MATRIX7

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2010.05.10
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カテゴリ: モータースポーツ
 開幕戦からスペインまで、かなりの日数がたっている。かなりの改良がおこなわれているけれど、レッドブルの進化に及んでいない。フェラーリも、マクラーレンも速くはなってきているが、空が晴れるとレッドブルの敵ではなくなる。タイヤ交換に手間取るというベッテルのトラブルだけが、順位の変動を引き起こす要因にしかならなかった。開幕からの数十日間に行われた設計変更は、レッドブルの優位を覆すほどの成果を得られていない。
 予選は、ガソリンを必要分だけ搭載して行われる。コンマ1秒のタイムを競っているので、過剰な重量は走行の邪魔になるという考えによっている。土曜日の予選用に仕上げたマシンに、日曜日に150キロものガソリンを搭載するというのは、誤った考えになる。これでは重量バランスが崩れて、操縦性が大幅に悪化してしまう。軽さを追求したF1マシンに過剰な重量を背負わせると、まともに戦うことができなくなる。それは、重量変動に強いというレッドブルマシンの構造にプラスに働く。
 FIAは、決勝の前にF1マシンのセットアップ変更を認めるべきだろう。そうすれば、少しは操縦性が向上して、レースを戦いやすくなる。カタローニャの追い越しの難しいコースでは、予選で先行することが大きなメリットになる。どのチームも予選に合わせてギリギリのセットアップする。そこに、150キロものガソリンを注入するのだから、バランスが崩れてしまう。唯一の解決策は、決勝前に細かいセットアップ変更を認めるしかないのに、FIAは方針を曲げない。
 波乱要素はもう一つある。ハミルトンにタイヤトラブルが出たことで、タイヤ交換作戦は練り直しを迫られている。トップのウェバーを追撃していたハミルトンのタイヤがバーストしたのでは、敵に塩を送ることになる。タイヤ交換のためにピットに入ると、かなりのタイムをロスする。無理を承知で走り続けるしかない。弱いほうが無理をして自滅するというのは、レースの法則だろう。
 耐久レース走りを続けてきたアロンソが2位に届いて、存在感を示した。晴天レースは、マシンの性能とドライバーの腕と作戦の成否が結果を大きく左右する。それでも、空が晴れてしまうと、レッドブルに対抗できるライバルは消えてしまう。エクレストンが雨乞いするのも当然だろう。
 まともに戦えるF1マシンを持つのは、レッドブル、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスの4チームになる。それ以外は、我慢して完走を狙うしかない。ポイントは上位10台のマシンに与えられるから、腕と度胸さえあれば、スーティルのように稼ぐことができる。トラブル続きだったザウバーの小林が、スペインで完走できた意味は大きい。マシンの信頼性が少し復活してきている。ライバルはルノー、Fインディア、トロ・ロッソレベルなので、すべたが問題を抱えているから、予選をQ3まで進んで決勝に耐えれば、小林にも少し希望が出てくる。





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Last updated  2010.05.10 08:01:14
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