青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2022.07.03
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これから書く嚥下食の話は
嚥下障害があった母の介護を通して
一個人として学んだ話です。
各々にとって最適な嚥下食については
必ずかかりつけ医にご相談ください。

本題の嚥下食の違いの前に、
同様の病状の方に
参考になる事があるかもしれませんので
母の嚥下の状態について書いておきます。

母は脳梗塞を起こし、鼻からの栄養チューブで
逆流性の誤嚥性肺炎を起こし
ぐったりしていました。

急性期病院の嚥下訓練では
スプーン半分のゼリーさえ
呑み込めない状態が何週間も続きました。

重篤な状態の母を見ていた医師は
最初から嚥下訓練をするつもりはなく
早急な退院を迫っていたのですが、
それでは母が寝たきりになってしまいます。

母の場合は肺炎を起こす前は
朦朧とはしていても意識があり、
急性期病院の看護師や言語聴覚士が
嚥下訓練をすれば機能が回復する可能性があると
言ってくれ、医師にもかけあってくれ、
私も頼み込んで
嚥下訓練を初めてもらいました。

嚥下訓練ができるかどうかは
患者それぞれで違うので
医師にご相談ください。
意識がない場合や家族単独による嚥下訓練は
とても危険です。

急性期病院での母の嚥下訓練は
進展がほとんどありませんでしたが、
発声練習や手足の運動、声掛けなどの
自主リハビリをするため家族が毎日通い、
訓練の打ち切りはどうにか回避して
鼻からの栄養チューブのまま
リハビリ病院へ転院することができました。

リハビリ病院の訓練と
自主リハビリの継続と
脳の腫れが引く3か月目の時期もあって
どうにか食事が呑み込めるようになり
どろどろ状またはムース状の
とろみ食まで回復したのですが
(トレイに載った病院食を見て、
長く暗い道のりを休まず歩いてきたけど
ここまで来たんだなと
やっと一息つけたように思いました。)
リハビリ病院退院後の
自宅介護をするにあたって
食事内容を具体的に
考えなければなりませんでした。

ここからがこのブログの本題です。

それまで私は要介護3の母の自宅介助はしてきて、
食事は柔らかくて食べやすい栄養があるものを
用意していましたが、
介護食についての知識はそこまでしかありません。

刻み食やとろみ食という言葉は
聞いたことはありましたが
詳しい差については何も知りませんでした。

退院前に病院にお願いして
注意点について教えてもらうと
簡単な内容の手作りプリントをもらったのですが、
その中で印象的だったのが以下の事です。

1.食事にはとろみをつける事。
2.飲み物にも必ずとろみをつける。
3.刻み食はダメ。
4.パンもダメ。
5.そば、うどんもダメ。
6.ゼリー・プリンは良い。
7.おかゆは水分が多くないもの。

この他にも薬との相性などで
沢山の良いとダメがありましたが、
とろみ食については上記の制約がありました。

特によくわからなかったのが、
刻み食がダメ、と言われたことです。

刻み食って、介護食のはずなのに
なぜダメなのか聞いてみると、
刻み食はむせる可能性があるからとの事でした。

介護食なのにむせる?よくわからずに
家で調べてみると、刻み食は細かいので
それだけだとむせてしまう可能性がある、
反対に、とろみをつけたとろみ食は
呑み込みやすいので
むせにくいとのことでした。

自分には全く見えていなかった部分で
そういうことなんだ、と驚きつつ
全く知らなかったから気をつけなくては、
とにかくとろみをつけなくちゃ
刻みじゃダメ、としっかり意識しました。

当時、私の認識は、
ミキサーにかけて細かくしたものも刻み食でした。
実際、介護食の記事などでも
ミキサーで細かく刻んだものを刻み食として
紹介していました。
だからミキサーで手作りしたものは
むせる心配があるかも、やめておこうと
思ってしまったんです。

普段、食事をミキサーにかける事はなく
ひき肉や餃子の具を作る位だったので
ミキサーにかける時間で、
どろどろにもなる事を
実感として認識していなかったんですね。

本当は刻み食でも、細かく刻んでとろみをつければ
調子が良い時は大丈夫だったんでしょうけど、
そこまで病院のソーシャルワーカーが
説明してくれなかったので
刻みはダメ、手作りも危ないとそのまま受け取りました。

実際は、 介護食には大きく分けると
刻み食、ソフト(舌でつぶせる)食とミキサー食があり、
刻み食や一部ソフト食は固形に近いので
嚥下障害がある人には
呑み込みにくく誤嚥の可能性があります。


ミキサー食も誤嚥する可能性がありますが、
どろどろでとろみ食に近いので
呑み込みやすいのです。

嚥下障害がある人には呑み込みやすくするために
ミキサー食でもとろみをつけると
より呑み込みやすくなります。

つまり、一言で介護食といっても、
刻み食・ソフト食・ミキサー食というのは
食べ物の形状や柔らかさの違いであって
とろみをつけるというのは、別の話なんです。


そこをわかりやすく説明する人がまだ少ないようい
思います。

嚥下に問題がある人は
飲み物もサラサラの状態だとむせるので
お水でも紅茶でも必ずとろみをつけて
呑み込みやすくする必要があります。

飲み物も、その方の病状によって
飲んではいけないものが違うので
必ず主治医に相談して判断してください。

例えば母の場合は緑茶やビタミンK豊富な青汁が
脳梗塞の薬の効果を弱めるので
飲めませんでしたし、
レモネードやオレンジジュースは良くても
降圧剤の効果を弱めるので
グレープフルーツジュースがダメでした。
そうすると、柚子はどうなの?デコポンは?
とか、次々疑問が出てきて
一つ一つ確認していました。

母の場合は調子が良ければ
柔らかいものを噛むことが出来たので
小さじ1杯づつ位を
必ずとろみをつけた飲み物と交互に
食べてもらいました。

脳梗塞といっても様々な症状がありますが、
毎日自主リハビリの発声練習などで
(少しづつ具体的な内容を
書いていきますのでご参照ください)で
医師や看護師が驚く位の回復
(といっても意識が戻り片言で話せる程度)
をした母の場合は調子が良い時もありました。

とても調子が良く意識も明瞭で
噛んだり呑み込んだりができる時は
小さく切ったお寿司とかやわらかいお肉
親子丼、野菜、果物も
とろみ飲料と一緒に食べてもらえました。

しかし通常は、とろみを強くつけた
介護用のレトルトを炊き立てご飯にかけたものと、
どろどろ状の介護やベビー用野菜や果物のペースト、
介護用のゼリー、プリンを
介護用とろみ飲料と一緒に食べてもらっていました。

薬は最初は薬をすりつぶす専用の容器で粉状にして
ゼリーや果物のペーストの中に含ませ
スプーンにのせ口まで運び、
呑み込んでもらっていました。

そのうち調子が良い時は
固形のままでも薬と意識してくれ
(必ず、お薬飲もうね、とひとさじごとに
声掛けしながらの食事介護をしました。)
ゼリーや果物と一緒にスプーンで口元に運ぶのは
同じですが、固形でも呑み込んでくれました。

薬についてはまた別記します。
嚥下食の話に戻ります。

母が嚥下障害が出てからの介護食の基本は
とろみがついた市販の
介護用ソフト食でした。

これを手作りすると、
普通の食事は調味料も使ってますし、
介護用に作ってミキサーにかけるのは
結構時間をとるので
すぐに暖められるレトルトはとても便利です。
私は万が一の防災ストック用にもなるので
いろんな種類や味を数月分常備していました。

母が亡くなって数年たってから
自炊する時間も気力もでき、
栄養をとるためにもいろいろ作っていますが、
いつも、「なぜこれを母に作らなかったんだろう」
「なぜ市販のレトルトばかり食べさせたんだろう」
「なぜミキサー食を手作りしなかったんだろう」
と後悔しますが、それは上に書いた通り
むせてしまわないようにと、
母の事を考えて一番良い選択をしていたからでした。

でも根底に、もっと何かできなかったのか、という
気持ちがあるせいか、いつもつい、
なんでレトルトばかり、と思ってしまいます。

実際はレトルトといっても、あれこれ比べて
一番美味しいメーカーの
何十種類もある本格的な味のレトルトを
(すき焼き、ハンバーグ、ホタテのシチュー
ちらし寿司、かに雑炊とかもありました。)
日替わりでいろいろ食べてもらっていたのと、
調子のよい時は、レトルトでないもの、
旬の果物などデザートも楽しんでもらったし
手作りのものも食べてもらっていたから
ちっとも後悔する必要はないんですけど
ついそう思っちゃいます。

今は嚥下食はもっといろんなメーカーのものが
出ていますので、
医師の指示に従ってよいものを選んでみてください。

下:薬をすりつぶせるもの



下:このメーカーのものが味が良いので
いつも使っていました。

下はなだ万監修。








画像をクリックすると詳細が見られます。





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Last updated  2022.07.21 01:20:47
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