前回の続きです。
遠方から来所された A
さんから、さらに詳しい状況を聞きだした。
「その他の支払い、月4万円とはなんですか?」
「屋根の上に取り付けた太陽光発電のローンです」
「ウゥーン 、 その話は電話では聞いてなかったなあ... ... 」
「大丈夫です、それは、任意整理しなくても良いです」
「そういう話ではないんです。その分も入れると、毎月の支払総額が、
A さんの収入と同じ位になってしまいますよ」
「生活はどうするんですか、お子様もいるんでしょう」
「来月から、妻はパートをします。自分も、夜アルバイトをするつもり
です」
「長くは続かないですよ、体でも壊したら元も子もないですよ」
厳しいやりとりだが、 A
さんの本当の気持ちを確かめないと、
安易に受任はできない。
A さんは、不安に感じたのか、目に涙を浮かべ ,
そして、
「 助けてくれください! この一週間眠れず、死のうと思ったとも... ... 」
「馬鹿なこと考えないでください、死ぬ気になれば、何でもできますよ」
しばらく沈黙の時間が流れた。
ひとまず、受任して、各業者の請求を止めることが必要だ。
最悪の状況にならないためにも。
「わかりました受任させて頂きます、その代り無理をしないでください」
「やるだけやって、駄目なときは考えてください」
「はい、その時は覚悟を決めます」
ようやくAさんの顔が明るくなってきた。
多重債務を抱え追いつめられていうときは冷静な判断ができない。
今までの事例では、頑張って任意整理で乗り切った人も、
やるだけやったんだからと、
何の抵抗もなく自己破産を受け入れ解決したことも多い。
遠回りかもしれないが、 時間が解決するのを待つしかないだろう。
(最近の事例をアレンジして紹介させていただきました )
最近の多重債務者の状況、以前とは様変わり 2016.02.05
80回~100回の長期分割払いの任意整理 2015.12.11
遠方からAさん来所する(1) 2015.06.10