母が営むクリーニング屋の2階に篭り、ひたすらミシンを踏むだけの生活を送っている35歳の吉村正子。

丸眼鏡に太った体、服装にも気を使わない彼女は、友人も恋人も作らずに社会との接点を拒み続けてきた。

ところがある日、唯一の味方である母が急死。

葬儀で顔を合わせた美しい妹に罵られたことがきっかけで、正子は突発的に彼女を絞殺してしまう。

そして、側にあった香典を手に家を出て逃走生活を始めるのだった。

何というか・・・総てにおいて『ドロドロ』なのです。

ある意味、かなりリアルで、例えば、主人公が逃亡途中でレイプ（相手役が中村勘九郎さん）されるのですが、絶叫とかすごいし・・・身を寄せる場末のスナックとかも画面からアルコール臭がプンプンしそうだし。

観ていると辛くなってきて、何度ストップボタンに手がいったことか（苦笑）

でも段々、主人公が輝いてくるんですよねえ。

この映画は、完全に『大人用の映画』だなあと思いました。

歳が若過ぎるとチョット話のテーマが伝わりにくいだろうし、殺されてしまった妹の身勝手さ（性格のキツさではなく）が見えないでしょうね。

スナックのママさんのセリフで「お腹が空いたら食べ、お腹が空いたら食べ・・・遠くを見ないで生きて。そうしなければ、私も生きてこられなかった」という感じのがあったのですが、とても心に残りました。