April 21, 2006
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カテゴリ: 詩集 perfectescape
風が吹く
風が吹いている

大木を曲げ
赤い花びらをむしり
古い看板をはがし 転がす

風が吹く
風が吹いている

閉ざされた窓を破り
屋根を持ち上げ
絨毯をめくり 
探す
マグネシウムの光
もはや蟲の仔さえも
逃げることはできない

そうして
幼い涙 
ベッドにしがみつく
僕らをも引き剥がすのだ

木の葉のように
くるくるとまわり
投げ出された空間



標識もなく
信号もなく
道さえもない

風がいう
少年よ
それが自由だ

僕らは
恐れながら
震えながら
圧倒的自由
その空間へ
足をのばす

その蒼白いつま先は
空間を押し拡げ
小さな空気の流れを生む

そうして
僕らの小さな気流は
いつしか硬く柔らかく
結びつき
新しい風になるのだ



風が吹く
風が吹いている

大木を曲げ
赤い花びらをむしり
古い看板をはがし 転がす




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Last updated  April 21, 2006 11:35:06 AM
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