東京国立博物館に行ってきました


特別展「ほほえみの御仏」があり、日韓2体の半跏思惟像が展示されていました。
特に大好きな中宮寺の弥勒菩薩様のほほえみに触れるのが第一の目的。
そのほほえみを第5展示室で拝見した後は国立博物館本館の展示を鑑賞しました。
館内は広々としていて心地よく、豊富な展示品の中には心奪われたものも多かったです。
撮影可能なものもありましたので、印象に残ったものをいくつかご紹介したいと思います。
日本の美術が展示されているのはロビーからの続く広い大理石の階段を上がった本館2階。
第1展示室から第10展示室まで縄文から江戸時代の日本美術の流れが見られます。
はにわの他に土偶や銅鐸などの展示も数多いです。
進んでいくと特別展示室には
日伊国交樹立150周年を記念して「伊東マンショ」の肖像画が特別公開されていました。
この肖像画は今回世界で初めて公開されたとのことで
伊東マンショ(1569~1612)が16歳の頃の肖像。
1585年に日本の使節団がヴェネツィアを訪れた時描かれたもの。
ヤコボ・ティントレットが制作をはじめ、息子のドメニコが仕上げたとみられるそうです。
同じブースにはイタリア人宣教師ジョヴァンニ・パティスタ・シドッチが携行していた
聖母像(親指のマリア)も展示されていました。
17世紀後半の作で長崎奉行所が所蔵していたものだそうです。
そのころの使節団の中にはマンショのように若く熱意を持った若者も多かったのでしょうか。
はるかイタリア、そしてまだ見ぬ世界に思いをはせて長い航海を乗り切り
世界を知ろうとした若い人々の情熱が絵から滲み出てくるようでした。
部屋を進むと暮らしの調度品、能、歌舞伎や狂言の面や衣装と続きます。
浮世絵と衣装のコーナーでは帯やかんざし、江戸時代のトータルファッションが見られました。
特に小袖、単衣、腰巻などの刺繍やデザインの豪華さや繊細さにはびっくりしました。
こちらは夏に武家女性が帷子に帯をしめた上に
両肩を脱いで腰下に巻くように着用したという腰巻の一部です。
黒(または黒紅)の練緯地に美しい刺繍が施され
その緻密で優美な文様はとても印象的でいつまでもみていられそうです。
脱いだ両袖が翼のように背後に広がる独特の着装は
当時のハイファッションだったに違いありません。
浮世絵も数々展示されていましたが北斎ののモダンな錦絵にも目を奪われました。
題は「芍薬 カナアリ」です。
咲き誇る芍薬に降り立つカナリアの羽音が聞こえ、その起こす風に花が揺らいでいるようです。
2階にはこのほかにも立ち止まってしまう展示は数々あり、
1室から10室までテーマに沿った展示がされていて時間を忘れてしまいました。
1階は江戸時代以前の美術品とアイヌと沖縄の展示です。
ホールから入ったすぐの11室におわした優美な仏様には魅了されてしまいました。
この菩薩立像には参りました。
入室途端ぐっと見据えられたように感じ、思わずたじろぐほど。
衣や装身具も木から彫られたものであるとは思えぬほど繊細で流れるようです。
目は水晶をはめた玉眼で肌は金粉に漆を混ぜた金泥で塗られ、
仏が生きてこの世にあらわれたように見えるよう作られているとのことでした。
この奥左右には数体の仏と神像、
奥には三十三間堂の十一面観音3体も展示されていて見ごたえがありました。
続いて漆工、金工、刀剣、陶磁器、根付などの展示室が続きます。


国宝、重要文化財も多く含まれる展示はローテーションが組まれていて
しばらくの期間をおいて変わっていくとのことでした。
展示物の中には撮影禁止のものもありましたが、フラッシュなしならかなりのものが撮影可。
最後の18室では近代の美術もみられ本館だけでも充実した文化財を鑑賞できました。
博物館にいると今いる時間と空間を離れ、いにしえ人の残した物を手繰り綱として
時間をさかのぼって遥か昔に飛んでいけるようで心ときめきます。
国立博物館と言っても一つの建物だけではなく、
本館の他に「平成館(石器時代から近代までの日本の考古)」
美しいドーム屋根の「表慶館」は展示準備中でしたが
東洋美術を巡る旅をコンセプトにした展示の「東洋館」
黒田清輝の遺言によって作られた「黒田記念館」
その他にも「法隆寺宝物館」「資料館」がありました。
1日で全て見て回るとしたら時間が足らず消化不良になりそうです。
本館の北側には庭園もあり見えているものを含め5つのお茶室がありました。
庭園内のお茶室は茶会や句会にも利用できるようです。
庭園は春には3月15日から4月17日、
秋は10月25日から12月4日まで開放され自由に散策できるとのことです。
庭園も含め、各館の展示別にボランティアによるガイドツアーが組まれているものも。
申し込みは当日予約、その後指定の時間にツアーに参加するシステムです。
特別展を除きほとんどが620円で見られるのですが、全て回るのには体力も必要です。
秋には滋賀の擽野寺(らくやじ)の平安仏20体が展示される特別展があるとのこと。
本尊の秘宝十一面観音は3mの迫力のあるお姿とか。
ぜひ拝観しに来たいと思います。
夕食を済ませた後は新宿ゴールデン街へ
昔よく通ったお店は変わらずそこにあり、マスターも元気でした。
「年取ったなぁ」「お互い様よ」と笑いあい、
ここでもしばし、日常を離れてのタイムトリップを楽しみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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