青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2024.08.21
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テーマ: 在宅介護(1596)
カテゴリ:
ふと思い出したので書いておきます。
この話は可愛い動物パンがちょっと出てきますけど
それがメインの話ではなくて
只の個人的な思い出話なので、先にお断りしておきます。

母が遠方のリハビリ病院に転院した翌日位の話です。

母に一番良いと思われたので選んだリハビリ病院は
私の家から片道1時間半、
仕事先からも片道1時間半かかる場所にあり、
仕事帰りにお見舞いに1時間半かけて直行し
それから1時間半かけて帰宅していました。

(リハビリ病院を選ぶ経緯やコツについては
別に書いています。
私は片道1時間半以内なら通うのが可能と考え
他の条件を優先したので遠い病院を選びましたが、
リハビリ病院を選ぶのは大抵の方にとって初めてなので
気がつきにくいポイントなど
いろいろ参考になる話が入っていると思うので、
このブログの右端下の検索ボックスに
リハビリ病院と入れてみてください。)

仕事先から電車を乗り継ぎ、
平日は週4日位、病院へ通っていたのですが、
乗り継ぎの駅は動物園がある駅で
駅中のお店には、ガラス越しに沢山の動物パンが
山積みして飾ってありました。

とても可愛くて、
思わず、これはお母さんに買いたいなあ!
と思ったのですが、
母は見せてもわからない位朦朧としている事を
すぐ思い出しました。

当時、小さじ半分のゼリーさえ飲み込めない嚥下障害で、
鼻から差したチューブで栄養を胃に入れて3ヶ月で、
この丸くて可愛い大きな動物パンが食べられるのは
別世界の事になってしまっていたんです。

ほんの数ヶ月前まで、
いつも母の為に美味しそうなパンを選んでいたのに、
ハロウィンの時はジャックオーランタンの形の
かぼちゃのパンを食べてもらったのに、
幼児でもできる
この可愛い動物パンを食べることさえ
全く無縁のものになってしまったのです。

これから回復するのかどうかも全くわからない状態なので
暗闇の中を歩くような気持ちでパンの前を通り過ぎ、
その後毎日のようにその場を通って
4ヶ月ほどお見舞いに通いましたが、
早足で通り過ぎていたからか、
その動物パンをショーウィンドウ越しに見た記憶は
2回くらいしかありません。

その後、母は毎日のリハビリと声かけと努力の末
柔らかい食事が出来るようになったのですが、
退院の際に、推奨しない食べ物のリストの中に
パンが入っていました。

パンは嚥下状況が悪い人には飲み込みにくいとの
ことでした。

その後小さくちぎってスープに浸して
少し食べられるようになったときに、
あの動物パンを見せてあげたい
少しだけでも食べてもらえたら幸せだな、
買いに行きたいな、と思ったものの、
あんなに大きなパンは食べるのに無理があると思ったし、
仕事しながらの介護で、普段行かない駅まで行く暇もなく
結局その動物パンを買いに行くことも
食べてもらうこともできませんでした。

なんで無理してでも買いにいかなかったのだろう、と
亡くなってしばらくは思いましたけど、
やっぱり嚥下に良くないと思ったからというのは
あったなあと思います。

でも縁が無いものだった夢の話だった
パンが食べれらるようになったこと、
買ってきて食べてもらいたいなと思えた事は
本当に幸せでした。

いつかあの駅を通りかかったら
お土産に買ってお供えしよう
母は笑ってくれるかな、と思っています。




何とヒョウ柄パン!ヒョウ柄マダムにお勧め。




画像をクリックすると詳細が見られます。





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Last updated  2024.09.01 23:14:40
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