しまねこしねま

映画あれこれメニュー




映画についてその他いろいろのコーナーです。まずは雑感をどうぞ・・


●映像のオシャレな監督
現役監督で映像がオシャレな人といったらぱっとおもいつく人は、私の中ではスコセッシ、ソダーバーグ、コーエン、ヴェンダース。もちろん他にもいっぱいいるけれど、イメージとしてそんなところが思い浮かぶ。誰が一番好きかといわれると困るな~。まずソダーバーグはちょっとナルシスト的な神経質っぽさが感じられてあんまり好きじゃないので外す。ヴェンダースの画はかなり好みなのだけど、作品的にはもひとつクセがあるのでちょっとパス。あとはスコセッシとコーエンの勝負、これはかなりむずかしいのだけれど、スコセッシの映像はとってもきれいで素敵。でも洗練されすぎていて私にはちょっと都会的すぎるかなあ。というわけで作品も、ちょっとレトロな味の映像も大好きなコーエンに決定です。番外は、ガス・ヴァン・サントです。(笑)

●ニュー・シネマ・パラダイス
いままでいちばん泣いた映画というとこの作品だろうな~。まずは音楽だけでも気持ちにふわっと語りかけてくるものがある。はじめの、白い窓辺にカーテンがやさしく揺れているところをみれば、これからはじまる美しい物語がなんとなく予感できる。
幼い少年トトと、映写技師アルフレートの世代を超えた友情、楽しい日々。映画がみられず広場にあふれた人々になんとか映画をみせてやろうと、アルフレートが考えたすてきなアイディア、でもそのあと悲劇がおこってしまう。
人は若いときは前に進むことに夢中で、失うもののことなど考えないものだ。それはそれでしかたない。でも年をとると、ふと足をゆるめて失ってきたもののことを思うときもある。残されたモノの上にも容赦なく時は流れているけど。この作品のどこに惹かれるのかといえば、そういうことかもしれない。
成長したトトが初めて家に帰って自分の部屋に入ったところで胸が熱くなった。それと、ラストシーン。とても有名なこのラストシーンは「映画を愛する人へのオマージュ」と言われることが多いけれど、それだけでない、何かもっともっと温かい涙を私にもたらしてくれるのだ。

●イヴの総て
雨の日も風の日も、楽屋口でそっと待っていたひとりの少女イヴを、ある大スター、マーゴが付き人にし、いつのまにかイヴはスターの役のセリフをすべておぼえ、密かにオーディションを受けトップ女優へとのぼりつめてゆく。そのイヴの傍にはかつての自分のような田舎娘が・・・というストーリー。
付き人時代、雑談の中で「得るものは少ないのにすべての犠牲を払って・・」と誰かが言うと、イヴは突然熱に浮かされたように言う。「得るものは少ないですって?!何はなくとも喝采はありますわ・・」それは彼女の真実の言葉。

マーゴの40歳過ぎた女優の苦悩というのも良く描かれていて、今よりもっと若い女性がもてはやされた時代だから、毎日毎日化粧を落とし、鏡をみるたびに容色がおとろえるのを一番よくわかっているのは自分だから辛かろう。まして恋人はまだ32歳、「まだ若いよ」などという言葉がなんのなぐさめになるだろう?ただいらだつだけだ。

マーゴを結果的には裏切って名声を手に入れたイヴ、天真爛漫なマーゴに友人は残った。イヴの周りには彼女を思う人は集まらないし、寄せ付けないようなところがある。それは彼女の(多分)過酷な生まれ育ちによるもので、他人をけおとさないと生きていけないという生き方がしみついているように見える。でなければマーゴとイヴは役者、という部分で誰よりも深くわかりあえたろう。

●マジェスティック
これは1951年のハリウッドの新進脚本家ピーターが「赤狩り」にあい、ヤケッパチでドライブの途中事故で川に転落、気がついたら記憶を失ってローソンという町にいたが、周りの人はみんな彼をルークと呼び・・・という話。ローソンでは大戦で62人もの若者を失って、ルークもその一人。そのルークは特にできのいい若者であり、いまや町全体の息子でもあった。
マーティン・ランドー(お父さん)が名演!事実イコール「真実」じゃないこともあるって思います。
ラストの方に、「赤狩り」の委員会での演説シーンがあるんですが、そこが迫力ありました。「英雄の条件」を思いだしました。もしルークだったら何というか・・「僕が命がけで守ろうとした国はこんな国じゃない」と・・この言葉は、今の日本にとっても痛い。「ホタル」での奈良岡朋子の名演技(あれはあそこだけでいい!)を思い出します!あの人たちもきっと草場の陰で言っているでしょうねえ・・・。 (ToT)

●ビッグ・リボウスキ
1988年。「ファーゴ」に続いてコーエン兄弟が手がけた作品。無職のだらしない中年男デュードが同名のリボウスキ氏にまちがえられてギャングに襲われたことから事件は起こる。しかし事件の行方よりも、ボウリング狂の主人公やその友人たち、ベトナム戦争を懐かしむ悪友やエキセントリックな女芸術家とのかかわり、幻想と現実、ユーモア、世の中の愚かさと楽しさ、そんなものをめいっぱいみせてくれているように思う。音楽はどこかのんびりしていて「オー・ブラザー!」っぽい。同じ人もでてたし・・・
デュードを演じたのはジェフ・ブリッジス。この人好きです。「フィッシャー・キング」のジャックを思わせる役柄だけど、いいかんじ!おおらかなかんじがいい。
主人公たちのハマっているのがボウリング、というのがいいです。あとででてくる幻想場面でもピタリはまるし、ラテンバージョンの「ホテルカリフォルニア」をバックにでてくるジーザスというライバルもおもしろかったです。
ボウリングにいきたくなっちゃいます。

●ハンナとその姉妹
ウディ・アレンはほんとにニューヨークを愛する監督だ。ニューヨーク、ニューヨーク。80年前半くらいのNYはフィルムのせいもあるのか、なんだかヨーロッパの街のようだ。
3姉妹がいて、しっかりものの長女の元夫ミッキー(アレン)はしじゅう病気ではないかと気にしている。長女の現在の夫は、一番下の妹が気になってしかたがない。この夫を演じているのは「サイダーハウス・ルール」の医師役でオスカーを獲得したマイケル・ケインなのだけど、この人がおもしろいんですよ~。いい味でてました!
姉と妹でも女の優越感、劣等感、小さな報復、そんな微妙な感情もよくわかる。それが日常であり、小さな山大きな山があって、人生なんだと思う。ミッキーは自分が病気だと思って自殺を考える。でも映画館に入ったらおバカな昔のコメディをやっていた。そして思う。
「神がいてもいなくても人は生きて死ぬだけだ。人生を楽しめばいいんだよ。なにも深刻に考えることはない。だから暗い人生を送ることはやめて、ないものねだりの答えも求めず、命の続く限り楽しむんだ。・・・・・命が大事なんだ。」

●アイ・アム・サム
みていて、なんでもないシーンでもふっとじんわり涙がでてきてしまうような作品でした。サムとルーシーの父子愛というだけではない、いろいろな感情がこの作品はあふれていたからだと思う。かんたんにいえば、苦しんでいるのはサムだけではないということかもしれない。カンペキに見える女性弁護士も家庭不和に悩み、ジュリアード音楽院を主席で卒業しても外出恐怖症の人だっているし、豊かでも子供に恵まれない夫婦もいる。そんな彼らのなかで一番生き生きしていたのは案外知的障害者のめんめんだったかも。
アレンジされたビートルズナンバーが心地よかった。「ゴールデン・スランバー」や「ブラックバード」には胸が熱くなった。あと、日本でおなじみのチェーン店の数々(スターバックス、31、セブンイレブン、ピザハットなど)が登場するので楽しかった。

●映画音楽
音楽と映画といったらきりはなせない。サントラ全体で気に入ったのといったら、デイブ・グルーシンの「恋のゆくえ~ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」なんです。映画もよくって、ジェフ&ボー・ブリッジス演じるピアノデュオの兄弟が女性歌手(ミシェル・ファイファー)の参加で活気づく、その3人の恋と芸の物語です。グルーシンのサウンドがとてもムーディで素敵なんですね~。ジャズなんですが、適度にエレキトリックでそこが80年代風?あと、ファイファーの歌がイケてます!「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」なんてなかなか!このCD、中古美品を100円コーナーでみつけたときのヨロコビ、忘れられな~い!
サントラで気に入ったのはまだある。「パリ・テキサス」「ニュー・シネマ・パラダイス」「LOVELETTER」「グランブルー」です。テーマ曲で言うといっぱいありすぎるけど、これぞ映画のテーマ、というと「風と共に去りぬ」のタラのテーマは好きです。「ディア・ハンター」のカヴァティーナも、「ニックに乾杯!」のシーンを思い出すと泣けますね。あと、先ごろ「ナッティプロフェッサー2」でかかってた曲って島谷ひとみの「パピヨン」ですね?ジャネット・ジャクソンの曲ですが、あまりのちがいにびっくりしました。

●「老け役」について
映画のできというのはキャスティングが大きいと思うが「プリティリーグ」はきめが細かい。主役級の俳優たちは適材適所でいい味をだしているがラストをぐっとひきしめているのはOGのおばあちゃん女優たちだ。ロリ・ペティ、ジーナ・デービスが年をとったらほんとにこうなるんじゃないかと思うくらいの老女優さんたちがいきいきと演じている。この人たちなくして「プリティ・リーグ」の感動は完成しないだろう。「スペース・カウボーイ」でもイーストウッドやドナルド・サザーランドのそっくりさんにおどろいたが、アメリカの映画は子役や老け役を選ぶのに気を使っている。同時に層の厚さを感じる。

●フローレス
往年のヒーロー警備員ウォルトとオカマのラスティはアパートの上下にすんでいるが犬猿の仲。ある日アパートの発砲騒ぎで脳卒中をおこしたウォルトはリハビリに歌のレッスンをすすめられ、渋々ラスティをたずねる・・


気難しい元警備員のデ・ニーロとオカマのラスティがだんだん理解しあい、いい友人に・・という物語。とりまくゲイ連中もにぎやかで楽しい。
ふたつの氷のような関係だった二人が、いやいやレッスンを続けることですこしづつとけあい分かり合い、互いの痛みがわかるようになっていく。
ところどころ映画のタイトルがでてくるところが楽しいです。「羊たちの沈黙じゃないんだから・・」あぶないシーンで「グレース・ケリーの裏窓みたい・・」右足の動かないウォルトには「マイ・レフトフット状態ね!」などなど。

●ムーラン・ルージュ
1899年パリ。作家志望のクリスチャン(ユアン・マクレガー)は大人気のナイトクラブ、ムーランルージュの踊子、サティーン(ニコール・キッドマン)と恋におちる。


「ムトゥ踊るマハラジャ」ばりのゴージャスな舞台、次々に登場する歌や踊りは世代を超えた20世紀のヒット曲の数々。ディズニー映画のワンシーンのような甘いラブシーンもあれば、豪華カンカン、情熱的なアルゼンチンタンゴもあり。これまでにまったくなかったミュージカルといえます。特筆すべきはユアン・マクレガーの美声!立派に歌手としてやっていけそうな歌唱力には感服。酔えました!

●蝶の舌
転校してきたモンチョは先生をおそれていたが、グレゴリオ先生はとてもやさしい先生だった。先生はいろいろなことを教えてくれた。オーストラリアはどこにあるのか、蝶には舌があることも・・・。仕立て屋であるモンチョの親も、息子の喘息発作を助けてくれた先生に心から感謝し、服をプレゼントしたりする。でも戦争で、共和派の先生はつかまってしまう。


「コレリ大尉のマンドリン」もそうでしたが、まさに戦争は「人間がつくった地獄」。映画のほとんどは美しく牧歌的な雰囲気だけど、最後に地獄が待っている。あんなに慕っていた先生に「裏切り者」と叫ばせざるをえない親、泣きながら自分も叫ぶ父。石をつみあげるように築いてきた人間関係も戦争というやつは一撃で砕いてしまう。でもあれでおわりか~・・・ちょっとものたりないと思わないでもない。主人公、「ニューシネマ」のトト&アルフレートを思わせるコンビでした!

●フィッシャー・キング
NYの超売れっ子DJジャック(ジェフ・ブリッジス)はある日ラジオで不用意な発言をし、それがもとで大量殺人事件がおこってしまう。事件の3年後、今はうつ病でビデオ屋の店員におちぶれた彼は例の事件で妻を亡くした元大学教授のホームレス、パリー(ロビン・ウィリアムス)に出会う。パリーはキリストの最後の晩餐の聖杯を探しており、それを探すカギがジャックにあるという。パリーとつきあううちにジャックの人生は変わっていく。T・ギリアム感動の傑作!


R・ウィリアムスはこういう作品がいい!と思います。気のよさそうなホームレスの彼が、奥さんの死んだ場面を思い出すシーンは胸をつかれます。「ガープの世界」のアマンダ・プラマーがここでも印象的な役で登場しています。
ジャックが「金を払って救われるものなら!」と苦しむところはよくわかります。人からとりかえしのつかないものを奪ってしまった重さ、それは故意でなくても関係ないですね。
う~ん、テリー・ギリアムらしい!ファンタジックだし映像も・・。ロビン・ウィリアムス若い!2回見たんですが前に感動したところと同じところで(;_;)ウルウルきましたね。破壊されても生きている限り愛は再生する!再生し続ける・・そんな感じですねえ。まるで本を読むような、素敵な一作です

●ジャンヌ・ダルク
こういう映画をみるといつも、普通にお風呂に毎日入れてベッドで眠れるって幸せ~~(#^.^#)としみじみ感じます。生理のときなんてどうしてたんだろ・・・?主演が熱演でひきこまれました。それにしても火あぶりとは。ムゴイ

●エリザベス
最初は無邪気なお姫様だったのが、だんだんと色々な困難(主に人の裏切り)を経てスゴイ女王様になっていく!(鉄のような)そのプロセスが興味深い。人間の内面ドラマというかんじ。もちろん衣装もすごい~。(ケイト・ブランシェット主演)

●アメリカンヒストリーX
白人至上主義のリーダーと彼にあこがれる弟をめぐる皮肉な物語。この兄弟は父親が白人至上ぎみだが、もともと高校生くらいまでは普通だった。でも有色人種の先生の授業を「洗脳じゃないか」と父に言われたりしてだんだん影響されていく。子供は何でも吸収するからコワイ。善がたとえ底にあっても「本当はあの子はいい子なんだ」と言っても、実際に外に出さないことには・・・。(エドワード・ノートン主演)

●ポワゾン
文通&写真だけのお見合いで結婚を決めたキューバのコーヒー会社オーナー(お金持ち)、ルイス(アントニオ・バンデラス)。でも当日やってきた花嫁ジュリア(アンジェリーナ・ジョリー)は写真よりずっと美しい別人。しばらくは幸せな日々を過ごすが、ある日ジュリアはルイスの貯金を勝手に下ろして家を出て行ってしまう。


「絶世の美女」という設定なので、アンジェリーナはほんとに微妙な役どころ!写しかたによっては美女だし、全身のバランスは非常に美しいので・・。しかし例によってクチビルのアップが出るとうわっと思う。でも色っぽいことは確か。ラストはちょっとひねりすぎかとも思うけどまずまず面白く見ました。映像キレイ。バックのギター音楽もGOODでした。

●マイ・ドッグ・スキップ
動物と子供には勝てないっていいますけどま~この犬にはまいりますです。
とくにラストのところは泣かせますね!!!子供が子犬を飼うということはああいう別れがつきものなんでしょうか。哀しい。うちの猫を抱きしめて、
「おまえは死ぬまで絶対そばにいてやるからね!」と固く誓ったしまねこであった・・・。

●愛と追憶の日々・夕べの星
女手ひとつで娘を育て上げたオーロラ(シャーリー・マクレーン)。娘は大学教授と結婚して3人の子持ちになるが病に。33年にわたりケンカしながらも愛にみちた母と娘の半生が感動的。続編「夕べの星」では、娘エマの遺児をひきとり年をとってもなお恋や隣人との友情に生き生きと生きるオーロラのその後。

シャーリー・マクレーンはたいへん達者な女優なので、トップレディでもダンサーでもなんでもいいのだが私はこういうごく普通の家庭の主婦役が一番好き。もっともアメリカ人的女性をイメージさせてくれる。家をこまめに掃除し、おしゃべりしてお菓子を作り、中も外も花いっぱいにして写真でかざりたてるような昔ながらのママだ。美人ではないがはしっこくてリスみたいでチャーミングだ。「夕べの星」で、病気の隣人を無理やり家につれてきてしまうところは感動的。
オーロラはアルバムを整理するのが大好きである。友人は「スクラップより生きている人間の方が大事じゃないの?」というが、年をとるとそれだけでもないように思う。たしかに前向きではないが、いつでも前向き前向き、っていうのはあまり好きではない。生きている人間より、ときにアルバムの中の世界の方が輝いていたとしても、それはそれでしかたないんじゃないかなと思う。過去があって、現在があって、未来がある。みんなそのバランスをとって今を生きていくのだから、いつも明日ばかりをみて生きていくことが魅力的だとは思わない。年をとれば過去のウエイトが大きくなるのはあたりまえなのだもの・・・。

●ショートカッツ
夜、車を走らせたりしていてふとどこかの家の窓から中のようすが見えたりするとついのぞくともなく見て、どんな家具をおいてどんな家族が生活しているのかな、なんて想像するのって楽しくないでしょうか?あと、ドールハウスがあるとじ~っと何分も見入ってしまうとか。そんな人はこういう映画が合うかもしれない。どこかの家を覗き見している、そんな感じ。はじめはばらばらだった人物たちが、だんだんとつながっていくのが面白い。


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