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稲葉忍

稲葉忍

Jun 17, 2019
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カテゴリ: 読書・コミック
今回読んだ本は三島由紀夫の「金閣寺」。
1950年7/2に起こった金閣寺放火事件を題材にした小説で実際の犯人は動機を「美に対する嫉妬と、自分の環境が悪いのに金閣という美しいところに来る有閑的な人に対する反感からやった」と供述しており、三島は「美への嫉妬」をお題に小説化。

この頃の三島はボディビルに凝っており、文章の改造も試みていた。

・私(溝口)は実際の放火犯・林養賢同様舞鶴の出身で、吃音に苦しんでいたという設定。父は雇われ住職で結核にかかっているためろくに住職の仕事に携わっていない。死期を悟った父は「私」を知り合いが住職を務める鹿苑寺に預けることを決心。「私」は父から金閣寺は美しいものと教えられてきたが実際の金閣は美しくなく(今のように金箔が貼られていなかった)、落胆したもののますます金閣を美の象徴とみなすようになる。
・得度して住み込みで修行を始めることになった「私」は明るい性格で吃音を笑わない鶴川と友人になる。終戦後には「私」と同じで障害を持つが、それを逆手に取ってしたたかに生きている柏木と友人となる。柏木の紹介で女遊びをすることになった「私」だが、金閣の幻影に惑わされて女を知ることが出来ない。金閣の幻影に惑わされる「私」の姿はコンプレックスから抜け出せない人間の姿なのか?
・一度故郷に帰った「私」だが、父の死後母は「私」によく​出世してくれと言われるが、これもプレッシャーになっていたのか?
・戦後の金閣の様子、柏木から借金をして寺を出た「私」の描写は戦後の退廃を詳しく書いている。
・鶴川の死は交通事故ではなく自殺だったと柏木から聞いた「私」。それが引き金になって金閣を燃やそうと考える。で、実行に移した日。金閣に火をつけたものの怖くなって逃げだし、事前に用意したカルモチンと短刀を棄てて「生きよう」と考えた・・・って最後になるが死のうと考えず生きようと考えたのは罪を背負って生きようと考えたからなのか?


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最終更新日  Jun 24, 2019 08:49:36 PM
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