MATRIX7

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2010.07.09
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カテゴリ: モータースポーツ
 米国に潜入して、諜報活動を行っていたロシア人組織が逮捕された。その中で目立っていたのは、美人スパイの存在だった。これほど露骨にロシア諜報活動の狙いが鮮明だった事件もない。米国のような自由主義の国では、ほとんどの情報は手に入れられる。しかし、国防省や国務省の機密情報を手に入れることは難しく、何重もの壁に閉ざされている。そこで、ロシア美人スパイの登場になる。肉体の美しさを武器にして、国家機密情報を手に入れるという諜報機関の常とう手段だろう。
 ロシアの情報機関は、冷戦が消滅した時代になると、組織の存在価値を証明しなくてはならないなった。自由に入手できる情報を分析しているのでは、研究機関と変わりない。諜報員を米国や欧州に送り込み、普通の方法では手に入らない機密を手に入れることが、ロシア諜報機関の存在価値を高める。プーチン首相などにしても、ロシア外務省から手に入れられない情報を知ることができるのならば、諜報機関の予算を認めるだろう。プーチンはKGBのボスだった時代もあるのだから、諜報活動の意味を熟知している。
 米国政府がせっかく捕らえた10人のスパイを追放処分にしたことは、政治的思惑からの行動だろう。冷戦時代に逆戻りする愚かさは避けねばならない。といって、FBIが探知してスパイ組織を放置できない。危険の芽は摘み取らねばならないが、ロシアとの外交関係が悪化することは避けたい。そこで、スパイ交換に踏み切ることになった。機密情報を海外に流して逮捕されている人間は多数存在する。そのなかで、米国政府に有用な者のリストを提出する。スパイ罪や反逆罪は重罪なので、交換によって救出できるならば安い。
 諜報活動を行って逮捕されたものの救出を行うことは国家の義務になる。逮捕されたスパイを見殺しにすると、すべてを自白してしまう。そうなる前に、救出しなくてはならない。ロシア人が米国に出張して、どれだけの機密情報を集められるかには疑問が残る。昔風のやり方で現金の受け渡しをしたり、暗号で指示したりするなど時代錯誤的なロシア諜報組織は滅亡した。そういう時代錯誤的な方法論が認められるのも、クレムリンの特色だろう。





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Last updated  2010.07.09 16:05:24
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