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今日は先週見た裁判のことを書こう。交通事故の弁論(本人証拠調べ)だ。原告は交通事故に遭った老人(女性)だ。老人は事故が原因で眼も見えなくなり、会話もまともに出来ない。争点は事故前から、「そのような状態があったかどうか」であった。法廷に入ると、早くも原告が裁判官とやりあっている。聞いて見ると、原告の弁護士「まだ準備不足です」裁判官「出来る範囲でいいので答えてください」原告の弁護士「だからまだ準備不足なんです」とやりとりをしている。裁判を始める前から、言い訳を連発する原告側。なんで弁護士がこんなに言い訳をしているんだ?おかしいと思い、胸を見た。すると、言い訳をする原告は弁護士バッヂを付けていない。(もちろんチェッカーズバッヂも付けていない)。なんと原告側に弁護士はいないのだ。老人の息子が弁護士の代わりをしている。不謹慎にも興味深い展開になりそうだと期待してしまう。登場人物原告の息子=50代前半・男(参院選に負けた後のポマード野郎を彷彿させる言い訳マン)裁判官1=40代後半・平山郁夫似の男(パン屋に行ったら必ず食パンを買うタイプ)裁判官2=30代前半・色白の女(ドロップアメ、特にハッカが大好きそう)裁判官3=20代後半・眼鏡を掛けた男(昨日、アジの開きを食べたに違いない顔)被告の弁護士=30代中盤・男(体育のサッカーではいつも嫌々DFをやっていました顔)原告の息子の言い訳もようやく終わり、裁判が始まった。裁判官(平山郁夫似)「事故当時、お母さんと一緒に住んでいましたか?」原告(ここ3年焼肉食べてない顔)「転勤して、勤務先が変わって、それから・・・」裁判官「一緒に住んでいたか、いないかを答えてください」裁判では1問1答が求められる。余計なことを言ってはいけないのだ。原告「ですから転勤して、勤務先が変わったから・・・」またもや余計なこと言ってしまった。きっと彼は山川の用語集をやったことがないのだ。裁判官「一緒に住んでいたんですか?」原告「住んでいました」やっと素直になれたようだ(針すなおは、ものまね王座に似顔絵提供し過ぎ)。裁判官「お母さんと一緒に住んだ理由は?」原告「転勤で大阪に行っていたんですが、家が火事になって、それで東京に戻ってきました」そうそう、聞かれたことに素直に答えればいいの。素直が一番だよ(八代亜紀には素顔が一番だよ、と言いたい)原告「紙に書いたと思うのですが」裁判官「ここで聞くことと、証拠は違うから端的に答えてください」また余計なこと言っちゃったよ。余計なこと言うのは森末似の大学教授に任せとけ!!裁判官「現在もお母さんと住んでいるのですか?」原告「母は全く買い物に出掛けられない訳ですよ。だから」裁判官「質問に対しては?」原告「3人で暮らしてます」裁判官も呆れ気味だ。注意すらしなくなった。昔よく言われた。怒られているうちが花*花だと。にせんだみつおは、ナハナハだと。裁判官「お母さんは、毎日どのように過ごしてますか?」原告「毎日一緒に過ごしてますからね」裁判官「だから、毎日どのように過ごしてますか?」裁判官(平山郁夫似)もついに怒り出した。「だから」と言うのは怒っている証拠だ(もしくは大黒摩季ファンの証拠)。裁判官からの質問が終わり、被告の弁護士からの質問に移った。弁護士(メーメー言わないヤギ顔)「お母さんの症状は事故直後から、時間を追って悪くなったのですか?」原告(宮崎キャンプ帰りの巨人ファン顔)」「いや、事故直後からずっと悪いです」弁護士(フランスパン好きなフランス人顔)「事故前は普通だったんですか?」原告(こおろぎ’73顔)「全く普通でした」被告弁護士のやりとりになってから、原告は普通に質問のみに答えるようになっていた。裁判官「終わりました。席に戻ってください」原告「次回は?」裁判官「ちょっと戻ってください」次回は?とは気が早い。デートが終わると、すぐに「次いつ会う?」と聞く石田純一みたいなもんだ。裁判が終わると、次回日程の打ち合わせが行なわれる。裁判官が提案し、それに原告・被告が答える形式だ。裁判官「原告は11月15日までに陳述書を提出してください」原告「この前も申し上げたように、文献を整理したり、色々調べなきゃいけないことがありますので、1月中旬位にしてください」1月中旬???延ばし過ぎだろ!!延ばすのは楠田絵里子の身長くらいにしとけ!!裁判官「これまでもね、さんざん延ばしてきたんですよ。この事件はもう9年前に怒ったことですからね、もうこれ以上延ばせません」9年前!!片岡鶴太郎がいたら、「キューちゃん!!」と言われるぞ!いつ裁判が始まったのか知らないが、それにしても長い時間掛かっていると思われる。原告「でもですね、不完全な資料を出しても滞るだけですから」裁判官「裁判所というのはね、この事件だけを扱ってるわけじゃないんですよ。他にもやってるんでね、そんなに延ばすわけには行かないんですよ」原告「でも、色々調べものがありますし。せめて12月中にしてくれないと」何を一体そんなに時間が掛かると言うのか。そりゃあ、石田純一の過去の女性関係を全て調べろと言われれば、時間が掛かるのはわかる。しかし、もうずっと裁判をやっているのだから、そうそう新しい証拠も出ないはずだ。裁判官「じゃあ、11月30日までに提出してください。厳守です」裁判官が譲歩して、期日は決まった。原告は明らかに納得していない。裁判官「次回で、この裁判が終結することもあります」もう佳境なのだ。安達祐美と黒田アーサーみたいなものなのだ。もう遅いが、原告は賀来千香子(今年で43歳)あたりを弁護士に付けたらどうか。テレ朝が喜ぶのは間違いない。以上です、編集長!(by大木凡人)なんか読みづらいですね。次回からもっと工夫します。裁判に興味をもたれた方は、読んでみると面白いと思います。裁判大噴火 若手芸人渾身の裁判傍聴記 ( 著者: 阿曽山大噴火 | 出版社: 河出書房新社 )裁判長!ここは懲役4年でどうすか 100の空論より一度のナマ傍聴( 著者: 北尾トロ | 出版社: ...他の本もここからどうぞ!【楽天市場】本・雑誌・コミック 今、売れているものが一目でわかる!ランキング市場私、シエ藤HP「シエ藤の出来損ないムーンウォーク」もよろしく哀愁! http://siefuji.hp.infoseek.co.jp/siefuji.dance.dance.dance.htm(「シエ藤のこんなテレビが見たい」などの未発表コーナーあり」)
2004年10月21日
今日、離婚裁判を見に行った。人の離婚問題も、裁判では見れる。しかし、他人の離婚裁判を見に来る人などいない。通常、傍聴席には証人や親族しかいない。案の定、証人として妻側の母がいたが、傍聴人は私のみだった。弁護士が私の方を見て夫に聞く。「あれ、息子さん?」「いえ、違います」あはははは、思わず笑いそうになったよ。裁判が始まった。原告・妻(デビ夫人を20歳若くし、顔の幅を縮めた感じ。職業・エスティシャン)被告・夫(加藤鷹とゴージャス松野を混ぜ合わせた顔。職業・結婚式等のカメラマン)夫はバツイチで、前妻とは協議離婚。前妻との間に子供はいない。2人は同じ職場で知り合い、付き合い始める。付き合い始めた時、夫はまだ離婚していなかったが、「家にいても会話ないし、いつでも離婚していい状況だから」と今の妻に言っていた。その後、子供が生まれたことを機に夫は前妻と離婚し、今の妻と結婚している。原告である妻の訴えは「子供を返して欲しい」。子供はまだ2歳半だ。妻は夫から強引に子供を取られた。その後、家庭裁判所で調停が行なわれたが不調に終わり、地方裁判所まで来た。かなりの泥沼具合だ。まず、原告である妻の弁論から始まった。妻の主張によると、別れる原因は夫の暴力だったようだ。妻「顔を殴られたり、蹴り倒して髪の毛を持って引きずり回されました。土下座させて蹴る、タバコを投げつける、唾を吐く、包丁を顔の前に突き出されたこともありました」弁護士(妻側)「どうして結婚したの?」妻「子供が生まれれば直ると思い、結婚しました」彼らは、結婚前から同棲していた。妻はその時から暴力を受けていたと主張する。にもかかわらず、結婚した。よくわからない。弁護士(妻側)「子供が出来てから暴力はなくなったんですか?」妻「生後2ヶ月はなかったですが、その後また始まりました」そりゃそうだ。子供が生まれたからといって、日常的に行なわれていた暴力が収まるはずない。話は経済面のことに移る。妻「夫は収入を教えてくれませんでした。子供の面倒も見ると言っていたが、見てくれず、生活費も出してくれませんでした」生活費(20万)は全て妻が出し、夫は住宅ローン(6万)を出すのみだったと主張する。足りない時は、妻の実家から借りていたという。妻は出産後、夫の希望で会社を退職したが、生活費のために半年後、働き出した。昨年3月、妻が「夫側の法事に行くか、仕事に行くか」という話から口論になり、ヒドい暴力を受けたと妻は言う。妻「階段から足を持って引きずられたり、カバンを玄関に投げつけられ、外に出されました」弁護士(妻側)「その時、1歳の娘さんはどんな反応をしていましたか?」妻「脅えて泣いていたので、抱いてあやしました。すると、夫が『子供に触るな!!汚れるだろ』と言い、耳を殴られ出血しました。この時、2m近く突き飛ばされ、ベビー用品にぶつかりました。その後、顔も殴られ鼻血が出ました」弁護士(妻側)「医者に行って、診断書をもらいましたか?」妻「夫にバレると怖かったので、行きませんでした」弁護士(妻側)「アザはどうしたの?」妻「メイクでごまかしました。でも、アザが凄いのはわかるので職場の人にどうしたの?と言われました」妻の主張によると、物凄い暴力だ。夫は天龍に弟子入りしたらどうか。しかし、妻は診断書などの証拠を持っていない。夫は結婚前に妻にこんな武勇伝も語っていたそうだ。『警察の近くで、殴り合いの喧嘩をして、相手が血を出しているのに頭から踏み付けた』笑いながら言っていたらしい。それにしても、夫は圧倒的に不利だ。まず、外見が印象悪い。先ほども述べたが、加藤鷹とゴージャス松野を混ぜ合わせた顔という一癖も二癖もある顔なのだ。いかにも、と思ってしまう。また、妻が意見を述べる度、笑いながら首を振る。時には眼を見開くこともあった。おいおい、演技しすぎだよ、と何度突っ込んだことか。しまいには、笑いながら首を振り、両手を広げだした。そんなこと今時アメリカ人だってしない。あまりにも、演技が過ぎていて胡散臭く見えてしまう。胡散臭さにかけては大神源太も一目置くね。ともあれ、夫の反論を聞いてみよう。妻の主張は「夫の暴力は日常的なもので出血する程ヒドく、生活費も出してくれなかった」。それに対して、夫はこう主張した。「暴力を振るったのは、妻の職場復帰の時だけです」当然のごとく、反論に出る夫。しかし、1回暴力があったことは認めた。弁護士(夫側)「その時のケンカの原因は何ですか?」夫「子供が幼稚園になるまでは働かない約束をしていましたし、働く理由もないですから」夫は自分も生活費を払っていた、とも主張した。意見が真っ向からぶつかる。一体、どっちが本当なの?夫は続ける。「口論が長くなりまして、僕から頭を下げて止めようと言いました。ケンカの時はいつもそうです。妻から止めようとは言いませんから」妻は夫とは正反対にポーカーフェイスだ。夫「妻が子供は私のものだと抱きしめたので、妻の手を握って『やめて』と言いました。そしたら、妻に突き飛ばされ、2mくらい吹っ飛び、ベビー用品にぶつかりました」全くの正反対だ。妻は夫に飛ばされたといい、夫は妻に飛ばされたという。こんなことってあるの?話は夫が妻に対して包丁を突き出した時のことになった。夫は言う。「いつものように口論になりました。それで、取っ組み合いになるのが嫌だったので、包丁を妻に差し出し『これを持てば、俺が攻撃することはないだろ。お互い、こんなことになりたくないだろ』と言いました」弁護士(夫側)「妻は受け取りましたか?」夫「受け取りませんでした。明るく楽しく過ごしたいから、提案しました」この弁解は苦しすぎる。「取っ組み合いになるのが嫌だから、包丁を差し出す」なんてありえるか。「明るく楽しく」と「包丁」…。明らかに矛盾していると感じるが…。夫は妻の出血について聞かれると、「一方的ではなく、血は随分出し合った」といった。おまえの家は西部警察か!!2人の弁論が終わり、この裁判のポイントである夫が子供を強引に奪った時の話に移った。裁判官は言う。「離婚はやむ得ないので、どちらを親権者にするか話しましょう」事件の概略はこのようになる。夫婦の不仲が続く中、昨年8月15日、妻が友人宅に子供を連れて行った。そこに夫が来て、子供を引き取った。この件に関して、妻・夫・妻の母(証人)の順に弁論が始まった。裁判官「今まで、何回子供を連れて家を出ましたか?」妻「昨年3月のケンカ以降、5回です」裁判官「時期は?」妻「3月下旬、5月下旬、7月中旬、7月下旬、そして8月15日です」裁判官「8月15日以外の他4回はどうでしたか?」妻「結果的には家に戻りました」裁判官「この時は最初実家に行った後、友人の家に切り替えたんですよね?どうして?」妻「夫から母に圧力がかかるんです」裁判官「友人の家で起こったことを説明してください」妻「一方的に怒鳴りつけて、奪い去りました。夫は警察も呼びました」裁判官「なんで警察を呼んだの?」妻「夫は誘拐と同じだから、警察を呼んだと言ってました」裁判官「子供を奪われた後、夫の家まで行ったことはあるの?」妻「何度か家の近くまで行きましたが、恐いから帰りました」妻は夫を常に恐がっていたようだ。この時も終始、夫は笑いながら首を振り、おどけたポーズを取る。椅子に手を掛け、私の方を向いて首を振ることもあった。おいおい、俺にアピールしてどうすんだよ。眼を見開くのもやってたなあ。今時、漫画でもあんな思いっきり眼を見開かないよ。眼3つ分くらい開いていたからね。西川きよしどころの話じゃないね。この件を検証するのは夫の意見を聞いてからにしようか。夫「この時は最初、実家に行くつもりでした。すると、妻の母から電話がありまして『友人の家に行った』と泣いていました」裁判官「なんで泣いていたと思いますか?」夫「自分がきちんと監督できなかったからではないでしょうか」裁判官「お母さんを友人の家に連れて行ったんですよね?」夫「はい。母も同意してくれまして一緒に友人の家に行きました」なぜ母を連れて行ったかは、後で検証するとして、友人宅に向かう途中、車で行ったのか電車で行ったのかわからないが、2人はどんな会話をしていたのだろうか。沈黙だったのか。沈黙ならば、その沈黙を母はどう受け止めていたのであろうか。裁判官「あなた警察を呼びましたよね?なんで?」夫「私が『子供の居場所を教えて』と言いました。妻は雨が降っているにもかかわらず、傘もささずにその辺を徘徊しました。そして、『絶対に教えない』と言われました。私は、『これは誘拐だ』と妻と妻の友人に言い、お母さんに『警察を呼びますが、いいですか』と確認して、警察を呼びました」裁判官「どうやって娘さんを奪ったの?」夫「力づくでは奪っていません。警察が帰った後の出来事です」妻は一方的に怒鳴られ、娘を奪われたという。夫は力づくで奪ったことを否定する。私見を述べれば、警察を呼ぶなんておかしい。母親をわざわざ友人宅に連れて行く必要もない。単なる見せしめではないか。母親が夫に電話したのも、また怒鳴られるという恐怖からではないか。夫は分が悪い。母の証言に移る。母が傍聴席から証言台に移る際、夫と軽く会釈を交わす。裁判官「なんで夫に電話したんですか?」母「私の家に向かいに来ることになっていたから、夫に伝えました」裁判官「なぜ友人の家に行ったのですか?」母「夫に来るように言われまして、行かないと後が恐いんです」裁判官「警察がいる時に、引き渡したの?」母「いえ、警察が帰った後だと思います」夫がまた眼をおもいっきり見開いた。いい加減にしろ、そのタコ演技!!母は続けた。母「子供が出てくるまで時間かかりました。警察きたし、近所迷惑だし、渡さざるを得なかった」裁判官「夫は供述書で『奪い取るというと言い方が悪い。子供は、お母さんバイバイ、と言った』と述べてますが」母「笑顔で子供を渡したなんてことはないです」夫は得意の首振り笑顔ポーズだ。裁判官「抱きかかえていたものがどうして向こうに行ったのですか?」母「カッーとなってて、覚えていません。そのまま渡したことはないです」重要な所は覚えていないようだ。母の証言は決定打にはならなかった。もう一度、裁判が行なわれ、その後判決が出る。主要な質問は今日で終わりだった。私見を述べると、夫が圧倒的に不利だ。包丁を「冷静に」突き出したとか、誘拐だといい警察を呼んだとか、この人、正気?と思ってしまうことが多い。夫の印象を悪くしたのは弁論だけでなく、態度だ。何度も述べるが、自分の意見と食い違う弁論になると首を振りながら笑う。眼を大きく見開く。この2パターンを飽きもせず繰り返す。最後の方は、このポーズがツボになって夫の方ばかり見ちゃったよ。それほど、演技に見えたんだよね。裁判官も注意すべきだよ。妻にも落ち度はあるんだけどね。診断書を持っていない等、証拠がないからね。同棲中から暴力を振るわれていたにもかかわらず、なんで結婚したのかというのが一番の疑問だね。
2004年07月13日
今日、裁判を見に行ってきた。有栖川裁判を見る目的で行ったのだが、弁護士の質問が下手で面白くなかったので、途中で痴漢裁判に切り替えた。被告は、20台半ばで会社員。この事件を機に会社を辞めていた。GW明けの朝、満員電車の中で16歳の女子高生のスカートの中に手を入れ、現行犯で捕まった。痴漢自体は4年間近く続けていたという。ただ、今までは臀部を触っただけでスカートの中に手を入れたのは今回が初めてだという。被告は小太りで、メガネを掛け、真面目そうな青年だった。入廷した時から少し震え、うつむいていた。まず、父親が証言台に立った。弁護人が質問する。「この事件を聞いた時、どう思いましたか?」「思いやりのある子だったので、ビックリしました」と父親は答えた。弁護人「こうなった原因は何だと思いますか?」父親「今まで、叱らなかったのが悪かったと思います」傍聴人席では母親がハンカチで目を押さえる。弁護人「これからはどうするつもりですか?」父親「実家に帰って、畑仕事を手伝わせ更生させたいと思います」父親は昨年定年退職し、今は年金生活を送っていて、たまに実家で農家の手伝いをしているらしい。この後も質問は続いた。そこで父親が事件が起こる3ヶ月前、息子の部屋で痴漢ビデオを発見したとわかった。弁護人「その時、あなたはどうされましたか?」父親「息子に言おうかと思ったのですが、女房に相談した所『人の部屋に勝手に覗くことがおかしい』と逆に怒られました」父親は息子に何も言わなかったのである。このようなケースで息子に何か言う父親は少ない気がする。もう大人であるし、いちいち息子の性癖にまで口出しはしないだろう。それ以前に、この父親は息子を怒った事がないと証言しているのだから、今さら口出ししないできないのだ。問題は「今まで息子を怒ったことがなかった」ことである。私の勝手な見方だが、被告は今まで人生で怒られた事がほとんどないと思う。学校では、おとなしいタイプの子供だっただろうから、まず怒られない。ある程度強い部活でもやっていれば、怒られる機会もあっただろうが、そういう部活に入っていたようには見えない。怒られないと、自分が少し間違った道に行こうとしても歯止めが利かないのだ。強制わいせつで捕まった犯人によく言われるのが、「真面目で、そんなひとには見えなかった」この言葉に一種の真理がある。真面目=小さい頃から怒られる機会がない→大人になる=今さら誰も怒らない→間違ったことを始めたとき歯止めが利かない→取り返しのつかないことになるという構図が浮かぶ。怒られることによって、どこが限界点か悟るのだ。被告には限界点がわからなかったのだと思う。痴漢ビデオを3本持っていたと証言していたが、持っているビデオで、人の性癖は分かる。それが犯罪につながるかは別だが。そして被告が証言台に立った。被告は震える声で、時には泣きながら弁護人の質問に答えていた。被告は、反省していてすぐにでも謝りに行きたい、獄中でもずっと謝罪文を書いていた、と言っていた。私も相当反省しているのかな、と思った。質問者が弁護人から検察官に代わった。検察官は白いYシャツを着用し、腕まくりをしている。見かけ30前後の男性だ。被告「今まで何百回と手の甲・手のひらで、臀部を触ったことはあるがスカートの中に手を入れたことはない。そこの一線は画してきた」この発言が検察に火をつけた。「一線を画するとはどういう意味?あなた、女性の臀部を触ることは何てことないことだと思っているのですか?」被告「いえ・・・」検察官「なぜやったんですか?」被告「・・・。男性としての誠実さがなかったのだと思います」検察官「意味が分かりません。そういうことじゃないでしょ。男性の誠実さがなければ、皆やるの?やらないでしょう。なぜやったの?」被告「・・・」検察官「軽く見ていたんじゃないの?この位やっても捕まらない。そう思っていたんじゃないですか?」相当強く出ている。被告は泣きじゃくっているのに、だ。私は検察官が落ち着いていて、弁護人と同じような質問をする裁判ばかり見てきたので、新鮮だった。被告「・・・」検察官「あなたは捕まっても考えを深められていない。こういう所があなたの甘い点なんじゃないですか。」被告「・・・」検察官「質問終わります」泣きじゃくる被告人。しかし、同情の余地はない。続けて裁判官が質問する。裁判官「インターネットに痴漢サイトあるよね?」被告「知りません」裁判官「コンピューター関係の仕事しているあなたが知らないわけないでしょ」被告「そういうものは知りません」裁判官「ずっと何百回とやってきて、どうせ捕まらないと思ってたんじゃないの?」被告「・・・。そういう部分もあるかもしれません」裁判官「あなた、供述書の中で『相手が嫌がっているように思えなかった』といっているけど、満員電車の中で恥ずかしさもある、動揺もしている、そう考えられなかったの?」被告「・・・」裁判官「その時は考えられなくても、家に帰った後悪いことしたなとかよぎらないわけ?普通分かるでしょ。」被告は泣きじゃくっていた。最後に何かありますか、と言われ被告は反省の意を述べ、法廷は終了した。被告は確かに反省しているように思えた。しかし、検察・裁判官が詰問して成功だと思う。ここで、これだけ怒れれば2度としないはずだ。被告人は元々、気の小さい方だと思う。だが、周りが何も言わないので、ついつい痴漢を続けていた。しかし、今回大事になり、ようやく目が覚めたのだ。もう2度としないだろう。痴漢をすると、人生が一気に狂う。痴漢裁判のビデオでも見せたら、一気に痴漢被害は減ると思う。裁判ビデオは無理にしても、痴漢した人のドキュメンタリーでもテレビでやってみてはどうか。きっと、痴漢人口は減るはずである。裁判に興味をもたれた方にオススメの本。裁判大噴火 若手芸人渾身の裁判傍聴記 ( 著者: 阿曽山大噴火 | 出版社: 河出書房新社 )裁判長!ここは懲役4年でどうすか 100の空論より一度のナマ傍聴( 著者: 北尾トロ | 出版社: ...楽天ブックストップページ私、シエ藤HP「シエ藤の出来損ないムーンウォーク」もよろしく哀愁! http://siefuji.hp.infoseek.co.jp/siefuji.dance.dance.dance.htm
2004年07月01日
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