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2026.06.07
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 ローラ・ワンデル「アダムの原罪」シネリーブル神戸 製作者 に、あの ダルデンヌ兄弟 の名を見つけて、封切り早々映画館に駆け付けました。
さすが! でした(笑)。
 見たのは ローラ・ワンデル監督 「アダムの原罪」 です。
ルシー(レア・ドリュッケール) という 小児病棟のベテラン看護師 と、患者の アダム君、4歳 。彼をシングル・マザーとして育てている女性 レベッカ(アナマリア・バルトロメイ) との葛藤を描いた 79分 でした。時間を忘れて見入りました。
女性二人 の、特に看護師を演じる レア・ドリュッケール という女優さんの演技が素晴らしかったですね。
 邦題になっている アダムの原罪 というのは、 キリスト教 の説話ですよね。 イヴ にすすめられて、 にそれを食べることを禁じられている 知恵の実 を食べてしまった アダムの罪 のことだというのが、ボクの浅はかな予備知識でしたが、この作品のどのあたりと、その逸話が結びつくのかボクにはよくわかりませんでした。
 たしかに、小児入院病棟に入院させられた アダム君 は、母親の与える食事しか口にしようとしない結果、 栄養不良 で重度の 骨粗しょう症的症状 に苦しんでいて、病院では、 母親との隔離による食事療法 が指示されているのですが、 母親レベッカ アダム君 を抱え込んで離そうとせず、 アダム君 アダム君 で、 レベッカ 以外の人の言葉は聞こうとしません。​
ママ以外はすべて危険である!
​ 何で、この 母と子 がそう思い込んで治療を拒否するのか、看護師の ルシーさん にはわかりません。わからないまま医師やセラピストによる判断があって、命令があって、治療が進められます。アダム君はルシーの差し出すスプーンを拒否し、ようやく飲みこん画と思うと嘔吐を繰り返します。もちろん、見ているこっちも、その、 わからなさ に困惑するばかりです。​
で、ルシーさんはどうしたのか。
 映画は ルシーさん の、廊下を歩く 後ろ姿 、セキュリティカードでドアを開け閉めする いらだった表情 、手を洗い、顔を洗い 鏡を見つめる姿 を次々と映し出すのですが、そのショットの重ね合わせが素晴らしかったですね。​
理解を絶した母子に対して、病院という制度の中で生きる自分に何ができるか?
​ それを問い、その答えに至る姿が 後ろ姿 として映し続けられているのです。​
いや、スゴイですね。
​  原題 「L'Intérêt d'Adam」 聖書 では 「アダムの原罪」 なのでしょう。でも、直訳すれば 「アダムの利益」 くらいかなと思うのですが、そっちの方がわかる気がする瞬間がやってきました。​
「ママといたい。でも、しぬのはヤダ」
アダム君 が、ママである レベッカ と引き離される時、 ルシーの説得 に応えて発する言葉です。
 ことばを耳にした瞬間です。この母と子がまわりの社会から追いつめられている実相が浮かび上がってきて、 ルシーさん の苛立ちと焦りの姿に秘められた 決意 が胸を貫く気がしたのです。
アダムの命を守る、そして、レベッカの命も守る。
 ​ それが ルシーさんの決意 だと。
 制度化する善意が決して救うことができない人が、この世にはたくさんいらっしゃるのです。 「知恵の実」 を食べ続けている 現代社会 を救うのは ではありません。​
ルシーさんの決意について、見ているあなたはどうお考えになりますが?
 映画が問いかけてくるその問いにボーっと空を見上げる帰り道でした。 拍手!
ダルデンヌ兄弟製作 に目をとめて正解でしたね。 ローラ・ワンデル という監督の名前も忘れないでしょう。しかし、なんといっても忘れられない印象として残ったのは レア・ドリュッケール という、多分、何度か見たことがあるはずの女優さんの 横顔 後姿 ですね。 拍手!拍手! です。
監督・脚本 ローラ・ワンデル
製作 ジャン=ピエール・ダルデンヌ リュック・ダルデンヌ
撮影 フレデリック・ノワロム
編集 ニコラ・ランプル
キャスト
レア・ドリュッケール(ルシー 看護師)
アナマリア・バルトロメイ(レベッカ シングルマザー)
ジュール・デルサール(アダム 少年)
アレックス・デスカス(ナイーム 病棟管理官)
2025年・79分・G・ベルギー・フランス合作
原題「L'Intérêt d'Adam」
2026・06・05・no103・シネリーブル神戸no385


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最終更新日  2026.06.07 10:55:12
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