日韓記者交流で訪れた日本人記者団に対し,ソウル市内の同省で語った。 潘氏は,歴史問題について「靖国」「歴史教科書」「竹島(韓国名・独島(トクト))」を挙げ,「3つを解決するカギは,すべて日本側が持っている」と主張。そのうえで「小泉首相あるいは後継の指導者が参拝しなければ解決できる」「正しく歴史を教えてくれれば済む」「日本国内で(竹島問題を)取り上げなければ解決できる」と述べた。 日本政府の来年度予算案に調査費が盛り込まれなかった国立追悼施設については「解決の一つの方策と考えていた」とする一方,「日本の国内問題なので意見を述べる立場にない」と語った。
2006.01.16
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あけましておめでとうございます。本年も引き続き「三一太福」をご愛顧くださいますよう,心からお願い申し上げます。 平成18年元旦 管理者/テールナウ さて,ついに自民党総裁選の年に突入した。今年の9月に総裁選が実施されるため,小泉政権もあと9ヶ月を切ったことになる。小泉首相は残された任期で改革を加速させていく構えだ。ぜひ,思い切った改革に挑んでいってほしい。 来年の今頃にはもうすでに首相が交代していることを考えると,本当にいよいよだという思いが募ってくる。マスコミで言われているいわゆる「ポスト小泉」と目される人々の今年の動きに,ぜひ皆さんも注目していてほしい。国民の一員として…。
2006.01.01
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今日はクリスマスだが私にとっては縁が遠い祝祭だ。欧米諸国ではこの日は祝日だが,我が国ではキリスト教徒よりも仏教徒の多いためか休日ではない。今年は偶然にも日曜日に重なったが…。 さて,そんなクリスマスの今日でも,やはり私が語ることといえば「政治」だろう。特に政界ではクリスマスどころではない。昨日は2006年度予算の政府案が決定したが,それで一息ついていてはいけない。小泉首相も「浮かれている状況じゃないでしょう」と述べており,緊張感が伝わる。 今日は,午前9時からNHKテレビで放送された番組「日曜討論」を視聴した。ゲストに宮澤喜一元首相(86)を招き,今年の日本政治を中心に語ってもらっていた。 その中で宮澤元首相はポスト小泉の話題に関し,リーダーの条件について「党内がバラバラにならないように束ねていくことが重要」と述べた。さらに,消費税引き上げの問題や2007年の参議院選挙などを控えているため,次の総裁は「よほどの覚悟が必要」と忠告した。 私も同感だ。山積する課題を先頭に立って乗り越えていける人物こそ,真の求められるリーダーだと思う。よってそれなりの実績のある人物が次の総裁・首相にはふさわしいだろう。くれぐれも「人気」だけで判断してしまわないように。
2005.12.25
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