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2006年10月25日
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テーマ: お勧めの本(8033)
カテゴリ: オヨミモノ
家族八景改版

 いわゆる「SF作家」なのだろうが、恐らく欧米の作家には、発想自体あり得ないだろうと思われるタイプの、それでいて正統派のSFを紡ぎ出すストーリーテーラーといった趣の姿である。
 家族八景のコンセプトには、非日常から日常を眺めた場合の「奇異」に圧倒させられ、七瀬ふたたびでは、日常を取り囲む「不条理」を考えさせられ、エディプスの恋人に至って、全てを超えた「超常」を突き付けられた。

七瀬ふたたび改版  ここで紹介する三つの小説を「三部作」としたのは、主人公が同一人物「七瀬」であるためだけで、各々独立した小説としても十分楽しめる作品ではある。

 珍しく「粗筋」に言及するが、主人公の七瀬は、家族八景当時、高校出たての家政婦として登場する。
 彼女は「読心術」を超能力レベルで持つ少女で、表面上取り繕った家族が、裏で「本当は何を考えているか?」を感じ取ってしまう。 家政婦という職業柄、色々な「家」を渡り歩くこととなるが、8家族分の短編を連作としたのが、家族八景の全容である。
エディプスの恋人改版
 七瀬ふたたびでは、その後の彼女が「超能力者」であるが故の悲劇を綴っている。
少々違和感があるのは、元々三部作にするつもりはなかったのかもしれないが、七瀬ふたたびで、物語が一応の完結をみているように感じられる部分であろうか。
 エディプスの恋人の開始は、七瀬ふたたびからの続編である雰囲気はまるでない。とりあえず、七瀬ファンにとっては、彼女が生きて再び目の前に存在することに、胸を撫で下ろすことになるが、一応この話は「七瀬の存在意義」に言及しているような形で完結をみるため、納得できるかどうか?は、読み手次第といった趣となっている。

 何れにせよ「超能力者を主人公とするSF三部作」であることには、変わりはない。
「超能力=戦う」イメージが焼き付いた人には、少々大人し目の話ではあるが、読み応えは十分ある秀作と考える。
 是非、ご一読頂きたい。





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最終更新日  2006年10月27日 01時32分22秒
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