MATRIX7

MATRIX7

2009.07.17
XML
カテゴリ: モータースポーツ
 ドイツGPで6位に終わったバリチェロは、チームの作戦やピットクルーのミスを強く批判している。ロス・ブラウンが軽く受け流したので、騒動にはならなかったけれど、規律の厳しいマクラーレンやウィリアムズでやったら、処分は免れない。確かに3ストップ作戦や給油のミスなどは、トップチームにはふさわしくない出来事だろう。勝負には強くても、資金力のないプライベートチームの弱さをブラウンGPは抱えている。
 レッドブルのバージョンアップは画期的なものだった。これまでのマシンはタイヤに厳しく、これがレースで敗北する要因になってきた。タイヤが磨耗すると極端に操縦性が低下して、ブラウンを追撃できない。それを改善するには、空力システムの抜本的な改革しかなかった。英国GPに登場した改良型マシンは、ハードタイヤでもグリップが高いという革新的なものになっていた。フェラーリやマクラーレンはすでに来年度型に重心を移しているから、進歩に限界がある。ブラウンGPは資金力に限度があり、大物スポンサーでも発見しない限り、金のかかるマシンの改良は難しい。これらの運も味方して、レッドブルはトップの速さを手にしている。
 ロス・ブラウンはハードタイヤの走行距離を減らすために、ドイツでは3ストップ作戦を選択することにした。ソフトタイヤはグリップが優れているけれど、磨耗しやすい。これで長距離を走ることには無理があるので、ソフトーソフトーソフトーハードとつないで、軽いタンクでタイムを稼ぐ作戦を立てたのである。ところが、レッドブルは重い燃料を搭載しているのに速い。燃料を軽くして先行するというブラウンの作戦は瓦解し、ピット回数が1回多いという負担だけが残った。こうなるとチームに焦りが生まれ、3ストップから2ストップにする作戦の切り替えがうまく機能しなかったた。無線の不調で事情を察知できなかったバリチェロは暴発するしかなかったのである。
 ブラウンも新設計の空力パーツを投入するという。これでマシンの速さが復活しないと相当やばくなる。レッドブルに前に行かれたら、誰も追いつけない。予選でポールをとることが重要になるけれど、ガソリンを軽くする作戦はドイツで破綻している。天才と呼ばれるエイドリアン・ニューイはただ者ではないことも実感させられた。たとえレッドブルに負けても、3位と4位を確保して、ポイント差の接近を防ぐしかない。バトンがチャンピオンになるチャンスは二度とないかもしれないから、今年度に賭けるしかない。それにはマシンの進化が欠かせないので資金が必要になる。はたして、ブラウンは大物スポンサーと契約できるのだろうか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.07.18 09:29:51
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: