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【米大統領選2024】 マスク氏、激戦ペンシルヴェニア州で毎日1人の有権者に100万ドル贈ると表明
https://www.bbc.com/japanese/articles/cp3wek5j28lo
BBC NEWS JAPAN より転載
イーロン・マスク氏
テクノロジー業界の大富豪イーロン・マスク氏が、米大統領選挙の重要激戦州となっているペンシルヴェニア州で、来月5日の投票日まで毎日1人の登録有権者に100万ドル(約1億5000万円)を贈ると表明した。
宝くじ形式で受け取り人が決まる最初の小切手は、19日夜に開かれた対話集会で、驚いた表情の参加者に贈られた。
合法性めぐり疑問の声
ただ、合法性をめぐって疑問の声が出ている。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)法科大学院教授で、選挙関連法に関する著名専門家のリック・ハセン氏は、マスク氏の金銭提供は「明らかに違法」だとの見解を、自らのブログで示した。
連邦法は、「有権者登録や投票のために、金銭の支払いや支払いの申し出をしたり、支払いを受けたりする」者について、罰金1万ドルまたは禁錮5年の刑に処される可能性があるとしている。
マスク氏は形式上、ペンシルヴェニア州の有権者に署名を求めているが、ハセン氏はこの方策の裏にある意図が問題だとしている。
「誰が請願書に署名できるのか? 激戦州の登録有権者だけだ。そのことがこれを違法にしている」
請願書は、言論の自由と銃所持の権利を支持すると誓う内容となっている。署名する人は、自らの連絡先情報を提供する必要があり、のちに「アメリカPAC」から連絡を受ける可能性がある。
マスク氏も「アメリカPAC」もコメントの求めにこれまでのところ応じていない。
別の金銭提供の取り組みも
選挙運動組織や政治活動委員会は、有権者情報の膨大なデータベースを作るために、請願書への署名活動、アンケートの依頼、関連商品購入者への接触などの方法を利用している。得られたデータは、有権者へのより効果的な働きかけや、すでに支持者となっている人々からの資金集めなどに使われる。
マスク氏は以前、激戦州の登録有権者を請願書に署名させれば、1人につき47ドル(約7000円)を署名させた人に提供すると発表していた。
この方策は、ハセン氏のような選挙資金の専門家らは批判的だが、法律的には抜け穴である可能性がある。トランプ候補の支持者を特定する取り組みに金銭が投入されているが、投票を目的として誰かに直接支払いがされているわけではないからだ。
アメリカでは、特定の候補者に投票させるためだけでなく、単に投票させるために、金銭を提供することも違法だ。
トランプ候補の主要支持者として
民主党候補のカマラ・ハリス副大統領を支持しているジョシュ・シャピロ・ペンシルヴェニア州知事は20日、NBCニュースの番組「ミート・ザ・プレス」で、マスク氏の方策を「深く懸念させる」ものだと発言。支払いについて取り締まり当局が調べるべきだと主張した。
マスク氏は近年、トランプ候補の主要支持者として目立っている。「アメリカPAC」は、トランプ候補の選挙運動を支援する目的で7月に設立した。
マスク氏はこれまでに「アメリカPAC」に7500万ドル(約112億円)を寄付している。この同団体は短期間のうちに、トランプ候補の選挙運動で中心的な役割を担うようになった。
トランプ陣営は、有権者への戸別訪問を「アメリカPAC」のような外部団体に大きく頼っている。
「アメリカPAC」のウェブサイトには、「国境の管理、安全な都市、賢明な支出、公正な司法制度、言論の自由、自己防衛の権利という重要な価値観を支えるために設立された」と書いてある。
マスク氏は、「激戦州の100万人以上、いや200万人以上の有権者に、憲法修正条項第1条と第2条を支持する請願書に署名してもらいたい」、「政治家らに重要なメッセージを送るものだと思う」と述べた。
米経済誌フォーブスによると、マスク氏は現在、世界一の富豪で、推定純資産は2480億ドル(約37兆円)。
今年の大統領選は、ペンシルヴェニアに加え、ジョージア、ネヴァダ、アリゾナ、ミシガン、ウィスコンシン、ノースカロライナの計七つの激戦州の行方が、全体の結果を決める可能性が高い。
(英語記事
Musk to give away $1m per day to Pennsylvania voters
)
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