風を感じて(着物の不思議)

風を感じて(着物の不思議)

2021.02.24
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カテゴリ: 仕事のこと
コサージュから縫製の仕事へ代えたのは、海外の物が参入し始めたから。
会社のホームページから、仕事の依頼が相次ぎ、

15000個の依頼だ。単価は600円程度。
500個の納品は出来るが、生地のカット、染め、成型とすべての工程を手作業でするのには、
700個が限界。

あまりに沢山の仕事が重なり、丸投げをしたことがあるが、
出来上がりの質があまりにも悪いので、商品にならなかった。
自分の目で納得の出来ないものを世の中に出すことは出来ない。

数もそうだが、単価600円で、赤字の仕事を受ける気もなかったので、低調にお断りをして、会社のホームページを閉じた。

海外の物は染めが単色だ。
色は基本3原色
例えばピンクの色は赤が基本。その濃度を薄めるとピンクになるが
このピンクはあまりにも軽薄なピンク。
ブルー寄りのピンクから、
黄色寄りのピンクまで。
一言にピンクと言っても数十種類ものピンクがある。

そしてこのピンクの中に、グリン(ブルーと黄色)とバイオレットを入れて深みを出す。
または茶色やグレーを入れて少々汚して、秋色のピンクにする。

お花にしても、洋服にしても、安価なものは色が単色だ。
その違いを見分けられる人が何人いるかは別として。
全く違うのだけれど。

着物に例えると良く分かるが、何度も何度も染められた糸で織る着物はとても美しい。

話はそれてしまったが、この海外から来た安価なものに対抗しようとすると、どんどん単価がさがり、そして一度下げた単価はなかなか上げられなくなる。
単価を下げるために材料の質を落とすか、
もしくは工程を抜くか。

毎日睡眠時間を削ってまで仕事をするのは、35歳までが限界で。
その後はだんだんと仕事を、縫製に移して行った。

ファッションは水物で、ことに近年はそのペースがとても早くなった。
皆が同じものを好み、個性が嫌われる日本で、
本物に目を向けられるのはいつの日なんだろうかと、思う。





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Last updated  2021.02.24 21:00:07
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